キャラクター | 1話【祝宴1 パーティーの誘い】 |
? ? ? | ……この千年を超える閉ざされた環の中でこのようなことになろうとは。 |
? ? ? | しかし、これも一興。退屈しのぎにはちょうどいい―― |
ルーティ | ん〜〜〜 !久しぶりに、帝国だの何だの関係なく街に来られて気分最高 ! |
コハク | 最近、ずっと忙しかったもんね。 |
リアラ | ふふっ、今日はいい気分転換になりそうね。 |
ルーティ | そうそう、せっかく出て来たんだもの目いっぱい楽しみましょう ! |
イリア | 当然よ ! 今日は美味しいもん食べ尽くしてやるんだから ! |
コハク | あ、美味しいものもいいけどわたしはお洋服も見たいな。たまにはちょっとオシャレしてみたり……。 |
ルーティ | 美味しい料理にオシャレな服……いいじゃない ! |
イリア | ニシシ、贅沢三昧で華やかなパーティーといこうじゃないの ! |
リアラ | いいわね、そんなパーティーができたら素敵だわ。 |
コハク | な、なに ? ? |
ルーティ | これ……ひょっとして…… ! ? |
スタン | ルーティ、みんな大丈夫か ! ? |
ルーティ | スタン !この揺れ、きっと―― |
ワイズマン | ようこそ、学園都市アークへ。 |
ルーティ | やっぱり、あんただったのね、ワイズマン。 |
コハク | アークには何度か来てるけどやっぱりびっくりしちゃうね。 |
シング | いつも急に呼び出されるもんなぁ。もしかして今回もアークの人たちを癒す祭りの手伝い ? |
コハク | だとしたら、今日の予定は変更……だよね ? |
リアラ | そうね……。残念だけど諦めましょう。アークの人たちのためだもの。 |
ルーティ | はぁ……仕方ないか。どっちにしろあたしたちだけじゃ帰れないし、言うことを聞くしかないのよね。で、今回はどんなお祭り ? |
ワイズマン | 皆さん、突然のお呼びたてにもすっかり慣れたようで。学園都市アークの長としては話が早くて助かります。……あまりにも冷静で少々寂しい気もしますが。 |
イリア | なに勝手なこと言ってんのよ。本当ならあたしたちは今日一日、目いっぱい楽しむ予定だったんだからね ! |
ワイズマン | 存じ上げております。丁度我々のニーズと皆さんのニーズが合致したのでお呼びした次第です。 |
ワイズマン | 何しろ、今回の祭りは華麗なるダンスパーティーなのですから。 |
四人 | ! ! |
ワイズマン | あなた方にご参加いただければ、アークの住人もさらに盛り上がることでしょう。是非、こちらで目いっぱい遊んでいってください。 |
イリア | ダンスパーティー !それってリッチなパーティーなんでしょうね ? |
ワイズマン | もちろんです。立派なお城で行われます。 |
ルーティ | 豪華な食事も出るんでしょうね ? |
ワイズマン | ええ、さまざまな世界の美食をご用意しました。 |
コハク | あの、わたしたちドレスとかは用意してないんだけど……。 |
ワイズマン | ご安心を。こちらで準備しています。 |
リアラ | みんなで参加できるの ? |
ワイズマン | もちろんです。この場にお呼びしている皆さんで参加できますよ。 |
カイル | やった ! 豪勢なダンスパーティーなんて初めてだよ。リアラはそういうの行ったことある ? |
リアラ | ううん、カイルと一緒で初めてだよ。 |
ルカ | ダンスか……僕、踊れる自信ないなぁ。 |
イリア | 踊れても踊れなくても関係ないわよ。誰もあんたなんか見てないって。 |
ルカ | そ、そうだよね。なんだか安心したよ。ちょっと傷ついたけど……。 |
スタン | 俺も難しいことはよくわからないな。そもそもどうしたらいいんだ ? |
ルーティ | スタン、今回のメンバーをよく見なさいよ。この顔ぶれなら、主役は当然あたしたちでしょ。スタンは黙ってエスコートしてくれればいいのよ。 |
スタン | ルーティがそういうなら……。とりあえず頑張ってみるよ。 |
シング | オレ、こういうのちょっと憧れてたんだ。コハクと一緒に来られてよかったよ。 |
コハク | うん、わたしもシングと参加できて嬉しいな。 |
リアラ | ドレスは事前に確認させてもらえるのよね ? |
イリア | それそれ ! もしイケてないデザインだったら参加費を請求するから。 |
ワイズマン | 参加費……ですか ? |
ルーティ | いいアイディアじゃない。あたしも乗った !こっちだって、仕方なくガラでもないドレス着て『参加してあげる』んだから、それくらい当然よね ? |
ソーディアン・アトワイト | 仕方なくって……ルーティ、あなた以前ウェディングドレスを着た時は嬉しそうに―― |
ルーティ | ア、アトワイト ! ? しばらく黙ってて ! |
スタン | そういう意味の参加費かよ……がめついぜ……。 |
ルカ | ドレスを気に入っても気に入らなくても得をするって寸法だね……ははっ……。 |
シング | なるほどね。頭いいなぁ、二人とも。 |
カイル | うん ! イリアもルーティさんもしっかり者だよな。 |
コハク | ……ねえ、カイルって真っすぐすぎてちょっと心配にならない ? |
リアラ | シングもね。でも、そんなところが……。 |
二人 | ――ふふふっ。 |
ワイズマン | なにはともあれイリアさんとルーティさんのお気に召すよう祈るばかりです……。 |
ワイズマン | ドレスは街の仕立て屋で作っております。もう出来上がっているはずですからご案内しましょう。 |
コハク | シングたちはどうする ? |
ワイズマン | 男性の皆さんは別途案内させますので先に会場へ行ってご準備いただければと思います。いかがですか ? |
シング | わかった、そうするよ。コハクのドレス姿、楽しみにしてるね ! |
ルーティ | はいはい、それじゃ決まりね。スタンもまた後で。 |
スタン | ああ。みんなも気をつけてな。 |
キャラクター | 2話【祝宴2 街の仕立て屋へ】 |
ワイズマン | 皆さんのドレスを注文した仕立て屋は、この先です。 |
ルーティ | ねえ、ちょっと気になってたんだけどこのダンスパーティーって他にどんな人が呼ばれてるの ? |
コハク | わたしも気になる。こういうパーティーでのダンスってよく知らないし恥をかいちゃうかも……。 |
ワイズマン | ご安心ください。此度は、あなた方の世界とアークの住人を集めての催しとしています。 |
コハク | つまり、ゲストはわたしたちだけってこと ? |
ワイズマン | そういうことになります。多くの住人が皆さんのご登場を楽しみにしていますよ。 |
リアラ | それはそれで恥ずかしいような……。 |
ワイズマン | しかしながらひとつ困ったことがありまして……。 |
ルーティ | どうしたのよ ? |
ワイズマン | どうやらあなた方をお呼びした際に招待リストにない方が紛れ込んでしまったようなのです。 |
ワイズマン | アークのどこかにいることは確かなのですが……。もしかしたら呼び出す際になにか問題が発生したのかもしれません。 |
コハク | それって……わたしたちの世界の誰かが行方不明ってこと ! ? |
ワイズマン | あなた方の世界から紛れたかも不明でして……。いえ、これはおそらく、もっと異質な……。 |
リアラ | どっちにしたって大変だわ !早くその人を見つけましょう ! |
ワイズマン | いえいえ、まさか皆さんの手を煩わせるわけには。それに名前も顔もわからないのです。手がかりを掴めるのは、私くらいでしょう。 |
ルーティ | だったらさっさと捜してきなさいよ !あたしたちの案内なんていいから ! |
コハク | うん、そうして。ワイズマンさん。紛れ込んだ人だって、困ってるかもしれないし……。 |
イリア | そうね。あんたはあんたの大事な仕事をして来なさいよ。 |
ワイズマン | 皆さんお優しいですね…… !さすが私の選んだ淑女の方々です。 |
ルーティ | それって自分で自分を褒めてない ? |
イリア | 前からうっすら感じてたけど結構ずうずうしい性格してるわよね。 |
ワイズマン | では、お言葉に甘えて失礼いたします。もしも何か困ったことがありましたら通信機で連絡をしてください。 |
リアラ | 行方知れずの人がいるのは心配だわ。すぐに見つかるといいけど……。 |
ルーティ | まぁ、あたしたちじゃできることはなさそうだしね。こっちはダンスパーティーの準備にでも専念しますか。 |
イリア | そうそう、これだって人助けみたいなもんでしょ ?ってことで、あたしたちはドレスの確認 ! |
キャラクター | 3話【祝宴3 ドレスの注文】 |
イリア | ごめんあそばせ~♪ |
仕立て屋 | いらっしゃいませ。……あ、ひょっとしてドレスの確認に来られた方々ですか ? |
リアラ | ええ、そうだけど……。どうして知ってるの ? |
仕立て屋 | さきほどワイズマンさんから連絡がありました。ドレスの出来を見たいという淑女四名様がいらっしゃるので頼むと言いつかっております。 |
ルーティ | なら、話が早いわね。さっそくだけどドレスを見せてもらってもいいかしら ? |
仕立て屋 | もちろんでございます。こちらになります。 |
仕立て屋 | アクセサリーも用意しております。良い仕上がりになっていると思いますがいかがですか ? |
ルーティ | 悪くないんだけどうーん、なんだか子供っぽいのよねぇ。 |
イリア | この色かぁ……どうしたもんかしら。 |
リアラ | 用意してくれた靴もかわいいけど他の靴も見ていい ? |
イリア | ねえ、お店を見させてもらうわよ。ちょっと考えさせて。 |
コハク | あの、ごめんさない。みんなこだわりが強くて……その……。 |
仕立て屋 | いえ。女性がドレスにこだわりを持つのは当然のことですよ。 |
仕立て屋 | ドレスは今の自分自身から、なりたい自分を表現するものです。皆さんのご希望に応えるのも仕立て屋として当たり前です。 |
仕立て屋 | それにワイズマンさんからの情報だけではなくこうして皆さんに直接お目にかかれたことでどんな物がお似合いになるのか、鮮明になりました。 |
仕立て屋 | 不躾ながら、このドレスを着用なさる際は少し髪型を変えた方が、このドレスもあなたをより引き立ててくれると思います。 |
コハク | 髪型かぁ、思いつかなかったな。アドバイスありがとうございます ! |
ルーティ | よし、あたしはこれにするわ。それでもってドレスのこの部分を少しだけ短くしてくれない ? |
仕立て屋 | はい、承知しました。 |
リアラ | この靴と交換しても大丈夫かしら ? |
仕立て屋 | 素晴らしい選択だと思います。せっかくですから、ここに大きな真珠飾りを付ければより素敵だと思います。 |
リアラ | 本当だわ、ありがとう ! |
イリア | この色がいいんだけどサイズが全然違うのよねぇ……。今からじゃ間に合わないわよね ? |
仕立て屋 | たしかにお選びになった色はあなたをより引き立ててくれますね。大丈夫です、すぐに直しをします。 |
イリア | 本当 ! ? やった ! |
仕立て屋 | あなたはよろしいですか ? |
コハク | はい、もう素敵なアドバイスをもらいましたから。それにこのドレス、色も形も大好きです ! |
仕立て屋 | ありがとうございます。では、すぐに作業にとりかかりますので少しこちらでお待ちいただけますか ? |
イリア | ええ、わかったわ。 |
コハク | イリア、出来上がりが楽しみだね。 |
イリア | ね~ !は〜、贅沢なパーティーをやるのがこんなに早く叶うなんて夢みたい。 |
ルーティ | そういえば、ここの住民もパーティーに参加するって言ってたけど仕立て屋のあんたも来るの ? |
仕立て屋 | いえ、今回は他にも仕事が立て込んでまして。残念ながら、参加はしません。 |
仕立て屋 | そうそう、ダンスパーティーは以前にも催されましたがなにかとトラブルが多かったのでお気をつけください。 |
イリア | な、なによそれ……前はどんなことがあったの ? |
仕立て屋 | 各世界の著名人、王族貴族などを招く際は側仕えも必要でしょう ?ですから、城ごと呼び出したりするのです。 |
リアラ | たくさんの人を呼ぶからトラブルも多いってことね。 |
仕立て屋 | その通りです。 |
仕立て屋 | それに、時には夜な夜な物音がしたり見えない何かが住みついたいわくつきのお城ごと呼び出したり―― |
コハク | ちょ、ちょっと……それ冗談ですよね ? |
仕立て屋 | いえいえ……これが本当のことでして。そのせいで大騒ぎなんてこともありました。 |
ルーティ | あたしは金銀財宝が眠ってるお城ならそのまま呼び出して欲しいくらいよ。 |
イリア | なるほど、それをネコババするのね ! |
ルーティ | あたしをなんだと思ってるのよ !ほら、金銀財宝って、見るだけでもこう気持ちがパーっとするじゃない ! |
仕立て屋 | ははは、楽しい方々ですね。お待たせしました。直しが終わりましたよ。 |
イリア | どれどれ……わ ! すごくいいじゃない ! |
ルーティ | よし、これでみんなのドレスが用意できたわね。それじゃ、さっそく会場に乗り込むとしますか ! |
コハク | ふふ、これから戦いに挑むみたいだね。 |
ルーティ | 当然よ。どうせ着るなら、勝つ気で着る !それにほら、ドレスは女の戦闘服って言うでしょ。 |
ルーティ | ……前にドレスを着たときはあいつにペース狂わされたけど今回はこっちが動揺させてやるんだから。 |
ソーディアン・アトワイト | まったく、いったい何と戦う気なのかしらね……。 |
ルーティ | もう、あんたは今回黙ってて ! |
イリア | 要は、そのくらいの気持ちで行けってことね。よっしゃ、あたしも気合い入ってきた ! |
リアラ | わたしも負けてられないわ。コハクも一緒に頑張りましょう ! |
コハク | そうだね。うん、わかった ! |
ルーティ | それじゃ、いくわよ。みんな ! |
キャラクター | 4話【祝宴4 お披露目】 |
ワイズマン | おお、これは皆様素晴らしい !見違えましたよ。あなたたちをお呼びした私の判断は間違っていなかった。 |
ワイズマン | 会場のどよめきを聞きましたか ?皆の視線はあなたたちに釘付けになっていますよ。 |
コハク | ルーティの言った通り気合いを入れてきてよかった ! |
ルーティ | ふふふ、言ったでしょう。ここは戦場と同じよ。 |
イリア | けど、あたしたちを一番に見るべきおたんこナスどもがいないってどういうことよ ? |
リアラ | あ、カイルだわ !みんなも来たみたい。 |
カイル | 遅くなってごめんリアラ……――って、ごめん。言葉が出てこなかった。あんまり綺麗だから……。 |
カイル | そのドレス、すっごく似合ってるよ !とっても素敵だ ! |
リアラ | ありがとう。カイルはこういうドレスは好き ? |
カイル | うん、いつものリアラもかわいいけどドレスを着たリアラも大人っぽくてなんていったらいいか…… |
カイル | オレ、今日このパーティーに来てよかったよ ! |
リアラ | カイルが喜んでくれるならわたしも嬉しいわ。 |
二人 | …………。 |
コハク | シング、このドレスどうかな ? |
シング | う、うん……すごくいいんじゃないかな。 |
コハク | どうしたのシング ?ちゃんと見てよ、新しいドレスだよ。どこか変かな ? |
シング | そんなことないよ !コハクにとっても似合ってる。ただ―― |
シング | なんだかいつもと雰囲気が違うから照れくさくてちゃんと見られないんだよ。 |
コハク | ちょ、ちょっと、シングが照れるとわたしもなんだか照れちゃうよ……。 |
二人 | …………。 |
ルーティ | スタン、どう ?こういうドレスも似合うと思わない ? |
スタン | へえ、びっくりした。すごくいいよ !前も思ったけど、ルーティってドレス似合うよな ! |
ルーティ | ! ! |
ルーティ | と、当然でしょ ! そう、びっくりしたのね……。ふ、ふふふ、着た、見せた、勝った ! |
スタン | 勝ったって ? |
ソーディアン・ディムロス | スタン……、今は余計な詮索をするな。 |
ルーティ | まあ、能天気なあんたにしては今日の答えは100点ね。やるじゃない。 |
スタン | そうか。よくわかんないけど、ありがとな。 |
ルカ | あ、あのイリア。そのドレス、とっても綺麗だね。 |
イリア | どこがいいのよ ? |
ルカ | え、どこがって……その、全部だよ。 |
イリア | 全部がいいのは当然じゃない。そうじゃなくて、あんたはどこがいいと思ったのよ。 |
ルカ | ええっと……。その……色……かな ? |
イリア | かなって何よ、はっきりしないわね~。まあいいわ。色がどういいのよ ? |
ルカ | イリアが好きな色だしすごくイリアらしくて似合ってると思う……んだけど……。 |
イリア | あんたにしては上出来よ。 |
イリア | ほら ! |
ルカ | あ痛たた……。どうしてそんな力いっぱい叩くんだよ。 |
イリア | いいでしょ ! |
ワイズマン | さて、皆様のご登場でお一人を除いては揃いました。 |
ルーティ | あの行方がわからなかった人結局見つかってないんだ。 |
ワイズマン | 引き続き捜索してまいりますが皆様をお待たせするわけにもいきませんので今はパーティーを開始するとしましょう。 |
ワイズマン | 豪華な食事、そして素晴らしい音楽。どうかごゆっくりとお楽しみください。 |
ワイズマン | さて、皆様。そろそろダンスタイムとなります。 |
ワイズマン | 我々、アークの住人たちも多数参加させて頂いております。是非、皆様の世界の文化をご披露ください。 |
ルーティ | うぅ……なんだか急に緊張して来たわね。スタン、いつまで食べてんのよパートナーはあんたしかいないのよ ! |
スタン | ちょっと待ってくれよ。こんな美味い料理を残したら悪いだろ。 |
女性の声 | キャーーーーー ! |
コハク | どうしたの ! ? |
ルカ | なんだか、あっちが騒々しいような……。 |
イリア | 気持ち悪いダンスを披露したやつでもいたんじゃない ?悲鳴上げるほどだもん、ヌメ~ッとしてんのよきっと。 |
ワイズマン | 皆さん、大変です !会場に魔物が ! ! |
カイル | なんだって ! ? |
イリア | はぁ ! ? なんで魔物が出てくんのよ ! ! |
シング | まずい、かなりの数がいるみたいだ ! |
スタン | 魔物は俺たちでなんとかしよう !ルーティはアークの人たちを守ってくれ ! |
ルーティ | わかったわ ! |
キャラクター | 5話【祝宴5 魔物の出所】 |
ルーティ | なんとか収まったわね。それにしてもなんだって魔物なんか…… ! |
ルカ | 怪我人が多く出てる……。イリア、ごめん。僕、治療に行ってくるよ。 |
イリア | 謝んなくていいわよ。早く行って。 |
ルカ | うん ! |
コハク | ワイズマンさん、何か分かった ? |
ワイズマン | いえ、残念ながらまだ原因を突き止められていません。 |
ルーティ | ったく、頼りにならないんだから。こんなんじゃ、パーティを台無しにされた怒りが収まらないわよ ! |
リアラ | 魔物たちはどこから来たのかしら。せめてそれが分かれば……。 |
カイル | そうだね。だったらオレ魔物がどこから来たのか探してみるよ。スタンさんも一緒に来てもらえますか ? |
スタン | ああ、もちろんだ ! |
シング | オレも手伝うよ。城の外に魔物の痕跡がないか探そう。 |
コハク | なら、わたしも ! |
シング | ううん、コハクはここにいて。 |
スタン | 何が起こるか分からないから、大人数で動かないほうがいいと思う。ルーティも待っていてくれ。俺たちが城の外を調査してくるよ。 |
ルーティ | え、ええ……でも、あんた無茶しすぎるんだから気をつけてよね。 |
スタン | わかった。カイル、シング、行こう ! |
コハク | シングたち遅いね。大丈夫かな。 |
リアラ | 三人なら大丈夫よ。……でも、どうしてこの場所が襲われたのかしら。 |
イリア | 美味しい料理の匂いに釣られて来たとか ? |
ルーティ | 料理屋ならほかにいくらでもあるでしょ ?……なにか狙いがある、か。 |
リアラ | 狙い、ですか ? |
ルーティ | ちょっと気にはなってたのよ。聞いたでしょ、まだ見つかってない一人がいるって。 |
コハク | その人が犯人だっていうの ? |
ルーティ | そこまではわからないけどなんかずっと引っかかっちゃってさ |
ルーティ | 決めた !あたし、ちょっと捜しに行ってくるわ。 |
リアラ | スタンさんたちがここで待ってるようにって言ってましたけど、いいんですか…… ? |
ルーティ | スタンに何を言われようが、あたしがやりたいの。さっきは、あいつの言うとおりだと思って納得しちゃったけど、待ってるなんて柄じゃないわ。 |
ルーティ | ね、あんたたちはどうなの。気にならない ? |
イリア | 気になるに決まってんじゃない。犯人に、せっかくのパーティーを台無しにされた恨みをぶつけてやらなきゃ気が済まないわ ! |
ルーティ | コハクとリアラは ? |
リアラ | わたしは……。 |
コハク | …………。 |
コハク | この会場でたくさんの人が、痛くて辛い思いをしてる。それなのに、このまま何もしないなんてできないよ。 |
コハク | リアラ、わたしたちが今できることをやらない ? |
リアラ | わたしたちもこの人たちを守る…… ? |
コハク | うん ! |
イリア | 応急処置はルカがやってくれてる。だからあたしたちは、あたしたちにしかできないことをやってやろうじゃない。 |
ルーティ | まあ、守られるってのも悪くないけどあたしたちだってやるときゃやらないとね。 |
リアラ | はい !わたしもみんなを守るために一緒に行きます ! |
ルーティ | よ〜〜し ! 決まりね ! |
イリア | あたしたちは魔物を追うんじゃなくてワイズマンが呼び出した、行方不明の一人を捜すのね ! |
コハク | あ、でも、このドレスを借りたまま出かけちゃっていいのかな ? |
ルーティ | なに細かいこと言ってんの !弁償は犯人にさせてやればいいのよ。それに……。 |
リアラ | ドレスは女の戦闘服、ですよね。 |
イリア | いしし、わかってきたじゃない。 |
コハク | ふふ、そうだったね。よし、それじゃあ行こう ! |
キャラクター | 6話【祝宴6 謎の招待客】 |
イリア | アークのどこかにいるって言われてもよく考えたら手がかりがなさすぎ~ ! |
コハク | ワイズマンさんでも簡単に見つけられないぐらいだしなにか他にも情報があれば……。 |
リアラ | あ、みんな !あそこに人が倒れてるわ ! |
ルーティ | 大変。急いで助けましょう ! |
ルーティ | この傷……ちょっとあんた大丈夫 ?まずは、回復しないと……ヒール ! |
アーキタイプ | あ、ありがとう……。 |
コハク | ひょっとして魔物に襲われたんですか ? |
アーキタイプ | え、ええ……。 |
イリア | この人を安全な場所に連れて行かないと。でも、さっきの会場までは距離があるか……。 |
ルカ | おーーい ! イリア ! ! |
イリア | ルカ ! ? あんたどうしたのよ。パーティー会場で怪我人の治療をしてるんじゃなかったの ? |
ルカ | イリアたちが行方不明のゲストを捜しに出て行ったって聞いたから。今回の犯人かもしれないんでしょ ? |
ルカ | 心配だったから僕も一緒に行こうと思ったんだよ。 |
イリア | ありがとね。でもあんたは戻って治療を続けなさいよ。あたしたちは大丈夫だから。 |
イリア | それから、この人を連れてってあげて。怪我人はあんたみたいな優しいやつが近くにいてくれた方が安心できるわ。 |
ルカ | イリア……。 |
イリア | お願いよ、ルカ。 |
ルカ | ……うん、わかった。だけど、イリアも無理しないでよ。 |
イリア | まっかせっなさ~い ! あたしの銃の腕前を知ってるでしょ ? |
ルーティ | ちょっと待って。あんたに聞きたいことがあるんだけど、いい ? |
アーキタイプ | なんでしょう ? |
ルーティ | あんたを襲った魔物だけどどこへ行ったかわかる ?あるいは、どこから来たか。 |
アーキタイプ | 私が襲われたのは、たまたま通り道にいたからという感じでした。排除が目的だったように思います。 |
リアラ | つまり、目的地をただ目指していた……。 |
アーキタイプ | 恐らくは。命を狙われたのならこんな怪我では済まなかったでしょう。 |
アーキタイプ | 魔物たちはこの先の誰も使っていない屋敷のほうから出てきました。 |
ルーティ | この先の屋敷、ね。うん、ありがとう。貴重な情報だわ。 |
イリア | ルカ、連れてってあげて。 |
ルカ | さあ、行きましょう。 |
コハク | いざとなれば、シングたちと合流すればいいと思っていたけど―― |
コハク | そんなこと言ってられないね。戦えない人たちが傷つくのは見たくない。わたしたちだけでも魔物を追い払おう ! |
ルーティ | ええ。コハクもだいぶ分かってきたみたいね。 |
イリア | 肝っ玉すわってるじゃない。 |
コハク | うん、ありがと ! |
リアラ | …………あなた誰 ! ? |
? ? ? ? | …………。 |
ルーティ | 黄金の鎧を纏った、騎士…… ? |
イリア | デカッ ! なんなのこいつあたしたちの何倍もあるわよ。 |
コハク | もしかして、この人がゲスト……。 |
リアラ | そうかもしれないわ……。けど、どうして何も言わないのかしら……。 |
? ? ? ? | …………。 |
リアラ | 喋らないんじゃない……喋れないの ? |
コハク | 何か変だよ。この人からスピリアを感じないの。 |
コハク | これ、実体のない思念か何かじゃないかな ? |
? ? ? ? | …………。 |
イリア | ちょっと ! あいつ向こうの屋敷の方へ行くわよ ! |
コハク | わたしたちなんて、相手にしないってこと ? |
ルーティ | あるいは、誘ってる ?さすがにやばい雰囲気がするけど……。 |
イリア | ……淑女として、騎士様のお誘いを無下にするわけにはいかないでしょ ! |
ルーティ | 女は度胸ってわけね……。いいわ、誘いに乗ってやろうじゃない !ね、みんな ! |
三人 | ええ ! |
キャラクター | 7話【祝宴8 綻びた封印】 |
イリア | おりゃあああ ! |
イリア | 誰もいない ?さっきの金ピカデカナイトはどこ行ったのよ。 |
リアラ | わざわざ扉を壊して入らなくてもいいんじゃない…… ? |
イリア | だって、飛び込みついでに背後から蹴りの一発でもお見舞い出来たら最高じゃない。 |
コハク | そんな大声出してたら気づかれて振り向かれちゃうような……。 |
イリア | 細かいこと気にするわね~。時には大胆さも必要なの ! |
ルーティ | うーん、それにしても、どこに行ったのかしら。もうすこし奥まで行ってみましょう。 |
ルーティ | あと、ここからは慎重に行くわよ、イリア。 |
イリア | わーったわよ。 |
ルーティ | 屋敷にこんな地下があるなんてね。雰囲気出て来たじゃない。 |
コハク | あれ、こっちは行き止まりみたい。 |
リアラ | 待って、何かあるわ。 |
リアラ | 力を感じる……何かの封印みたい。けど、少し変だわ。力が流れ出て来てる……。 |
ルーティ | 力が漏れてるってこと ? |
リアラ | はい……そんな感じです。 |
イリア | 封印ね……ワイズマンがこんなものをアーク内で放っておくわけないしビンゴかもしれないわよ。 |
ワイズマン | 皆さん、状況についてわかったことがあります。 |
イリア | グッドタイミングね !こっちも聞きたいことがあるわ。 |
ワイズマン | そうでしたか。それでは、先にそちらの話を聞かせてください。 |
イリア | 途中でデッカイ黄金の騎士に会ったんだけどそいつが向かった街外れの屋敷の地下で封印みたいなのを見つけたのよ。 |
ワイズマン | 封印……ですか ? |
リアラ | 何か力が……不気味な力が漏れ出している感じなの。 |
ワイズマン | 封印については覚えがありませんがその場所が事件に関連している可能性は高いと言えそうですね。 |
ワイズマン | それに、その黄金の騎士――。 |
ワイズマン | 捜索している人物で間違いありません。そして、その人物はリアラさんの世界から呼び出した方だとわかりました。 |
リアラ | わたしの世界…… ?わたしたちが元々いた世界のことですか ?ティル・ナ・ノーグではなくて。 |
ルーティ | え、それってつまりあたしもいた世界のことよね ! ? |
ワイズマン | ええ、そうです。やはり問題が生じて、元の世界からゲストが呼び出されてしまったようです。 |
イリア | はあ……勘弁してよね。 |
コハク | 起きてしまったことを責めても仕方ないよ。まずは目の前のことに集中しよう ! |
ルーティ | あたしたちの世界か……。あたしはあんな騎士見た覚えはないけどリアラはどう ? |
リアラ | ……わたしも知りません。あんな人、一度でも会っていたら忘れないと思います。 |
ワイズマン | だとすると、あなたたちのような力ある方々にも知られないくらいに、強固に封印された存在だったのかもしれません。 |
コハク | それで、封印ごと呼び出してしまったってこと ? |
ワイズマン | ……はい。今、封印について調べてみましたが一部が欠損してしまっているようです。それが原因で、魔物が出て来た可能性があります。 |
ワイズマン | 逆を言えば、封印の綻び程度だったからこそ先のパーティーを襲った魔物だけで済んでいるのかもしません。 |
コハク | つまり、さっき思念体だったのは……。 |
イリア | 本体は封印から出られずに外の様子を見に来たって言いたいのね。ありえない話じゃなさそうだわ。 |
ルーティ | ワイズマン、あたしたちはこれからこの封印の中に入って調べてくるわ。 |
ワイズマン | 本気ですか ! ? |
ルーティ | ええ。あたしたちが外に出られなくなったら困るから、あんたは封印の状況を見ていてくれないかしら。 |
ワイズマン | 外からサポートしていてくれ、ということですね。承知しました、できる限りのことはいたします。 |
ルーティ | ま、結果はどうあれ久しぶりに気分転換もできたし思う存分暴れられる場所も提供してくれたから100万ガルドで手を打ってあげるわ。 |
ワイズマン | ……考えておきましょう。 |
ワイズマン | あなたたちが向かう封印の先は『アクアラビリンス』という場所のようです。危険が伴うと思われますので、十分ご注意ください。 |
イリア | ラビリンスだなんて、わくわくする名前じゃない。 |
ルーティ | さ、みんないいわね。大暴れしてやろうじゃない !行くわよ ! |
キャラクター | 8話【祝宴9 不思議な迷宮】 |
リアラ | ここがアクアラビリンス……。 |
コハク | 外の世界とは何か違う感じがする。それに名前の通り、何本も道があって迷宮みたいだね。 |
イリア | 帰り道はOKよ。見てきた感じだと出入口は問題なく使えそう。 |
ルーティ | いざとなれば帰れるってわけね。 |
リアラ | あ……。 |
ルーティ | どうしたの、リアラ ? |
リアラ | カイルに何も言ってなかったから今頃心配してるかもしれないって思って。 |
イリア | あんたね〜、この状況で男のことなんてどうだっていいじゃないの。 |
ルーティ | あ、ちょうどスタンたちから通信だわ。 |
ルーティ | もしもし、スタン ?どうしたの ? |
スタン | ワイズマンから聞いたんだけど今俺たちの世界から呼び出された騎士を捜してるんだって ? |
ルーティ | ……ワイズマンってば抜け目ないわね。 |
スタン | こっちも魔物を追ってたんだけど結局手掛かりが見つからなくてさ。戻って来たらルーティたちがいないから、心配したよ。 |
ルーティ | しょうがないじゃない。じっとしていられなかったんだもの。 |
スタン | ああ。そうだと思ったよ。 |
ルーティ | 大丈夫よ。こっちは今のところ問題ない。ただ、その騎士を追って迷宮に来たんだけどどれくらいで戻れるかはわからないわ。 |
スタン | そうか、なら俺たちも今すぐそっちに向かうよ。 |
ルーティ | あ、待った。敵の狙いもまだわからないしあんたたちがこっちに来てる間にまた会場や街に魔物が現れたらまずいわ。 |
ルーティ | だから、ここはあたしたちに任せてくれない ? |
スタン | けど、そっちにいるのは親玉かもしれないんだろ。平気なのか ? |
ルーティ | あたしを誰だと思ってるの ?これぐらい、こっちで対処できるわよ。 |
スタン | ……わかった。 |
ルーティ | あんたはあんたで、そっちでできることをやってよね。 |
スタン | そこまで言うなら。ルーティたちを信じるよ。 |
ルーティ | それと、リアラからも伝えたいことがあるんでしょ ? |
リアラ | あの、カイルは近くにいますか ? |
スタン | いや、今はルカを手伝って怪我人の世話をしているよ。呼んでこようか ? |
リアラ | いえ、大丈夫です。カイルに必ず帰るって伝えてください。 |
スタン | ああ。わかった。シングやルカにも状況を伝えておくよ。 |
ルーティ | ありがとう、助かるわ。それじゃ、あたしたちはまだ先があるから切るわよ。 |
スタン | あ、ルーティ。 |
ルーティ | なに、どうしたの ? |
スタン | 気を付けろよな。それと……ちゃんと帰ってこいよ。 |
ルーティ | ……うん、約束する。あたしがあんたとの約束破ったことなんてないでしょ ? |
スタン | えっと……そうだったか ?出会ったころはよく―― |
ルーティ | あー、はいはい。そんな昔のことは覚えてません。それじゃあね。 |
コハク | スタンはルーティのこと信じてるんだね。 |
ルーティ | さ、どうだか。 |
コハク | そういうことにしておく。 |
ルーティ | あいつがどう思ってるかは知らない。ただ、あたしはスタンとは肩を並べていたい。それは受け止めてくれてる気がする。 |
ルーティ | ……なんてね。 |
イリア | あらあらお熱いことで♪ |
リアラ | ふふふ。 |
イリア | どうしたのよ ? いきなり笑って。 |
リアラ | だって他人ごとみたいに言うから。イリアとルカだって信頼し合ってるじゃない ? |
イリア | はぁ ! ? 何であたしとルカの話になるわけ ?あんな察しの悪くて気の利かないおたんこなんて関係ないわよ。 |
リアラ | そんなこと言って。さっきルカが心配して来てくれた時珍しく素直にありがとうって言ってたでしょ。なんだかんだ言って二人も信じ合ってるのよね。 |
イリア | なっ ! ?あんた、意外と抜け目ないのね~……。 |
ルーティ | ほら、おしゃべりは帰ってからゆっくりしましょ。まだ先があるんだーー |
? ? ? | ーーーーーーーーーーー |
コハク | 今の気配は…… ! ? |
ルーティ | 黄金の騎士様ってとこかしら。 |
イリア | この異様な気配……。あいつ一体何者なのよ。 |
リアラ | わたしたちの世界から来た人がこんなことを起こしているのだとしたらわたしたちが止めないと。 |
ルーティ | ええ、そうね。 |
コハク | もう近くにいるのかもしれない。急ごう ! |
キャラクター | 9話【祝宴10 最奥で待つ者】 |
ルーティ | とうとう見つけたわよ、黄金の騎士 ! |
イリア | やっぱ改めて見てもデッカイわね~。 |
マグナディウエス | 我が名はマグナディウエス。安寧を求めるなら、ここから立ち去ることを勧めよう。 |
ルーティ | 誘っておいてよく言うわ。 |
ルーティ | こっちはあんたのおかけで楽しみをぶち壊されてイライラしてんの。 |
マグナディウエス | 閉ざされた千年を超える環の中での邂逅。これもまた『運命』か……。 |
リアラ | わたしを、見ている…… ?わたしを知ってるの ? |
マグナディウエス | …………。 |
イリア | 急にしゃべったかと思えば次はだんまり ?騎士ならはっきりしなさいよ !それとも案外シャイなのかしら ? |
コハク | 魔物を外に放ったのはあなたの仕業なんでしょう !目的はなんなの ? |
マグナディウエス | 全ては余興。お前たちも退屈しのぎにちょうどいい訪問者よ。 |
ルーティ | なんですって ? |
コハク | 冗談じゃない。それで多くの人が傷ついたんだよ ! |
ルーティ | こいつ本気で言ってるの……それとも……。 |
イリア | シャイな男でも会話にならないこういうやつは本当に嫌いよ。 |
リアラ | ねえ、あなたは何者なの ? |
マグナディウエス | 始まりは終わりの始まりであり終わりは再び始まりの鐘を鳴らすのだ。 |
マグナディウエス | 見せよう、我が力の欠片……。 |
コハク | この気配…… !まずいみんな ! 武器を構えて ! |
イリア | 言われなくてもわかってる ! |
リアラ | どうしてあなたはわたしを見ていたの ! ?わたしと何か関係しているの ? |
ルーティ | リアラ、考えるのなんてあとあと !今は目の前の敵に集中なさい ! |
マグナディウエス | 虚無の彼方に儚く散るか……さあ、始めよう。 |
キャラクター | 10話【vsマグナディウエス】 |
マグナディウエス | 主らの努力、全て水の泡とするも一興……。さあ、希望の光は一瞬のみだぞ。 |
コハク | きゃあ !まるでこっちの攻撃を読まれているみたい…… !反撃の隙がないよ ! |
ルーティ | まったく何なのよ、これじゃあ割に合わないじゃない ! |
イリア | チッ……全く歯が立たないなんて——でもねだからと言って諦めるわけにはいかないのよ ! |
リアラ | こんなところで――倒れるわけには…… ! |
マグナディウエス | くくく……さあ、また繰り返すのか ? |
リアラ | ……くっ。 |
リアラ | ………………。 |
リアラ | ――みなさんだけでも逃げてください !あとはわたしが…… ! ! |
ルーティ | 何言ってるの !約束したでしょ、みんなで一緒に帰るのよ ! |
イリア | 仕方ないわね…… !こうなったら当たって砕けろか。 |
コハク | 一人で戦うなんて言わないで。一緒に戦うよ ! ! |
リアラ | でも―― |
リアラ | ……ううん。そうよね。みんなで帰るんだもの……。 |
リアラ | みんな……ありがとう。絶対に諦めない。戦って、勝ってパーティーの続きをやりましょう ! |
マグナディウエス | …………。 |
マグナディウエス | なかなか興味深かったぞ。 |
リアラ | え ? 手を止めた…… ? |
マグナディウエス | 退屈しのぎにはちょうどいい有意義な時となった。 |
ルーティ | 急に手のひら返すなんて怪しいわね。一体何を企んでるのよ ! |
ルーティ | こういう力のある奴の本心なんてわからない。人の心を弄んで……いざとなればなにもかも奪い取るつもりでしょう ! ? |
マグナディウエス | …………。 |
ルーティ | あたしは、大切な人や家族……みんながいられる場所を守りたい。だから油断なんてしない。 |
ルーティ | それに、あたしには肩を並べて歩きたい相手がいんの。それを脅かしたら容赦はしない ! |
マグナディウエス | ならばここから立ち去ればいい。今なら……まだ望みは繋がろう。 |
ルーティ | なにを偉そう―― |
コハク | なに ! ?周囲の様子が変わっていくよ ! ? |
イリア | ひょっとして出口が塞がれるんじゃ ! ? |
リアラ | どうして……あなたは……。 |
マグナディウエス | あの時と同じ眼。 |
マグナディウエス | 幾度も戦いを挑み、乗り越えた。かすかに心浮き立つ、あの頃のものだ。 |
イリア | なに、こいつ。喜んでるの ? ? |
リアラ | ひょっとして元の世界のわたしが未来で出会う相手……そうなんでしょう ? |
リアラ | あなたみたいな人にわたしは何度も……。本当にそんな風にわたしはなれるの ? |
マグナディウエス | 良い余興であった。 |
リアラ | ちょ、ちょっと待って ! |
ルーティ | 戻って……こられたの ? |
イリア | はぁ、さすがにピンチだったわね……。でもどうやってあたしたち出て来たのかしら。 |
ワイズマン | 皆さん、ご無事でなによりです ! |
コハク | ワイズマンさん。あなたがわたしたちを助けてくれたの ? |
ワイズマン | いえ、私ではありません。あなたたち自身で出て来たのではないのですか ? |
リアラ | マグナディウエスがわたしたちを追い出したみたいだった。 |
ルーティ | あいつが ?……本気で何を考えてるのかわかんないやつだったわね。 |
ワイズマン | 今しがた、封印を修復したところだったんです。そうしたらあなたたちがアクアラビリンスから出て来たのですよ。 |
コハク | さっき、アクアラビリンスの景色が変化したように見えたの。封印が戻った影響だったんだね。 |
イリア | それで、あたしたちを追い出したってわけか。こんなイイ女四人を振るなんて見る目がないヤツね。まぁ、あのままだったら正直ヤバかったけど……。 |
ワイズマン | このままアクアラビリンスごとアークから切り離して元の世界に戻した方がいいですね。 |
ルーティ | 本当、そうして。もう二度と関わりたくないわ。 |
リアラ | …………。 |
イリア | さっきからずっと何か考えてるみたいね。どうしたのよ ? |
リアラ | わたしがマグナディウエスと何度も戦うなんていまだに信じられなくて……。 |
コハク | あの人、リアラを見て戦いの手を止めたみたいだったね。 |
コハク | あのままだったら、アークもどうなったことか……。リアラはこの街にとって『英雄』かもね。 |
リアラ | わたしが……『英雄』 ? |
ルーティ | どう、英雄になった感想は ? |
リアラ | 少し……嬉しいかも。 |
リアラ | 帰ったらカイルにこのことをすぐに話さなきゃ ! |
イリア | あ〜、相変わらずブレないわ。 |
コハク | うふふふ。 |
ルーティ | さてと、みんなの所に帰るわよ。ワイズマンには後でたくさん恩を着せるとしてパーティーも仕切り直しね。 |
ルーティ | それに。あいつらにもたっぷり労ってもらわないとね。 |
イリア | 体中痛いから、おたんこルカにマッサージでもしてもらお~っと。 |
コハク | ようやくパーティーを心置きなく満喫できそう !ね、リアラ ! |
リアラ | ええ ! みんなと一緒にパーティーを楽しみましょう ! |