キャラクター1話【任務1 エージェント登場】
この物語は未来のお話です。
ジュードわぁ、立派なモミの木だね。これだけの大きさなら街のどこからでも見えそうだ。
レイアでしょ ! わたしもこれだ ! ! って。見つけた時には、自分で自分を褒めてあげたいって思っちゃったよね。
レイアほら、ジュードも。遠慮はいらないから !
ジュードな、何の話 ?
レイアわたしは自分で自分を褒めたんだから次はジュードからでしょ ?どうして「はぁ ? 」って顔するのよ。
ジュードはぁ ? 僕は立派なモミの木だって褒めたじゃないか。
レイアそれは『モミの木』でしょ。『わたし』が頑張ったことも褒めてもらわないと。
ジュードはぁ……レイア、よくやったね。これでいい ?
レイアうん ! ありがとう、ジュード。
エリーゼあの……なんのお話をしてるんですか ?
ティポぼくらを勝手に連れてきてさー。自分たちだけで話を進めないで欲しいよねー。
ローエンほっほっほ。すみません、私からもお話していませんでしたね。ですが、エリーゼさんも大好きなお話ですよ ?
エリーゼわたしも大好きなお話…… ?えっと、なんでしょう……。
ティポきっと美味しいお菓子の話だよー !昨日も太るからって、お菓子を我慢してたよねー。結局食べちゃったけどー。
エリーゼティ、ティポ ! 余計なこと言わないで。
エリーゼち、ちがいます最近……ちょっとお腹が気になって……でも我慢できないし……。
ローエン気になさらない方がいいですよ。エリーゼさんぐらいのお歳なら好きなものをお食べなさい。
ティポ食べたのは、ローエンが隠してた紅茶味のクッキーだったけどねー。
ローエンなんですとっ !
ローエン……夜にこっそり食べようと隠していたのですが見つかってしまいましたか。
ジュードははは、ローエンも次は注意しておかないと、また食べられちゃうね。
レイアもう、エリーゼに今回の目的を伝えるんでしょ。話が脱線しすぎだよ。
ローエンそうでしたね、失礼しました。
レイアエリーゼ、今日はね、クリスマス会のお話なんだ !前のクリスマス覚えてるでしょ ?
エリーゼわぁ…… ! はい、覚えてます !とっても楽しかったです。それにサンタさんからプレゼントもらいました !
ローエン今回も良い子でいればサンタさんはきっと来てくれますよ。
エリーゼわ、わかりました !わたし、良い子でいますね。
ティポそうしたら、プレゼントまたもらえるねー !
ジュードそれでね、クリスマス会の目玉でクリスマスツリーを作ろうと思ってみんなと話をしていたんだ。
エリーゼクリスマスツリーってあの綺麗なキラキラした木ですよね…… ?この大きな木でやるんですか ! ?
レイアピンポーン !これだけ大きな木をクリスマスツリーにしたらすっごく綺麗でしょ !
ティポその分、大変だと思うけどねー。
レイアあ……たしかに……あはは。そこまで考えてなかったなぁ。ジュード、どうする ?
ローエンジュードさんからはすでに準備に向けて買い出しの相談や飾り付けの人手のお話は受けておりましたよ。
レイアえ、本当 ! ? さっすがジュード。
ジュードレイアのことだからきっと考えてないんだろうなって。もちろん段取りも考えてあるよ。
レイアうぅ……わたしをよく知る幼なじみの言葉。当たりすぎてて反論できないよ……。
ジュードレイア、プレゼント交換だってあるんだよ。まさか忘れてないだろうね ?
レイアふっふっふ。もちろんっ !準備はバッチリだよ。
ジュードへえ、なにを準備したの ?
レイアえっとね……ああ ! 危ない危ない !思わず言っちゃうとこだった。
レイアけど、すっごい考えたからきっと『あの子』も喜んでくれると思うんだ
ジュード『あの子』 ?
レイアほら、『あの子』だよ。もしかしたら、クリスマス会に来てくれるかもしれないじゃない ?
ジュードレイア……うん、そうだね。きっと来てくれるよ。
レイアそれで、ジュードは ?もう用意したんでしょ。
ジュードうん、もちろん。まだ秘密だけどね。
レイアえ〜、ずる〜い。わたしのは聞き出そうとしたくせ――ん……あれって ?
レイア……ねえねえ、なんだろ……。モミの木のてっぺん……何か見えない ?
ローエンむぅ、あれは……『人影』に見えますが……しかし、あのような場所に人がいるでしょうか ?
ジュードローエンの言う通りだよ。人がいる。あんな高いところ……落ちたら大変だ !助けてあげないと。
レイアちょちょちょ !はっきりは見えないけど……イバルじゃない ?やっぱそうだよ、イバルだよ !
ローエンなんと……まだ発見されていない鏡映点の方がいたとは。お話をしておく必要がありそうですね。
レイアねーーーーーーーーーーー !イバルーーーーーーーーーーー !イバルでしょーーーーーーーーーー ! ?
イバル困ったぞ。どこで落としたんだ。おや……そうだ、あの場所に違いない !
イバル……なんだ ? どこからか俺を呼ぶ声が。
イバルなっ ! ジュードにレイア、他の連中も。あいつらと関わるとロクなことはないが……くそ、まだ呼び続けてるな。
イバル仕方ない……挨拶ぐらいはしてやるか。
イバルとぅーーーっ ! !
イバルてやっ !……つっ〜〜〜〜〜っ !
レイアイバル、大丈夫 ?すっごい痛そうなんだけど。
イバルははは、バ、バカを言う……なっ !俺がこの程度で痛がるわけは……。
ティポつんつんー。
イバルぎゃーーーーーっ !貴様、足をつんつんするなっ !
レイアほら、足を見せて。骨が折れてたら大事だよ。ジュードに診てもらわないと。
イバルふん ! ジュードの世話になるくらいならボアの餌になった方がマシだ !レイア、お前が治療しろっ !
レイア偉そうに言いながら、涙浮かべないでよ。薬だけ塗っといてあげるから、大人しくして。はい……おしまい ! っと。
イバルふん、感謝してやる。しかし、お前たちなんのつもりだ ? 昔の服を引っ張り出して、懐かしさにでも浸るつもりか。
ローエンおや、イバルさん。あなたの服装私たちが知る巫子の装束ではありませんね。
イバル今さら、わかりきったことを。俺は巫子ではなくマルチエージェントだからな。
ジュードエージェント……。ひょっとして僕たちよりも未来の時間軸から具現化されてきたってことじゃ……。
ジュードねえ、もしかしてイバルはルドガーのことを知ってるんじゃない ?
イバル…… ?お前は何を言っているんだ ?
ジュードえ ? エージェント……なんだよね ?ルドガーかユリウスさんには会ったことがないの ?
イバルはっはっは ! 詳しくは教えてやれないが優秀な俺は秘密任務を任されて誰とも会わず、長い間、潜入していたのだ。
ローエン……ふぅ。これは私たちから説明をした方がよさそうですね。
ジュードそうだね。何となく話が食い違ってるみたいだし。
ジュードイバル、話しておきたいことがあるんだ。君が今、どういう状況に置かれているかをね。
イバル受け入れがたいが……お前たちが嘘を言っているようにも思えん。
レイアあれ ? もっと騒ぐと思ってたけど案外、冷静に受け入れたね。
ジュード僕たちが知っている頃のイバルとは何か違うのかも。
イバルつまり、お前たちのもとにはミラ様もいらっしゃるということか ?
ローエンはい、ミラさんもいますよ。お会いになりたいですか ?
イバルいずれな。それより今は仕事道具を失くして困っている。
レイアわ、イバルがミラにこだわらないなんて。やっぱり、わたしたちが知ってるイバルじゃない。
ジュードねえ、イバル。ひょっとして木の上にいたのは高い場所から仕事道具を探していたとか…… ?
イバルその通りだ。近くに遺跡が見えるだろう。きっと失くしたのはあそこだ。
ジュードそっか、それなら僕たちも手伝うよ。
イバルだれがお前などに ! !余計な真似は謹んでもらおうっ。
レイアなんか、ジュードに対しての態度は変わらないね。
エリーゼどうしてでしょう ?ミラのことは気にしてなかったのに。
ローエン私たちの知らないことが未来にあった……ということなのでしょう。
レイアイバル、この辺りは詳しくないでしょ。だったら、わたしたちに任せてよっ !
レイアほ〜ら、強がってないで探してあげるから。行こっ。
イバルそこまで言うのなら力を貸すことを認めてやる。だが、ジュード、お前は…… !
レイアあ〜、はいはい。ほらみんなも行こう。ジュードも行くでしょ ?
ジュードあはは。うん、もちろん。

キャラクター2話【任務2 ミッション発令】
レイアねえ、イバル。この遺跡で失くしたのは間違いないの ?
イバルその筈だ。先日この辺りに来た時から見当たらない。
エリーゼそもそも何を失くしたんですか ?
イバル俺のGHSだ。……と言っても、お前たちは過去の世界から来たと言っていたな。
イバルだったら知らないだろうが、GHSは通信機器だ。……なんといえば、お前たちに伝わるだろうか。
ティポ説明下手だなー。
イバルいいか、こう四角くて、小さくてボタンがたくさんついたやつだ !いいから、探せ。
エリーゼあの、これですか ?
レイアはっや !
イバルでかした娘 ! たしかに俺のGHSだ。
レイアへえ、これってまだ使えるの ?
イバルだいぶ前から使えなくなってしまった。思えば、ここに具現化された頃かもしれないな。
レイアえ~ ? 使えないなら、探さなくてよかったじゃん。
イバルバカをぬかせ ! このGHSには俺の仕事の大切な思い出が詰まっているんだ。
イバル……ふう、中身のデータも無事のようだ。
レイアあれ ? それなに ! ?隠さないで見せてよ〜〜 !
イバルこ、こら。やめろっ。
レイア……自分の写真 ? やだ、なにこれ ?あはは、すっごい格好つけてる。
エリーゼ背中から羽が生えたんですか…… ?あ、羽の絵の前で撮ったんですね。
ローエンほう、こちらは夕暮れの海岸。美しいですね。うーん、私も三十歳若ければこのような写真を撮ってみたいものです。
エリーゼあの……この写真のためにわたしたちここまで来たんですか ?
ティポ無駄足ってこういうことだねー。
イバルふん、いくらケチをつけようがなこれは俺の宝物だ。
ジュードそうだ、イバル。そのGHSが使えないなら僕の予備の魔鏡通信機を……はい、これを使って。
イバル魔鏡通信機 ?
ジュードうん、この世界で使える通信機なんだ。たぶん、そのGHSと同じようなものだよ。
イバルふむ……これが。なんとなく使い方はわかりそうだ。
イバル…… ? 急に連絡が入ったぞ ?
ジュードおかしいな。予備機だから、誰にもこの連絡先は教えてないんだけど。
イバルまあ、いい。出てみるか。
???おはよう。エージェント・イバル。突然の連絡に驚いたかね ?今回のミッションを伝えよう。
???この度、恵まれない子供たちにクリスマスプレゼントを配ろうと非営利組織のサンタ協会が設立された。
???しかし、このことを良く思わない何者かが今回の取り組みを妨害しようとしているという情報が入った。
???君のミッションは、この妨害する人物に抵抗できるメンバーをスカウトしサンタ協会の活動を無事成功させることだ。
???なおこのメッセージは自動的に消去される――
???ことはない。君のことだ。忘れたら通話記録を聞き直してくれたまえ。
ジュードイバル、今の知ってる人 ?
イバル検討はつくが……おかしいな。秘密任務中は手紙でやり取りをしていたのに……。なぜ、この通信機がわかった ?
ローエンそれもありますが、聞き捨てならないことを言っていましたね。このクリスマスにサンタ協会の邪魔をしようとしている者がいると。
イバルおい、そもそもクリスマスとはなんだ ?
ローエン……というのが、クリスマスなんだそうですよ。
イバルほう、珍しい習慣があるんだな。クリスマスについては理解した。さて、どこから手をつけたものか……。
ジュードイバル、普段からこんな仕事をしているの ?
イバルふっ、驚いたか。この程度の任務、朝飯前の夕飯後だ !
ローエンですが、イバルさんはまだこの世界には少々疎いかと。協力者も必要だとおっしゃっておりましたしお力添えが必要では ?
レイアうん、そうだね !子供たちを喜ばせるいい仕事みたいだしわたしも手伝うよ !
イバルお前たち素人の意見はありがたいがこの仕事を成功させるには、同業者が一番だ。
イバルおい、ルドガーの連絡先はわかるか ?ルドガーも具現化されているんだろう ?
ジュードあ、うん……ちょっと待ってね。はい、これで連絡ができるよ。
イバル……もしもし、ルドガーか ?
ルドガーえ、イバル ! ? ど、どういうことだ ! ?お前もこっちの世界にいたのか ! ?
イバルそのようだ。こっちもいい迷惑してるがな。そんな話はどうでもいい。お前に手伝って欲しい仕事がある。
ルドガー仕事って……突然過ぎるな。もしかして急ぎなのか ?
イバルああ。どうしてもお前の力が必要になりそうだ。
ルドガー困ったな……。これから約束があるんだ。エルとのクリスマスパーティの準備があって兄さんも手が放せない。
イバルなにを兄弟そろって寝ぼけたこと言ってるんだ !仕事より、ちゃらちゃらした遊びが大事か !
ルドガー大事だ。
イバルな、ななな ! くぅ……こいつはダメだ。しかし、ルドガーぐらいの実力があって勝手のわかるやつは欲しい……。
ルドガーこっちまで聞こえてくるような独り言はやめてくれよ……。
イバル頼む ! 他に当てがいないんだ。この通りだ、ルドガー。
ルドガーそうだな……。ヴィクトルさんなら頼りになるとは思うが……。
イバルなら、そいつだ ! そいつの力を貸してくれ。
ルドガー居場所は教えるけど協力してくれるかは約束できないぞ。
イバルおお、構うか !
ルドガーわかった。ヴィクトルさんが今、滞在している場所を送る。そこへ行ってみてくれ。何度も言う――
イバルよし、これで大丈夫だ。レイア、ローエン、さあ行くぞ。
レイアえ ? わたしたち必要ないんじゃないの ?
イバルジュードと娘はな。お前らは来てくれ。決して、ルドガーに断られたからじゃないぞ。
レイアふふふ、はいはい。お力、お貸ししましょ〜。
ローエンでは、私もお供いたしましょう。エリーゼさんはみなさんのところで待っていてください。
エリーゼはい、帰ってくるの待っていますね。
レイアジュードも、エリーゼとお留守番よろしくね。
ジュードうん、クリスマス会の準備もあるしね。みんな気をつけて、いってらっしゃい。
イバルさあ、ミッション開始だ。

キャラクター3話【任務3 謎のメッセージ】
レイアごめんくださーい !ヴィクトルさん、いますかー !
レイア……返事がないなら勝手にお邪魔しちゃいますよ〜。
イバルなんだ不在か ?ルドガーのやつ、適当な情報を。
ローエン部屋も冷えきっておりますから空けてからしばらくは経っていそうですね。
イバルん ? なんだこの猫は ?
ルルナァ〜 !
レイアあ、ルルだ !どうしてここにいるの ?
ルルナァ〜。
イバルお前、どこかで見たな ?たしかルドガーのところの…… ?
ルルナァ〜。
イバルほう。ここは巡回先の一つなのか。
レイアそっか、猫って決まったところをまわって一日過ごすとか言うよね。てか、動物と話せるのやっぱすごいね。
ローエンイバルさんは動物と会話できるのでしたね。潜入捜査や情報収集はお手の物でしょう。
イバルふっ、その通り……ん ?しつこいな、何がいいたい ?
ルルナァ〜、ナァ〜 !
レイアひょっとして、ヴィクトルさんのすごく大事な情報を言ってるの ?
イバル腹が減ってる、餌をよこせだと ?そこにカリカリがあるだろう。
ルルナァ〜。
イバル好き嫌いを言うな !世間とはそんな思い通りになるものじゃないぞ。お前も浮世の風の冷たさを知れ。
ルルナァ〜 ! !
レイアあ〜〜、怒らせたでしょ !
イバル好きにさせておけ。黒いカードがどうこうと文句を言いながら去っていっただけだ。
ローエン黒い……カードですか ?でしたら、その机の上にありますが……。
レイアあ、本当だ ! ルル、お手柄〜 !ちゃーんと、大事なこと教えてくれたんだ。
イバル最後まで粘り強く尋問した俺を褒めるところだろうが……まあいい。こいつを調べてみるぞ。
ローエンクリスマスカードのようにも見えますが漆黒を使うとは、なんとも不気味ですね。
レイアなんて書いてあるの ?
イバル「サンタ協会の者たちへ告ぐ ! 今宵、たくさんのプレゼントがクリスマスの街を火の海にするだろう」
イバル「みんなの悲鳴を聞くのが今から楽しみだ ! !――ブラック・サンタ」
イバルなんて趣味の悪いメッセージだ。
ローエンブラック・サンタ、ですか……。
レイアローエン、知ってるの ?
ローエン確か、街の子供たちの間でサンタが二人いるといった噂話が流行っていると聞きました。
レイア二人 ? ひょっとしてプレゼントも二つになるとか ! ?
ローエンいいえ。良い子にはサンタクロースがご褒美を『悪い子』には……黒いサンタクロースが罰を与えるそうです。
ローエンブラック・サンタは、まるで悪魔のような身の毛もよだつ姿をしているそうですよ。
レイアわざわざクリスマスに罰なんか欲しくないよー。
イバルひょっとすると、ブラック・サンタを名乗る者がサンタ協会を妨害しようとしているのかもしれんな。
ローエンありえなくはないかと。
イバルだが、どうしてヴィクトルの家にこのカードがあるんだ ?……はっ !
レイアひょっとして何か分かったの ?
イバルふふ……はっはっは !ヴィクトルというその男こそがブラック・サンタ本人ということだ !
イバルヴィクトルを捕まえればすべて解決……任務完了だ。
ローエンいえ、イバルさんには申し上げにくいですがヴィクトルさんがそのようなことをするとは思えません。
ローエンこう考えてみてはいかがでしょう ?ルドガーさんからも信頼されるほどの力をお持ちのヴィクトルさんです。
ローエンひょっとしたら、サンタ協会からなんらかの形でヴィクトルさんにも情報が提供されたのでは ?
イバルふん、まあ可能性はすべて考えておく必要があるな。いいだろう、それも考慮しよう。
ローエンまだなにかヒントはありませんか ?カードをよく見てみましょう。
イバルそもそも、俺のもとに来た相談だ。そんな飛躍した話はないと思うが……。
イバル「次は軍事倉庫か…… ? 」と手書きのメモがあるな。ふふ……すべて俺の予想通りだ。
レイアへっ ?
イバルヴィクトルはなんらかの形でブラック・サンタの存在を知り、すでに独自に動き出したのだろう。まったく、チームの輪を乱す困ったやつだ。
レイアそれほとんどローエンが言ったことだし……ヴィクトルさんもまだスカウトしてないし……。
イバル口を慎め。がたがたと言ってる暇があったらさあ、手を動かせっ。それが俺のチームの鉄則だ。
レイアはいはい……。わたしもローエンもすっごい働いてるけどね。
レイア大人になったのかなぁって思ったのにもう、相変わらず人の話聞かないなぁ。
ローエンほっほっほ。イバルさんらしく猪突猛進となってまいりましたね。
イバル二人とも何をごちゃごちゃと。ほら、ヴィクトルを見つけるぞ。こいつの行き先にブラック・サンタがいる筈だ !
レイアちょ、ちょっと !軍事倉庫はこっちだよー !
イバルお前たちを試しただけだ !

キャラクター4話【任務4 軍事倉庫にて】
レイアこのあたりで、軍事倉庫っていえばここぐらいしか思いつかないけど……。
イバルさて、ヴィクトルを捜すぞ。
ローエンお待ちください。誰か、こちらにいらっしゃいます。
ガイアスお前たち……どうしてここにいる ?
ローエンガイアスさん !
ガイアス……なるほどな。そのブラック・サンタと名乗る者を止めるために行動していたのか。
ローエンはい、恵まれない子供たちのためですから協力すべきと思いまして。
ガイアスしかし、お前もこちらの世界に来ていたとは驚きだ。
イバル話の通じる奴が来て安心したがよりにもよってお前とはな。
ガイアスふっ。そう、がっかりするな。お前の知らないことがあれば手助けしてやる。
イバルなら、ここで何をしていた ?軍事倉庫が似合わない……って感じでもないが理由もなく来る場所じゃないだろ。
ガイアスこの倉庫で、大量の爆発物が盗まれたと聞いてな。危険な犯罪に使われる可能性も考えて調べに来た。
ローエン爆発物……ですと ! ?
ガイアスだが、お前たちの話を聞いて合点がいった。『クリスマスの街を火の海にする』……。
ガイアスひょっとすると……クリスマスに爆弾をばら撒くつもりかもしれない。
レイアええ ! ? ちょ、ちょっと待って !サンタ協会の邪魔するのが目的でしょ。それがどうして爆弾を撒く話になっちゃうの ?
ガイアスだが、最悪の事態を想定しておいた方がいいだろう。
ローエン『悪い子』に罰を与えるのがブラック・サンタ。倉庫で爆弾を盗み出したのが事実であればもう噂話では済まされません。
ローエン噂話になぞらえた愉快犯……その可能性がありますね。
イバルこら、お前たち勝手に話を進めるな !これは俺の仕事だ。
ガイアスローエン、そのブラック・サンタが狙う『悪い子』とは誰だと思う ?
ローエンそこまでは。しかし、それがわかればブラック・サンタの正体に近づくでしょう。
イバルこの……あくまで俺の話を聞かないつもりかっ。こうなったらもう俺のチームから外して――ん ? ルドガーか ?
ルドガーイバル、ヴィクトルさんには会えたか ?
イバルお前に言われた場所へ行ったがすでにいなかったぞ !
ルドガー悪かった。どうもヴィクトルさんは別の街にいるらしい。
イバル別の街にいるだと ?くそ……今度こそ本当だろうな。
ルドガー直接、話は出来ていないんだ。人伝に聞いた話だ。そこはわかってくれ。
エルルドガー、早く飾り付け手伝ってよー !
ルドガーああ、わかった。今行く。それじゃ、ヴィクトルさんに会えることを祈ってるよ。
ガイアスヴィクトルも動いているとなると楽観視は出来なさそうだな。
ガイアスふむ…………無差別攻撃なのかそれとも目標となる相手がいるのか……。
ガイアスローエン、これはただならぬ事態だ。俺も共に行くぞ。
ローエンはい。ガイアスさんが力を貸してくれるなら頼もしい限りです。
レイアやった ! これで戦力がグーンとアップだね !
イバルだから、それは俺が決める話だ。勝手に決めるな、このーー ! !

キャラクター5話【任務5 仮面の男を探して】
イバルルドガーから聞いた街に着いたぞ。ここにヴィクトルがいる筈だ。
ローエン私たちも初めて来ました。土地勘のない場所で捜すのは一苦労しそうですね。
イバルいいか。これは秘密任務だ。妙な行動をすれば、目立ってしまう。なるべく大人しくしてろよ。
レイアあのー、すみません !わたしたちこの街に詳しくないんですけどヴィクトルさんって方、ご存知ありませんか ?
イバル言ってるそばから、あの女 !
街の女性ヴィクトルさん……さあ、知らないわね。どういった方なの ?
レイアええっと、それは……。
ガイアス仮面をつけた男だ。
街の女性きゃっ、またいい男 !今日はラッキーデイね。
ガイアスごほん……。
イバル……………………。
レイアあ、イバルってば妬いてるんでしょー ?
イバルち、ちがうに決まってるだろ。あんな言葉を真に受けてのぼせ上がるガイアスに呆れているだけだ。
街の女性仮面の男の人なら、さっき見たわよ。仮面をつけててもいい男だったわぁ♪
ガイアスどちらへ行ったかな ?
街の女性たしか街の繁華街の方へ行った筈だけど……。そんな険しい顔して、なにか怖いことなの ?
イバルお前は知らなくていいことだ。
街の女性なによ、あんた。私、こっちのイケメンと話してるんですけどー。邪魔邪魔っ。
イバルぐっ……うぅっ。
レイアま、まあ、落ち込まないでよ。元気だして。あの人もちょっと虫の居所が悪かっただけだよ。
街の女性あの、今日はクリスマス・イブでしょ。これからどこかでゆっくりお話しない ?
ガイアスすまないが、俺にはやることがあるんでな。今夜は嫌な予感もする。大人しく家で過ごすのだな。
街の女性まぁ、その冷たい態度もグッと来るわぁ♪
イバルレイア、あれのどこがいいんだ ?
レイアあはは……わたしもちょっとわからない、かも。
ガイアスヴィクトルがこの街に来ているというのは間違いなさそう――イバルはどうした ?
ローエンほっほっほ、若さ故の患いでしょう。
ローエン若者にとって、クリスマス・イブは舞い上がる者もいれば嘆く者もおりますから。
イバルふんっ……ヴィクトルは勝手に動くしガイアスはモテるしいつか叩きのめすリストに加えておこう。
レイアほら、そんな冗談言ってないで行こう !ヴィクトルさんを見つけて任務を成功させるんでしょ、エージェント・イバル。
イバルおお、そうだった !
イバル俺ともあろうものが、ついつい期待されているのを忘れるところだった。はっはっは !

キャラクター6話【任務6 ブラック・サンタ追跡】
レイアあ、ヴィクトルさんいたよ !
ヴィクトル……こんなところで会うとは。おや ? 彼は……。
ガイアスヴィクトル、事情があってお前を捜していた。話を聞いて欲しい。
イバルお前がヴィクトルか ?勝手に動かれて、こっちは迷惑してるぞ !
ヴィクトルふっ。初めて会うなり、騒がしい男だな。
ガイアス俺たちと共に具現化されていた。イバルだ。
ヴィクトルああ、話はついさっきルドガー君から聞いたよ。よろしくな、イバル君。
イバルだったら、話が早い。早速だが、俺の任務に協力してもらうぞ !
ヴィクトル残念ながら、君の仕事が何かは知らない。ルドガー君もそこについては話さなかったからな。
ヴィクトルそれに私も少々忙しくてね。悪いが他をあたってほしい。
ローエンヴィクトルさん、それがそうも言っていられない雲行きなのです。
ヴィクトルほう ?
ローエン私たちはどうやら同じ事件を追っているようです。ブラック・サンタと聞けば、もうおわかりでしょう ?
ヴィクトル……そうか。その名を出されたら無下には出来ないな。
イバル始めに一つ言っておく。ブラック・サンタを止めるのは俺の仕事だ。いいか、俺のチームとなる以上は――。
ヴィクトルチーム ? ふふふ……私はブラック・サンタの動きを察知して居場所を突き止めた。
ヴィクトル動くか動かないかは、いいか……イバル、私が決める。わかったな。
イバルうっ、ま、まあ……そこまで言うなら少しは許可してやる。
レイアあはっ、イバルってばすっかりヴィクトルさんにビビっちゃった ?
イバルこの……っ。
ガイアスヴィクトル、ブラック・サンタは今どこにいる ?
ヴィクトルこの先の建物だ。軍事倉庫から出た後この街に移動したことはわかっている。
レイアわあ、たった一人でもうそこまで調べてるんですね !
ヴィクトル奴は爆弾を盗みだして今夜、街にばら撒くつもりだ。
ガイアスやはりそうか。俺たちの推測も正しかったようだ。
ローエンでは、急いで止めなければ。
ヴィクトルだが、用心しろ。あいつは、動物のように勘が働くやつでね。気づかれたら、逃げられる。
ヴィクトル何度も、こちらの気配を掴まれそうになった。ここからは慎重に追い詰めたい。
ガイアス獲り逃せば、別の場所で実行されるかもしれないということか。
ヴィクトル一発勝負だ。次のチャンスはないと思った方がいい。
レイアこんな恐ろしいことをするなんてブラック・サンタってどんな人なんですか ?
ヴィクトルそうか、君たちは知らないのか……。黒服に身を包み、ギラついた眼の女だよ。
レイア女…… ?
ヴィクトル会えばわかるさ。
レイアなーんだ。悪魔のような身の毛もよだつ姿じゃなくてほっとしたよー。
ヴィクトル悪魔…… ? なんの話かな ?
ローエンほほほ、ブラック・サンタの噂話ですよ。子供たちの間で、噂になっていたもので。レイアさんは心配していたのでしょう。
ヴィクトルそれは初耳だ。私はただサンタ協会を妨害しようとしている者がそう名乗っているだけだと思っていたからね。
ヴィクトルでは、イバル君。任務を終わらせるとしようか ?付いて来てくれ。
イバルなっ、また俺の台詞を言われたっ !
ヴィクトルブラック・サンタを一気に追い込むぞ。

キャラクター7話【任務7 憎悪のサンタクロース】
アグリアアハハハッ ! 待ってろ……苦しみって名のプレゼントをぶちまけてやるよ !
アグリアこの街は一瞬で炎の海だ……アハァ〜。
アグリアん……臭えな……誰だ !
イバルなっ、お前はたしか…… !
イバルえ〜っと……名前は……う〜〜む。
レイアアグリア ! ?
イバルそうだ、アグリア !え ? お前がブラック・サンタだと ! ?
ヴィクトルそう、犯人の正体は彼女だよ。
ローエンまさか、アグリアさんがこのような……。
アグリアハァ〜〜〜〜 ?てめえらなんざに関係ねえだろ。
アグリアあたしの邪魔をするつもりならこの爆弾、てめえらの口につっこんでやる。アーーハッハッハ !
レイアアグリア……。こんなことなら、身の毛もよだつ悪魔の方がまだマシだった……。
ローエンレイアさん、顔をお上げなさい。あなたの思い……まだ伝えていないことがあるでしょう ?
レイアローエン……。……うん、そうだよね。
アグリアハァ〜、お得意の説教が出る前にもう諦めちゃったかぁ〜。
アグリアアハハッ……あ……陛下……。
ガイアスまるでこの世界に来たばかりの時に戻ってしまったようだな。
アグリア…………。
レイアアグリア、最近はこっちの世界にも馴染んで楽しそうに見えてたのに……どうしちゃったの ?
ガイアスアグリア、お前の口から語って欲しい。聞かせてくれないか。
アグリア……あたしは……。
アグリアやっぱり、この世界が嫌い……なんです。
ガイアスなにがあった ?
アグリア……ただ、そう思っただけです。
ローエンみなさん、よろしいですか。一つ気づいたことがあります。
ローエンブラック・サンタについてです。どうにも初耳ではない気がしておりました。
ヴィクトルどういう意味かな ?
ローエンアグリアさんのお生まれ、六家のトラヴィス家。その地域にもブラック・サンタの噂話に近い伝承があったと記憶しています。
ローエンもちろんクリスマスではなく精霊の伝承だった気はしますが……。
ガイアストラヴィス家といえば、屋敷が全焼。一族全員が亡くなったはずだったな。
ローエンええ。もしもその『炎』に包まれた中で生き残りがいたとして……そして、この世界にも具現化されていたとしたら ?
アグリア……っ !
ガイアスなるほど。ブラック・サンタが罰を与えたい『悪い子』はその者か。
アグリアそれ以上は……陛下、お願いです……。
ヴィクトルアグリアの生家にまつわる話。そしてこの動揺……無関係ではなさそうだ。
アグリアこれ以上、あたしの詮索なんてどうだっていいんだよ !
アグリア例え、陛下だろうともう……どうにでもなれ !あたしはこの爆弾をばら撒くだけだっ ! !
ヴィクトル戦いは避けられそうにない。君たちはどうする ?
レイアわたしは、彼女の最期を見たんです……。やっぱり放っておけない。アグリアを止めてあげたい。
ガイアスヴィクトル、これはすべて俺の責任。アグリアを止めるぞ。
ヴィクトル意見は一致したようだな。さあ、ブラック・サンタを止めようか。
イバルよし、こちらから仕掛け――ま、待て !勝手に始めるな ! !

キャラクター8話【任務8 雪降る聖夜】
アグリアう……ぐっ……はぁはぁ……
イバル見たか !はっはっは、観念するんだな ! !
ガイアスアグリア、理由はローエンの指摘した通りか ?
アグリアたまたま……街で見かけたんです。
アグリアトラヴィスの……あいつを。のうのうと笑って歩いてた……。
ヴィクトル鏡映点でないなら、元の世界の記憶は持っていない。中見はきっと別人だろう。
レイアあ、そうだよね……。だったらアグリアはどうして ?
アグリアハハ……あたしだってわかってた。もしかしたら、ただ似てたってだけかもしれない。けどな――
アグリアそんなことも、どうだってよくなった。ただ、もう……自分が抑えられなくなった。
ヴィクトル衝動……蓋をして忘れてもなお抑えきれぬほどの憎悪かな ?
アグリアハッ……まぁ、そんなとこだ。こんな世界……どうだってよくなった。
ローエン恐らく、私たちには想像もつかないような場所……それがトラヴィス家だったのでしょう。
ヴィクトル……どうしてサンタ協会の邪魔までした。
アグリア言ったろ……なんだってよかった。そこのジジイが言った通りさ。
アグリア噂話を聞いて、昔話を思い出したんだ。街を火の海にして、全部なくなればいいと思った。
ヴィクトル……君の気持ちは測り知れないがその行為は容認できるものではない。
アグリアちっ……くそ、もうどうだっていい。おら、好きにしろよ。
レイアあ、あのさ、聞いて欲しいの。あなたにクリスマスプレゼント用意したの。
アグリアハァ…… ?今ここで言うことか ? バカか ?
レイアバカで結構 ! けど、クリスマスだもん。きっとアグリアに似合うよ、これ !
アグリア今さら……いらねえ……。
ガイアスレイア、お前の気持ちに感謝する。
レイアガイアス ?
ガイアスアグリア、お前が俺の直轄部隊四象刃(フォーヴ)となった時のことを覚えているか ?
アグリアどうでしょう……今さら……。
ガイアス俺はお前の弱さに気づきながら同志として認め、強くあることを強いた。
ガイアスお前たちの心を救えなかったのは、俺の責任だ。
アグリアへ、陛下…… ! ?ちょっと、なんですか…… ! !
ガイアスあいつらも、俺たちもみな同じだったんだ。
ガイアスプレザもお前のように心を引き裂かれ俺のもとへたどりついた。
ガイアスウィンガルもまた同じだ。あいつも弱かった。そして、分史世界では俺自身の弱さがウィンガルを追い込んだ。
ガイアスあれは、俺自身も気付いていなかった弱さだった。
ガイアス俺たちは共に過ごし、一時代を駆け抜けた。だが、孤独で弱かったのだ。それを認めよう。
アグリアあたしの知っている陛下ならこんなこと言わなかったし――
アグリアこんなことしなかったです……。
ガイアスお前の見られなかった未来で俺たちは幸福になれたのだ。
ガイアスアグリア、孤独になるな。
アグリア陛下……。
アグリアでも、陛下……。
ガイアスなんだ ?
アグリアジャオは ?
ガイアスあいつは……あいつだけは強かった。
アグリアアハハっ。
アグリア……あ、雪です。陛下。
イバルうぅ〜〜寒っ !もう終わったか ? そろそろ帰るぞ。
レイアもう〜、イバル !せっかくいい雰囲気なのにぶち壊さないでよ !
ローエンほっほっほ、街にも被害はありませんでした。これにて一件落着ですね。
ヴィクトルそういえば今日はクリスマス・イブか。いい夜になりそうだ。
レイアうん、きっと素敵なクリスマス・イブになりますねっ !
ヴィクトルイバル君、魔鏡通信機が鳴っているよ。
イバル仕事が終わった途端連絡が来るなんてどこかで見てるのか。
イバルイバルだ。丁度、今仕事が終わったぞ。
? ? ?よくやった。エージェント・イバル。喜びもひとしおだろうが、問題が起きた。
? ? ?そろそろプレゼントを配り始めないと今夜中に仕事を終えることができないのだがその地域のサンタ役が全員降りてしまった。
イバルどうして今になってサンタ役が降りるんだ !サンタ協会は何をしていた。
アグリアあ……。
イバルおい、まさかアグリア、お前。
アグリアサンタ役のやつらを……ちょこっと……口沿えしたっつーか、脅したっていうか……。
レイアあちゃ〜〜。どうするの。今からもう一度お願いしにいく ?
? ? ?残念だが、彼らは怯えてしまい雲隠れした。残り時間を考えると新たなサンタ役を見つけるのは難しいだろう。
ローエンそれは困りましたね。となると、残る方法は……。
? ? ?君たちがサンタとなって、計画を実行するのだ。
? ? ?君たちの背後に箱があるだろう。そこに今回の任務に必要な道具を用意した。
イバルな、いつの間に ! ?
レイアこれのことだよね。中はなにかな……ん ?必要な道具って、この衣装 ! ?
? ? ?サンタへ変装するための道具だ。子供たちへのプレゼントも用意した。頼りになるのは君しかいない、エージェント・イバル。
? ? ?この任務の成功は君にかかっている。
イバルま、待て ! ……一方的に掛けてきておいて切られた。
イバル……仕方ない。ヴィクトル、お前も手伝ってくれ。
ヴィクトル子供たちのためだ。手伝おう。
レイアはい、イバルはこの衣装ね。
イバルおう、承知した。
レイアじゃあ、ヴィクトルさんはこっちかな。
レイアあ、あと一着余ってるよ。
イバルサンタといえば、老人だろう。ローエン、お前がやってくれ !
ローエンほっほっほ、このジジイも大義ある役目をいただけますか。もちろんやらせていただきましょう !
レイアローエン、乗り気になっちゃって。はい。じゃあ、これね。
アグリア……あたしのせいもあるからな。手伝わせろよ。
イバル『も』じゃないだろっ。お前のせいだよ。ほら、さっさと準備しろ。
イバルレイア ! なぜ俺がトナカイなんだ !
レイアだって、絶対ヴィクトルさんじゃないし……。ほら、みんなを引っ張るからトナカイでいいじゃない。
イバルぐぬ〜〜〜〜。百歩譲って似合っているヴィクトルはいい。ローエンの衣装は普通じゃないか。
レイアもう〜、細かいことガミガミ言い過ぎだよ〜。ほら、早く出発しないと間に合わないよっ !
ヴィクトルかなりのプレゼントだ。子供たちが待っている、急ごう。
イバル言われなくても、わかってる。さあ、夜が明けるまでにプレゼントを配り終えるぞ ! !

キャラクター9話【任務9 サンタのお仕事】
イバルへとへとだ……サンタの仕事がこんなにキツいとは。
アグリアここで最後だな ?ん ? あいつらまだ起きてるぞ。
ヴィクトルふっ、楽しいパーティの真っ最中のようだな。
ヴィクトルここは、一番サンタらしい格好のローエンに任せよう。
ローエンほっほっほ。では、その名誉を拝命いたしましょう。
イバルま、また勝手に。俺のチームなのに……。
ローエンほっほっほー。さあさあ、良い子のみんなにサンタからプレゼントですよ。
マオ待ってたヨー !サンタさん、ありがとー !
エリーゼあ、ありがとうございます。クリスマス、大好きです。サンタさんも !
ティポサンタさんほんとにいたんだねー !びっくりー ! !
ソフィサンタさん、アスベルたちにはプレゼントないの ? みんなにもあげたい。ないなら……わたしもいらない。
ローエンやさしいお嬢さん。クリスマスは良い子にしていた子供たちが幸せになる日です。あなたがもらってくれれば、みなさんも喜びますよ。
ソフィ本当…… ?うん、わかった。プレゼントありがとう、サンタさん。
ローエンほっほっほ !これからも良い子にしていればまたサンタは来ますからね。
ヴィクトル大したものだな。ローエンと気づかれずにサンタをやっている。
アグリアなあ、これで仕事は終わりだろ ?あたしは帰るからな。
イバルああ、プレゼントはローエンが持っていった分でお終いだ。
アグリアもうすぐクリスマス・イブも終わりだ。てめえらも……あれだ、少しは楽しめよ。じゃあな。
イバルヴィクトルももう帰っていいぞ。ふぁ〜〜ふ。俺ももう帰る……。
ヴィクトル……イバル君、待ってくれ。ひとつ頼みを聞いてくれないか。
イバルおい、さっきアグリアが言ってただろ。もうクリスマス・イブは終わりだ。
ヴィクトルもう一つ、プレゼントを届けたいんだ。
イバルげ ! ひょっとして配り忘れたプレゼントがあったのか ?
イバルお前、仮面なんかして仕事ができる風に見せながら実はうっかりミスが多いタイプだな ?
ヴィクトル……真面目な話だ。
イバルわ、わかった。そう睨むなよ。で、相手はどこの子だ ?
ヴィクトルエル、という子だ。
イバル俺に頼む理由は ?自分で行けばいいだろ。
ヴィクトル……言う必要があるか ?
イバルそう睨んだからって、毎回ビビると思うなよ。ま、まあ……理由は言わなくていい。
イバルその代わり、一つだけ答えろ。答えないなら、絶対断る。
ヴィクトルわかった。なにを聞きたいのかな。
イバルそのエルって子供を守るためにブラック・サンタを阻止しようとしたのか ?
ヴィクトル……さすがエージェント・イバル君。肝心なところを見抜かれたようだね。私の目的は、詰まるところそれだけだったと言える。
イバル……そうか。ならわかった、手伝ってやる。
イバルだが ! あくまで俺は手伝いだ。自分で届けろよ。
ヴィクトル……どうしてもか ?
イバルそう睨んだからって、もう通用しないぞ。俺がやるのはそこまでだ。さあ、どうする !
ヴィクトルでは、君に手伝いを頼むとしよう。
イバルよーーーっし !これが本日最後のサンタ仕事だ !

キャラクター10話【任務10 任務完了、そして明日へ……】
イバルほら、さっさとプレゼントを置いていけ。俺はもう疲れたんだ。
ヴィクトルしっ。エルが起きてしまう。
イバルあ、ああ……悪かった。
エルすー、すー。
ヴィクトル枕もとにしっかり靴下を用意して。かわいいことだ……。
ヴィクトルおや、靴下に手紙が入っているな。これはエルが書いた手紙か ?
ヴィクトル「サンタさんへ。これをパパに届けてください。エルより」
イバル一緒に入ってたのはなんだ ?紙で作った時計か ?
ヴィクトル手作りの懐中時計だよ。ありがとう、エル。最高のクリスマスプレゼントだ。
イバルふん、やはりそういうことか。
エルむにゃ……そのトマトシチューはパパのだしー !……ルドガーは食べちゃダメぇ……むにゃむにゃ。
ヴィクトル夢の中でもクリスマスパーティか。パパも参加して、楽しそうだ。
ヴィクトル愛してる、そしてメリークリスマス。エル。
ヴィクトルイバル君、付き合わせてすまなかったね。来られてよかったよ。
ヴィクトルでは、またな。何かあれば連絡を……いや、やめておこう。君といると疲れそうだ。
イバルそれはこっちの台詞――はぁ、もういい。疲れた。
イバルすっかり夜明けじゃないか。あ ! これから宿を探さないと……くそう。
イバルこれが俺のクリスマス・イブか。もう寝よう……。
ミラ=マクスウェルイバル、聞いたぞ。クリスマス・イブに子供たちを喜ばせたそうじゃないか。さすがだな。
イバルは、はい !ミラ様に褒めていただけるとは光栄です !
ジュードイバル、すごいじゃないか !僕が君のライバルだなんてそんなこともう言えないよ。
イバルはっはっは !当たり前だ。二度と俺に対して生意気な口を聞かないことだっ !
イバルまた……前によく見た夢……。
イバルなんだろう。前は目覚めてがっかりしていたのにそうでもないな……。
イバル魔鏡通信 ?
イバルもしもし、イバルだ。こんな朝っぱらから誰だ ?
? ? ?ご苦労だったな。エージェント・イバル。無事、任務は成功したようだな。君に依頼した私に間違いはなかった。
? ? ?君たちが配ったプレゼントのおかげで今朝は各地で子供たちの笑顔がたくさん見られた。
イバルあー、そうか。俺は散々な夜だったがな。
イバルなあ、教えてくれ。これまで手紙で依頼をしてきたのにどうして今回はこの魔鏡に連絡ができた ?
イバルそれに何より、お前は何者だ ?
? ? ?このまま何も言わずにいるのは君に対して失礼だったかな。
イバルうわっ、ま、まぶしい――
サンタクロースはじめまして、挨拶がまだじゃったな。ワシはサンタ・ビクエ・クロースことサンタクロースじゃよ。
イバルサンタクロース ?本物だというのか。だったら、顔を……まぶしくて見えない。
イバル俺を使って、なぜこんな仕事をさせた ?
サンタクロースサンタ協会の活動を助けてやりたくての。
サンタクロースしかし、ワシは表立って動けん。そこで君の力を借りたというわけじゃよ。
サンタクロース頑張った君にもプレゼントを用意した。ほっほっほ、メリークリスマス !
イバルおい、どういうことだ ?あ、いつも勝手に切るなっ !
宿屋の主人お客さん、おはようございます。
宿屋の主人朝食ご用意してますから、いつでもどうぞ !あ、新聞はここに置いておきますね。
イバル新聞…… ?
イバル「――サンタが夜を駆け巡る ! ?恵まれない子供たちへプレゼントを――」
イバルお、俺たちのことじゃないか !えーっと、なになに……。
イバル「サンタさん、ありがとう ! 」「はじめてプレゼントをもらって嬉しい」などと子供たちのサンタに対する感謝が次々と……。
イバルなんだ……たかがこんなプレゼントが嬉しいのかよ……くぅっ……。
イバルぅぅっ……あーーはっはっ !最高のクリスマスプレゼントになったぞ !子供たち ! サンタ !
ルドガーなあ、一人で大声あげて……疲れてるんじゃないか ?どこに泊まってるかわからないからいくつも宿を捜し回ったよ。
イバルこ、こら ! こそっと人の部屋に現れるなっ。
ユリウスその新聞、見たぞ。大仕事をやってのけたようだな。すごいじゃないか。
イバルあ……ありが……当たり前だ。
ルドガー昨日は連絡をもらったのにすまなかった。その謝罪と、ちょっとした仕事が舞い込んだから今度はお前を誘いに来た。
ユリウスというより、依頼者がお前のことを知ったらしくてな。どうしてもイバルも参加して欲しいと御指名だ。
イバル俺を……。
ルドガー連日の仕事なうえ、今日はクリスマス当日だ。頼むのも気がひけるが、どうだ。一緒にやってくれないか ?
イバルいいか、俺は大変疲れている。昨日はお前たちが想像するよりもはるかーーに、厳しい仕事だった。
イバルだが、依頼者の指名とあれば仕方ない。お前たちだけでは不安だと思ったんだろう。やってやろう !
イバルさあ ! すぐに出発するぞ。
ルドガー朝食はいいのか ?用意されてるみたいだぞ。
イバル構うものか !俺のチームが優先だ。
ユリウスこのチームは俺がリーダーだ。言うことは聞いてくれよ。
イバルふはははは ! 知ったことか !この俺、イバルがリーダーになってやる。依頼者にもそう伝えろ !