キャラクター1話【精霊片を求めて】
ガイルーク、アッシュ。忘れ物はないか ?途中で喧嘩するなよ ? 具合が悪くなったらすぐ魔鏡通信で知らせるんだぞ ?
アッシュあ、ああ……。
ルークはあ、普通に受け入れんなよ、アッシュ。これじゃあまるで俺たちの母上みたいじゃねぇか !
アニスまあ、親代わりではあるよねー。
イオンフフフ……。
ナタリアそれにしても、突然でしたわよね。ローレライの精霊片が観測されるようになるなんて。今まではあまり観測されていなかったそうですのに。
イオンええ。クラースの話では、ローレライの存在が安定していなかったせいだということでした。ローレライは元々精霊ではありませんし……。
アニスまさかまさかって感じ。ヴァン総長が意識を取り戻したから精霊片も観測されるようになったってことですよね ?
ジェイドヴァン謡将はローレライを取り込んだ状態で具現化されましたから、ヴァン謡将の存在が精霊ローレライの安定化には必要だったのでしょう。
ティアでも……本当に大丈夫なんでしょうか。ルークとアッシュがローレライの力を纏うなんて……。
ジェイドその辺りの計算はリタとキールが済ませています。ルークとアッシュの場合は、どちらかというとラタトスクたちの精霊装に近いものになるでしょう。
アッシュ……俺たちは限りなくローレライに近い存在だ。ローレライの力を纏うことで、俺たちがそれぞれ得意とする属性が強化される――そういう話だったな。
ルークへ ? じゃあ、ローレライの精霊装を使ったら時間を操れるようになるとか預言読み放題って感じじゃないのか ?
アッシュてめえは人の話を聞いてなかったのか ! ?
ガイほら ! だから喧嘩をするなって言ってるだろう !
シンク――相変わらずうるさいな。騒がしいのはごめんだよ。
アッシュフン、だったらどうして俺たちにローレライの精霊片集めを提案したんだ ?
シンク言ったろ ?丁度ボクと相性がいいシルフの精霊片が集まるスポットに、ローレライの精霊片も集まってたんだ。
シンク精霊片吸引器を管理してるのはアンタたちだからね。ローレライの精霊片スポットを教えれば吸引器の方も付いてくると思っただけさ。
ジェイドおや、そんな回りくどいことをしなくてもキール研究室のお人好したちは、きっと救世軍にも精霊片吸引器を貸してくれたと思いますよ ?
ジェイドそれとも……貸すのを躊躇する立場の人間があなたに命じている――なーんてことはありませんよねえ ?
四人! ?
シンクさあね。だったらどうする ?精霊片集めをやめるかい ?
ルークそれって、もしかしてヴァン師匠のことか ! ?
シンクさあね。真実がどうであれ、お前たちは二つの道のどちらかを選ぶしかないんだ。精霊片集めに行くのかやめるのか。さあ、どうする ?
ルーク俺は行く ! だって、ヴァン師匠が俺たちの為にローレライの精霊片が集まるスポットを教えてくれたってことだろ ?
アッシュ俺たちの為 ? あいつ自身の目的の為に決まってる。
ルークそうだとしても、俺たちの力にもなることじゃん。
ティア兄さんにこの世界を滅ぼすつもりがないなら今回のことが兄さんの差し金だとしても二人を苦しめることはないと思うわ。
ティアいえ……そう思いたいのかも知れないけれど……。
ジェイドティア。あなたの推測は概ね正しいでしょう。今回の件、私はこちらに害は無いと判断しました。ヴァン謡将の目的も見当はついています。
ジェイドただ、ルークたちにはヴァンの思惑が働いているのだと理解しておいて欲しかっただけです。
シンク――じゃあ、話は終わりだ。さっさと行くよ。
ルークあ、うん。えっと、俺はローレライの力を纏うことで第六音素に近い属性が強まるんだよな。で、アッシュは第五音素に近い属性が強くなる。
アッシュああ。足を引っ張るなよ、ルーク。
ルークそっちこそな !
ナタリアアッシュ、ルーク、気を付けて。シンク……二人のことを頼みます。
ティアええ。熱くなって暴走しないように見ていてあげて。
ガイ二人揃うと、ただの意地っ張りなガキになるからなあ……。
アッシュお、俺はガキじゃない !
ルークそうだよ !何でお前ら、俺たちのこと子供扱いするんだよ !
シンク……そういうところじゃないの ?まあ、ボクは面倒なんて見る気はないから。それじゃあね。
アッシュおい、待てシンク !――ちっ、じゃあな。
ルークわ、アッシュ ! 待てよ !あ、えっと、行ってきます !