キャラクター | 1話【忍び1 盗賊忍者】 |
ミント | お待たせしました、クレスさん。そちらはどうでしたか ? |
クレス | うん、忍者の目撃情報はいくつか出て来たけどそれが女の子だったかどうかは分からなかったよ。 |
ミント | そうですか。もしかしたらすずちゃんかも知れないと思ったのですが……。 |
クレス | ミント、もう少し情報を集めてみよう。すずちゃんだったら、僕も早く会いたいしね。 |
ミント | はい、この町ですずちゃんに会えたら情報を見つけてくれたカロル調査室の皆さんにお礼を言わなくてはいけませんね。 |
クラース | 遅くなってすまないな、クレス、ミント。 |
ミント | クラースさん、それにセルシウスさんも来てくださったのですね。 |
セルシウス | わたしはお目付け役だけどね。 |
クレス | お目付け ? クラースさんの、ですか ? |
クラース | コホン。いや、今のは気にしないでくれ。それより、この界隈にいるという忍者については何か分かったのか ? |
クレス | いえ、事前に教えてもらった情報以上のことはなにも……。 |
ミント | ロイドさんにコレットさん、コーキスさんとも一度合流したほうが良いかもしれませんね。 |
クラース | よし、ならばロイドたちにも連絡を……。ん ? どうしたんだ、セルシウス ? |
セルシウス | ……ねぇ。町の様子が騒がしくなってないかしら ? |
カーリャ | クレスさま ! 聞こえますか ? |
クレス | カーリャ ? どうしたんだいなんだか慌ててるようだけど。 |
カーリャ | それが、コーキスがカーリャと連絡を取ってる最中に盗賊と鉢合わせたみたいなんです ! |
クラース | なに ? では、この町の騒ぎは盗賊のせいか。 |
カーリャ | コーキスは大通りにいると言っていました ! |
クレス | ありがとう、カーリャ。みんな、僕たちもすぐに応援にいこう ! |
セルシウス | 見つけたわ ! |
盗賊 ? | なんだ ! ? 急に氷の壁が ! ? |
コーキス | セルシウス様 ! それにクレス様たちも ! |
クレス | 遅くなってごめん、コーキス ! |
コーキス | よし、これで形勢逆転だぜ。 |
クラース | 黙って見過ごすわけにはいかないな。 |
クレス | ええ、このまま僕たちで確保します ! |
盗賊 ? | くそっ、こうなったら…… ! |
ミント | 二人とも、危ないッ ! |
クラース | くっ……間に合ってくれ…… ! |
ミント | クレスさん ! コーキスさん ! |
セルシウス | よく見なさいミント。二人とも無事よ。 |
コーキス | あれ ? 俺たち、爆発に巻き込まれたのになんともないぞ ? |
クラース | なに ? 私の召喚術は間に合わなかったはずだが……。 |
? ? ? | ふぅ……あんたたち、怪我はなかったかい ? |
クレス | はい。あなたが、僕たちを助けてくれたんですね。ありがとうございます。 |
? ? ? | 気にしないどくれ。こっちも今の奴らを追っていたんだ。 |
コーキス | あっ、そうだ ! あいつらを捕まえないと ! |
クラース | 残念だが、私たちの視界を遮ってる間に逃げられてしまったようだ。 |
? ? ? | 逃げ足の速い連中だからねぇ。おかげで捕まえるこっちも苦労してるよ。 |
ミント | この方……どこかで……あっ ! |
? ? ? | ん ? どうしたんだい ? |
ミント | あの、もしかしてあなたは“藤林しいな”さん、ではないでしょうか ? |
しいな | えっ ! ? なんであたしの名前を知ってんのサ ? |
コーキス | この人がしいな様ってことは俺たちが来たのも無駄骨じゃなかったな ! |
しいな | ちょっと、あんたたち、一体なんの話を―― |
ロイド | さっきの爆発の音、この辺だったよな。 |
コレット | うん。あ、みんなも居るよ――あれ ! ? ロイド ! 見て !あそこにいるのって……。 |
ロイド | えっ ! ? しいな ! ? しいなじゃないか ! |
しいな | ロイド ! ? それにコレットまで ! ! |
ロイド | もしかしたら、しいながこっちに来てるかもって聞いて、本当なら早く会いたいって思ってたんだ。 |
コレット | うん。何も知らない世界に放り出されたら心細いだろうなって思ってたから無事に再会できて本当に良かった……。 |
しいな | ……あんたたちもこの世界に来てたんだね。 |
セルシウス | どうやら、自分の身におきたことがなんとなくわかっているみたいね。 |
しいな | ……あんたは ? 記憶にない顔だけど。 |
セルシウス | そうよね。あなたの世界では違う外見だから。とにかく、まずは状況の説明をしましょうか。 |
キャラクター | 2話【忍び2 契約】 |
しいな | つまり……あたしはその鏡映点ってやつでこの世界に具現化されちまった訳だね。 |
しいな | おまけに、元の世界の連中が根こそぎ具現化されてるとはねぇ……。 |
しいな | それどころか精霊もいてミトスやマーテルまでいるなんてまるでおかしな夢を見てるみたいだよ。 |
ロイド | そうだよな。しかもミトスは今、俺たちに協力してくれてるんだぜ。 |
しいな | はぁ……。何だか全然想像できないよ。だってあのミトスだろ ? |
しいな | ま、あんたがウソつく理由もないし信じるしかないんだけどサ。 |
コレット | これからは、しいなも一緒にいられるんだね。すごく嬉しい !きっとみんなも喜んでくれるよ ! |
ロイド | ああ ! 俺もしいなに会いたくて会いたくて仕方なかったから、こうやって元気そうな顔を見られてすっげー嬉しいぜ ! |
しいな | な、何だいロイド ! ? そ、そんな大げさな……。あんたにはコレットがいるしあ、あたしなんて、別にいてもいなくても……。 |
ロイド | 何言ってるんだよ !しいなは俺たちの大事な仲間なんだ。 |
ロイド | 会いたかったに決まってるし会えなくて寂しかったんたぜ。 |
しいな | ――はは……。仲間、ね。そうだった。あんたはそういう奴だったよ。 |
ロイド | クレスたちの仲間も、早く見つかるといいんだけどな。 |
クレス | すずちゃんの情報は、引き続きカロル調査室にお願いしてみるよ。 |
しいな | ――ちょっと待っとくれ ! ? すずだって ! ?それにあんた、クレスって名前なのか ?じゃあ、すずが元の世界で旅してた仲間ってのは……。 |
ミント | しいなさん、すずちゃんをご存じなんですか ! ? |
クラース | しいな。君の知っているすずという少女はいまどこにいるんだ ? |
しいな | すずは今“盗賊忍者”を追って別行動してるんだよ。 |
コーキス | “盗賊忍者”って、さっき俺たちが見た奴らか ? |
しいな | ああ。あたしとすずは、この世界に来てからこっちの世界の忍者の里に身を寄せていてね。色々お世話になったんだよ。 |
しいな | さっきの連中は、忍者の里から離れた忍者なんだよ。長年伝わってきた忍術を悪用する連中を、里の人も放っておけないってんで、あたしらも協力してるのサ。 |
セルシウス | それで、すずと手分けして動いていたのね。 |
しいな | ああ、あいつらの根城を見つけてとっ捕まえてやるんだ。 |
ミント | しいなさん、私たちも一緒に里へ連れて行って貰えないでしょうか ? |
クレス | 盗賊忍者を捕まえることにももちろん協力します。 |
しいな | 本当かい ? それはありがたいね。すずの仲間が力を貸してくれるのなら百人力サ。 |
クラース | ならば、我々はその里に向かうと……ううっ ! |
ミント | クラースさん、しっかりして下さい。 |
セルシウス | マズいわね、クラースのアニマが不安定になってる。さっき無理に召喚術を発動させようとした結果よ。 |
クラース | アーチェがこの場にいなくて良かったよ。また私を年寄り扱いするからな。 |
セルシウス | あなた、ここ最近ずっと寝てなかったじゃない。倒れそうになるのも当たり前よ。 |
クラース | ……ふっ、召喚術の研究の為だと思っていたが今回は流石に根を詰めすぎてしまったようだ。 |
しいな | もしかして、あんたも召喚士なのかい ? |
クラース | そういえば、資料によると君も召喚士としての力を持っていたんだったな。 |
しいな | ああ……。でもこっちの世界に来てから上手くいかないんだよねぇ。 |
クラース | それは君のアニマチャネルの調整が必要だからだ。これを使えば、おそらく君にも召喚術が使えるようになる。 |
しいな | これは、ペンダントかい ? |
クレス | クラースさん、召喚術に必要なアイテムを完成させたんですね。 |
クラース | ああ、但し、こちらの世界にいる精霊と契約をしなければならないがな。 |
クラース | 私からの餞別だ。これから相手をする敵がいるのなら君も本来の力を取り戻しておいたほうがいいだろう。 |
しいな | そいつは助かるけど、こっちの精霊とはどう契約するんだい ?大体、あんたが精霊と契約してるなら、あたしとは―― |
セルシウス | その点は心配いらないわ。あなたの世界と違ってこの世界では、精霊は複数の召喚士と契約できるのよ。だから、わたしと契約しましょう。 |
しいな | えっ…… ! ?――あっ ! もしかしてあんた精霊のセルシウスなのかい ! ? |
セルシウス | 気づいてなかったの ? |
しいな | し、しょうがないだろ !見た目だって、あたしの知っているセルシウスと違うんだから。 |
セルシウス | 仕方ないわね……それじゃあ……。 |
セルシウス | こちらの姿と口調を変えれば、おまえたちにも馴染み深いだろう ? |
ロイド | うわっ ! ? セルシウスが俺たちの世界の姿に変わっちまったぞ ! ? |
セルシウス | さあ、契約者しいなよ。召喚士としての力、この世界で再び私の前に示してみよ。 |
キャラクター | 3話【忍び2 契約】 |
セルシウス | 見事だ、しいな。では、契約の儀式を。誓いの言葉をたてよ。 |
しいな | ああ、それじゃあ……。 |
しいな | この世界でも、あたしに力を貸しておくれセルシウス。 |
セルシウス | 承知した。私の力、見事使いこなしてみせよ。 |
コレット | うわー ! よかった !これで精霊との契約はばっちりだね、しいな。 |
しいな | あんたたちのおかげサ。久々だったけど、上手くいってよかったよ。 |
セルシウス | 私の役目も、ひとまずはこれで完了だな。あとは――。 |
ロイド | あっ、いつものセルシウスに戻った ! |
セルシウス | 今からアジトに戻るのに姿を変えてると説明が面倒でしょ ? |
コーキス | なんだ、セルシウス様は一緒に行かないのか ? |
セルシウス | わたしは、この人を送り返す仕事があるからね。 |
クラース | ……どうして私を見るんだ ?私だって、すずがいるのなら一緒に行くつもりだぞ。 |
セルシウス | その道中でまた倒れても困るでしょ ?今は大人しく休養しなさい。 |
セルシウス | さもないと、あなたが隠している大事な飲み物をヒルダたちに渡すわよ ? |
クラース | なんだと ! ? あれは年代物なんだぞ ! |
クレス | クラースさん、すずちゃんのことは僕たちに任せてください。 |
ミント | はい、今度は私たちが皆さんの力になるために頑張ります。 |
クラース | わかったよ、あとはお前たちに任せる。すずに会ったら、よろしく伝えといてくれ。 |
コーキス | よし、それじゃあ、すず様がいる里に行こう。 |
コーキス | へぇ~、ここがしいな様たちがいる里なんだな。 |
コレット | なんだか、ミズホの里に似てるね。 |
しいな | あたしも最初に来たときはビックリしたよ。ビフレストって国に元々ゆかりがあるんだとサ。 |
ミント | すずちゃんがいた忍者の里ともどこか似ていますね。 |
クレス | こんなところでも、ロイドたちの世界と似ているところがあるんだね。 |
しいな | さあ、着いたよ。ここがすずとあたしが借りている家さ。 |
しいな | おーい、すず。帰って来てるかい ? |
コレット | ……返事ないね。 |
しいな | やっぱり、まだ帰って来てないんだね。せっかくだから上がって待っといてくれ。 |
ロイド | よ~し、それじゃあお邪魔しま……。 |
しいな | あっ、ロイド ! ちょっと待っとくれ…… ! |
ロイド | なっ、なんだ ! ? |
コーキス | ロイド様の前に矢が ! ? |
しいな | あの子……やっぱり罠を解除せずに出かけたようだね……。 |
ロイド | 早く言えっつーの ! ! |
ミント | 私、なんだが見覚えがある気がするのですが……。 |
クレス | はは……、すずちゃんの里の頭領に会いに行ったときも、こんなことがあったね。 |
コレット | ロイド、大丈夫 ? |
ロイド | ああ、コレットも転んで変なスイッチ押さないように気をつけろよ。 |
しいな | ロイドの言う通りだよ、コレット。あたしがちゃんと解除していくからちょっと後ろに下がって待ってな。 |
コレット | うん、わかった。 |
しいな | これをこうして……っと。 |
しいな | よし、これで終わりだ。 |
クレス | もう大丈夫なんだね ? |
しいな | ああ、心配しなくていいよ。仕掛けられた罠は全部解除して……。 |
| ――カチッ。 |
三人 | …………へっ ? |
三人 | わああああああああああっ ! ! |
コーキス | 今度は横の壁が飛び出してきたぞ ! |
コレット | ロイドたちも外に飛び出しちゃった。 |
ミント | はっ、早くクレスさんたちを助けに行きましょう ! |
キャラクター | 4話【忍び3 里】 |
盗賊忍者A | ふぅ~、今日も金目の物が大量に手に入ったな。 |
盗賊忍者B | まぁ、取り分の半分はお頭に回っちまうがうまい汁が吸えることには変わりねぇ。 |
すず | …………。 |
すず | (私の尾行には気が付いていないようですねならば、このままこの根城の全体図をしいなさんに報告すれば……) |
盗賊忍者A | だが、別の部隊は街で交戦になったらしい。しかも、街の自警団ではない連中だったそうだ。 |
盗賊忍者B | そうなのか ? 一体どんな連中だったんだ ? |
盗賊忍者A | 頭に赤いハチマキを巻いた剣士に白い服と帽子を被った女性だったらしい。 |
すず | ( ! ! それって……) |
盗賊忍者A | まぁ、次に行く場所が決まればまた好き放題やらせてもらうさ。 |
すず | ……もしかして、クレスさんやミントさんもこの世界に……。 |
すず | いえ、私は任務中の身。私情を挟むわけには……。 |
すず | そう、今は忍者として使命を全うしなくてはいけないのです。 |
すず | ……クレスさん、ミントさん。 |
すず | すずは……またあなたたちに会えるのでしょうか ? |
しいな | はぁ……本当、酷い目に遭っちまったよ。 |
コーキス | 三人とも池に落ちてびしょ濡れだったもんな……。つーか、しいな様って案外ドジだな。 |
しいな | それを言われると……面目ない。 |
コレット | ロイドたち、ちゃんと替えの服見つけられたかな ? |
クレス | みんな、待たせたね。 |
コーキス | おおっ、クレス様にロイド様その服カッコいいな ! ! |
ロイド | へへ、サンキュー !この里の人たちがこの服を使っていいってさ。 |
コレット | 二人とも、とっても似合ってるよ♪ |
ミント | 普段とは少し違う雰囲気で素敵ですね。 |
クレス | ありがとう。動きやすくて僕もすぐに気に入ったよ。 |
ロイド | ジーニアスとミトスがいればあいつらにも自慢してやりたかったんだけどな。 |
コーキス | ミリーナ様にもさっき連絡したんだけど他の街でも盗賊忍者の被害があってみんなその対応に追われてるみたいなんだ。 |
しいな | なおさら、早くあいつらをどうにかしないといけないねぇ……。 |
しいな | ん ? あれって……。 |
ロイド | なんだ ? あの鷹、こっちに近づいてきてないか ? |
しいな | すずからの連絡だよ。鷹の足に手紙を巻いて、届けるようにしてるんだ。 |
ロイド | へぇ、そんなことが出来るのか。忍者ってミズホの里の人たちに似てると思ってたけどこういう連絡手段は見たことなかったな。 |
しいな | ああ。まぁ、あたしらは忍者ってのとは違うからね。 |
ミント | しいなさん、すずちゃんから連絡の内容はどういったものなんですか ? |
しいな | 朗報だよ。あの子、相手の潜伏先を発見して今はその場所で待機してるみたいだ。 |
コレット | 敵の潜伏先にいるなんて、すずちゃんは危なくないの ? |
クレス | 大丈夫だよ、コレット。すずちゃんは強いし、とても頼りになる仲間だから。 |
しいな | あの子のことだから無理はしていないと思うけどこの手紙はあたしに向けた応援要請の連絡だったよ。 |
コーキス | それなら、俺たちもすず様がいる場所に行こうぜ。 |
しいな | ああ、悪いけどあんたたちにも一仕事してもらうよ。 |
キャラクター | 5話【忍び4 すずとしいな】 |
しいな | すずによれば、あいつらは根城を鞍替えしようとする動きがあるみたいなんだ。 |
しいな | 盗まれた物もどこかに保管してるみたいだけど場所まではまだ特定出来ていないってサ。 |
コーキス | じゃあ、その盗賊忍者のリーダーを倒して自白させたらいいんじゃないか ? |
しいな | そいつが出来たらいいんだけど、相手は盗賊とは言え忍者だからね。忍者ってのは元の世界のミズホの連中みたいに、口が硬いらしいのサ。 |
しいな | だったらこっちで見つけた方が早いだろ ? |
クレス | つまり、盗まれた物の保管場所を確認次第僕たちが本拠地を叩いて一網打尽にすれば良いんだね ? |
ロイド | そういうことなら任せとけ ! |
しいな | 頼んだよ。あいつら、人を集めてどんどん勢力を広げているみたいだからね。 |
しいな | それにしても、盗賊忍者に関わったおかげですずだけじゃなくて、あんたたちにも会えたなんて、何だかおかしな縁だねぇ……。 |
クレス | すずちゃんと出会ったのも今回のことがキッカケだったのかい。 |
しいな | そうサ。でもあの子最初はあたしを襲ってきて大変だったんだよ。 |
ミント | えっ ? すずちゃんが、ですか ? |
コレット | でも、今は一緒なんだから、しいなはすずちゃんと仲良くなれたってことだよね ? |
しいな | まぁ、一筋縄ではいかなかったけどね――。 |
しいな | くっ…… ! |
すず | やりますね。ですが、逃がしませんよ。 |
しいな | ちょっと待っとくれ ! ?なんであんたはあたしに襲い掛かってくるんだい ? |
すず | それは自分がよくわかっているはずです。あなたも盗賊忍者の仲間なのでしょう ? |
しいな | 盗賊忍者 ? |
すず | あくまでも誤魔化すつもりですね。ならば――。 |
すず | 忍法・雷電 ! |
しいな | えっ ! ? それは…… ! |
すず | 上手く避けましたね……。ですが、これならどうです ! ? |
しいな | ああ、もうこうなったら ! ! |
すず | ! ? |
すず | ……どういう、つもりですか。 |
しいな | どうもこうも、こうして手を挙げちまえばあたしに敵意がないって分かってもらえると思ってね。 |
すず | ……私が攻撃を止めなければあなたもただではすまなかったはずです。 |
しいな | でも、あんたは止めてくれた。……まぁ、このやり方はあたしの仲間のやりそうなことを真似しただけなんだけどサ。 |
すず | ……分かりません。あなたが何故、こんなことをしたのかが。 |
しいな | あんた、さっきの技はイガグリ流だろ ?色々と聞きたいことができたんだよ。 |
すず | ! !あなた、どうしてその名前を……。何者ですか ? |
しいな | それを話すためにも、ひとまず武器を下げてくれないかい ? |
すず | ……本当に、あなたは盗賊忍者たちの仲間ではないのですね ? |
しいな | しつこいねぇ。あたしは忍者ってのとは違うんだ。確かに似てるから、間違われても仕方ないんだけど。とにかく盗賊忍者ってのとあたしは関係ないんだよ。 |
すず | ……分かりました。話だけでも聞くことにします。 |
しいな | シルヴァラントとテセアラ……。名前は同じでも、あんたの世界では二つの月のことを指すんだね。 |
すず | ええ、どうやらしいなさんがいた世界と私がいた世界では、少し情報の齟齬があるみたいです。 |
すず | しかし、流派や“藤林”という名まで同じとは偶然は重なるものですね。 |
しいな | どうだい ? あたしが敵じゃないってわかってくれたかい ? |
すず | ……ご迷惑をおかけしました。 |
しいな | 誤解は解けたみたいだね。良かったよ。あたしのことは“しいな”って呼んどくれ。 |
すず | ……わかりました。 |
しいな | ねぇ、すず。あんた、どうしてその盗賊忍者っていうのを追っているんだい ? |
すず | 忍者の姿で悪事を働く人たちを見過ごせなかったんです。たとえ、ここが私の世界とは別でも……。 |
しいな | ……そういうことならあたしもすずの力になれるかも知れないね。 |
すず | しいなさん……。 |
しいな | あたしは今、この先にある里に身を置いていてね。よかったらすずも一緒にくるかい ? |
すず | えっ ? |
しいな | 一人でいるより、そっちのほうが良いと思ってさ。 |
すず | ……そうですね。一人では手詰まりだったところです。 |
しいな | よし、決まりだね。これから宜しく頼むよ、すず。 |
ミント | すずちゃんとそんなことがあったんですね。 |
クレス | ありがとう、しいな。すずちゃんと一緒にいてくれて。 |
しいな | お礼なんて、大袈裟だよ。あたしは何もしてないよ。 |
ミント | いえ、きちんと向き合ってくれたからこそすずちゃんもしいなさんに付いていったんだと思います。 |
しいな | まぁ、そうだったら良いんだけどね。 |
コレット | ……待って、みんな。この先で人が話す声が聞こえる。 |
コーキス | まさか、盗賊忍者たちか ! ? |
しいな | ひとまず、近くの茂みに隠れて様子を見るよ。 |
キャラクター | 6話【忍び5 陽動1】 |
しいな | ありがとう、コレット。隠れて正解だったよ。 |
ロイド | いま目の前にいる奴らが盗賊忍者か。 |
ロイド | コレット、あいつらが何を話しているかわからないか ? |
コレット | ちょっと待っててね……。 |
コレット | ……大変ッ ! あの人たち行商の馬車を襲いに行くって言ってるよ。 |
コーキス | そういえば、近くに街道があったよな。 |
ミント | どうしましょう。このまま放っておくわけには……。 |
しいな | できれば、ここで叩いておきたいね。 |
ロイド | ……よし、だったら俺があいつらを相手するよ。 |
コーキス | ロイド様 ! それならみんなで協力したほうが……。 |
ロイド | いや、それも良いんだけど今の状況を上手く利用できないかと思ってさ。 |
コレット | ロイド、どういうこと ? |
ロイド | 忍者っていうのは、さっきのすずみたいに特殊な連絡方法があるんだろ ? |
ロイド | だったら俺が暴れれば、根城で控えている奴らもここにおびき寄せられるんじゃないか ? |
クレス | 確かに、その方法が上手くいけば根城の警備をする人数が減って潜入がし易くなるかもしれない。 |
しいな | でも、それじゃああんたが危険じゃないか ! |
ロイド | 心配いらないって。あんな奴ら、束になって掛かってこようと俺は負けないさ。 |
クレス | ……わかった。ロイドの作戦で行こう。但し、僕も一緒に残って戦う。 |
ロイド | いいのか、クレス ? |
クレス | うん。しいなはもちろん、コレットの力も潜入には向いているからね。ここは適材適所で行こう。 |
コーキス | だったら、俺もクレス様たちと一緒に……。 |
クレス | いや、コーキスは万が一に備えてミントたちを守ってほしいんだ。 |
ミント | クレスさん……。 |
クレス | お願いできるかな、コーキス ? |
コーキス | わかった。俺、ちゃんとみんなを守るよ。 |
しいな | ロイド。危険だけど、ここはクレスと2人で頼むよ。 |
ロイド | おう、任せとけ ! |
クレス | ミント、少し話したいことがあるんだけどいいかな ? |
ミント | あの……クレスさん。その……私もここに残ってはいけないでしょうか ? |
クレス | ミント、君を先に行かせるのはもしかしたら僕の勝手な思い過ごしかもしれない。 |
ミント | どういうことですか ? |
クレス | さっき、しいなが話してくれたことを覚えているかい ? |
ミント | すずちゃんと出会ったときのお話でしょうか ? |
クレス | うん。あの話を聞いて、僕はすずちゃんがこの世界に不安を抱いているように感じたんだ。 |
ミント | すずちゃんが ? |
クレス | だって、いくら盗賊忍者を追っていたとしても十分な証拠もないのに、しいなに襲い掛かるのはすずちゃんらしくないって思わないかい ? |
ミント | それは……。 |
クレス | 僕やミント、チェスターたちはこの世界に来た早い段階で、元の仲間たちと出会えた。 |
クレス | でも、すずちゃんはしいなと会うまで一人だったんだ。目の前のことに集中するあまり周りが見えなくなってしまったのかもしれない。 |
ミント | たしかに……、クレスさんの仰ることはわかる気がします。 |
クレス | だから、少しでも早くすずちゃんに僕たちもいるってことをミントから伝えて欲しいんだ。 |
ミント | ……わかりました。本当に、クレスさんは優しい方ですね。 |
ロイド | クレス、そろそろやろうぜ。敵の忍者たち、動き始めるみたいだし。 |
クレス | わかった。それじゃあ、ミントも気を付けてね。 |
ミント | ええ、クレスさんもご無事を祈っています。 |
盗賊忍者A | よし、それでは手筈通りに……むっ ! |
クレス | 悪巧みしているところ、失礼するよ。 |
ロイド | お前たちはここで俺たちが倒してやるから覚悟しろよ ! |
盗賊忍者A | ……ふっ、私たちの邪魔をするなら容赦はせんぞ ! |
ロイド | 望むところさ ! |
クレス | さあ、来いッ ! 僕たちが相手だ ! |
キャラクター | 7話【忍び7 陽動3】 |
ロイド | ふぅ、いっちょ上がり ! |
クレス | 忍者の技は、なかなか手強かったね。 |
ロイド | 束になってかかってきても負けないって大口叩いたけど一人じゃきつかったかもしれない。一緒に戦ってくれてサンキュー、クレス。 |
クレス | ロイドは、二人で戦うことに慣れているみたいだね。 |
ロイド | そうかな ? |
クレス | うん、僕の動きをちゃんと見て、合わせてくれてたみたいだからさ。 |
ロイド | ああ……それは、多分クラトスのおかげだ。 |
クレス | クラトスさん ? |
ロイド | コレットの旅に付いていった最初のころはよくクラトスから稽古を受けててさ。 |
ロイド | 実戦でも一緒に戦うし、あいつの動きを見てたらいつの間にか立ち回りも身に付いちまってたんだよ。 |
クレス | 共闘で戦うのは普段の自分の呼吸と相手の呼吸を合わせなくちゃいけないから簡単に身に付くものじゃないよ。 |
ロイド | ……俺、クラトスが教えてくれたこと身体に染み付いてるんだな。 |
クレス | そうだ。クラトスさんにクレス道場の一日師範を頼むっていうのも良いかもしれないね。 |
ロイド | どうだろ ? 来るかな ? |
クレス | 僕からお願いしてみるよ。色々勉強になるだろうし、あとはロイドの朝練のサボり癖を叱ってもらわないと……。 |
ロイド | ええっ ! ? |
クレス | ははっ、冗談だよ。そんなに顔を真っ青にするなんてクラトスさんの指導はよっぽど厳しかったんだね。 |
ロイド | クレス……、冗談はダジャレだけにしてくれよな。 |
クレス | じゃあ、お喋りはこれくらいにして……。 |
| ――キンッ ! |
盗賊忍者A | なにっ ! 弾いた……だと。 |
クレス | 僕たちが狙われていることに気づいてないと思ったか ! ? |
ロイド | 出て来いよ、他にもまだいるんだろ ? |
盗賊忍者B | くそっ ! 何者だ、お前たち ! |
ロイド | 人に名前を尋ねるときはまず自分から名乗れっていつもなら言うところだけど、今日は特別だ。この格好なら、名乗ってやるのが流儀らしいからな。 |
クレス | この服を着た古代の剣士「サムライ」たちはそうだったって、服を貸してくれた里の人たちは言ってたね。 |
ロイド | よし、じゃあ俺から先にいくぜ、クレス ! |
ロイド | 二刀流剣士、ロイド・アーヴィング ! |
クレス | アルベイン流剣士、クレス・アルベイン ! |
二人 | いざ尋常に、推して参る ! ! |
キャラクター | 8話【忍び9 潜入】 |
ミント | 無事に、敵の本拠地に潜入できましたね。 |
しいな | 警備も薄くなってて助かったよ。 |
コレット | うん、みんなバタバタ外に出ていくもんね。 |
コーキス | きっとロイド様たちのところに増援を送ってるんだ。 |
しいな | ああ。あいつらが作ってくれた好機ってヤツだね。 |
ミント | すずちゃんからは、何も連絡はないのですか ? |
しいな | 里で手紙を受け取ったのが最後だね。何かあっても報告くらいはしてくるはずだからここを探索してる間に合流できると思うよ。 |
ミント | だと良いのですが……。 |
しいな | ミント、すずに会うときはその不安そうな顔は引っ込めておくんだよ ? |
コレット | うん。ミントは笑顔のときが一番素敵だよ。きっとすずちゃんもそう思ってるよ。 |
ミント | ……はい。お二人とも、ありがとうございます。 |
コレット | それじゃあ、すずちゃんを捜しながら私たちももっと奥へ行こうよ。 |
しいな | あっ、コレット。足場が悪いから気をつけ……。 |
コレット | あっ…… ! |
コーキス | まずい、コレット様が壁にぶつか…… ! |
| ――くるんっ ! |
コーキス | ……あれ ! ? |
ミント | コレットさんの姿が見えなくなりました。 |
しいな | まさか、コレットが転んだ先の壁って……。 |
しいな | ……やっぱり、この壁、回転式の隠し扉だ。 |
コレット | ……えっと、みんなどこ行ったの ? |
しいな | コレット、そっちはどうなってんだい ? |
コレット | しいな ? えっとね……まだ先に続く道があるみたいだよ。 |
ミント | どうしますか、しいなさん ? |
しいな | 調べてみる価値はあると思うよ。わざわざこんな仕掛けを作ってる事もだけど、こんな時のコレットの強運はすごいからね。 |
コーキス | 回転扉の先に、こんなに大きい広間があったなんて……。 |
しいな | ただの倉庫……って穏やかなものじゃなさそうだね。 |
コレット | うん、大きい箱の中に入っているのは全部ガルドとか、装飾品みたい。 |
ミント | ということは、この場所が……。 |
しいな | ああ、ここに盗んだものを保管してたんだ。 |
コーキス | よし、それならここにあるやつ全部元の持ち主のところに返そうぜ。 |
ミント | これからどうしましょうか ?運び出そうにも、私たちだけでは人手が……。 |
しいな | まずはすずと合流してそれから里の人たちにも協力を……。 |
? ? ? | 覚悟ッ ! |
コレット | しいな、危ない ! |
しいな | くっ ! 上か ! |
| ――シュッ ! ! |
? ? ? | …………。 |
しいな | …………。 |
コーキス | しいな様 ! くそっ、この盗賊忍者いきなり上から襲い掛かって来たぞ。 |
盗賊忍者 お頭 | 我が同胞の一撃を受け止めるとは、流石だな。 |
しいな | ……どうやら、待ち伏せされてたみたいだね。 |
コーキス | マズい、囲まれちまってるぞ……。 |
盗賊忍者 お頭 | 侵入者が来ることは、お前たちの里にスパイを送り込んで確認済みだったんでな。 |
盗賊忍者 お頭 | 外では仲間が奮闘しているようだがお前たちを人質にすれば問題なかろう。 |
コーキス | 人質だって ? |
盗賊忍者 お頭 | ああ、この娘と同じようにな……。 |
すず | …………。 |
ミント | すずちゃん ! ! |
コレット | そんな……。 |
盗賊忍者 お頭 | さあ、大人しく私たちの指示に従ってもらおうか。 |
キャラクター | 9話【忍び10 決着】 |
コーキス | くそっ、こんなとき、マスターなら……。 |
盗賊忍者 お頭 | おっと、妙な動きをしたらすぐにこの娘を始末するぞ。 |
ミント | 止めてください !すずちゃんは私たちの……大切な仲間です。 |
コレット | ミント……。 |
盗賊忍者 お頭 | よし、お前たち。あいつら全員を取り押さえろ。 |
コーキス | 大人しく捕まるしかないのか……。 |
しいな | その必要はないよ。ここで全員、とっ捕まえるからね ! ! |
盗賊忍者 お頭 | 待て ! この娘がどうなっても……。 |
盗賊忍者 子分 | うっ、うわあああああ ! |
コーキス | なっ ! ? あいつはしいな様を襲った忍者 ! ?どうして味方を……。 |
盗賊忍者 お頭 | お前、何をしているんだ ! ! |
コレット | 凄いよ、あの忍者の人次々と他の人たちも倒して……。 |
しいな | ――契約者の名において命ずる。 |
しいな | 出でよ、セルシウス ! ! |
盗賊忍者 子分 | なんだ ! ?足場が……凍って…… ! |
しいな | さあ、これであんたたちの動きは封じたよ。 |
コーキス | 今のうちに、すず様を ! |
盗賊忍者 ? | いえ、その必要はありません。何故なら――。 |
すず | 私はここに居ますから。 |
ミント | すずちゃん ! |
コーキス | しいな様を襲った忍者がすず様と同じ姿になったぞ ! |
盗賊忍者 お頭 | どういう、こと……だ。 |
すず | すみません、私、忍者ですから。 |
盗賊忍者 お頭 | まさか…… ! |
すず | 忍法・写身(うつしみ)。あなたが捕まえていたのは偽物です。 |
コレット | あっ……。捕まっていたすずちゃんがいつの間にか消えちゃってる。 |
すず | 私やしいなさんの動きが敵に把握されていると気づいたので、あなたたちに捕まったフリをして油断してもらいました。 |
すず | これ以上、同じ忍者としてあなたたちの悪事を見過ごすわけにはいきません。 |
しいな | ここらが年貢の納め時だよ。覚悟しな ! |
キャラクター | 10話【忍び10 決着】 |
コーキス | よし、根城にいた奴らはこれで全員捕まえられたな。 |
ミント | すずちゃん……。 |
すず | ……お久しぶりです、ミントさん。 |
ミント | 本当に、びっくりしたんですよ。 |
すず | ……すみません。しいなさん以外にもお伝えする方法があったら良かったのですが……。 |
コーキス | えっ ? すず様が変装してたことしいな様は最初から分かってたのか ? |
しいな | 事前に知ってたわけじゃないさ。すずがあたしを襲ってきただろ ?あのときに、正体がすずだってわかったんだよ。 |
すず | はい、しいなさんなら私の動きで判断してもらえると考えました。ですが、ミントさんまで一緒だったなんて……。 |
ミント | ……私だけじゃないですよ。クレスさんも、一緒に来てくれています。 |
コレット | 早くみんなに会いにいこうね、すずちゃん。 |
すず | ……はい。 |
ロイド | なんだ、コーキスたちのほうが早かったのか。 |
コーキス | さっき盗賊忍者たちは自警団の人たちに引き渡したし、盗まれた金品も元の持ち主に返せるように動いてくれてるってさ。 |
クレス | これで僕たちの任務も完了だね。 |
ロイド | コーキス、コレットたちはどこに行ったんだ ? |
コーキス | ああ、それなら……。 |
コレット | みんな、お待たせ。 |
しいな | どうだい ? |
コーキス | しいな様、すず様。どうしたんだ、その恰好 ? |
すず | 私たちへのお礼だと言って、里の方から頂きました。 |
ミント | せっかくですから、皆さんにもお披露目してはどうですか ? と提案してみたんです。 |
ロイド | おっ ! 似合ってるじゃねーか、しいな。 |
しいな | そっ、そうかい ?……あ、ありがとう。 |
クレス | すずちゃんも、とっても可愛らしいよ。 |
すず | そっ、そうですか……。ありがとうございます。 |
すず | あの、クレスさん。これからのことなのですが……。 |
クレス | ……うん。 |
すず | またこの世界でも、クレスさんたちに付いて行っても宜しいでしょうか ? |
すず | 私は……クレスさんたちと一緒にいたいです。 |
クレス | ああ、勿論さ。 |
コーキス | 俺たちも大歓迎です。 |
クレス | これで、僕たちが一緒に旅をしていた仲間が集まったね。 |
ミント | はい、また皆さんでお話できるのが楽しみです。 |
クレス | アーチェなんて、すずちゃんと再会したらきっと大喜びするよ。 |
? ? ? | すずちゃーん ! ! |
クレス | そうそう、こうやって……えっ ? |
アーチェ | 良かった~~ ! ! やっと会えたよ~~ ! ! |
チェスター | おい、待てよアーチェ !箒に乗りながら、いきなり抱きつく奴があるか ! |
ミント | お二人とも、来てくれたんですか ? |
リフィル | 二人だけじゃないわ。私たちも一緒よ。 |
コレット | 先生、それにジーニアスも。 |
ジーニアス | アーチェたちがこっちに行くっていうからさ。ボクたちも付いてきたってわけ。ミトスも誘ったんだけど……断られちゃった。 |
しいな | 本当にミトスが仲間になってるんだねぇ……。 |
リフィル | それより、どこかのミズホの民が落とし穴に嵌って怪我をしていないか心配だったけれど、大丈夫そうね。 |
しいな | ……久々に会ったってのに、開口一番がそれかい ? |
リフィル | あら、あなたの元気な姿が見れて安心したって意味よ。 |
しいな | 相変わらずいい性格してるねぇ。まぁ、その気持ちは有難く受け取っておくよ。 |
ジーニアス | ねぇロイド、どうしたのその恰好 ? |
ロイド | へへっ、カッコいいだろ ?お前にも見せたかったから、丁度よかったぜ。 |
ロイド | そうだ、この里に美味い団子の店があるんだってさ。あとで一緒に行こうぜ。 |
ジーニアス | うん、行く行く !ボク、ちょうどお腹が減ってたんだよね。 |
アーチェ | ううっ、すずちゃん、良かったよ~~。 |
チェスター | お前な……いい加減すずから離れてやれよ。 |
アーチェ | なにさ、あんただって血相変えてここまで来てたくせに ! |
チェスター | んだよ ! 心配すんのは当たり前だろ ! |
アーチェ | あんたに心配されなくてもすずちゃんは大丈夫ですー。ねぇ、すずちゃん ? |
すず | いえ、あの……。 |
チェスター | お前に言われる筋合いはねえよ ! |
アーチェ | あたしだってあんたに文句言われる筋合いないわよ ! |
クレス | もう、二人ともやめなよ。 |
すず | ……ふふっ。 |
しいな | すず……あんた、今……。 |
すず | しいなさん……。しいなさんは、ロイドさんたちに会えて嬉しかったですか ? |
しいな | ……そうだね、あたしを仲間って認めてくれた奴らだからね。だから、こっちの世界でもあたしはあいつらの力になるつもりだよ。 |
すず | ……しいなさんも、私と一緒なんですね。 |
しいな | ああ。 |
ロイド | ほら、二人ともなにやってんだよ。お前たちも団子屋行くだろ ? |
しいな | あー、待っとくれ。ほら、行くよ、すず。 |
すず | はい。あの……しいなさん。 |
すず | これからもどうか、宜しくお願いします。 |
しいな | ああ。こちらこそ宜しく頼むよ、すず。 |