キャラクター1話【VSオウルベア】
ミクリオ…………。
シャーリィあの……食べ物、見つかってよかったですね。
ミクリオああ……。
シャーリィアスタくんも美味しそうに食べてましたね。
ミクリオ空腹のせいで明日の課題に支障が出ても困る。今日の分を取り戻さないと。
シャーリィそう、ですね……。
ミクリオ非協力的なダオスがいても、スレイたちは順調なんだ。僕たちがこんな体たらくじゃ情けないよ。
ミクリオまったく、どうしてこうなってしまうんだ。スレイとならもっと……。
シャーリィあの !
ミクリオ……なんだい ?
シャーリィアスタくんも、きっとどうして上手くいかないのか悩んでいると思うんです。ミクリオさんと同じように。
シャーリィそれにスレイさんとアスタくんは違う人ですからすぐに以心伝心っていうわけにはいかないのかなって。
ミクリオ
シャーリィだから、見つけてあげられたらいいですよね。アスタくんの良いところ。
ミクリオ…………。
アスタ九百九十八……九百九十九……千 !
アスタおっしゃァ ! 日課のトレーニング終わり !
アスタ……ハァ。
アスタどーも上手くいかねぇんだよな。
アスタなんかするたびにミクリオを怒らせちまうし……。
アスタいつも通りにやってるはずなのに何がダメなんだ…… ?
ヤミいつもと同じだからダメなんだろーが。
アスタヤミ団長 ! なんでここに……。あ、もしかしてアドバイスしに来てくれたとか ! ?
ヤミいや、次の課題のこと言い忘れてたから。
アスタそ、そうスか……。
ヤミまあ、そうガッカリすんなや。テメエの何がダメなのかは教えてやる。
アスタオレのダメなところ…… ?
ヤミテメエの悪いとこはなそのまんまテメエのとりえだ。
ヤミ常に前に出て、自分でなんとかしようとする。倒れても倒れても起き上がる。そして諦めない。そうやって何度も限界を超えてきた。
ヤミだから仲間はテメエに力を貸す。だからミクリオと上手くいかねえ。
アスタど……どういうことッスかァァァァ ! ?ぜんぜん意味わかんないッスよ !
ヤミ合わせてくれてたってことだよ。みんなが、テメエのペースに、な。
アスタあ……。
ヤミあとは無い知恵絞って考えろ。
アスタヤミ団長……。へへ……やっぱアドバイスしに来てくれたんだ。
クレスここにいたのか、ダオス。
ダオス……何の用だ。
クレス僕はお前を許していない。だけど邪魔をするつもりもない。それは前に言った通りだ。
クレスそして、誰も傷つけるなとも言った。
ダオス勝手に呼び寄せたことは邪魔立てではないと言うのか ?
クレスアークの知識が必要なんだろう ?
ダオス何が目的だ。私と取り引きでもするつもりか。
クレスそんなつもりはない。
クレスお前をここに呼び出すことを提案したのは僕じゃない。……ミントだ。
クレスここになら、お前の求める知識があるんじゃないかって。
クレスミントにとってもお前は仇だ。ただ、それでもこうして……。
クレスいや。とにかく、邪魔をするつもりはなかった。だから誰も傷つけるな。
ダオス…………。

キャラクター1話【VSオウルベア】
アスタキノコに木の実ときて、今度はイノシシかー。なんか普通 ?
アスタいや ! 今回もなんかきっと裏があるはず !
シャーリィとっても大きくて強い、とかかな ?
アスタそういうのだったらいいんだけどなー。
シャーリィじゃあ、小さくて可愛くて人懐っこいとか。
アスタうおおおお ! そ、そんなの狩れねえェェェェ !
ミクリオあまり大声を出すな。イノシシが近くにいたら逃げられてしまう。
アスタお、おう……。
アスタいかん、またミクリオを怒らせてしまった……。
アスタいや、まだだ ! ヤミ団長に教えてもらったんだ。今日はオレがみんなに合わせる…… !
シャーリィアスタくん ? どうしたの ?
アスタなんでもねぇ ! それより、シャーリィも何かオレに言いたいことがあったらなんでも遠慮なく言ってくれよな !
シャーリィう、うん……。
ミクリオみんな、静かに…… ! いたぞ。
ミクリオおそらく、あれが課題のイノシシだ。
シャーリィ見た目は普通……だね。
アスタよっしゃァ ! さっそく捕まえて──
アスタあ、いや、そうじゃなくて。とりあえず、ここはお二人さんにお任せします。
シャーリィ…… ?
ミクリオ急にどうしたんだ…… ?
シャーリィあ、たいへん ! イノシシが逃げたよ !
アスタなにィ ! 逃がすかァァァァ !
アスタ……っと、そうじゃなくて。ささっ、どうぞお二人さんお先にどうぞ !
ミクリオだからその妙な態度は何なんだ……。まあいい、今はとにかく追おう !
シェリアヤミさん、見つけたわ !こんなところにいるなんて……。
ミント夕べ、クレスさんと一緒に街を出てチームに声をかけに行っていたそうです。
ミリーナクレスさんはこちらに戻っていたけれどヤミさんは今まで何してたのかしら…… ?
シェリアなんだっていいじゃない。上手い具合にヤミさん一人になってくれたんだもの。これはチャンスだわ、シャーロットさん。
シャーロットむ、チャンスとはなんだ。
シェリアもちろん、二人きりになれるチャンスって意味よ。
シャーロットそんな急に言われてもだな……。そもそも二人きりになって何をすればいいのだ。
ミリーナそうね、一緒に朝食をとるなんてどうかしら ?
ミントそれは会話も弾みそうですね。
シェリアええ、そうね。でも、もう少し積極的に行きましょう。
シェリアまずは出会い頭に転んだフリをして抱きついてみるのはどう ?
シャーロット抱きつくだと…… ! ?い、いくらなんでもそれは……。
シェリアだって、ヤミさんってもの凄く鈍いんでしょう ?そのくらいやらないと意識してくれないんじゃないかしら。
シャーロットし、しかしいきなり抱きつくというのは……変に思うだろう ! ?
シェリア確かにちょっと強引だけどまずは意識してもらうことが必要だと思うの。女は度胸よ ! がんばって !
ミントあの、無理はなさらない方が……。
シャーロットう、うむ……しかし……。
ヤミあれ、トゲツン女王じゃん。こんなとこで何してんの ?
シャーロット(転んだフリ転んだフリ転んだフリ……)
ヤミおーい。聞こえてるー ?
シャーロット(タダちょっと抱きつくだけだ大丈夫だ何も問題はない…… ! )
ヤミていうか、そこから離れた方が……。
シャーロットよし ! ああっと ! 躓いてしまった~。
シャーロット(やった ! 上手く行った ! )
シャーロット(ヤミとこんなに密着するなんて……そしてこの後はどうすれば…… ! )
シャーロット(しかし、さすがヤミだな。体幹がしっかりしている。だが、何かこう……毛深いような……)
ヤミトゲツン女王、大丈夫か ?
シャーロットも、もも、問題ないっ。問題ないがっ、もう少しこのまま……。
ヤミいや、それはやめた方がいいんじゃね ?食われちゃうよ ?
シャーロットは…… ?
シャーロットなああああああああああああああ ! ?
ヤミだから言ったじゃん。
アスタヤミ団長ー、イノシシ獲ってきました――って、なんかすげえデカイのがいるうううう !
ユノ確かにデカイな。
アスタって、おおうユノ ! ? いつの間に !
スレイオレたちもイノシシを獲ってきたんだけど……それどころじゃないみたいだな。
ヤミどっちのチームも集まって来やがったな。ちょうどいい。次の課題はあのデカイのね。
ヤミ協力してもいいし、しなくてもいい。みんなでがんばって倒しましょー。

キャラクター2話【VSオウルベア】
スレイやつが怯んだ ! ユノ、頼む !
ユノ任せろ……風創成魔法、風刃の叢雨 !
魔物グルアアアアアッ !
ユノ……仕留め損なったか。
ダオスその程度か。そこをどけ。……ミリオンアサルト !
魔物グルオオオオッ !
ダオスまだ倒れぬか。
ユノなんだ、アンタこそ手ぬるいんじゃないか ?
ダオス黙れ。次は貴様ごと切り刻むぞ。
ユノやれるもんならやってみろ。その前にオレが全部倒す。
ダオス図に乗るな。
スレイ二人とも好き勝手攻撃してるけど……お互いの隙をカバーする連携になってる ?実は意外と気が合うんじゃ……。
アスタくっ……いってえ……。
シャーリィアスタくん、大丈夫 ! ?
アスタおう ! このくらい、なんでもねえ !
ミクリオ何をやっているんだ、君は。
アスタぐぬぬ……。今度は上手くやるから !
ミクリオそういうことじゃない。どうして僕たちに遠慮しているのかって聞いてるんだ !
アスタえ……。
ミクリオさっきから全然前に出ないし、僕たちのことばかり気にして攻撃が疎かになっているのは一目瞭然だ。
ミクリオ急に慣れないことをしてもうまくいくはずがない。やめるんだ。
シャーリィミクリオさん、そこまで言わなくても……。
アスタオレだってなあ、一生懸命考えてるんだぞ !二人とどうやったら息を合わせて戦えるかって。まだ上手くいってねーかもしれないけど……。
ミクリオだから、それがらしくないって言ってるんだ。
アスタミクリオ…… ?
ミクリオ君は君の思うように戦えばいい。僕も僕のするべきことがわかった。
ミクリオ……何があっても僕がフォローしてやる !だから決めてこい、アスタ ! !
アスタ……おうっ ! !
アスタよっしゃあ ! 行くぞおォォォォォッ !
ユノ……アスタ !
ヤミやれやれ……やっと動きやがったか。
アスタいっくぞぉぉぉぉっぉ ! デカブツコノヤロー !
ユノアスタには……負けない !
アスタうおおおおおおあああああっ !
ユノはあああああああああああっ !
魔物グオオォォ……。
スレイやった、倒したぞ !
ミクリオ……ふぅ、なんとかなったか。みんな、怪我はしてないか ?
魔物グルオオオオオオッ !
ミクリオなっ ! まだ、生きて──
アスタミクリオ ! あぶねえええええっ !
アスタふぅ……あっぶねー。大丈夫か、ミクリオ。
ミクリオああ……ありがとう、アスタ。
アスタおう ! ……へへ、なんか初めてちゃんと名前を呼ばれた気がするな。
ミクリオそ、そんなことはないだろう。
シャーリィふふっ、たしかにそうかも。良かったね、アスタくん。
ミクリオシャーリィまで……。あまりこの無鉄砲を調子付かせないでくれ。
アスタその無鉄砲に助けられたのは誰ですかー ! ?
ミクリオう…… ! だいたい君はだな、いつも真っ先に――
ヤミやれやれ、終わっても騒がしいやつらだねー。

キャラクター3話【VSヤミ&クレス】
アスタやったな ! 二日目はオレたちの勝ちだってよ !
シャーリィみんなで頑張ったもんね。
ミクリオああ。それに、アスタの活躍によるところが大きいんじゃないかな。
アスタお、なんだよ ! そんな急にほめても何も出ないぞ ?調子狂っちゃうじゃないかー。
ミクリオそしてアスタに深い思慮や冷静な判断を求めるのが間違いだと気づいたのも良かった。
アスタいやいや……って、なんかバカにされてる ! ?
ミクリオそのバカ正直さが君の強みでもあるからな。
アスタなんだ、そういう意味か。ありがとう !
ミクリオ扱いやすいやつだな……。
シャーリィもう、ミクリオさん。あまりからかったらかわいそうですよ。ミクリオさんもアスタくんの力を認めているんですよね。
ミクリオ……まあね。アスタの力は、反魔法だけじゃない。ああやって仲間のためにいつでも迷わず体を張れる。そういうところなんだろうな。
アスタうおおおおおおっ !そんなにほめられるとムズムズするって !
アスタそれより、ミクリオとシャーリィの魔法もすごかった !オレたちの世界の魔法とはやっぱりちょっと違うんだな !
ミクリオアスタの世界の魔法か。興味あるな。
アスタそうか ! うちの団員にも二人みたいに水魔法が使えるノエルってやつがいるんだ。
アスタすっげー魔力を持ってて、でっかい水の竜を作ったり大きな水の球で仲間を守ったりできるんだ !
ミクリオなるほど。水で攻防のどちらもこなすのか。
アスタそれから、ラックは雷で作ったブーツでもの凄い速さで移動できるだろ !マグナ先輩は炎の玉をかっ飛ばすし !
アスタ他にもすげー仲間がいっぱいいるんだ !一晩くらいじゃ話しきれねえ !
ミクリオ待て待て。アスタの話は興味深いけど徹夜で話すわけにもいかない。明日は最後の課題だぞ。
アスタそうだな ! ちゃんと寝て、明日も勝とうぜ !
シャーリィまた、ゆっくり聞かせてね。
アスタおう !
スレイ今日は残念だったね。ミクリオたちに負けちゃった。
ユノ仕方ない。昨日に比べて、アスタたちのチームは見違えるようだった。
ユノだが、明日はオレたちが勝つ。アスタには負けねー。
ユノもちろん、アンタにもだ。
ダオスふん。ならばもっと腕を磨くことだな。
スレイダオス、今日は一緒に戦ってくれてありがとう。さあ、ちょっと遅くなったけど夕食にしよう。
ダオス言っただろう。私はこの茶番を終わらせたいだけだ。
ダオス足を引っ張るなよ。
ユノこっちの台詞だ。
スレイはは……。でも、まあ一歩前進……かな ?
クレスなんだかんだで、どちらのチームもまとまってきたんじゃないでしょうか。
ワイズマン最初は反発やすれ違いこそありましたが課題をこなすうちに変わっていきましたね。
ワイズマンクレスさんのおっしゃる通りなかなか面白いイベントになりました。アークの住人たちも楽しんでくれているでしょう。
ヤミおいおい、まだ終わっちゃいねーぞ。あと一日残ってるんだからな。
ワイズマンおお、そうでした。明日はいったいどんな課題を出すおつもりですか ?
クレスそれは、明日のお楽しみということで。
ヤミ遊びはここまでだ。明日はやつらをクソボロにしてやろう……。
シェリアシャーロットさん、本当にごめんなさい。私がおかしなことを言ったばかりに……。
シャーロットいや、シェリアのせいではない……。気にしないでくれ。
ミリーナ残すところはあと一日……。なんとか上手くいかせてあげたいけれど……。
ミントわ、私もできるかぎりお手伝いしますので…… !
シャーロットいや……必要ない。
シェリアシャーロットさん…… ?
シャーロットお前たちが背中を押してくれたことは感謝している。だが、やはりああいうのは私らしくなかった。
シャーロット明日は私なりのやり方で挑んでみようと思う。そう、やつと肩を並べられるように…… !
アスタぐがぁ~……ううん……シスター……。オレ、ついに魔法帝になってあなたを向かえに……。
ヤミ起きろやこの惰眠小僧 !
アスタんが ! ? な、なになに ! ?え、ヤミ団長……なんで ?
ヤミ寝ぼけてねぇでとっとと起きやがれ。とっくに朝だコノヤロー。
ミクリオアスタ以外、みんなとっくに起きて集まってるぞ。
アスタうおお、なんで起こしてくれなかったんだァァ ! !
ミクリオ君は、どうやっても起きなかったんだ !
シャーリィアスタくん、ずっと寝言いってたよ。
アスタえっ、どんなこと言ってた ?
シャーリィえっと、シスターがどうのって……。
ヤミおい小僧、とっととしねぇと永遠に起きられねぇようにすんぞ。
アスタあがががが ! すんませんっしたー !
クレスあはは……。えーと、それじゃあ最後の課題について説明するよ。
スレイ最後ってことは、三日目の課題は一つだけか。
ミクリオつまり、それだけの難題ってことだな。
ユノいったい今度は何をさせる気なんだ ?
クレス最後の課題は……。
ヤミオレたちと戦うことだ。
アスタな…… !
アスタヤミ団長と、戦う…… !
ヤミどうした小僧、怖じ気づいたのか。
アスタ本気で ! いかせていただきますっ ! !
ヤミいい返事だ。クソボロにしがいがあるぜ。
クレスそれから、この大会の『賞品』について言ってなかったね。
クレス一日目、二日目とそれぞれのチームが勝った。つまり、この課題で大会の勝者が決定する。
クレス勝ったチームへの賞品としてワイズマンさんが願いを一つ叶えてくれるそうだ。もちろん、大それたことはできないそうだけど。
アスタよっしゃあ ! やる気倍増 !異世界のご馳走を腹いっぱい食わせてもらう !
ユノ悪いな、アスタ。それはオレのものだ。
アスタおう、勝負だユノ !
ヤミおう、かかってこい小僧ども !

キャラクター4話【VSヤミ&クレス】
クレスそこまで ! みんな、素晴らしい戦いぶりだった !
アスタぷはー ! やっぱヤミ団長強え !
スレイクレスの剣技もやっぱりすごかった。オレももっとクレス道場に通わないとな……。
ミクリオああ、二人ともすさまじい強さだった……。けど、これはどちらが勝ちになるんだ ?
ヤミあー、そんじゃ小僧チームの勝ちってことで。
ユノちょっと待て。アスタよりオレの方が三回多くアンタに攻撃を当てた。
アスタ数えてたのかよ !ていうか、問題は数じゃないだろ !
ヤミあー、んじゃやっぱクールくんとこの勝ちで。
ミクリオ待ってくれ。個人ではなくチーム全体で判断してもらいたい。
スレイオレもミクリオの意見に賛成かな。でも、ユノの活躍がすごかったのも確かだし……。
シャーリィあの、みなさん意見はまとめた方が……。
ダオスさっさと終わらせろ。
ヤミだあああああっ ! うるせえぞコノヤローども !
ヤミめんどくせえ ! テメエら全員もっぺんかかってこい !そんで、オレが全員ぶっ倒して勝ちってことにする !
シャーロットそういうことなら、私も参加させてもらおう。
ヤミああん ? トゲツン女王もオレと戦うってか ?
シャーロットいいや、私は貴様の側につく。貴様だけでは荷が重いだろうからな。
シャーロットそれに、ヤミ……貴様と並んで戦うのはこの私、シャーロット・ローズレイをおいて他にいない。
シェリアシャーロットさん…… !
ミリーナシャーロットさんらしい、情熱的な告白ね !
ミント素敵です…… !
ヤミあー、よくわかんねえけど。戦いたいならいいよ。
クレスということは、第二回戦かな。もちろん僕は構わないよ。
ダオスいい加減付き合いきれん。
ヤミ金髪のおっかねーにーちゃんよ。ならこっち側に付いちゃどーだ ?ちゃちゃっと終わらせてやろーぜ。
ダオス……ふん、よかろう。
クレスダオス……。
ダオス風魔法の使い手よ。格の違いを見せてやろう。
ユノああ、望むところだ。アンタとは決着をつけたいと思ってた。
スレイ二人とも、張り切ってるね。こっちもより気合を入れないとな !
クレスこんな形とはいえ、ダオスと共闘するなんて……。
ミントクレスさん……。無茶はしないでくださいね。
クレスああ、約束するよ。
アスタよっしゃあ ! いくぞ、ミクリオ !
ミクリオまったく、やっと終わったかと思えば……。シャーリィ、いけるかい ?
シャーリィはい。わたしもがんばります !
ヤミそんじゃ、もっぺんかかってこいや !

キャラクター5話【VSヤミ&シャーロット&クレス&ダオス】
ワイズマン皆さん、そこまでにいたしましょう。
スレイ勝敗はつかず……か。
ミクリオ仕方ないさ。これ以上やり合ったらどちらも怪我じゃすまないからね。
ダオス貴様、ユノといったか。
ユノああ。この決着は、いずれ必ずつける。
ダオスふん、好きにするがいい。
アスタでも、やっぱヤミ団長は強いっスね !
ヤミバカヤロー。オレを超えるくらいのことは言ってみろ。
ワイズマンでは今回は引き分け、ということで収めましょう。賞品の代わりといってはなんですが宴の席をご用意しました。
アスタおっしゃあああ ! メシだァァァァ !
ミクリオアスタの願いは叶ったみたいだな。
ダオスこれで終わりだな ?
クレスダオス、行くのか ?
ダオス貴様たちと馴れ合うつもりはない。
ワイズマンでは、お約束の件についてはのちほど。ご期待に沿えるものかはわかりませんが。
ダオスそれは、私が判断することだ。
ミントダオス……。
ダオス……さらばだ。
シャーロットや、ヤミ……。
ヤミん、なんか用 ?
シャーロットい、言うまでもないが私たちはお互い団長として対等な立場だ。だから、その……。
ヤミああ、わかってるよ。オマエの言いたいことは。
シャーロットえ……。
ヤミいや、本当は最初っからわかってたんだ。だけど、オレはそれを見て見ぬフリしてた。オマエを傷つけるとわかっていてもな……。
ヤミ今からじゃ、遅すぎるってことはわかってる。だけど言わせてくれ。
シャーロットヤミ…… !
ヤミカニ、ひとり占めしてごめんね。
シャーロットは…… ?
ヤミキノコ半分だけなんてケチなこと言わずカニもやりゃあよかった。いや、ほんと悪かった。すまん。許して。
シャーロット…………。
シェリアシャーロットさん……。
シャーロットうああああああああああっ !なぜいつもこうなるのだ…… !
アスタミクリオ……あのさ、ありがとな。
ミクリオど、どうしたんだ急に。
アスタミクリオのおかげで見えてなかったもんに気づけた。本当にありがとな !
ミクリオ……お互い様だ。それに……僕たちは仲間だろう。
アスタおう ! シャーリィもありがとな !
シャーリィわたしの方こそ楽しかったよ、ありがとう。
アスタでも、これでお別れなんだな……。なんか寂しいぜチクショー !
ワイズマンでしたら、シャドウを残していかれますか ?
アスタシャドウ ? なんだそれ。
ワイズマンシャドウとは、アスタさんの抱いた想いを元に姿と心をそっくり別次元へと投射した存在です。
ワイズマンアスタさんが元の世界へ帰られてもミクリオさんたちの世界には具現化されたシャドウのアスタさんが残ることになります。
アスタ…………。
ミクリオアスタ……おい、アスタ。
ユノダメだ。あれは何も理解できてない顔だ。
アスタはっ ! よくわかんねえけどミクリオたちとまたチームが組めるってことだよな !
アスタじゃあ、そのシャドウってやつを残すよ !
ユノならオレもそうする。どの世界だろうが、オレはアスタのライバルだからな。
ワイズマン承知しました。お二人のシャドウを具現化しましょう。
アスタへへっ。そんなわけで、これからもよろしくな !

キャラクター1話【ページ1 異世界からのゲスト】
ワイズマンいかがでしょう ? クレスさん。
クレスうーん……やっぱり、同じ闘技場となると変わり映えはしないですね。
クレスいっそのこと広いフィールドを使って、遭遇や撤退など作戦を立てられるようなものはどうでしょう ?
ワイズマンなるほど……。やはり闘技大会のアドバイザーとしてクレスさんをお呼びしたのは正解でした。
クレスそこまでお役に立てるかわかりませんが……。
クレス闘技大会は何度かやっているので何か新しいことを取り入れた方がいいかもしれません。
ワイズマン確かに、ひと味違った趣向もほしいですね。
ワイズマンそれでは、私が別世界を覗いてみましょう。何か参考になるものが見つかるかもしれません。
クレス別世界、ですか。
ワイズマンさっそく扉を開いてみます。
ワイズマンさて、どのような世界に繋がったのか……。こ、これは…… ! ?
クレスどうしました ! ?
ワイズマン何者かが、こちらへやって来ようとしています。その人物は、闇属性の力を持っています。
クレス闇属性の力…… ! ? 魔物の類なのか ! ?
ワイズマンわかりません。ですが、とてつもなく強い魔力を持っています。
クレス確かに。これは殺気…… ?すさまじい圧力を感じる。
ワイズマン来ます !
クレス…… !
ヤミえーと、ここどこ ?
ヤミフィンラルの空間魔法かと思ったらどうもそうじゃねえっぽいな。
クレスあの、あなたは…… ?こちらに敵意はないんですか ?
ヤミ敵意 ? なんで ?
クレスいや、すごい圧力を感じたので……。
ヤミ圧力 ? ああ、うん。ちょっと大ピンチだったから。
ヤミていうか、便所貸してもらっていい ?漏れそうなんです。
クレスあ、はい……どうぞ。
ヤミいやー、危なかった。もうちょっとで超えちゃいけない一線を超えちゃうとこだったわ。
ヤミんで、あんたら誰 ?
ワイズマン私はワイズマン。この学園都市アークの長です。
ヤミうおっ、アンタなにそれ。全身光ってんだけど。
クレスワイズマンさんは人間とは違った存在なんです。僕はクレス。あなたとは違う世界の人間です。
ヤミほお……確かにそんなピカピカした人間は見たことねえな。それにあんたもオレたちの世界の人間じゃねえと。
クレスはい。急な話で驚いたと思いますが……。
ヤミふーん。ま、そういうこともあるんじゃね ?
クレスそ、そうですか。あなたも剣士……ですよね。ワイズマンさんによると、魔力も凄まじいと。
ヤミオレはヤミ・スケヒロだ。刀も魔法も使う。魔法騎士ってやつだ。
クレス魔法と剣技の融合か。ぜひ一度、手合わせしてみたいですね。
ヤミそういうあんたもかなりのもんだ。見りゃわかる。
ヤミうちの小僧に稽古つけてもらいたいくらいだ。
クレス小僧 ?
ヤミああ、まあいいや。あんたらがオレを呼んだ、ってことでいいんだよな ?なんの用 ?
ワイズマン実はご協力をお願いしたいことがありまして。まずは、じっくり話をする場を用意しましょう。
ヤミあ、だったらついでに食いもんもらえない ?

キャラクター2話【ページ2 魔法騎士】
ワイズマンみなさん、お越しいただきありがとうございます。今回も是非、祭りのお手伝いをお願いします。
ミクリオできれば前もって連絡してからにしてほしいな。
スレイいいじゃないか、ミクリオ。またどんな世界の人たちと会えるのか楽しみだよ。
ミクリオスレイはなんでも受け入れすぎだ。
シャーリィここにいるのは、わたしたちだけなんでしょうか ?
クレス僕たちもいるよ。
スレイクレス ! それにミントも。今回はこの五人なんだね。
クレスいや、実のところ僕たちは今回、主催者側なんだ。
ミントはい……。私はお手伝いなんですけれど。
ミクリオクレスたちが主催者側って……。いったい、どういうことなんだ ?
クレスそんなに大げさなことじゃないんだけど……まずは彼を紹介するよ。
クレス別の世界からのゲストで、今回の『闘技大会』を一緒に企画してくれたヤミさんだ。
ヤミご紹介にあずかりました、ヤミさんです。オマエらが盛り上げてくれんのを期待してまーす。
ミクリオなんて不遜な態度なんだ……。
クレス面白い人だろう ?いろいろあって意気投合したんだ。
クレスそれとあと二人、ヤミさんの世界から……どうやら来たみたいだね。
アスタどわあァァァァッ ! ? ぶふおおっ !
アスタいででで……って、ここどこォォォォ ! ?オレ、黒の暴牛のアジトにいたはずなのにー ! ?
ヤミオイ、小僧――
アスタや、ヤミ団長ォォォッ !どうなってるんスかァァァァ ! ?
ヤミうるせぇ。
アスタあ、はい……。
ヤミオイ、アークのピカピカマン。
ワイズマンぴか……私のことでしょうか ?
ヤミオレは、うちの団員を二人連れて来てくれって頼んだよな ? なのに、どうしてこいつらがいるんだ ?
シャーロットここはどこだ。
ワイズマンどうやらこちらに呼ぶ際に、アスタさんの側にいたため巻き込まれてしまったようです。
ヤミ金色のクールくんじゃん。なんでうちのアジトにいたの ?
ユノオレはアスタに用があって。
アスタオレ宛てのハージ村からの手紙が間違ってユノのとこに届いたんで持って来てくれたんスよ。
ヤミいいヤツかよコノヤロー !
アスタくそぉぉぉ ! イケメンコノヤロー !
ヤミま、いいや。理由はわかった。じゃあそっちのトゲツン女王は ?
シャーロット私は……。
シャーロットき、貴様がちゃんと日々鍛錬しているか見に来てやったのだ。
シャーロット自堕落に過ごしているようなら性根ごと叩き直してやろうと思ってな。
シャーロット(あああああああ ! どうして私はこうヤミに悪態をついてしまうのだ~)
ヤミまあ、それならそこで見ててくれりゃいいけど。クールくんの方はどうすっかね。
ワイズマンもう一度、あらためてゲストを呼びましょうか ?
ヤミフィンラルあたりに気合いを入れてやりたかったんだが仕方ねえ。クールくんでもいいか。小僧もライバルがいた方が盛り上がんだろ。
アスタあのぉ、さっきからまったく話が見えないんスけど。そもそもここ、どこなんスか ?
クレスちょっと信じがたい話かも知れないんだけど……ここは、君たちが住んでいるのとは別の世界なんだ。
アスタ別の世界 ! ? マジで ! ?
ヤミマジだ。そして、オマエにはここで修業をしてもらう。
アスタいやいや、別の世界ッスよ ! ?修業してる場合ッスか ! ? もっとほかに――
ヤミうるせえ。いいからやれ。殺すぞ。
アスタハイッ ! やります ! やらせていただきます !
ヤミ言っとくが、クールくんも強制参加な。
ユノオレも…… ?
アスタユノが断るなら、オレ一人でめちゃくちゃ強くなってやるぜ !
ヤミどっちもやる気があってけっこうけっこう。んじゃ、ピカピカマン。
ワイズマンその前に、最後の参加者が到着したようです。
ミクリオお前は…… !
スレイダオス !
クレス…………。

キャラクター3話【ページ3 さらなる訪問者】
ダオスこれは……転移か。しかし、予兆も魔力の流れも感じとれなかった。どうなっている……。
クレスダオス……。
ダオス……貴様の仕業か ?
ワイズマン突然のお呼び立て、まずはお詫びいたします。ここは学園都市アーク、私は長のワイズマンです。
クレスここはティル・ナ・ノーグとも違う世界だ。
ダオス何……。
ワイズマンはい。この都市はあらゆる世界のあらゆる知識が保管される次元図書館。私はいわば高次元の存在なのです。
ダオスあらゆる知識、だと ?
ワイズマンええ。
ダオスならば見させてもらおう。私には知識が必要だ。
ワイズマン残念ながら、あなたが見ることはできません。
ダオスでは勝手にさせてもらう。
ワイズマンどうしてもと言うなら私はそれを止めなければなりません。
ダオス勝手に呼び寄せたのは貴様であろう。その上に、私の邪魔までするというのか。
ミクリオまさか、ワイズマン相手に戦うつもりか ! ?
クレスダオス ! 話を聞いて――
アスタちょっと待ったあぁぁぁ !
アスタこんな街中でぶっ放そうなんて、何考えてるんだ ! !
ダオスどけ。これは子供の遊びではない。
アスタ断る ! アンタは危険だって、オレの直観が言ってる !
ダオス剣を向けるのなら容赦はせんぞ。
アスタはあァァァァァッ !
ダオス! ? 我が魔術を打ち消しただと……。
アスタオレにアンタの魔法は通用しねえ !
ダオス妙な力だ。だが…… !
アスタぐはっ…… ! ?
ユノアスタ…… !
ダオス貴様など素手で充分だ。
ユノ待て ! オレが相手だ。
ダオス貴様も妙な力を使うのか ?
ユノオレにそんなものはない。だが、魔法の力ならオマエなんかに負けない。
ダオス純粋な魔術だけで私に挑むつもりか。笑わせる。
クレスそこまでだ ! ダオス !
クレス少しでいい。僕たちの話を聞いてくれ。次元図書館のことで、提案があるんだ。
ダオス…………。
ワイズマン図書館の記録を閲覧させることはできませんがあなたが求める知識を私から伝えることはできます。ただし、祭りに協力するのと引き換えです。
ダオス祭り、だと…… ?
クレス……ああ。
クレス――みんなにも説明をしないといけないね。あらためて、祭りの内容について話をするよ。
クレスまず最初に、今回は闘技大会としてはいるけど直接戦うわけじゃない。
クレス具体的にはチームを組んで課題をクリアしそれぞれの得点を競い合うんだ。
ミクリオまさか、ダオスとチームを組むのか ?
クレス……ああ。ダオスにもチームとして大会に参加してもらいたい。
ダオスくだらんな。
クレスワイズマンさんが言っただろう ?知識を得るには参加するのが条件だ。
ダオス……ふん。
ユノ大丈夫か、アスタ。
アスタもちろん。だけどアイツ……強いぞ。さっきのはぜんぜん本気じゃなかった。
ユノああ。危険なやつだ。あいつともチームを組むのか。
アスタヤミ団長のことだから、きっとなんか考えがあるんだ。
ヤミうわー、なにアイツ。マジおっかねー。
アスタ普通にドン引きしとるー ! ?
ヤミよかった。オレが参加するんじゃなくて。
アスタちょっとヤミ団長 ! オレたち場合によっちゃチーム組んで一緒に行動することになるんスけど !
ヤミおう、頑張れよ。そんで生きて帰ってこい。じゃないと殺すぞ。
アスタ理不尽すぎるゥゥゥゥッ ! ?

キャラクター4話【ページ4 勝負開始】
ヤミはい、とゆーわけで。みなさんには着替えてもらいましたー。
ミクリオアスタたちと同じ紋章……。何か意味があるのか?
ヤミデザインは気にすんな。うちの団員のと同じだ。考えるのめんどかったから。
ワイズマンそちらは私のほうで用意させていただきました。皆さんの居場所を伝える魔術がかかっているので安全のためにも身につけておいてください。
クレスそれじゃあ、あらためて詳しいルールを説明するよ。
クレス君たちは三人一組のチームを組んでこの森で課題をこなしてもらう。
クレス期間は三日間。その間、一定の範囲からは出られない。持っていけるのは普段使っている装備とアイテムのみ。
ミクリオつまり、食糧や水は自力でなんとかしろってことか。当然、この森には魔物も出るんだろう ?
スレイサバイバルか。課題をこなすだけじゃなく三日間を耐え抜く手段を見つけないとな。
クレスその通りだ。
クレス万が一救護が必要となった時のため、ミントに加えてミリーナとシェリアにも来てもらった。
シェリアとは言っても、ケガをしないのが一番だから。
ミリーナ私たちの出番はない方がいいわね。
ミントみなさん、気をつけてくださいね。
ヤミよかったな小僧。これで最悪死ぬことはねえ。クソボロにしてやるから覚悟しとけ。
アスタひぃぃぃぃっ ! ?
ユノそれで、チーム分けはどうなっている ?
クレスああ、今から発表するよ。
クレス第一チームはアスタ、ミクリオ、シャーリィ。
アスタユノとは別チームか……おっしゃあ ! 勝負だ !
ユノ勝つのはオレだけどな。
クレス第二チームはユノ、スレイ、ダオスだね。
スレイダオスと一緒か。わかった。頑張るよ。ミクリオ、勝負だな !
ユノ…………。
ダオス…………。
ヤミ金ピカのとこのクールくん、チームメイトをそんな目で睨むんじゃありません。仲良くしろ。
シャーリィサバイバルなんて……わたし、大丈夫かな。
アスタシャーリィ、心配すんな !オレ、食えるもの探すの得意なんだ。
ユノアスタと同じものを食ったら、腹を壊すかもな。
アスタオイコラァ ! オレがなんか変なもん拾って食ってるみたいに言うなァァァァ !
シャーリィふふ……ありがとうございます。アスタさん。わたしなりに、がんばってみますね。
アスタああ、よろしくな !ユノは、ダオスと一緒で大丈夫か ?
ユノ……問題ない。妙な真似をしてもオレが止める。
アスタそうか……。よーし、オレたちも負けねーぞ !
ヤミ若者は元気でいいね。ま、死なない程度にがんばれや。オジサンたちは観戦してっから。
クレスはは……。その前に、肝心の課題を出さないと。
ヤミおっと、忘れてた。えーっと、小僧のチームにはキノコを集めてもらおう。
アスタキノコ……ッスか ?
ヤミこの森をずっと先に進むと、洞窟がある。その一番奥にいっぱい生えてるやつだ。
ミクリオずいぶんアバウトだな。せめて色や形くらい教えてもらいたいものだが……。
ヤミ次、クールくんチームは海岸でカニをとってこい。
スレイえ ! ? カニ ?
アスタキノコとかカニとかなんか美味そうなもんばっかッスね。
ヤミこのオレが食いたいから課題にしたと思ってんのか。いいからさっさと行け。
アスタ行ってきまァァァァァす !
クレスやっと始まった……。どんな風に課題をこなすのか楽しみですね。
ヤミ準備にも説明にも手間がかかったんだ。つまんねー結果だったら殺してやる。
ワイズマンそれでは、我々は街に戻って観戦するとしましょう。
シャーロット待て。ヤミ、私はなにをすればいいんだ。
ヤミあ、トゲツン女王……忘れてた。
シャーロットなっ、忘れて…… ! ?ならばなぜ私をここに呼んだ。
ヤミ呼んだっていうか、ついでに来ちゃっただけだし。
ワイズマンでしたら、シャーロットさんだけ元の世界へお送りしましょうか ?
ヤミだってさ。先に帰ってれば ?
シャーロット貴様、無理矢理連れてきておいて先に帰れだと…… !
シャーロット私もここに残る。貴様がこの世界で問題を起こさないよう見張る。何かあっては魔法騎士団の名折れだからな。
ヤミえ……もしかして暇なの ?
シャーロット黙れ !
ヤミそんなに怒んなって。
シェリアねえ、ミリーナ。あの二人って……。
ミリーナええ。なんだか複雑な関係みたいね。

キャラクター5話【ページ5 それぞれの行方】
アスタよっしゃァ ! さっそく洞窟へ向かおうぜ !
ミクリオ待て。闇雲に走り出すんじゃない。
アスタだけど、急がねえとユノたちに負けちまうだろ !
シャーリィクレスさんは早い方が勝ちとは言ってなかったような。得点を競うとは言ってましたけど。
アスタそういえばそうだな。
ミクリオ話はちゃんと聞いておいてくれ。だいたい、洞窟の場所もわからないだろう ?
アスタ言われてみれば……。
ミクリオまったく君は……。とにかく、山の方へ向かおう。
アスタなんで山なんだ ?
ミクリオ洞窟というのは、溶岩の枯れた後なんかにできるんだ。
シャーリィ他には地下水の通り道だったりもしますよね。それも、地表付近のものは山のそばに多いです。
アスタ二人ともすげぇな !オレにはそこまで考えつかねえや。
ミクリオ闇雲に進んでいては余計に時間がかかってしまうんだ。さあ、山を目指そう。
スレイ海岸には着いたけど、海の中にいるカニをどうやって獲ればいいのかな。
ユノオレの風魔法で海水を巻き上げるか ?
スレイうーん、ちょっと大規模すぎないかな ?ダオスには何か考えある ?
ダオス…………。
スレイ水中で行動できる魔術を知ってたりしないかな ?
ダオス……くだらん。
ユノおい、チームだろう。少しは協力しろよ。
ダオス付き合う義理はない。
ユノオマエ……。
スレイま、まあまあ。
スレイ……しょうがないか。ユノ、ここはオレたち二人で頑張ろう。
ユノ……わかった。
スレイそれじゃ、あらためて策を――
スレイってカニの魔物 ! ?
ユノたしかにカニとは聞いたがサイズについては言われなかったな。
スレイこれじゃあ、オレたちの方が餌になっちゃうね。
ユノオレが攻める…… !
スレイいや、オレが前に出る ! 援護は頼んだよ !
ヤミお、はじまったはじまった。
クレス最初はスレイたちのチームか。ダオスは……案の定って感じですね。
ワイズマン最初の課題、どちらが先にクリアするでしょうか。
ヤミお、賭けるか ?
クレス僕はやめておきます。彼らに悪いですから。
ヤミ真面目だねえ。
シャーロット(くっ……ヤミ楽しそうだ。しかし私が混ざりに行くわけにも……)
シェリアあの、シャーロットさん。
シャーロットむ……お前は、シェリアといったな。何か用か ?
シェリアよかったら、お茶でもしませんか ?
ミリーナただ見ているだけなのもなんですし。せっかくだから、お話しながら観戦しましょう。
ミントシャーロットさんの世界のお話、聞かせてください。
シャーロット……そうだな。私も、いろいろ聞かせてもらいたい。
シェリアじゃあ、決まりね !女子だけで、楽しくおしゃべりしましょ !

キャラクター6話【ページ6 キノコを求めて】
ミクリオ山の方に向かって正解だったな。キノコがあるのはこの洞窟で間違いないだろう。
アスタんじゃ、さっさと採って帰ろうぜ !
シャーリィアスタさん、一人で先に行ったら危ないです。
アスタアスタでいいって。敬語もいらないぜ。オレたちチームなんだしさ。
シャーリィえと、じゃあ……アスタくん。
アスタおう ! あらためてよろしくな、シャーリィ。ついでにミクリオも。
ミクリオ僕はついでか。
アスタ冗談だって。ミクリオもアスタって呼んでくれ。
ミクリオ君が人の話をちゃんと聞くようになったらな。
アスタき、厳しい……。ていうかオレ、もしかして嫌われてる ?
シャーリィ真面目なだけだよ。
アスタそうかなー、なんか子供扱いされてる気が……って、おお ! ? あれって例のキノコじゃないか ! ?
シャーリィほんとだ。少し光ってるね。毒、とかないのかな……。
アスタとにかく採ってみようぜ !
ミクリオ待て、不用意に近づくんじゃない。
アスタ大丈夫だいじょーぶ。おっしゃ、キノコげっとォォォォ !
ミクリオ……やれやれ、君は本当に人の話を聞かないな。
ヤミおー、それそれ。そのキノコで間違いねえぞ。
アスタうおっ ! ? ヤミ団長の顔がいきなり目の前に ! ?
ミクリオこれは魔鏡通信といって離れた場所でも会話できるんだ。
アスタへー、すっげー。便利だな !
ヤミちなみに、顔が見えてない時もこっちはオマエらのことを見てるからな。サボったら殺すぞ。
アスタ大丈夫ッス ! サボらず真面目にやってます !
ミクリオところで、キノコを集めて来いとは言われたがどのくらい持っていけばいいんだ ?
ヤミとりあえずたくさんだ。ただし、大きいのには気をつけろよ。
ミクリオまたアバウトな……。ん ? 待ってくれ。『大きいの』とはどういう意味だ ?
アスタおおおお ! すっげーデカいキノコ発見っ !
ミクリオなに…… ?
アスタこんだけデケーの持ってったらヤミ団長も褒めてくれるはず !さっそく引っこ抜いて……。
ミクリオま、待て ! それは――
アスタどわあァァァァァ ! ? なんか動きだしたー !
ミクリオだから待てと言っただろう !
シャーリィ見てください ! 他のキノコも !
ミクリオそうか ! あの巨大キノコの胞子が他のキノコも魔物に変えてるんだ !先に胞子をなんとかしないと……スプラッシュ !
シャーリィわたしもお手伝いします ! ウィンドフェザー !
アスタキノコなんかに負けてたまるかァァァァ !
ミクリオなっ ! ? 僕たちの術が !
シャーリィアスタくんの剣が、全部消しちゃってる ! ?
ミクリオ先に親玉の胞子をなんとかしないと意味がない !そんな大きな剣を振り回してたら胞子をばらまくのを手伝っているようなものだ !
アスタうおォォォォ ! 斬っても斬っても減らねェェェ !
ミクリオくっ…… ! これでは…… !
シャーリィど、どうしましょうか…… ?
ミクリオ放っておくしかないだろう。まったく、あいつ…… !

キャラクター7話【ページ7 勝負の結果】
アスタこれで、最後だァァァァ !
アスタどうだ ! キノコの化け物、ぜんぶ倒したぞ !
ミクリオああ、よくやった──
ミクリオ――とでも言うと思ったか ! ?
アスタええっ ! ?
ミクリオあの魔物は、胞子で仲間を増やしていたんだ。まずはそれを術でなんとかすべきだった。
ミクリオなのに、君が考えなしに剣を振り回すから僕たちの術がかき消されて台無しだ。
シャーリィキノコ、ほとんど残ってませんね……。
アスタう……す、すいませんっしたァァァァ !
ミクリオとにかく、残ったものだけでも集めるしかない。君は、魔物の残骸を片付けてくれ。
アスタは、ハイ ! がんばりまッス !
ヤミおー、小僧。やっと戻ってきたか。遅ぇぞ。
クレスそれで、成果の方はどうだったんだい ?
ミクリオそれが……。
アスタこ、こんだけッス。
ヤミおい、なんだこりゃ。少なすぎるだろ。
ミクリオキノコはほとんど魔物になってしまった。彼が片っ端から斬っていったが……。
アスタ一応、魔物になっちゃったやつも持ってきたんスけど。これって得点になったりします…… ?
ヤミなるか。
アスタやっぱりィィィィィ !
ユノアスタ、ずいぶん遅かったな。
アスタユノ ! そっちはどうだった…… ?
ユノあれだ。
アスタうおおおお ! ? カニ ! カニの山だァァァ !
ユノこの勝負、オレの勝ちだな。
アスタくっそおォォォォォ !
ミクリオさすがだね、スレイ。
スレイいや、ほとんどユノのおかげだよ。彼の風魔法はすごかった。
スレイ彼らの世界では魔法がすべてなんだって。なかでも今回呼ばれたような魔法騎士団の人たちはみんな魔法の特別な使い手らしいんだ。
ミクリオそっちはずいぶん打ち解けたみたいだね。それに比べて僕たちは……。
クレス第一の課題は終了だ。勝利したのは……。
クレススレイ、ユノ、ダオスチーム !
スレイやったね、ユノ。
ユノああ。楽勝だ。
クレス負けたチームも、気を落とすことはないよ。課題はまだ残っているからね。
ヤミいいや、大いに地の底まで気を落とせ。そして反省しろ。オレたちのメシが減ったことをな !
アスタす、すいませんっしたァァァァ ! ……ってメシ ?
ヤミったくよお……クールくんたちがカニをたくさん持って来なきゃぜんぜん足りないとこだったじゃねぇか。
ユノオレたちはアンタらのメシを獲りに行かされてたのか。
ヤミ分けてやらねえぞ。オマエらは自分でなんとかしろ。んじゃ次の課題は、この木の実を集めてくることだ。わかったらさっさと出発しろや。
アスタくそおおお ! 今度こそ負けねえェェェェ !
ミクリオだから先走るなと言ってるだろう !……仕方ない。追いかけよう、シャーリィ。
シャーリィは、はいっ !
ミリーナシャーロットさんは魔法騎士団の団長なのね。
シャーロット『碧の野薔薇』という。ほとんどが女で構成された騎士団だ。
シェリアそれで、ヤミさんとはどんな感じなの ?
シャーロットなっ……なぜ、そんなことを聞く。
シェリアだって、わざわざ会いに行ったところをアークに連れて来られたんでしょ ?
シャーロットそれは、やつに用があったからだ。
ミントでも、嫌いなわけでもないんですよね ?
シャーロット無論、あんなやつでも団長だ。実力は確かなものだ。信頼は……している。
ミリーナヤミさんの方は少しそっけない感じもしたけど……。
シャーロット仕方あるまい。つい最近まで、やつは私に嫌われていると思っていたらしいからな。
シャーロット誤解は解けたが、すぐに気安くなるわけでもない。もともとは、私の態度が招いた結果……。
シェリアそんなのダメよ !
シャーロットな……。
ミリーナそうね。せっかく誤解が解けたのに何も変わらないなんて、すごくもったいないわ。
シェリアそうだ。せっかくだからこの機会に距離を縮めてみたら ?
シャーロット距離を縮める…… ! ?
シャーロット待て ! どうしてそういう話になる !私は別に、今のままで……。
シェリアじゃあここにいる間、ずっと遠くからヤミさんを見てるだけでいいの ?
シャーロットそれは……。
ミリーナ見ているだけってつらいわよね。私も大切な人を見ていることしかできない期間があってすごくつらかったから、気持ちがわかるわ……。
シャーロットいや、そういうことでは……。
シェリア私、シャーロットさんにそんな思いしてほしくないわ。ねえ、勇気を出して声をかけてみたら ?
シャーロットしかし、どうしろというのだ……。
ミリーナそうね、私たちで何か方法を考えてみましょう。ねえ、ミント ?
ミントえ ! ? あ、はい、それは……。あの、でもお二人とも、シャーロットさんは――
シェリアがんばって、ヤミさんとの距離を縮めましょうね !
シャーロットう、うむ……。
ミント(い、いいんでしょうか……)

キャラクター8話【ページ8 勝負の裏で】
クレスヤミさんの言った通りの結果になりましたね。
ヤミ小僧は単純だからな。行動は手に取るようにわかる。お、キノコが焼けてきたぞ。
クレスカニ鍋もそろそろいい具合です。
ヤミやっぱカニっつったら鍋だよな。あ、そっからここまでオレの陣地な。勝手に食ったら殺す。
クレスそ、そんなことしませんってば。
クレスけど、スレイとミクリオを離したのは正解でした。シャーリィも最初は遠慮していたみたいだけどだんだん積極的になっていきましたし。
ヤミふ~ん。しかし、なかなか旨いな。キノコ。ったく、小僧のやつ。たったこれっぽっちじゃ足りねえだろうが。
クレスなら、もう少し情報を与えてあげてもよかったんじゃ……。
ヤミそれじゃこれまでと変わんねーからな。あいつはもっと任せるってことを覚えるべきなんだよ。
ヤミそういう意味じゃ、クールくんとオマエんとこの耳っ羽坊主は意外だったな。
クレススレイは好奇心が強いですしすぐに打ち解けられると思っていました。だけど、ダオスは……。
ヤミアイツはいろいろ抱えてそうだな。つーか、オマエの宿敵なんじゃねえの ?
クレス仲間になろうってわけじゃありません。僕にとって仇であることには変わりませんから。
クレスだけど、僕らの気持ちや決意をみんなに押しつけるつもりもないんです。
シェリアなんだか思ったより話が弾んでそうね。
ミリーナあの二人、意外と気が合うのかしら ?
シェリアどうしよう ? このままじゃ、シャーロットさんとヤミさんを二人きりにできないわ。
シャーロットふ、二人きりになる必要はないんじゃないか ! ?
シェリアでもそれじゃあ、二人の距離は縮まらないでしょ。ここは積極的に行くべきよ。
シャーロット積極的に……。
シェリアそうだわ。ミントにクレスを連れ出してもらうのはどうかしら ?
ミントええっ ! ?
ミリーナ確かに、クレスさんもミントに誘われたら嫌とは言わないはずよね。
ミントそ、そうでしょうか ?
ミリーナお願い、ミント。
シェリアこれもシャーロットさんのためなの。
ミントえ、えっと。クレスさんとお話すればいいんですよね ?わ、わかりました。
ミントあの、クレスさん。
クレスミント。シャーロットさんとは仲良くなれたみたいだね。本当にカニ鍋はいらないのかい ?
ミントえ、ええ。その、少しお話があって……。
クレスなんだい ?
ミントクレスさんにお話したいので……。
クレスうん。ちゃんと聞くよ。
シェリアに、鈍い……鈍いわクレス……。
ミリーナクレスさんって、そういうところがあるわよね。
シェリアこのままじゃ埒が明かないわ。私たちで強引にでも連れ出しましょう !
シェリアクレス、ちょっと来て。
クレスえ ? ど、どうしたんだ ?
ミリーナなんでもないの。ちょーっとだけ顔を貸してくれればいいだけよ。
クレスふ、二人とも、なんだか怒ってないか ?
シェリア怒ってないから。とにかくこっちへ来るの。
クレスわ、わかった。わかったから !引っ張らないでくれ !
ヤミなんだ、ありゃ…… ?
ヤミトゲツン女王じゃねえか。ていうか、あいつら何しに行ったの ?
シャーロット私に聞かれても知らん。
ヤミあっそ。まあいいけど。
シャーロット(う、うう……急に二人きりになったから心の準備が…… ! 落ち着け、シャーロット ! )
ヤミああん ? なにぷるぷるしてんだ。便所ならあっちだぞ。
シャーロット違う ! 私は、お前の、お前の…… !
ヤミああん ? ……ああ、そうか。わかったぞ。
シャーロットへ ! ?
ヤミなんだ、そういうことか。だったらもっと早く言えよ。
シャーロットな、な…… !
ヤミほら、やるよ。キノコ。
シャーロットえ……。
ヤミだけど、半分だけだぞ。残りはオレのだからな。
シェリアどうなったか気になって急いで戻ってきてみれば……。こっちも鈍すぎるわ……。
ミリーナいえ、同じ食べ物を分け合う……。ある意味では進展とも言えるんじゃないかしら !
シャーロットヤミと……はんぶんこ……。

キャラクター9話【ページ9 二つ目の課題】
アスタキノコの次は木の実かー。木の実、木の実……ん ?
アスタもしかして今度はデザートってこと ! ?
ミクリオ今頃気づいたのかい ?
アスタもう~ヤミ団長~ !オレたちはまだなんも食ってないのに !
シャーリィこの課題が終わったらわたしたちも食べ物を探さないとね。
ミクリオそうだね。だけど、しばらくは油断禁物だ。この課題にも何か罠があるに違いない。
アスタよっしゃあ ! さっさと終わらせてオレたちもメシにしよう !
ミクリオ君は……僕の話を聞いていたのか。
アスタうっ……だ、大丈夫だって。さっきみたいな失敗はしねえ。オレに任せろ !
ミクリオはぁ、どうだか……。
シャーリィあ、あそこにぶら下がってるの。探してる木の実じゃないかな。
アスタ見つけたァァァァァ !
ミクリオだから、無闇に突っ込んでいくな !
アスタオレだってちゃんと学習してますよー。ええと……そのへんに魔獣が隠れてないかなっと……。
ミクリオふぅ……最低限の警戒はするようになったみたいだな。
シャーリィうーん……。
ミクリオシャーリィ、どうしたんだ ?
シャーリィあの木の実……。わたし、知ってるような気がする。
アスタよしっ、魔獣の気配なし !不自然にデカいのとかも見当たらない !なあ、取っていいか ?
ミクリオ待ってくれ。シャーリィが気になることがあるみたいだ。余計なことはするなよ。
アスタおう !
ミクリオシャーリィ、思い出せそうか ?
シャーリィ確か……、この前キュッポたちと一緒に出掛けたときにその木の実を見つけて……。
アスタなあ、まだか ?
ミクリオまだ一分と経ってないだろう。いいから待ってくれ。
アスタにしても、この実……パンパンに膨らんでなんか風船みたいだよなー。
シャーリィ風船……思い出した !キュッポたちが風船みたいってはしゃいで触って……。アスタくん、それに触っちゃ――
アスタへ…… ?
アスタうおおおおっ ! ? 木の実が爆発したー ! ?しかもなんかベタベタした汁がァァァァァッ !
シャーリィ遅かった……みたい。
ミクリオ君はまたそうやって先走って。どうして待ってくれないんだ。
アスタちょっと触っただけだって !ほんとに風船みたいに割れるとは思わなかったんだよ !
アスタしかもこの汁……クサっ ! ? すんげークサいぞ !
ミクリオうっ、確かに強烈だ……。しばらく近づかないでくれ。
アスタそれがチームの仲間に言うこと ! ?
シャーリィ……この独特な匂いが好きな人はあまりいない、かな。
アスタうう……シャーリィにまで言われるとなおさらショックが……。
ミクリオ自業自得だろう。
シャーリィだけど触ると破裂するなんて変わった木の実だよね。
ミクリオそういう性質には何か理由があるはずだ。それがわかれば、割らずに採取できるかもしれない。
魔物グルルルルルッ……。
ミクリオ魔物か ! しかし、この数は…… ! ?
アスタなんかこいつらオレを狙ってない ! ?
ミクリオそうか、この匂いに集まってきたんだ。
ミクリオ動物が集まればフンや死骸ができる。それらが土に還ってこの木の栄養になる。まさに自然の摂理だ。
シャーリィあ、あの。アスタくんが魔物に囲まれて……。
ミクリオあ、ああ。自業自得だけど放ってはおけない。今助ける !
アスタ大丈夫だ ! 自分で撒いた種は自分でなんとかする !
ミクリオ何をムキになっているんだ。ひとまず、そこにいてくれ !
アスタうおおおおおおっ、ついてこい魔獣どもォォォォ !
シャーリィアスタくん !
ミクリオくっ、また勝手な行動を…… !

キャラクター10話【ページ10 不和】
スレイこの実は、熟すとこんな風に膨らんでちょっとの刺激で破裂しちゃうんだ。
スレイだけど、優しく水をかけると表面がゴムみたいになって割れにくくなる。
スレイこうやって……ほら、採取できた。
ユノよく知ってたな。
スレイあちこち探検してたら、自然と覚えちゃってね。
スレイでも、この実のことは最近知ったばかりなんだ。ミクリオは知らないかもな。こいつの汁をかぶってなければいいけど。
ユノ毒でもあるのか ?
スレイいや、もの凄く臭いんだ。それはもう鼻の奥がツンとなるくらい。
ユノ……それって、今漂ってるような ?
スレイそうそう。まさにこの匂い――
アスタうおおおお、ついて来いやァァァァ !
ユノアスタ…… ! ?
アスタおっ、ユノ ! 悪いけど、今ちょっと立てこんでんだ !
ユノ立てこんでるって……クサっ。
アスタそっと離れて行くなァァァァ !
スレイアスタ、その匂いもしかして……。
アスタくっ、追いつかれちまったか !こうなったら、ここでやるしかねえ !
ユノ……仕方ない。手を貸してやる。
スレイよし、魔物たちが逃げていったぞ。
アスタありがとな、ユノ。さすがに数が多くて……。
ユノ…………。
アスタだから無言で離れて行くのやめろって !ちょっと傷つくから !
ユノクセー……。
ミクリオアスタ !
シャーリィアスタくん !
アスタおーい ! こっちこっち !
ミクリオ無事だったか……。
シャーリィよかったぁ……。
スレイとりあえず、その匂いをなんとかしないと。また魔物が集まってくるぞ。
ミクリオああ、そうだね。……スプラッシュ !
アスタあぶあっ ! ?
アスタいきなりなにすんだァァァァ !
ミクリオ匂いの元を洗い流してるんだ。しばらくじっとしててくれ。スプラッシュ ! スプラッシュ ! スプラッシュ !
アスタあばばばばばばっ ! ?
ミクリオよし、このくらいでいいな。
シャーリィ匂いは……もうほとんどしないね。
アスタよっしゃあ ! これでみんなに避けられないぜ !
ミクリオ喜んでいる場合じゃないだろう…… !
アスタえ……。
ミクリオ君はいつも一人で飛び出して……。どれだけ危険な目にあえば気が済むんだ !
ミクリオ自分でなんとかするから問題ないとでも思っているなら、君は大バカ者だ !
シャーリィミクリオさん……あの、そのくらいで……。
ミクリオシャーリィ、君だって巻き込まれていたかもしれないんだぞ。
ミクリオ今のところ僕らはチームとして機能していない。その原因は、わかっているな ?
アスタお、オレのせい…… ?
スレイミクリオ、少し言い過ぎじゃないか。
ミクリオ僕は何度も言っていたんだ。なのに――
ダオスとんだ茶番だ。
スレイダオス……。
ダオスもう十分だろう。勝敗をつける必要があるなら、ここで終わらせてやる。
スレイ何をするつもりだ ! ?
ダオスそこの連中が消えれば、試合とやらも終わる。
ユノ風魔法 暴嵐の塔 !
ダオス……なんのつもりだ、貴様。
ユノそんなことはオレがさせない。
ダオス邪魔だ。
ユノ精霊同化、スピリット――
ヤミはい、そこまでー。
シャーロット双方、動くな。それ以上魔法を使おうものなら、私たちが相手だ。
ダオス…………。
ユノ…………。
ヤミ睨みあうのも禁止。今すぐ仲直りしろや。ほら、ハグでもして。
シャーロットハグはないだろう。
クレス今後、君たち同士で戦うのは禁止とする。ルール違反となれば、もちろん失格だ。
クレス多少の戦闘は認めるつもりだったけどその様子だと多少じゃすまなさそうだしね。
ダオスくだらぬ……。
クレスダオス……。
ヤミとりあえず第二の課題はここまでだ。勝ったのはどっちか……言わなくてもわかるよな。
ミクリオわかってます。僕らは何もできていない。
ヤミそういうこった。小僧、テメエはこの結果をよーく考えておくんだな。
アスタう、うっス、ヤミ団長……。
シャーリィアスタくん、ミクリオさん……あの、わたし……。
ミクリオシャーリィ、悪いけど一人にしてくれ。少し、考えたいんだ。
アスタごめんな、シャーリィ……オレも……。
シャーリィ…………。