キャラクター | 1話【記念日1 アークのおもてなし】 |
リッピ | おお ! このお茶… !中々の逸品でございますね ! |
カナ | このショートケーキも、とっても美味しいわ !サラ、そのチーズケーキと半分交換しましょう。 |
サラ | うん ! 良いよ ! |
ワイズマン | 喜んで貰えて良かったです。せめてものおわびです。 |
ゼファー | あんた、ちょいちょい俺たちを呼び出すよな……。 |
ワイズマン | すみません。さきほどもご説明しました通りサラさんのシャドウを作ってから、一年が過ぎましたので。 |
ワイズマン | 大丈夫なはずですが、大本であるサラさんご本人に何か変わったことが起きてないか確認したかったのですよ。 |
アレン | それがたまたまサラの誕生日だったんですね。 |
ワイズマン | はい。本当に失礼しました。 |
サラ | そんな、大丈夫ですよ。 |
カナ | うん、帰ったらまたみんなでお祝いの続きをするもの。 |
リッピ | 夜はスペクタクルでエキサイティングでロマンチックなパーティーを準備しております ! |
リッピ | 何しろ。私たちにとって──いや、リアフィースの民にとって、本日はとても重要な日なのでございます ! |
サラ | ちょ、ちょっとリッピ ! ……大げさだよ。 |
アレン | でも、沢山の人にとって大事な日──って言うのは本当だよね。 |
ゼファー | 確かに、声をかけた奴らは、全員、参加するって言うからな。 |
カナ | みんな、サラのことが大好きなのよ ! |
サラ | あはは……。すごく、照れるけど……嬉しいな。 |
ワイズマン | 私からのお詫びのおもてなしもまだまだ続きますよ。クッキーに、たらこパン── |
カナ | わぁ ! クッキー♪ |
サラ | たらこパン~♪──あ、えっと、こほん。 |
サラ | お気遣い、ありがとうございます。 |
リッピ | おお ! これはもしや、ゼファー様へのハンバーグと、アレン様へのグラタンもご用意されておりますか ? |
ゼファー | 紅茶と一緒に出るもんじゃねぇだろ。 |
ワイズマン | 軽食サイズでご用意いたしました。 |
ゼファー | あるのかよ ! |
リッピ | これはパーフェクトですね。私も学ばねば ! |
アレン | ありがとうございます。──せっかく用意してもらったんだし、おいしく頂こうよ、ゼファー。 |
ゼファー | 食わないとは言ってねぇだろ、相棒。紅茶と一緒に食うなんてのは初めてだがな……。 |
ワイズマン | お時間の許す間、軽食と一緒にくつろいで頂き──サラさんの状態を確認するため、皆さんの近況をお伺いしても良いですか ? |
ゼファー | しかし……近況って言われても—— |
サラ | いつも通り、だよね。 |
カナ | うん ! 何も、変わらずよ ! |
アレン | みんなで──冒険していました。ずっと。 |
ワイズマン | それはとても素敵ですね。よろしければ、その冒険のお話を聞かせてください。 |
キャラクター | 2話【記念日2 冒険の日々を想う】 |
リッピ | 春夏秋冬、冒険が満載でございましたねぇ。 |
サラ | 私は、“大盗賊の財宝探し”が印象的だったな。 |
アレン | あったね、そんな冒険も。 |
ゼファー | 確かに。あれは……面倒だったな。 |
リッピ | 歴史に名を残す大盗賊が遺した、財宝の地図。多数の凶悪なトラップが仕掛けられた洞窟── |
カナ | わぁぁぁ ! 巨大な岩石が ! |
カナ | ひえぇっ ! 底なし沼だわ ! ? |
カナ | おもちが ! 身体中に ! ? |
カナ | 実に危険で凶悪な罠ばかりだったわ……。思い出しただけで鳥肌が……。 |
ゼファー | お前がいちいち丁寧にひっかかりまくるから、面倒になったんだよ。 |
リッピ | それらを乗り越え、行き着いた財宝の宝箱。それを開けると── |
カナ | これって……伝説の魔導書 ! とかじゃなくて、ただの、絵本……よね ? |
サラ | ──それに、ゼンマイじかけのイヌのおもちゃ。ビー玉に、けん玉……。子供の頃に、遊んでいたもの…… ? |
リッピ | つまり──伝説の大盗賊にとって、一番大事な宝物がこれだったということでしょうか。 |
ゼファー | なんだそりゃ……。苦労してここまで来たってのに、とんだ肩すかしだぜ。 |
アレン | まぁまぁ。財宝は見つからなかったけど、良い想い出に──土産話になったじゃない。それが僕たちがここで得た宝物だよ。 |
ゼファー | ──まさに今、土産話として活躍してくれたな。 |
カナ | あとは──そう !“密林の村でのお祭り”も忘れられないわ ! |
サラ | あったね。そういうのも。 |
サラ | 五人一組で参加することになった、互いの“格”を競い合うお祭── |
サラ | 色々あって私たちの勝利に、村の女の子の人生がかかってしまった……。 |
サラ | 2勝2敗で迎えた大一番、勝負を決めたのは── |
アナウンス | 決勝ラウンド、エクストリーム高枝切りバサミ対決 !無敗のチャンピオンを破ったのは── |
アナウンス | ニュー“高枝切りバサミマスター” !挑戦者・ゼファー ! |
ゼファー | っしゃぁぁぁぁぁぁぁ ! ! ! |
リッピ | まさか、ゼファー様があれほどまでに美しく高枝切りバサミを扱えるとは。 |
カナ | あのデッドヒート、本当に凄かったわ。優勝した時の雄叫びも忘れられ──わぁぁぁぁぁ ! ? |
ゼファー | 記憶を失えぇぇっ ! ! |
カナ | ──ゼファー ! 頭ぐわんぐわんやめてー ! |
ゼファー | くそっ……相手に煽られて……。つい熱くなってやりきっちまった。自分の器用さが恨めしい。 |
アレン | すっごく達成感のある笑顔に見えたけどなぁ。 |
ゼファー | そいつは錯覚だ。または幻覚、幻聴、白昼夢──どれでもいいが、とにかく有りもしないことさ。 |
アレン | ……そんなに力いっぱい否定しなくても。 |
リッピ | まぁ確かに、熱さということであれば──あのぐらいでは、ゼファー様が熱くなったとは言えないかもしれません。 |
リッピ | なにしろ“聖夜の奪還劇”の際は、その比ではありませんでしたから。 |
ゼファー | ん ? |
リッピ | あの時はアレン様も、いつもと違うご様子でしたしね。 |
アレン | え ? |
リッピ | いやいや。ついこの間の、聖夜のことでございますよ。 |
リッピ | 聖夜……闇のサンタ仙人の謀略により、プレゼントとして捕まったサラ様、カナ様を助けに……煙突からアジトに華麗に潜入── |
リッピ | ──直後 ! |
二人 | コキュートス・ロア── ! レイジングゲイル── ! |
リッピ | 秘奥義で一瞬で相手をなぎ倒した、あの時のお二人の熱のこもったまなざし──……私、忘れられません。 |
リッピ | 熱さといいますか……必勝……。いや、必滅の色に染まって── |
ゼファー | ったく……リッピ。お前は話を盛るよなあ。全然、普通にさらっと助けただけだっての。なぁ、相棒。 |
アレン | うん。もちろん、二人を助けたいって、強く思っていたけれど……。そんな風だったかな、僕 ? |
リッピ | いやいやいや、私、たしかに── |
サラ | ──リッピ ! えっと……あの日の話は、ね……。もう、私たちの心の中、それぞれの想い出にする──ってことでね ! 良いんじゃないかな ! |
カナ | うんうん !ずっとね。……そ〜っと……ね。大事にしまっておきましょう。ええ。 |
リッピ | ……ううむ。サラ様、カナ様まで、そうおっしゃるなら……。真実は……心の中と致しましょうか。 |
ワイズマン | ──なるほど。皆さまやはり、ずっと賑やかな旅をされていたのですね。 |
サラ | はい。ずっとです ! |
キャラクター | 3話【記念日3 みんなの願い事】 |
リッピ | おや、スマホに通信が……。 |
ゼファー | 誰からだ ? |
リッピ | これは…… !レオーネ様からのメッセージでございます ! |
リッピ | 「そろそろ、準備を始めますよ」と── |
アレン | あっ。もう、そんな時間か。 |
ワイズマン | パーティーの準備ですか ? |
カナ | うん ! 今回は、レオーネ様とも一緒にお料理を作るのよ。 |
アレン | シーザさんもサラの為に、すごく稀少な魚を釣ってくるって、張り切ってたよね。 |
ゼファー | しかし、めちゃくちゃ重装備で旅立っていったよな、あいつ。 |
サラ | 「秘境に行く」──とだけ言ってたけどどこでどんな魚と闘う気なんだろう……。大丈夫かな……お兄ちゃん……。 |
ワイズマン | さてそろそろ時間ですね。 |
ワイズマン | せっかくご足労いただいたのですから何かアークでやりたいことなどあればご要望にお応えしますが、いかがですか ? |
カナ | アークでやりたいこと ? |
ワイズマン | ええ。みなさんの大切な時間を邪魔してしまいましたしね。 |
アレン | ──ワイズマンさんのせっかくのご厚意だし、受け取ろうか。みんな、何かしたい ? |
ゼファー | したいこと、ね。誰か決めてくれよ。俺は、特に何も意見なし、だ。 |
リッピ | それだったら、今日はやっぱり、サラ様に決めて頂くのが良いのでは、と ! |
サラ | え ! ──いや、私、今日はもう色々してもらってるから、充分だよ。カナ、何か好きなもの、言って。 |
カナ | うーん。クッキーもさっき食べちゃったし……。牛乳もとっても美味しかったし……。 |
カナ | ──みんなも側に居るし。満ち足りているわ。なにもかも。 |
リッピ | それはとても、良きことでございます !が──ふむ。意外と決まらないものですね。 |
アレン | うーん……あ。 |
アレン | 今のカナの言葉で、僕、一つ思いついたかも……。望むもの──アークでしたいこととはちょっと違うかもしれないけど。 |
ゼファー | ほう。珍しいな、アレン。聞かせろよ。 |
ワイズマン | ぜひ、仰ってください。 |
アレン | もし、できればなんですが……。僕とゼファー、リッピの\"シャドウ\"を、ティル・ナ・ノーグに置いて頂けませんか ? |
四人 | ── ! |
ワイズマン | それが──したいことだと。 |
アレン | はい。どこに行っても、どこで存っても──僕たちは“みんな”で居たい。それが望みです。 |
ゼファー | なるほどな──確かに今の所、あっちじゃ、どこぞのフードを掴む手が足りなくて迷惑かけちまってるだろうしな。 |
カナ | ちょっと、ゼファー !……多分そうだろうけど ! でも、ちょっと ! |
ゼファー | 自覚してんなら勢いでつっかかるなっての……。 |
アレン | どうでしょうか ? |
ワイズマン | ……わかりました。では、特別に皆さんをシャドウ化いたしましょう。 |
ワイズマン | ──ただ、リッピさんのスマホは、機能を停止させていただきます。 |
ワイズマン | 異世界に無用な力を持ち込むのはよろしくありませんから。 |
ワイズマン | まぁ、アークの危機のたびにシャドウを送り込んでしまっているのは他ならぬ私なのですが……。 |
リッピ | 機能や魔力が欠けるのは仕方ありません。 |
リッピ | それでも──この身が皆様のお側に居られれば、家事、炊事、家のお掃除から修繕まで、必ずやお役に立ってみせます ! |
アレン | あははっ。ねぇ、みんな。きっとこれが──僕たちの“願い事”、だよね ? |
サラ | うん ! 私たちらしいって思う ! |
カナ | 素敵だわ !今日はサラのお誕生日で──もう一つ、記念日になったのね ! |
サラ | 異世界でも、みんなで冒険できる記念日、だね ! |