キャラクター | 1話【ヒルダとの再会】 |
ヴェイグ | ……エミル、どうだ ? |
エミル | ごめん、一通り街を回ってみたけど見つけられなくて……。 |
ヴェイグ | ……いや、気にしないでくれ。 |
ヴェイグ | それにしても、随分と人が多いな。これじゃあヒルダを捜すのも一苦労だ。 |
エミル | ハロウィンの時期だもんね。僕なんて子供にお菓子をねだられたよ。 |
ヴェイグ | 世の中には不思議な催し物があるんだな。 |
コーキス | ヴェイグ様 ! エミル様 ! |
エミル | コーキスにミリーナ。それにカイウスも来てくれたんだ。 |
カイウス | ああ、ヒルダにはたくさん助けてもらったからな。 |
ヴェイグ | すまない。オレたちの他にも捜してもらっているがまだ見つかっていないんだ。 |
コーキス | マスターも一緒に捜してくれてるぜ。どうだ、マスター ? ヒルダ様っぽい人は見つかったか ? |
イクス | 『魔鏡結晶を通して見ているけど人捜しって意外に難しいな』 |
イクス | 『でも、ヒルダさんの特徴は教えてもらったし見つかったらすぐに伝えるよ』 |
コーキス | マスターも頑張ってくれてるみたいだけどまだ見つからないって。 |
エミル | もしかして、ここにも帝国軍の手が回ってそれでヒルダさんが……。 |
ミリーナ | いえ、アスターさんの情報は信じていいと思うわ。帝国軍の警戒は薄いみたいよ。 |
イクス | 『 ! ! いた、この人か ! ! 』 |
コーキス | 見つかったのか、マスター ! ? |
イクス | ああ、えっと、髪の長い女性でターバンを巻いている人だよな ?それに、白い服を着ている。 |
コーキス | えっと、マスターが髪が長くてターバンを巻いてあとは白い服を着てる人を見つけたって。 |
ヴェイグ | オレの知っているヒルダの特徴と一致する。 |
ミリーナ | コーキス、イクスにヒルダさんがどこにいるのか教えてもらって。私たちもすぐに向かうわ。 |
コーキス | はい。マスター、場所を教えてくれ。 |
イクス | 『分かった。道案内は任せてくれ。それにしても随分と街の外れにいるな。小さな女の子と喋っているみたいだけど……』 |
コーキス | 街の外れにいるみたいだ。マスターが俺に道案内をしてくれるってさ。 |
ヴェイグ | よし、行くぞ。 |
ヒルダ | ……どうしようかしら ?このままじゃ参加するにも相手が……。 |
ヴェイグ | ヒルダ ! ! |
ヒルダ | ヴェイグ ! ?どうしてあんたが……。 |
カイウス | ヒルダ ! 迎えに来たぜ ! |
ヒルダ | カイウスまで……。 |
ヴェイグ | ヒルダ、色々と説明が必要なんだが……。ミリーナ、頼めるか ? |
ミリーナ | ええ、勿論です。 |
ヒルダ | ……なるほどね。やっぱり、あんたたちに手を貸していたのが帝国側に感づかれていたのね。 |
カイウス | それだけじゃないぜ。ヒルダやオレたちみたいな鏡映点をメルクリアが狙ってて危ないんだ。 |
ヒルダ | そうね……。 |
ヴェイグ | どうした、ヒルダ ? |
ヒルダ | いえ、ごめんなさい。……まだあんたたちと一緒に行くことは出来ないわ。 |
エミル | そんな……。 |
ヴェイグ | なにか、理由でもあるのか ? |
ヒルダ | アスター様から頼まれている仕事を残してこの街を離れるわけにはいけないわ。 |
ヒルダ | それに……。 |
ヴェイグ | …… ? |
カイウス | なんだよ、そういうことか。だったらオレたちにもその仕事手伝わせてくれねーか ? |
ミリーナ | そうね。ヒルダさん、ぜひ私たちに出来ることがあったら協力させて下さい。 |
ミリーナ | そのあとで、またお返事を聞いても構いませんか ? |
コーキス | もちろん、ミリーナ様が手伝うって言うなら俺も手伝うぜ ! |
ヴェイグ | ヒルダ、オレからも頼む。 |
ヒルダ | はぁ……。あんたたち、手伝う側が頼むって変だと思わないの ? |
エミル | えっと、そ、そう言われればそうだね。 |
ヒルダ | ……頼まれた物資の配達がいくつか残っているの。お願いできる ? |
コーキス | へへっ、そう来なくっちゃな !任せてくれ、ヒルダ様 ! |
ミリーナ | それじゃあ、みんなで手分けして配達をしましょう。 |
キャラクター | 2話【VS ソフィ・コンウェイ】 |
ヴェイグ | ……この店で最後か ? |
ヒルダ | ええ、ありがとう。予定より随分早く終わったわ。 |
カイウス | おーい、ヒルダ。こっちの仕事は全部終わったぞ ! |
ヒルダ | カイウスもお疲れ様。助かったわ。 |
カイウス | へへっ、良いって良いって。それでさ、二人に聞いて欲しいことがあるんだよ ! |
カイウス | この街で開催される“バトルオアトリート ! ”って知ってるか ? |
ヴェイグ | いや……。知っているか、ヒルダ ? |
ヒルダ | ええ、この街で毎年ハロウィンの時期に行われる催し物らしいわ。 |
ヒルダ | 子供たちはその戦いで活躍するお化けからお菓子を貰う事で厄払いをするそうね。 |
ヴェイグ | 厄払い ? お菓子を貰うことにそんな意味があったのか ? |
ヒルダ | ハロウィンで仮装をする理由に魔除けのためと記された歴史書も残っているの。 |
ヒルダ | それが時代とともに少しずつ変化して強いお化けからお菓子を貰って食べれば厄除けになるっていう風習がこの街に残っているそうよ。 |
カイウス | その強いお化けっていうのを集めるために開催されるのが“バトルオアトリート ! ”なんだよ ! |
カイウス | 実は、参加者が少なくて困ってるって街の人から聞いちゃったんだよ。んで、みんなで参加する流れになってよー。 |
ヒルダ | そう……、あんたたちも参加するのね……。 |
カイウス | まだエントリーできるし二人一組で参加だからヒルダとヴェイグで一緒にどうかと思ってさ。 |
ヴェイグ | ……仮装、か。 |
ヒルダ | そうね……私も参加しようかしら ? |
ヴェイグ | ……良いのか ? ヒルダ ? |
ヒルダ | ええ、私は構わないわ。 |
ヴェイグ | …………。 |
カイウス | なぁ、ヴェイグはどうする ? |
ヴェイグ | ……分かった。オレも参加しよう。 |
カイウス | よし ! 決まりだな。んじゃミリーナたちと合流しようぜ。衣装も用意してくれるってさ。 |
コーキス | “バトルオアトリート ! ”か。変わった催し物だけど楽しそうですね、ミリーナ様。 |
ミリーナ | ええ、みんなも参加してくれるみたいで良かったわ。 |
コーキス | しかも優勝者には“幸運のカボチャケーキ”っていうのが貰えるらしいですよ。 |
コーキス | 前はジューダス様が“幸運のカボチャ”を見つけてくれましたよね ? |
ミリーナ | そうね、なかなか手に入らないカボチャだからその“幸運のカボチャケーキ”が食べたくて参加してる人もいるかもしれないわね。 |
ヒルダ | お待たせ、これで良いのかしら ? |
ヴェイグ | ……変になってないだろうか ? |
コーキス | バッチリだぜヴェイグ様 !衣装は吸血鬼をイメージしてるんだったよな。 |
ミリーナ | ええ、ヒルダさんの魔女の恰好もとても素敵です。 |
ヒルダ | ええ、ありがとう。 |
ミリーナ | もうすぐ開会式が始まるわ。私たちも集合場所の広場へ行きましょう。 |
コーキス | よし、ヴェイグ様もヒルダ様もみんなで一緒に大会を盛り上げようぜ ! |
ヒルダ | “バトルオアトリート ! ”なんていう名前だからもっと闘技場のようなものをイメージしてたんだけど……。 |
ヴェイグ | それぞれチームに渡された“ジャックオーランタン人形”を街中で戦いながら死守する競技というわけか。 |
ヒルダ | 負けたら持っている人形は相手のチームに集めたものも全部渡すっていうルールだったわね ? |
ヴェイグ | しかし……これは……。 |
街の女の子 | 吸血鬼さーん ! がんばってねー ! |
街の男の子 | よ~し、魔女からお菓子貰えたぞ ! |
ヒルダ | こんなに注目を集めるものだとはね。 |
ヴェイグ | 大会中でも、子供にはお菓子を配らないといけないのか……。 |
コンウェイ | ははっ、今のヴェイグくんたちを見てるとジューダスくんの困った顔を思い出しちゃうな。 |
ヴェイグ | ……コンウェイ。 |
ソフィ | ヴェイグたちの持ってる“ジャックオーランタン人形”はわたしたちが頂くよ。 |
ヴェイグ | 最初の相手はお前たちというわけか。ヒルダ。 |
ヒルダ | ええ、久しぶりだけどちゃんと合わせて行くわよ、ヴェイグ。 |
ヴェイグ | 望むところだ。 |
キャラクター | 3話【VS ソフィ・コンウェイ】 |
ソフィ | 二人とも、強かった。 |
コンウェイ | はは、さすがに即席のコンビじゃヴェイグくんたちと差がついちゃったかな ? |
ソフィ | はい、これ。ヴェイグとヒルダに渡すね。 |
ヴェイグ | ん ? 人形が二つ ?オレたちと戦う前に誰かと戦っていたのか ? |
ソフィ | うん、えっとね……。 |
コーキス | ソフィ様たちが持ってた人形は俺たちのやつだよ。 |
アスベル | ソフィ、凄い戦いだったぞ。 |
ヒルダ | あんたたち、いつの間にいたの ? |
シェリア | 私たちは大会運営のお手伝いをしてるんですけどアスベルがどうしても気になるって……。 |
シェリア | コンウェイもありがとう。ソフィに付き合ってくれて。 |
コンウェイ | 気にしないで。ボクは以前のハロウィンの経験者だし色々力になれればと思っただけさ。 |
ヴェイグ | コーキス。お前たちが先にソフィたちと戦っていたのか ? |
コーキス | ああ、でもソフィ様と会ったらすぐにミリーナ様が人形を渡しちまったんだけどな。 |
ミリーナ | だって、可愛いソフィにお願いされたら断れないもの。 |
ヴェイグ | ……そういうことか。 |
コンウェイ | さて、ボクたちはどうしようか、ソフィ ?人形がなくなったボクたちは、これでお終いってルールなんだけど ? |
ソフィ | わたし、アスベルたちと一緒に行く。 |
アスベル | 良いのか ? 俺たちのことは気にせずお菓子を貰いに行ったりしても良いんだぞ ? |
ソフィ | ううん、みんなのお蔭でいっぱい楽しんだよ。だから、次はわたしがみんなのお手伝いする。 |
シェリア | ソフィ……。 |
ヒルダ | ……ねぇ、ヴェイグ。ソフィって子とあの子たちの関係ってどういったものなの ? |
ヴェイグ | アスベルとシェリアのことか ?そうだな……ソフィにとってアスベルたちは親のような存在なんだ。 |
ヒルダ | ……そう、親子みたいな関係ってことね。 |
ヴェイグ | ヒルダ……。 |
ヒルダ | 親子にも、色々な形があるってことかしら。 |
コンウェイ | じゃあ、ボクはルカくんたちのところに戻ろうかな。 |
コンウェイ | 久々とはいえ、スパーダくんたちがルカくんを困らせてないか心配だしね。 |
アスベル | 俺たちもそろそろ戻るよ。それじゃあソフィ、一緒に付いて来てくれるか ? |
ソフィ | うん、みんな、またね。 |
コーキス | ミリーナ様、俺たちはどうしますか ? |
ミリーナ | そうね、せっかくだからヴェイグさんたちに付いて行っていいかしら ? |
ミリーナ | ヒルダさんとも色々お話したいですし。 |
ヒルダ | 別に構わないけど……。私のことはヴェイグたちから聞いてるんじゃないの ? |
ミリーナ | ええ、でもヒルダさんから直接聞きたくて。 |
ヒルダ | それなら、子供たちが来たときはあんたたちもお菓子を配るのを手伝ってもらうわよ。 |
キャラクター | 4話【VS リアラ・ジューダス】 |
コーキス | へぇー、ヒルダ様ってタロットカードで占いもできたりするのかー。 |
ミリーナ | もしかして、運命の相手とかも分かっちゃうのかしら ? |
ヴェイグ | ミリーナ、お前も興味があるのか ? |
ミリーナ | ええ。私も占いをするんです。よく当たるってイクスが言ってくれてましたから。 |
ヴェイグ | そうなのか……。確かに、アニーもヒルダからタロット占いの仕方を教えてもらっていたな。 |
コーキス | なぁなぁヒルダ様。そのタロットカードで次の対戦相手とか分かったりできないのか ? |
ヒルダ | そうね、試しにやってみましょうか ? |
ヒルダ | “女帝”の正位置と“恋人”の逆位置……。 |
ヴェイグ | どういう意味なんだ ? |
ヒルダ | “女帝”の正位置は「母性」“恋人”の逆位置は「裏切り」という意味があるんだけど……。 |
リアラ | 見つけたわ ! |
ジューダス | 大人しく人形を渡してもらう……というわけにはいかないようだな。 |
ヴェイグ | 次の相手はリアラとジューダスか……。 |
コーキス | あれ ? リアラ様 ?たしかカイル様と一緒に参加するんじゃなかったか ? |
リアラ | そうよ……でも、でもカイルは…… ! |
ヴェイグ | どうしたんだ ? |
ミリーナ | まさか、カイルに何かあったの ? |
リアラ | それは……。 |
カイル | ぐっ……ああっ ! ! |
リアラ | カイル ! 大丈夫 ! ? |
ジューダス | ……諦めろ、もう手遅れだ。 |
カイル | ごめん、リアラ……。約束は守れそうにないよ……。 |
リアラ | そんな……。 |
ジューダス | カイルをここまで追い詰めるとは……。 |
カイル | 本当にごめん、みんな……。 |
カイル | ――まさか、食堂に置いていたのがリフィル先生が作ったクッキーだったなんて……。 |
ジューダス | この馬鹿ッ ! どうしてそんなものに手を出したんだ ! |
カイル | だって……、お腹が空いてたら力が出ないと思って、つい……。 |
リアラ | ごめんね、カイル。わたしの晶術も効かないの……。 |
カイル | 良いんだ……。ジュードがくれた薬もあるし一日ゆっくりしてたらすぐに良くなるよ。 |
リアラ | でも ! それじゃあカイルとハロウィンを楽しめないわ ! |
カイル | リアラだけでも行ってきてよ。オレは大丈夫だからさ……。 |
リアラ | 駄目よ ! カイルも一緒じゃなきゃ……。 |
カイル | ありがとうリアラ。 |
カイル | でも、オレはリアラにハロウィンを楽しんでほしいんだ。 |
ジューダス | ……カイル、それがお前の答えなんだな ? |
カイル | ああ、後は頼んだよ、ジューダス……。 |
ジューダス | 分かった。 |
ジューダス | リアラ。お前が今ここでやるべきことはカイルの看病じゃない……。 |
リアラ | ……ジューダス。わたし、決めたわ ! |
ジューダス | ……言わなくていい。すぐに支度するぞ ! |
ヒルダ | ……で、そのカイルって子はつまみ食いが原因で腹痛を起こしたってことね ? |
ミリーナ | ジュードさんが作ってくれた薬を飲んだのなら大丈夫だと思うんだけど……。 |
コーキス | カイル様……、負けるなよ。 |
ヒルダ | そんなに深刻なことなの ? |
ヴェイグ | 詳しいことはまた後で話す……。 |
ヴェイグ | だが、それでお前がカイルの代わりに出場しているということか、ジューダス。 |
ジューダス | ああ、不本意だがな。 |
リアラ | この大会の優勝者には“幸運のカボチャケーキ”が与えられるわ。せめてそれだけでもカイルにプレゼントしたいの。 |
ジューダス | そういうことだ。悪いが手加減はしないぞ ! |
キャラクター | 5話【VS リアラ・ジューダス】 |
リアラ | そんな、わたしたちが……。 |
ヒルダ | あんたには焦りがあったわ。もう少し冷静なまま戦っていれば結果は違ったかもしれないわね。 |
ジューダス | お前の言う通りだな。リアラ、今回はヴェイグたちに分があったようだ。 |
リアラ | …………そう、みたいね。 |
ヒルダ | ……あんたたちも私と一緒なのね。 |
コーキス | ん ? ヒルダ様。いま何か言ったか ? |
ヒルダ | ……いえ、気にしないで。ただの独り言よ。 |
ヴェイグ | リアラ、オレから提案があるんだがカイルのためにピーチパイを作るのはどうだ ? |
リアラ | カイルの、ため ? |
ヴェイグ | ああ、クレアにも声を掛けておこう手伝ってくれるはずだ。 |
ミリーナ | 良いわね。元気になったカイルもきっと喜んでくれるわ。 |
リアラ | ヴェイグ……、ミリーナ……。 |
ヒルダ | スールズでやったようなパーティを開くってことね。 |
ヴェイグ | ポプラおばさんのピーチパイを用意できないのは寂しいがな……。 |
コーキス | ポプラおばさん ? |
ヴェイグ | ああ、オレとクレアが世話になったヒトでな。ヒルダたちが来たときも、村のみんなで集まっておばさんのピーチパイを食べたんだ。 |
ヒルダ | あの時食べたポプラおばさんのピーチパイはとっても美味しかったわ。 |
コーキス | おおっ ! それならハロウィンの後はみんなでピーチパイパーティやろうぜ !カーリャ先輩も絶対喜ぶぞ ! |
ミリーナ | リアラ、私も一緒にカイルのためにピーチパイ作りしましょう。 |
リアラ | みんな……。 |
ジューダス | ……世話をかけるな。 |
ミリーナ | これくらいならお安い御用よ。 |
ヒルダ | 材料が必要ならアスター様にも頼んでみるわ。あんたたちのところ、大所帯だから準備するだけでも大変でしょうし。 |
リアラ | ありがとう、ヒルダ。ふふっ、ジューダスも手伝ってくれる ?ピーチパイ作り。 |
ジューダス | なっ ! ? そういうのはマリア……いや、とにかく僕が手を貸すのはここまでだ。そのあとのことまで付き合ってられん。 |
リアラ | 冗談よ。でも、手伝ってくれたお礼にジューダスの分もちゃんと用意するわね。 |
ジューダス | ふん……、勝手にしろ。 |
リアラ | それじゃあ、ヴェイグ、ヒルダ。優勝目指して頑張ってね。 |
ヒルダ | ……ええ、ありがとう。 |
ジューダス | 行くぞ、リアラ。僕たちの出番はこれで終わりだ。アジトに帰らせてもらう。 |
ミリーナ | あら、この大会が終わったら参加者のみんなでパレードに参加することになっていたはずよ ? |
ジューダス | なっ ! ? そんな話は聞いていないぞ。 |
リアラ | いけない、大会のことばかりでパレードのことは伝え忘れてたわ。 |
ジューダス | 全く……結局最後まで付き合わされる羽目になるのか。 |
リアラ | ジューダス。わたしたちは先にパレードの準備を手伝いに行きましょう。 |
ジューダス | パレードか……。また子供にマントを引っ張られるのだけは御免だな……。 |
ヴェイグ | ヒルダ、疲れはないか ? |
ヒルダ | 問題ないわ。 |
ヴェイグ | そうか、それを聞いて安心した。 |
ヒルダ | ヴェイグ、あんた……。 |
ヴェイグ | 今までのお前の戦いぶりを見てるとどうしても勝たなくてはいけない理由があるんだと思ってな。 |
ヴェイグ | とにかく、次も全力で行くぞ。どうやら、また相手から来てくれたようだ。 |
? ? ? | 一発、二発、あとたくさん~ ! ! |
コーキス | この技はッ ! ? |
ヴェイグ | 伏せろ ! オレが止めるッ ! |
キャラクター | 6話【VS パスカル・ヒューバート】 |
ヴェイグ | はあああああっ ! |
パスカル | えっ ! ウソっ !あたしのミサイルが全部凍っちゃったよ ! |
ヒューバート | 想定の範囲内です。ですが、ここまで隙がないとは思いませんでした。 |
ヒューバート | これがフォルスの力……。できればヒルダさんの能力も見ておきたかったのですが……。 |
二人 | …………。 |
ヒューバート | ちょっと待ってください。何ですかその目は……。 |
ヴェイグ | いや、その……。 |
ヒルダ | なんというか……。あんた、堅物そうにみえて随分可愛い仮装を着るのね……。 |
ヒューバート | なっ、何を言ってるんですか ! ?そもそも、この仮装はパスカルさんが勝手に ! ! |
コーキス | 俺は似合ってると思うぜ、ヒューバート様。特にその尻尾とか ! |
ヒューバート | 止めてください ! 余計意識してしまいます ! |
イクス | 『分かるよ……仮装するならやっぱり眼帯とか、黒いマントとかカッコイイのを着たいよな……』 |
パスカル | ええ~、でもちゃんと着てくれたから弟くん、気に入ってくれてるのかと思ったよ~。 |
ヒューバート | それは……せっかく用意してくれたものを無下に断るわけにもいかないでしょう。 |
ヒューバート | こんな姿、兄さん達に見られたらなにを言われるか……。 |
コーキス | つまり、いつも通りヒューバート様はパスカル様のために一緒に参加したってことだな。 |
ヒューバート | 違います ! パスカルさんに付いてきたのは……。そう ! ソフィも参加するといっていたので仕方なくここにいるんです。 |
ヒルダ | 賑やかな子たちね。 |
ヴェイグ | 大体いつもこんな感じだ。 |
ミリーナ | ふふっ、ヒューバートさんの仮装も素敵だけどパスカルの仮装もとっても可愛いわ。 |
パスカル | ありがとうミリーナ !結構デザイン凝ったんだよね~。 |
ヒューバート | 無駄な機能がついた仮装じゃないと良いのですが……。 |
パスカル | 流石にそんな時間はなかったから断念したけどもっと面白いものは準備できたかな~。 |
パスカル | おっと、これはまだ秘密だった。 |
ヒューバート | よく分かりませんが……。とにかく、ヴェイグさん、ヒルダさん。あなたたちを倒して優勝は頂きます。 |
ヴェイグ | ああ、かかってこい。 |
ヒルダ | あんたたちが持ってる人形は頂くわ。 |
パスカル | よ~し、それじゃあバトル開始だ~ ! ! |
キャラクター | 7話【VS パスカル・ヒューバート】 |
パスカル | あ~、駄目 ! 降参だよ~ ! |
ヒューバート | ……ここまで、ですか。 |
パスカル | じゃあ、あたしたちの“ジャックオーランタン人形”はヴェイグたちにあげるね。 |
パスカル | はい、ドドーンとプレゼント ! |
ヴェイグ | ……随分な量だな。 |
パスカル | うん、弟くんが頑張ってくれてたからね~。色々作戦とか考えてくれてさ。 |
ヒューバート | 別に……ぼくは参加するなら全力でやると決めただけです。 |
ヒルダ | ……そう、あんたも大変ね。 |
ヒューバート | どういう意味ですか ? |
ヒルダ | 知りたければ、今度あんたのことも占ってあげるわ。参考にしてくれると良いんだけどね。 |
ミリーナ | あら、大会が終わる合図だわ。 |
ヒルダ | となると、いま私たちが持っている“ジャックオーランタン人形”の数で優勝チームが決まるのね。 |
パスカル | よ~し、それじゃあみんなで……。えっと、終わったらどこに集合だっけ ? |
ヒューバート | 中央広場ですよ。 |
パスカル | そっか ! んじゃ、そこまでレッツゴー ! |
街のアナウンス | 今回の“バトルオアトリート ! ”の優勝はヴェイグ&ヒルダチームのお二人でした~ ! |
マルタ | あーあ、私も“幸運のカボチャケーキ”食べてみたかったな……。 |
エミル | 僕たちも良いところまで行ってたんだけどね。 |
マルタ | あっ、でもエミルには特製クッキーを用意してるから楽しみにしててね ! |
エミル | ええっ ! ? そっ、そうなんだ……ははっ……。 |
カイウス | ノイシュもお疲れ !子供たちに囲まれて大人気だったな ! |
ノイシュ | きゅーん……。ワフッワフッ。 |
街のアナウンス | では、このあと大会を盛り上げて下さった皆様には、パレードに参加して頂きますのでしばしお待ちください。 |
コーキス | ヴェイグ様、ヒルダ様 !優勝おめでとう ! |
ミリーナ | 凄いわ、二人とも。 |
ヴェイグ | ああ、なんとかな。 |
クレア | ヴェイグ、ヒルダさん。お疲れ様。 |
ヴェイグ | クレア ! 来ていたのか……。 |
クレア | ええ、ヴェイグが頑張ってるって聞いたから。仮装もとっても似合ってるわよ。 |
ヴェイグ | そっ、そうか……。 |
クレア | ヒルダさんも久しぶりね。 |
ヒルダ | あんたも元気そうで良かったわ。 |
クレア | ふふっ、ヒルダさんの衣装も素敵よ。このあとのパレードも楽しみにしているわね。 |
ヒルダ | ……あまりジロジロ見ないでよ。 |
クレア | ねぇ、ヒルダさん。久しぶりに会えたし、パレードまで少しお話しましょう ? |
ヒルダ | ……ごめんなさい、これから少しだけ席を外すつもりなの。 |
ヒルダ | パレードの時間までには帰って来るつもりだけど……。 |
クレア | そうなの ? じゃあ、私は先にパレードの準備を手伝っておくわ。またゆっくりした時に話しましょう。 |
ヴェイグ | ヒルダ……。 |
ヒルダ | ヴェイグ、ごめんなさい。ずっと言おうと思ってたんだけど……。 |
パスカル | はいは~い、みんな注目~ !ハロウィンイベントどうだった ? |
コーキス | あれ ? パスカル様、あんなデカい木に登ってなにやってんだ ? |
ミリーナ | そういえば、この中央広場にあんなに大きな木って生えてなかったわよね ? |
パスカル | ふふ~ん、良いところに気が付いたね、ミリーナ。 |
パスカル | そう、これこそがあたしが準備していたハロウィンサプライズイベントなのだっ ! ! |
全員 | ハロウィンサプライズイベント ? |
キャラクター | 8話【VS ハロウィントレント君】 |
リアラ | パスカル、どうしたのかしら ? |
ジューダス | あいつの考えていることなど分かるか。理解しようとしても無駄なだけだ。 |
ヒューバート | パスカルさん、いないと思ったらどこに行ってたんですか ? |
パスカル | 弟くん、ごめんね~。ちょっと最後の調整をやってたんだよ。 |
ヒルダ | 調整 ? |
シェリア | えっと、それで、パスカルその変な木はいったいなに ? |
パスカル | あたしもみんなに驚いてもらおうと思って作ってみたんだよ~。どうどう ? ビックリした ? |
エミル | なんか、うねうね動いてるね……。 |
ソフィ | なんだかカボチャみたい。 |
コンウェイ | ははっ、また変なものを作ったね、パスカルさん。 |
アスベル | なかなかカッコイイ装飾じゃないか、パスカル。 |
シェリア | えっ……カッコイイ ? |
パスカル | 名付けて、“ハロウィントレント君” !とっても強くて怖ーいお化けなのだ~ ! |
ハロウィントレント君 | グアアアアアアッ ! ! |
コーキス | なんかめっちゃ叫んでるぞ、あのお化け ! |
ヴェイグ | パスカル。そいつを使って何をするつもりだ ? |
パスカル | んっとね、あたしもなんかハロウィンのイベントを盛り上げたくてさ~。みんなでドドーンと戦える相手が欲しくて ! |
ヒルダ | はぁ……、つまり、私たちがその変な木を倒せば満足するってわけね。 |
パスカル | そういうこと ! さあ、かかってこい ! |
街の男 | おおっ、良いぞ ! まだまだ楽しませてくれよあんたたち ! |
街の子供 | お兄ちゃん、お姉ちゃんたちがんばって~。 |
コーキス | へへっ、街の人たちは喜んでくれてるみたいだな。 |
ミリーナ | 一応、パスカルのサプライズは成功してるってことかしらね。 |
ヒルダ | わざわざこんなのを作るなんて呆れたものね……。 |
ヴェイグ | 仕方ない……。一気に行くぞっ ! |
キャラクター | 9話【VS ハロウィントレント君】 |
ヴェイグ | ……終わりだ。 |
ハロウィントレント君 | グアアアアアアアアッ ! ! |
パスカル | あああああっ !あたしの“ハロウィントレント君”がああっ ! |
ヒューバート | ……退治される為に作ったんでしょう ? |
パスカル | あっ、それもそっか。 |
ジューダス | 相変わらずよく分からん奴だ。 |
シェリア | まったくもう……。パスカルってば……。 |
マルタ | 今度こそ“バトルオアトリート ! ”はお終いよね ?だったら、もうすぐパレードが始まるから準備しよ、エミル。 |
エミル | そうだね。子供たちに配るお菓子貰ってこなきゃ。 |
ヒルダ | ……ミリーナ、パレードだけど少しだけ私たちは遅れると伝えてもらえるかしら? |
ミリーナ | はい、それは構いませんが……。 |
ヒルダ | それと、ヴェイグ。あんたには一緒に付いてきてほしいの。大丈夫かしら ? |
ヴェイグ | ああ、問題ない。オレが疑問に思っていたことも解消されそうだしな。 |
女の子 | ……わぁ、ありがとうお姉ちゃん ! |
ヒルダ | 約束したでしょ ? この“幸運のカボチャケーキ”をちゃんとあなたに届けに来るって。 |
女の子 | うん ! お母さんも喜んでくれるよ !昔、お父さんと一緒に食べた思い出のケーキなんだって……。 |
女の子 | お兄ちゃんもありがとう ! |
ヴェイグ | いや、オレは……。 |
ヒルダ | ほら、いつまでも玄関にいたらお母さんが心配するわよ。 |
女の子 | えっと、お姉ちゃん !本当にありがとう ! |
ヒルダ | じゃあね。お母さん元気になると良いわね……。 |
ヒルダ | 悪いわね、最後まで付き合わせちゃって……。 |
ヴェイグ | 気にするな。初めから、なにか理由があると思っていたからな。 |
ヒルダ | 私が大会に参加したこと ? |
ヴェイグ | ああ、お前の性格じゃあわざわざ仮装してまで大会に参加するとは思えんからな。 |
ヒルダ | 別に……隠しておく必要もなかったんだけど……。 |
ヴェイグ | コーキスたちが盛り上がっているところに水を差すようなことをしたくなかったってところか ? |
ヒルダ | それもあるけど……。私がちゃんと戦いに勝って、あの子に“幸運のカボチャケーキ”を渡したかったのよ。 |
ヒルダ | あんたたちと出会う少し前にあの子、泣きながら私にあのケーキを譲ってほしいって言ってきてね……。 |
ヒルダ | どうやら、大会の景品もアスター商会の人間が用意してると勘違いしたみたいなの。 |
ヴェイグ | それで、お前は知ったんだな。あの子の母親が病で伏していることを……。 |
ヒルダ | 自己満足だと思うわよ。私は、自分がお母さんにしてあげなかったことをあの子にさせたかっただけ……。 |
ヒルダ | 私は親孝行なんて一度もしてあげられなかったから……。 |
ヴェイグ | ……良いんじゃないか ?お前がそうしたかったなら。 |
ヒルダ | ……えっ ? |
ヴェイグ | オレは、お前のやったことがただの自己満足だなんて思わない。 |
ヴェイグ | 病気で寝込んだ母親のためにあのケーキを欲しがる女の子に出会ってお前は放っておけなかった。それで十分だ。 |
ヒルダ | ……ヴェイグ。 |
ヴェイグ | ヒルダ、オレたちと一緒に来ないか ?オレは、この世界でもお前の力を貸してほしいと思っている。 |
ヴェイグ | もし、もうこの世界でのお前の居場所を見つけたのなら無理にとは言わないが……。 |
ヒルダ | そうね、前にも言ったはずよ ?馴れ合いは嫌いだって……。 |
ヴェイグ | ヒルダ……。 |
ヒルダ | ……、なんて昔の私なら断ってたわね。 |
ヒルダ | 良いわよ、あんたたちに付いていくわ。初めからそのつもりだったしね。 |
ヴェイグ | お前の冗談は分かりにくいんだ。 |
クレア | あっ、やっと見つけたわ。二人とも、パレードがもう始まっちゃうわよ ? |
ヴェイグ | すまない、クレア。 |
ヒルダ | ふふっ、クレアに頭が上がらないのは変わってないみたいね。 |
ヴェイグ | ……そんなことはない。 |
ヒルダ | 懐かしいわね、この感じ。そういえば、まだあんたたちにはちゃんと言ってなかったわね。 |
ヒルダ | ヴェイグ、クレア。こっちでも宜しくね。 |
クレア | ええ、もちろんです。よろしくお願いします、ヒルダさん。 |
ヴェイグ | ああ、宜しく頼む。 |
クレア | じゃあ、アジトに帰る前にもう少しハロウィンを楽しんでいきましょう。 |
ヴェイグ | ……やれやれ、ハロウィンの夜はまだ続くということか。 |