キャラクター | Dialogue |
イクス | クレスとの稽古もそうだけど森の稽古場に行くのもかなり久しぶりだな。 |
クレス | ケリュケイオンで生活していたときはほぼ毎日のように通っていたよね。 |
イクス | 俺たちが朝一番乗りで着いてその後に料理を持ったミリーナとミントたちが来てちょっと寝坊したルークをユーリさんが連れてきて……。 |
クレス | あの場所での稽古が懐かしいよ。みんなあの場所を気に入っていたしね。森での稽古は僕も久しぶりだから楽しみだ。 |
イクス | 久しぶりってことは……俺が魔鏡結晶に閉じ込められている間はあまり来なかったのか ? |
クレス | ……あの場所での稽古は最後にイクスと模擬戦をしたとき以来かな。 |
イクス | そうか……。帝国に追われたりして色々大変だったもんな。いくら使い勝手のいい場所でも前みたいに、頻繁に来るのは難しかったってことか。 |
クレス | それもあるけど、一番の理由は別にあるんだよ。 |
イクス | 一番の理由 ? |
クレス | あの稽古場は、僕たちだけじゃなくてイクスのお気に入りの稽古場でもあるからだよ。やっぱりあの場所には『みんな』がいないと。 |
イクス | …………クレス。 |
クレス | ――ん ? 今の鳴き声……魔物が近くにいるようだね。 |
イクス | 魔物……。もしかしたら森の稽古場も荒らされてるかもしれないな。雑草もすごいことになってるかも。 |
イクス | まあ、その時は準備運動がてらまた一から草むしりや石拾いをすればいいだけだけどさ。 |
クレス | じゃあ魔物退治も準備運動だね。さあ、倒してしまおう。 |
キャラクター | Dialogue |
クレス | さあ。到着だ。 |
イクス | えっ……これって……。 |
クレス | 久しぶりの森の稽古場はどうだい ? |
イクス | ど、どうって……これはどういうことだ ! ?ちゃんと整備されてて雑草や石ころも一つもない !最後に稽古をした時と全然変わってないじゃないか ! |
クレス | ふふっ。驚いたかい ? |
イクス | そ、そりゃあそうだよ。だってさっきクレスは自分もここに来るのは久しぶりだって言ってたし……。 |
クレス | 僕はここで『稽古をする』のが久しぶりと言ったんだよ。 |
イクス | ……なるほど、そういうことか。これは一本取られたな。 |
イクス | ありがとう。クレス。森の稽古場が荒れないよう維持してくれて。 |
クレス | どういたしまして。――と言ってもこの広さだ。当然、僕だけの力じゃないけどね。 |
イクス | ああ。後でみんなにもお礼を言わないと。 |
クレス | それじゃあ、そろそろはじめようか。 |
イクス | いつでもこい ! さっきはこの場所のことでうまいこと一本取られたからその分を模擬戦で取り返してやる ! |
クレス | ふふ、久々の模擬戦で、そんな軽口が言えるなんていい意味での余裕が出てきたみたいだね。これは楽しみだ。 |
クレス | ――よし ! |
イクス | クレス ? どうしたんだ ? |
クレス | 気合を入れ直したのさ。今のイクスからは、昔のように簡単に一本は取れそうにないからね。 |
イクス | クレスにそう言って貰えて嬉しいよ。お互いに全力でいこう ! |
クレス | ああ ! それじゃあ、いくぞ ! |
二人 | いざ、勝負 ! ! |
キャラクター | 1話【絆の奇跡1 凍える洞窟】 |
リッド | うう~、寒っ ! |
ファラ | ほんとだね、こんなに寒いとは思わなかったよ。 |
メルディ | 寒いな~、寒いな~。……ん ? みんな、どーした ? |
ファラ | 相変わらず、メルディは寒さに強いのね。 |
メルディ | このくらいへーきだよー ! |
クィッキー | クィッキー ! |
リッド | そいつ、首に巻いたら温かそうだな。 |
メルディ | クィッキーはマフラーじゃないよ ! |
ファラ | もー、リッド ! |
リッド | じょ、冗談だって。あんまり寒いから、つい。 |
チャット | 日の当たらない洞窟の中ですからね。仕方ありません。 |
キール | いや、それだけでこんなに気温が低くなるはずがない。 |
キール | 以前行った花見のときみたいに、この寒さの原因が氷晶霊の影響というのなら納得できるが……。 |
セルシウス | わたしは何もしていないわよ。 |
キール | わかってる。だからこそおかしいんだ。 |
チャット | ……それは、もしかするとこの先にあるものが原因かもしれません。 |
ファラ | この先にあるもの ? |
リッド | それが、チャットが言ってた「見せたいもの」か。 |
ファラ | ねえ、何があるの ?どうして教えてくれないの ? |
チャット | それは……憶測だけで説明するべきではないと判断したからです。 |
キール | だからって、なんの説明もなしじゃ準備のしようがないじゃないか。 |
リッド | キール、落ち着けよ。ここまで来たんだ。さっさと見たほうが手っ取り早いだろ。 |
キール | ぼくはお前たちとは違うんだ。学術調査っていうのは何日もかけて下準備をしてそれから── |
リッド | あー、はいはい。 |
キール | まだぼくの話は終わってないぞ ! |
チャット | すみません。隠すつもりはないんです。 |
チャット | ボクにもどう説明したらいいかわからないんです。ただ、アレがボクたちの世界から具現化されたものなのは間違いないと思います。 |
チャット | ちょうど見えてきました。あそこです。 |
ファラ | ねぇ、リッド、ここって……。 |
リッド | ああ、似てるぜ。黒体の中から出て来たあの城に……。 |
キール | ちょっと待て ! この場所が具現化しているとすればもしかして…… ! いや、そんなことは……。 |
チャット | ええ、そうです。だから、みなさんにアレを見て欲しかったんです。 |
メルディ | シゼル……おカーサン……。 |
キャラクター | 2話【絆の奇跡1 凍える洞窟】 |
メルディ | これはシゼルよ。強いフィブリル……感じるよ。 |
ファラ | シゼルも具現化されてたのね……。 |
キール | それだけじゃない。おそらく彼女は生きているぞ。 |
メルディ | バイバ ! 本当か、キール ! ? |
キール | 微かだが、鼓動が聞こえる。 |
リッド | ってことは、まさか……。 |
キール | ああ、まだシゼルの意識がネレイドに支配されている可能性がある。だが、同時にネレイドの影響を受けていない可能性もあるんだ。 |
リッド | はぁ ? そりゃどういうことだよ ? |
キール | エンコードだ。この世界に来るときにぼくたちの情報はこの世界の情報に上書きされる。ネレイドも、その影響を受けているかもしれない。 |
ファラ | じゃあ、ここにいるシゼルは―― |
キール | ……確証は何もない。ぼくが提唱しているのはあくまでも可能性の問題だ。 |
リッド | どのみち、この彫像がシゼル本人だっていうならこのまま放置ってわけにもいかねぇだろ。 |
キール | それは……。 |
メルディ | 倒すよ。 |
メルディ | シゼルは死んだよ。ここにいるのは、メルディたちの敵……。 |
ファラ | メルディ……。 |
キール | おい、結論を急ぐな。まだ、調べたいことがあるんだ。 |
コハク | みんな、お待たせ ! |
ファラ | コハク ! |
キール | さっき、魔鏡通信で連絡しておいたんだ。 |
リッド | クンツァイトまで一緒なのか。キール、お前いったい何するつもりなんだ ? |
キール | スピルリンクだ。 |
ファラ | スピルリンクって……。確か、相手の心の中に入れるソーマの力、だよね ? |
キール | ああ。シゼルのスピルメイズに入ってこうなった原因を探る。 |
キール | そして、いまだネレイドの脅威はあるのか。だとすればこのまま彫像を破壊していいのか。 |
キール | 全てがわかるまで下手に手出ししない方がいいだろう。 |
キール | すまない、コハク、クンツァイト。きみたちにも危険が及ぶかもしれないが……。 |
コハク | ううん、気にしないで。シングも言ってるように、困った人を助けるのがソーマ使いの使命だから。 |
クンツァイト | 自分はリチアさまとヒスイの命を受けて同行させてもらった。 |
キール | いや、二人で来てくれたのはありがたい。 |
キール | 相手はシゼル……ネレイドだ。スピルリンクもいつもと同じようにはいかないかもしれない。 |
コハク | ネレイドっていうのが、この彫像──シゼルさんの中にいるのよね ?どんなやつなの ? |
キール | ネレイドはぼくたちの世界の神だった。実体を持たず、他者に憑依して操ることですべてを破壊しようとした……ぼくたちの敵だ。 |
クンツァイト | つまり、スピリアが他者に支配されている状態というわけだな。 |
キール | ああ。だからこそスピリア——心に直接干渉できるソーマ使いの力を試してみたいんだ。それに、クンツァイトには手伝って欲しいことがある。 |
クンツァイト | 了解した。わが主からも最善を尽くすようにとのことだ。 |
メルディ | …………。 |
ファラ | メルディ、大丈夫 ? |
メルディ | っ ! ? |
メルディ | バイバ ! だいじょーぶだよ !メルディはぜんぜんへーき ! |
ファラ | メルディ……。 |
キール | …………。 |
キャラクター | 4話【絆の奇跡3 待つということ】 |
コハク | もう知ってると思うけどスピルリンクには危険がともなうの。 |
キール | 相手の心に勝手に入るんだ。どんなことが起こるのか予想できないのは当然だ。 |
リッド | ようするに、気をつけろってことだな。 |
ファラ | コハクが一緒に来てくれるんでしょ ?うん、イケる、イケる ! |
キール | お前たちは……もう少し緊張感を持てないのか。これから人の心の中に入るんだぞ ? |
キール | 人の心……非物質世界とも違う未知の領域か……。興味深いな。是非、比較検証してみたいところだ。 |
リッド | お前は無駄に考えすぎだって。とりあえず、入っちまえばわかるだろ。 |
メルディ | ワイール ! みんなと一緒なら怖くないね。 |
コハク | あ、大事なことを言い忘れてた。 |
コハク | この世界では同時にスピルリンクができるのは、わたしも含めて四人だけみたいなの。 |
ファラ | ああっ ! そうだった !あれ ? でも、クンツァイトがいればあと三人は一緒に入れるんじゃないの ? |
キール | いや、さっきも少し話したがクンツァイトには調べて欲しいことがあるんだ。だからスピルリンクはコハクだけにやってもらう。 |
リッド | ってことは、やっぱりオレたちの中から三人選べってことか……。 |
チャット | ボクは残ります。帰りのために船の点検もしておきたいですから。 |
セルシウス | わたしも残るわ。この場所に来てから少し気になってることがあるの。 |
ファラ | そうなの ?じゃあ、あと一人は……。 |
キール | ぼくが残る。 |
メルディ | キール ! |
リッド | いいのか、キール ? |
キール | ぼくの仕事は頭を使うことだ。肉体労働はお前たちに任せる。 |
リッド | ……そうか。わかった。こっちは任せろ。 |
キール | ああ、頼む。 |
メルディ | キール……。 |
メルディ | キールが待っててくれる嬉しいよ。メルディ、がんばるな。 |
キール | …………。 |
キール | メルディ、ぼくの師は言った。不可知なるものを学べ、それが本当の学問だと。 |
キール | 人間の知が及ばないものに挑む。その先に新たな発見があるということだ。 |
キール | つまり、何が言いたいかというと……その……。 |
ファラ | がんばれ。待ってるよ。だって。 |
キール | だから、ぼくの言葉を勝手に決めるな ! |
メルディ | ありがとな、キール !メルディがんばるよ ! |
キール | ……う、うん。 |
コハク | じゃあ……はじめるよ。 |
クンツァイト | 無事、成功したようだ。 |
チャット | 意外でした。てっきりキールさんは一緒に行きたいというんだと思っていました。 |
キール | スピルリンクに個人的な興味はある。けど、それより今は調べたいことがあるんだ。 |
キャラクター | 5話【絆の奇跡4 シゼルのスピルメイズ1】 |
リッド | うおおおおっ !なんだこりゃー ! ? |
メルディ | すごい吹雪だよー ! ? |
ファラ | スピルメイズって、こんなところなのー ! ? |
リッド | なんだってー ! ? 聞こえねーよ ! |
ファラ | だーかーらー ! スピルメイズってー !みんなこんな風になってるのかって聞いたのー ! |
リッド | やっぱ何も聞こえねーって ! |
コハク | こんなに冷たくて、拒絶の強いスピルメイズは初めてだよー ! |
ファラ | とにかく、スピルーンっていうのが在る場所を探せばいいんだよねー ! ? |
コハク | うん ! もしシゼルさんが別の人に意識を支配されているのなら、スピルーンが侵食されている可能性が高いのー ! |
リッド | そこにネレイドがいるかもしれねえってことかー ! |
メルディ | あっち ! あっちに、懐かしい感じするよ ! |
リッド | メルディが指差して何か言ってるぞ ! |
ファラ | あっちに何かあるって !行ってみよう ! |
リッド | 風はだいぶおさまったな。相変わらずめちゃくちゃ寒いけど。 |
ファラ | 外の洞窟がものすごく寒いのってもしかしてシゼルのスピルメイズの影響かな ? |
コハク | うーん、外にまで影響するなんて聞いたことないけど。 |
リッド | スピルーンってのを見つけりゃそれもわかるんじゃないのか。 |
クィッキー | クィッキー ! |
メルディ | ワイール ! |
リッド | うわっ、お前ついてきたのか ! ? |
コハク | うそっ、どうやって ? |
ファラ | きっと、メルディと一心同体なんだよ。 |
リッド | なんでもいいさ。ちょうどいいからこいつを首に巻いて……。 |
クィッキー | クィッキー ! |
リッド | そんなに怒るなよ ! 冗談だって ! |
メルディ | バイバ ! ちがうよ !クィッキー、すごく警戒してるな ! |
魔物 | グルルル……。 |
リッド | やっぱ、一筋縄ではいかねえみたいだな。 |
コハク | ゼロム…… ? ううん、違う……これは……。 |
魔物 | グルルルル……。 |
メルディ | こ、こっち来るなよー ! |
リッド | あいつら、メルディを狙ってるのか ! ? |
ファラ | なんとかしなきゃ !みんな、戦うよ ! |
リッド | ふぅ~、スピルメイズの中でも戦いは普段とあんま変わんねえのな。 |
ファラ | でも、なんで魔物はメルディを……。 |
コハク | それだけじゃない。あの魔物、ゼロムによく似てた。 |
コハク | これじゃまるでデスピル病……。 |
ファラ | デスピル病って ? |
コハク | ゼロムっていう魔物がスピリアに取り憑いておこる病気をいうの。 |
コハク | 取り憑かれた人は精神を喰いあらされて最後には白化──白い石になっちゃうの。 |
ファラ | それ、今のシゼルとよく似てるね……。 |
コハク | うん。きっとキールは予想してたんだね。だからわたしたちソーマ使いを呼んだんだと思う。 |
メルディ | シゼル……病気なのか ? |
ファラ | ま、まだそうと決まったわけじゃないよ ! |
コハク | うん、よく似てるってだけでさっきの魔物も―― |
? ? ? | 許さぬ……私からバリルを奪った……必ず報いを……。 |
ファラ | きゃっ ! ? なに今の……。 |
メルディ | 今の、シゼルが声だったよ ! |
リッド | シゼルの声……魔物がしゃべったっていうのか ? |
コハク | わからない……わたしもこんなの初めて。 |
メルディ | シゼル……すごく怒って、憎んでたよ。やっぱり、メルディたちのこと敵なのか…… ? |
ファラ | ま、まだそうと決まったわけじゃ ! |
リッド | ファラ、やめとけ。 |
ファラ | リッド、でも……。 |
リッド | シゼルがネレイドに完全に支配されているならオレたちの手で倒さなきゃいけない。 |
リッド | 二つの世界で大晶霊と契約した。セイファートの試練を乗り越えてネレイドを倒すために真の極光術も身につけた。 |
リッド | オレたちはこの世界に来る前に一度は覚悟を決めたはずだろ。 |
ファラ | うん……そうだね。 |
キャラクター | 6話【絆の奇跡7 シゼルのスピルメイズ4】 |
リッド | こいつで最後だ ! |
魔物 | グガアアッ ! |
リッド | くそ、次から次へ襲ってきやがる。 |
ファラ | メルディ、大丈夫 ? |
メルディ | メルディ、へーきだよ !ファラはケガしてないか ? |
ファラ | もちろん ! |
コハク | 普通ならスピルーンがある場所に着く頃なのに……。それに魔物の数も増えてる気がする。 |
リッド | ま、焦っても仕方ねぇ。地道に行くしかないだろ。 |
シゼルの声 | バリル ! バリル ! しっかりしろ ! ! |
メルディ | シゼルが声よ ! |
シゼルの声 | おおお、バリル ! |
ファラ | シゼル……泣いてたね。 |
リッド | たぶん、夫のバリルが殺された時だ。 |
ファラ | リッド ! ? どうしてそんなことわかるの ! ? |
リッド | セイファートの試練で見せられた。真の極光術には理解する力が必要だって。 |
リッド | シゼルにもシゼルの痛みがある。人生がある。猟師として、オレが狩ってきた魔物だってそうだ。 |
リッド | でも、それが自分で選び取った道なら命を奪うことも躊躇っちゃいけないんだ。 |
ファラ | リッド……なんか、大人だね。 |
リッド | なんだよ、そりゃ。 |
ファラ | ふふ。カッコイイって意味。 |
リッド | う……急になんだよ、恥ずかしいな。 |
魔物 | グルルルルル……。 |
コハク | また魔物 ! |
メルディ | バイバ ! 今度はもっとたくさんだよ ! |
リッド | ったく、ちっとは休ませてくれよな ! |
リッド | ふぃ~、疲れたぁ。 |
ファラ | さすがにちょっと休憩~。 |
メルディ | メルディもヘトヘトだよ~。 |
コハク | こんなに魔物が現れるなんて……。もしデスピル病なんだとしたらとっくに白化してるはずだよ。 |
リッド | だけど、キールはシゼルは生きてるって言ってたぜ。 |
コハク | そうなんだよね……。デスピル病じゃありえない。なにか、別のものに寄生されてるんだ。 |
ファラ | ということは、やっぱりシゼルはネレイドに……。 |
リッド | ファラ。 |
ファラ | あ、そ、そうだね……。 |
シゼルの声 | 私とバリルの行く手を阻む者はなんびとたりとも許さぬ。 |
ファラ | また、シゼルの声……。 |
シゼルの声 | グランドフォールだ。原初への回帰。憎しみも妬みもない清浄なる世界── |
リッド | 魔物を倒すたびにこれを聞かされるのか。 |
ファラ | メルディにはつらいよね……。 |
メルディ | …………。 |
メルディ | シゼル……あの頃のままか…… ?怖くて、メルディに痛いことする……。 |
シゼルの声 | 喜べメルディ。おまえは新たな世界のための生贄となるのだ。 |
シゼルの声 | 私は何をしているのだ……。私は誰だ……私は……私は……。 |
メルディ | ……やっ ! |
クィッキー | クィッキー……。 |
メルディ | クィッキー……心配してくれるか ?メルディだいじょうぶだよ……うん、大丈夫……。 |
キャラクター | 7話【絆の奇跡8 戦いの裏側で】 |
キール | …………。 |
セルシウス | 少しは落ち着いたら ? |
キール | ぼくは落ち着いてる。 |
チャット | ちっとも落ち着いてるようには見えませんが。 |
クンツァイト | 分析が終了した。 |
キール | そうか ! どうだった ! ? |
クンツァイト | シゼルの身体に堆積した塵や表面の劣化具合から見て具現化されたのは、この辺りの大陸の具現化とほぼ同時期だ。 |
キール | ということは、ぼくたちが鏡映点として具現化されたあの時でほぼ間違いないな。それで石化現象の方は ? |
クンツァイト | 分析は不可能だ。わかったのは未知の鉱石だということだけだ。 |
キール | セルシウスは何か感じないか ? |
セルシウス | そうね……。この彫像の近くでは、わたしの力が乱されるわ。 |
キール | 乱される ? どういうことだ ? |
セルシウス | 誰がスピルリンクをするか決めるときにも少し言ったけど、ここに来てから気になってることがあるの。 |
セルシウス | 力が強まることもあれば、弱まったりもする。なんだか変な感じよ。 |
キール | 晶霊の力を増幅し、逆に減少もさせる…… ?何か、そういったものがあったような。 |
キール | 石化……石……ネレイド……。 |
キール | そうか ! リバヴィウス鉱だ ! |
チャット | リバヴィウス鉱ですか ?確か、フリンジ砲に必要な鉱石でしたよね。 |
キール | ああ、そうだ。 |
キール | だがリバヴィウス鉱にはもうひとつ別の使い方があるんだ。 |
キール | リバヴィウス鉱……星のカケラ…… !もしかすると…… ! |
キャラクター | 8話【絆の奇跡9 シゼルの心】 |
ファラ | ねえ、見て ! あそこで誰か魔物と戦ってる ! |
リッド | 誰かって、ここはスピルメイズだぞ。 |
コハク | もしかしたら…… !行こう、みんな ! |
リッド | あれは…… ! |
メルディ | シゼル ! |
コハク | スピリアが実体化した姿だよ。ということは、近くにスピルーンがあるはず ! |
リッド | ちょっと待てよ ?シゼルの心が魔物と戦ってるってことは……。 |
ファラ | 魔物はシゼルが生み出したわけじゃない ! |
メルディ | シゼル、魔物じゃない…… ?メルディのこと、嫌いになってないか ? |
コハク | きっと、魔物たちはメルディのことをシゼルさんと勘違いして狙ってきたのよ。 |
リッド | 親子だもんな。魔物には区別がつかなかったか。 |
ファラ | 納得してる場合じゃないよ !シゼルを助けないと ! |
メルディ | はいな ! |
リッド | よし、魔物たちは片付いたぞ ! |
メルディ | シゼル ! |
シゼル | 守らねば……私の……。 |
メルディ | シゼル ! メルディだよ !聞こえないか ! ? |
ファラ | どうしたんだろう。私たちの声が聞こえてないみたい。 |
コハク | ……多分、スピルーンが傷つけられたんだよ。 |
メルディ | そんな……。 |
コハク | でも、こんな状態でも戦っているなんて……。よほど守りたいものがあるのかな……。 |
メルディ | シゼルはもうシゼルじゃないか ?ここにいるのは、やっぱりネレイド……。 |
ファラ | 違うよ、メルディ ! |
ファラ | カケラでもシゼルはシゼル。メルディのお母さんだよ ! |
メルディ | ファラ……でも……。 |
リッド | そうだぜ。まだ、終わったわけじゃない。キールの言葉を思い出せ。 |
キール | メルディ、ぼくの師は言った。不可知なるものを学べ、それが本当の学問だと。 |
キール | 人間の知が及ばないものに挑む。その先に新たな発見があるということだ。 |
キール | つまり、何が言いたいかというと……その……。 |
リッド | キールのことだから、下手に希望を持たせたら失敗した時、余計傷つけるとか思ったんだろうな。 |
ファラ | だね。キールならそういうこと考えそう。 |
リッド | でも、きっとあいつはメルディを勇気づけたかったんだよ。 |
リッド | 希望は持っていいんだ。上手くいかなくても、受け入れる覚悟さえあれば。 |
リッド | つまり、キールが言いたかったのは── |
ファラ | がんばれ ! 諦めるな ! ぼくがついてる ! |
ファラ | ……だね ! きっと ! |
メルディ | みんな……。 |
コハク | そうだね。これがデスピル病じゃないのならまだ何かできることがあるかもしれないよ ! |
メルディ | ありがとな。メルディ、もうちょっとだけ信じてみるよ。 |
メルディ | シゼル……メルディの声聞こえるか ? |
メルディ | 何があった、教えてほしいよ。そしたら、助けるできるかもしれない。 |
メルディ | シゼル……おカーサン ! |
シゼル | ……あ……ああ……。 |
ファラ | 反応した ! |
メルディ | おカーサン ! おカーサン ! |
シゼル | 守らなければ……。 |
シゼル | やつが、ふたたび私を支配する前に……。最後の力で……この身を石に……。 |
シゼル | 閉じ込める。決して解き放ちはせぬ……。 |
シゼル | ここは新たな世界……。やつには渡さぬ……温かい光……。 |
ファラ | 新たな世界ってことは具現化された時のことを言ってるのかな ? |
リッド | 閉じ込めるとも言ってるな。もしかして、ネレイドのことか。 |
ファラ | キールが言ってたよね、ネレイドほどの存在はこの世界にエンコードされると弱体化されるって。 |
リッド | つまり、具現化された時にネレイドの支配から解放されたのか。 |
コハク | そうだとしたら、シゼルが守ろうとしてる温かい光ってなんだろう ? |
リッド | わかんねぇけど、ネレイドがそれを狙ってる。シゼルは必死で守ろうとしてる。 |
ファラ | だったら渡すわけにはいかないよね ! |
メルディ | おカーサン ! 教えてほしいよ !何を守ろうとしてた ! ? |
シゼル | あ……ああ……。 |
メルディ | あっち ? あっちになにがあるよ ? |
シゼル | …………。 |
リッド | これ以上は聞き出せないか……。 |
メルディ | とにかく、行ってみるよ。 |
メルディ | シゼルが守りたいもの。今度は、メルディが守る…… ! |
チャット | いったい、何がわかったというんですか ? |
キール | これは、封印なんだ。 |
キール | ネレイドは、かつてレグルスの丘という場所に封じられていたのは知っているだろう ? |
キール | シゼルのこの状態は、それによく似ているんだ。 |
キール | 最初は弱体化したネレイドの防衛本能──黒体と同じ現象じゃないかとも考えた。 |
キール | だが、この石がリバヴィウス鉱と同じ役割を果たしていたというのなら話はまったく違ってくる。 |
キール | 星のカケラ……リバヴィウス鉱は肉体のないネレイドを閉じ込めることができる唯一の物質だったんだ。 |
クンツァイト | 身を守るのではなく、封じ込めるか。だが、そうであれば疑問も残る。 |
クンツァイト | いったい誰がそのようなことをしたのか、だ。 |
キール | ああ、その通りだ。そして、それを実行したのは——シゼル本人だ。 |
チャット | 自分で自分を封じたというんですか ?それこそおかしな話ですよ。 |
キール | ああ、おかしな話だ。だけどそれはシゼルとネレイドが同じ存在だった場合の話だ。 |
セルシウス | シゼルはネレイドの支配から解き放たれたというの ?人間の精神が神に抵抗できるとは思えないわ。 |
キール | もう神じゃない。エンコードでネレイドは弱体化してる。 |
キール | 間違いない。今、シゼルとネレイドは分離している。つまりシゼルの中からネレイドだけを排除できる ! |
チャット | す、すごいじゃないですか !メルディさんのお母さんを助けられるんですね ! |
クンツァイト | だが、それをどうやってコハクたちに伝えるのだ ? |
チャット | あ……。 |
キール | 大丈夫だ。あいつらなら、きっと気づく。答えに辿り着くはずだ。 |
セルシウス | 根拠はあるの ? |
キール | ……ない。だけど、不思議と確信があるんだ。 |
キール | 理論も検証も何もない。なのに、不安はない。心から信じられる。 |
キール | ……そうか、これが不可知を学ぶということなのか。 |
キャラクター | 9話【絆の奇跡10 母娘】 |
ファラ | 小屋があるね。 |
リッド | これが、シゼルの守りたかったものなのか ? |
メルディ | 入って、みるね……。 |
リッド | なんだ、なんにもないぞ ! ? |
コハク | 待って、なにか聞こえる ! |
シゼル | メルディ……メルディ…… ! |
シゼル | ……ルイシカから脱出せねば。メルディ、行くぞ。 |
メルディ | バリルとお別れか ? メルディ、やだよぅ。バリルと一緒にいるの。お別れ、やだよぅ! |
シゼル | メルディ……。 |
シゼル | 別れは終わりではない。とこしえに想うことこそ共にあるということなのだ。 |
シゼル | メルディ……私の温かい光……。 |
ファラ | シゼルの……記憶……。 |
リッド | これが、シゼルの守りたかったものなのか ? |
コハク | さっきのシゼルと雰囲気がぜんぜん違うね。すごく優しくて……。 |
メルディ | 思い出したよ……。メルディ、最後に見た優しいシゼル。ずっと見たかったおカーサンの顔だよ……。 |
ファラ | シゼルにとっても同じだったのかもね。 |
ファラ | 最後に見たメルディ……。自分の娘の姿を忘れたくなかったんだよ。 |
リッド | シゼルが、一番戻りたかった瞬間なのかもな。 |
メルディ | ……はいな。 |
メルディ | シゼルは生きてたよ、ずっとここにいたよ……。 |
メルディ | う……うう……。 |
メルディ | うわああああああああん ! |
リッド | こりゃあ、やばいぞ ! |
コハク | みんな ! 外へ ! |
リッド | おい、さっきまでと違うぞ ! ? |
コハク | 見て ! |
シゼル | ああ…… ! やめろ ! 私は……私はああああっ ! |
シゼル=ネレイド | ずいぶんと、手間をかけさせられた……。 |
シゼル=ネレイド | 新たな世界、新たな法則……。我の力もずいぶんと削がれた。 |
シゼル=ネレイド | 取り戻さねばならない。力を。そして、我の世界を…… ! |
メルディ | ネレイドか ! ? |
リッド | 別の世界に来てもまだ諦めてないのかよ ! |
ファラ | ほんと、往生際が悪い神様だよね ! |
コハク | 人のスピリアに取り憑いて悪さをするなんてゼロムと何も変わらないじゃない ! |
リッド | だったら、神様なんかじゃねぇな。ただの悪党だぜ ! |
クィッキー | クィッキー ! |
メルディ | シゼルが身体、シゼルが心……。ぜんぶ返せよー ! |
シゼル=ネレイド | くだらぬわ…… ! |
キャラクター | 10話【絆の奇跡10 母娘】 |
シゼル=ネレイド | おのれ、おのれ、おのれ…… ! |
シゼル=ネレイド | だが、まだ終わらぬ…… !我は帰るのだ、物質なき世界へ ! |
メルディ | あれは ! ? 闇の極光術だよ ! ! |
コハク | 闇の極光術 ! ? なんだかわからないけどそれってピンチってこと ! ? |
ファラ | 大丈夫だよ。リッドなら。 |
メルディ | ワイール ! リッド、お願い !シゼルを……おカーサンを助けてよ ! |
クィッキー | クィッキー ! |
リッド | ……ああ、任せろ ! |
シゼル=ネレイド | 開け ! 虚空の扉 ! 我が闇の洗礼を受けよ ! ! |
シゼル=ネレイド | エターナル・ファイナリティ ! |
リッド | おおおおおおおおおおっ ! |
シゼル=ネレイド | 忌々しいセイファートの力か ! |
リッド | 違うな。これはセイファートだけの力じゃねえ ! |
リッド | 人が、晶霊が、すべての生き物が前に進もうとする意思の力だ ! |
リッド | 何もかも壊してなくしちまおうとするお前には絶対にわからないだろうけどな ! |
シゼル=ネレイド | 黙れ黙れ黙れえええええっ !我は帰るのだ ! 原初たる無の世界へ ! |
リッド | そして、これが── |
リッド | 未来を切り拓く想いの剣だ ! |
シゼル=ネレイド | おのれええええええっ ! |
リッド | これでッ ! 終わりだーーッ ! ! |
リッド | う……ううん……。 |
キール | やっと起きたか。みんなとっくに目覚めてるぞ。 |
リッド | 仕方ねぇだろ。オレはもうヘトヘトなんだよ……。 |
リッド | って、そうだ !シゼルは ! ? 他のみんなは ! ? |
キール | 安心しろ。みんな無事だ。もちろん……シゼルもだ。 |
リッド | 本当か ! ? |
メルディ | シゼル、シゼル…… ! |
シゼル | う……うう……ここは……どこだ。 |
メルディ | シゼル、メルディのことわかるか ? |
シゼル | メルディ……当たり前だ。私とバリルの大事な娘……。 |
メルディ | おカーサン…… ! |
コハク | うう……よかったね……メルディ。 |
チャット | あっ、あなたが泣いてどうするんですか……ううっ ! |
コハク | そういうチャットだって…… ! |
クンツァイト | 交感神経の変動と涙の成分を検知。二人とも、このハンカチを使うといい。 |
コハク | うん、ありがと……。 |
メルディ | シゼル、動けるか ?どこか痛いところないか ? |
シゼル | まだ少し、身体が重いが大丈夫だ。 |
キール | 一つ、確認しておきたい。ネレイドは、完全に消滅したのか ? |
シゼル | ……ああ。少なくとも私の中にはもういない。 |
ファラ | じゃあ、わたしたちメルディのお母さんを取り戻せたんだね ! |
シゼル | そうか、私は解放されたのか。こんな穏やかな気持ちに……いつ、以来……。 |
メルディ | シゼル ! |
クンツァイト | 眠っただけだ。脈拍も心拍も正常値を維持している。 |
メルディ | そっか……よかったよ……。 |
キール | 無理もない。具現化してから今日までずっと自分の中にネレイドを封印し続けていたんだ。 |
メルディ | シゼルが、ネレイドを封印していた ? |
キール | シゼルが具現化されたのはぼくたちが具現化された時期と一致する。 |
キール | それは、クンツァイトの分析からも間違いない。 |
キール | つまり、シゼルはぼくやメルディと一緒に具現化されたんだ。 |
キール | その時、エンコードの影響で一時的にネレイドの支配から解放された。 |
メルディ | じゃあ、あの時、シゼルはメルディがすぐ近くにいたのか ? |
キール | そうだ。 |
キール | ここからは推測も交えてになるが……。 |
キール | シゼルは、メルディが側にいることネレイドが狙っていることに気づいたんだ。 |
キール | そして咄嗟にネレイドを自分の中に閉じ込めたんだ。自ら、石になることで。 |
キール | 今日までやつに支配されずにすんだのはまさに奇跡に近い。とてつもない精神力だ。 |
キール | よほど、守りたかったんだろうな。お前のことを。 |
リッド | まわりくどいなぁ。もっとはっきり言やいいじゃねぇか。 |
ファラ | つまり、お母さんを助けられて良かったね !ってことだよね ! |
キール | だから、ぼくの言葉を勝手に決めるな ! |
チャット | 素直じゃないですね。必死になって調べていたじゃないですか。 |
セルシウス | ずっとソワソワしてたわ。 |
クンツァイト | 母の愛を証明するとは……。自分では予想もできなかったことだ。 |
コハク | そう言われると、すごく情熱的に聞こえるね。 |
キール | う、うるさい ! そんなんじゃない ! |
メルディ | キール……ありがとな。 |
キール | 別に、ぼくはなにもしていない。ただここで待っていただけだ。 |
メルディ | ううん、今日のことだけ違うよ。 |
メルディ | 今までの、ぜんぶ。キールのおかげ。 |
メルディ | リッドもファラも、チャットも。コハクにクンツァイトも ! |
メルディ | みんな、ありがとな ! |
キャラクター | 11話【EX1 この世界にもアレが!】 |
チャット | 皆さん、今日は集まって頂きありがとうございます。さすがはボクの子分たちですね。 |
リッド | おい、チャット。今度は一体何なんだ ?もしかして、またネレイド関連じゃねえだろうな ? |
チャット | そうですね……確かに、この情報を掴んだときはシゼルさんの彫像を見つけた時ぐらいの衝撃でした。まさか、この世界にも『アレ』があったなんて……。 |
ファラ | 『アレ』 ? |
チャット | ええ ! なんと、このオルバース大陸に秘宝と呼ばれるお宝が存在しているんですよ ! |
メルディ | バイバ ! ! そうなのか ! ? |
チャット | はい。今では世界中の海賊や冒険家たちが血眼でその秘宝の在処を探しているそうなんです。 |
チャット | というわけで、今から皆さんにはボクと一緒にその秘宝を探す手伝いをしてもらいます。 |
リッド | おいおい……。何かメンドーなことになってきたぞ……。 |
ファラ | 秘宝かぁ。もしかして、わたしたちが知ってる七大秘宝と何か関係があったりするのかな ? |
キール | そうだな、その可能性も十分考えられる仮説だ。 |
キール | シゼルがこの世界でも具現化されたのと同じようにぼくやメルディの七大秘宝に関する知識や記憶が具現化の際に反映されたのかもしれない。 |
リッド | ってことは、オレたちがチャットに付き合わされるのもお前のせいって訳だ。 |
キール | ぼくのせいにするな !大体、ぼくじゃなくメルディのせいかもしれないじゃないか ! |
メルディ | お宝あるの、メルディのおかげか ?だったら嬉しいよ。みんなで冒険、きっと楽しい ! |
キール | 何でそうなるっ ! |
セルシウス | 全く、相変わらずねあなたたちは……。 |
チャット | むしろ、その秘宝がボクたちの世界の七大秘宝と関連しているのなら、ますますボクが手に入れなければいけませんね ! |
ファラ | そういうことなら、わたしたちも手伝おうよ。ねえ、リッド ? |
リッド | えー、オレは帰ってアジトでゆっくりしたいぜ……。 |
キール | ぼくも遠慮願いたいね。研究室に戻って他に調べたいことが山ほどあるんだ。 |
メルディ | メルディは手伝うよ !チャット、メルディがおカーサン見つけてくれた。今度はメルディが力になる番。 |
リッド | でもよー、オルバース大陸ってことはかなり広い範囲を探さないといけねえじゃねえか。 |
ファラ | リッドなら大丈夫だよ。イケるイケる ! |
リッド | はぁ、ったく。結局いっつもこうなんだよな……。 |
チャット | ご安心を。既にいくつか秘宝がありそうな場所の情報は入手済みです。船も用意してますので早速、出発しましょう。 |
キール | 待て ! ぼくはまだ何も…… ! |
メルディ | はいな ! お宝目指して頑張るよ !ほら、キールも一緒に頑張ろうな ! |
キール | ちょ、メルディ ! 引っ張るな !おい ! だからぼくの話を聞け― ! |
キャラクター | 12話【EX8 母の愛】 |
リッド | この島で最後だな……。今までの情報は全部ハズレだったしここにも秘宝なんてないんじゃねーか ? |
??? | 随分と情けない声を出すのだな。とても、あのネレイドを倒した男だとは思えん。 |
リッド | なっ ! お前は…… ! |
メルディ | おカーサン ! ? |
ファラ | どうしてシゼルさんがここに ! ? |
シゼル | アジトでお前たちがこちらの島に向かっていることを聞いてな。ついでにこちらも先に回収しておいたぞ。 |
チャット | その宝箱は ! ?まさか、シゼルさんが先に秘宝を見つけたのですか ! ? |
シゼル | ああ、宝を探しているということも知っていたのでな。 |
チャット | ……なるほど。イクスさんたちに定期連絡は送っていましたから、シゼルさんがこの場所を知っていても不思議ではありませんね。 |
シゼル | この島は魔物の数も多い。秘宝が誰の手にも渡っていなかったのは、それが原因かもしれぬな。 |
メルディ | ワイール ! さすがおカーサンだよ ! |
シゼル | すまない。お前の楽しみを奪ってしまったかもしれぬ。だが、宝はお前たちで持ち帰るといい。私には必要がないものだ。 |
リッド | へえー。随分と気前がいいんだな。 |
ファラ | あっ、わかった ! シゼルさん、メルディのことが心配で来てくれたんだね ! |
シゼル | いや、そのようなつもりは……。 |
メルディ | そうなのか ! ? だったら嬉しいよ !ありがとな ! おカーサン ! |
シゼル | …………ッ ! |
キール | よ、良かったじゃないか……。こっ、これで……ぼくたちは帰っていいんだな……。 |
セルシウス | ええ、特にあなたには朗報だったわね。 |
リッド | キール、お前、今回は船酔いで倒れそうだったもんな。 |
キール | べっ、別にこれくらいぼくは何ともない !ただ、これ以上お遊びに付き合ってやるのが嫌だっただけさ ! ! |
シゼル | ふっ、やはり来て正解だったようだな。そんな状態ではとてもメルディを任せることはできなかった。 |
キール | な、なんだって…… ?ぼくが……メルディ一人も守れない奴に見えるって言うのか ? |
シゼル | ああ。そう思ってくれて構わない。 |
キール | なっ ! ? ぼ、ぼくだって…… ! |
メルディ | おカーサン ! キールのこと、悪く言わないで ! |
キール | メ、メルディ ! ? |
メルディ | キール、確かに体力ないし、乗り物に弱くてフラフラしてるときあるよ。あと、たまに言ってること全然わからないし、メルディよく怒られる……。 |
キール | おいっ ! ? |
メルディ | でも ! キール、ずっとメルディと一緒に旅してくれた仲間。困ったときいつも助けてくれたよ。だから、キールはとても頼りになる ! ! |
キール | メルディ……お前…… ! ! |
シゼル | ふっ。私の娘に随分と信頼されているようだな。いいだろう。ならば、私が直接お前の実力を見定めるとしよう。 |
キール | なっ ! ? ぼくと戦うっていうのか ! ? |
シゼル | 手加減はいらぬ。さあ、お前の想いがどれほどのものか私に示してみせよ ! |
ファラ | がんばれー、キール !メルディのお母さんに認めてもらうチャンスだよ ! |
キール | お、おい ! 誤解をされるような言い方をするな !あーもう ! こうなったらやってやるさ ! |