キャラクター | 1話【テイルズ オブる ザレイズ2 予告編】 |
銀時 | おー、ここに来るのも久しぶりだ。 |
銀時 | しかし、家の中もほんとそっくりそのまんまだな。どうせなら新築にしてくれりゃいいのによ。 |
神楽 | 銀ちゃん話が違うアル。 |
銀時 | んだよその不満そうな顔は。 |
神楽 | 銀ちゃんがいいところに連れてってやるって言うからものすごく期待してたアル。 |
銀時 | いいところじゃねえか。俺たちの思い出が染みこんだ家だぞ。 |
神楽 | こんなゲロくさいボロ屋の思い出より大江戸遊園地でネズミの耳つけて浮かれた写真撮る方がいいアル。 |
銀時 | ゲロくさいのは主にお前のせいだろうが。まったく、妙な贅沢覚えやがって。ガキは家でゲームでもしてろ。 |
神楽 | うちにゲームなんてないネ。だいたい、私たちなんでまたこのゲームに出てるアルか。 |
銀時 | そりゃお前、制作陣が味しめたからに決まってんだろ。今度は俺たちにオブられようって魂胆なんだよ。 |
神楽 | 大人はみんなきたないネ。私らだって本当は新しい方のテイルズにオブられたいアル。 |
銀時 | こっちのテイルズが古いみたいな言い方すんな ! |
銀時 | そりゃ、あっちは始まったばかりでキラキラにルミナってるかもしれねぇけどこっちも五年目っていう、いぶし銀の輝きがあんだよ ! |
神楽 | 都合の良い言い訳してんじゃねぇゾ !制作陣の回し者アルか ! |
神楽 | そんなことより大江戸遊園地連れてけヨ !フライドチキンの皮食わせろヨ ! |
銀時 | うるせえ ! せめてナンジャタウンにしとけ !バンナム的に ! |
銀時 | おい、新八。お前も何か言ってやれ。今のうちに媚び売っときゃアイマスとコラボできるかもしれねぇぞ。お前、アイドル好きだろ。 |
桂 | 銀時よ、そうやって頭ごなしにダメだダメだと言ってしまうのはよくないぞ。 |
桂 | それにリーダーも子供のようにダダをこねてはいかん。ナンジャタウンでは十三歳以上からは大人料金だ。 |
銀時 | って、ヅラぁ ! ? |
桂 | ヅラじゃない、桂だ。 |
銀時 | てめえなに仲間面してしれっと話に混ざってんだよ ! |
桂 | 仲間ヅラじゃない、桂だ。 |
銀時 | それはもういいよ !つーか、新八はどうした ! ? |
神楽 | 銀ちゃん、新八なら元の世界に帰ったアル。 |
銀時 | あ……そうだったな。忘れてたぜ。 |
桂 | 新八くんがいなくて寂しいか。ならば俺を新八くんだと思ってこの胸に飛び込んでこい。 |
銀時 | 気持ち悪いこと言うな ! |
銀時 | つーか、いい加減にしねえと頭皮に虎牙破斬食らわすぞ !こちとらプレイアブルなんだよ ! |
神楽 | ひとん家で勝手にくつろぎやがって。私と銀ちゃんで合体秘奥義『毛が破産』発動させるネ。毛根にトドメ刺してやるアル。 |
桂 | まあ落ち着けお前たち。俺は大事な話があって来たのだ。 |
銀時 | 大事な話だぁ ? |
桂 | 新八君はかぶき町には帰っていない。いや、帰ることができなかったと言うべきだな。 |
銀時 | ……おい、ちょっと待て。新八が帰れてないってどういうことだ。 |
桂 | かいつまんで言うと俺と新八くんそして『あの男』がテイルズ オブられたのだ。 |
銀時 | ひとつもわかんねーよ。あの男って誰だよ ! |
桂 | お前もよく知る相手だ。かつての俺たちの仲間。そして今は……敵。 |
銀時 | まさか、そいつは…… ! |
? ? ? | なるほど。ここは江戸どころか地球でもねえ『別の世界』ってわけか……。 |
? ? ? | おまけに『祭り』だってな。気に入ったぜ。なら、派手にいこうじゃねぇか。 |
? ? ? | 祭りにはでけー花火がつきもんだろ。なあ、銀時よ……。 |
銀時 | って、おおい !なんだよ今のインサートは ! |
桂 | 気にするな。よくあるイメージ映像だ。 |
桂 | 謎のシルエットを見せられたプレイヤーたちは「あれはいったい誰だ ? 」と想像をかき立てられ判明するまで期待と不安で眠れない日々を送るわけだ。 |
銀時 | いや、わりとバレバレだったけど ! ? |
神楽 | じゃあ、新八はその謎『杉』と一緒にいるアルか ? |
銀時 | おーい ! 神楽ー ! ?『杉』って言っちゃってるよ ! ?もうそれ答えを言ってるようなもんだからね ! ? |
桂 | うむ。おそらく今回のコラボのラスボスはこのシルエット黒『杉』だろう。 |
銀時 | てめぇも『杉』って言ってんじゃねぇか !しかもラスボスとか言うなよ !予告でネタバレかましてんじゃねぇよ ! |
桂 | 落ち着け、銀時。相手があの高〇なら新八くんの身が危ない。 |
銀時 | もう伏せ字の意味ねえだろうが ! |
神楽 | 銀ちゃん、はやく新八を助けに行くアル ! |
銀時 | ……確かに、あの野郎には冗談が通じねえ。ぱっつぁんがうかつにツッコんだらそのまま頭と胴がおさらばしちまう。 |
桂 | どうやら話はついたようだな。ならばここらで『例のアレ』をやっておくか。 |
桂 | このアプリは基本無料で遊べるが一部に有料コンテンツが含まれている。 |
桂 | 子供たちはちゃんとお父さんとお母さんにお願いしてからテイルズ オブるんだぞ。 |
銀時 | それを言うなら『課金する』だ ! |
桂 | 課金じゃない、桂だ ! |
銀時 | だからそれはもういいんだよ ! |
キャラクター | #N/A |
銀時 | おー、ここに来るのも久しぶりだ。 |
銀時 | しかし、家の中もほんとそっくりそのまんまだな。どうせなら新築にしてくれりゃいいのによ。 |
神楽 | 銀ちゃん話が違うアル。 |
銀時 | んだよその不満そうな顔は。 |
神楽 | 銀ちゃんがいいところに連れてってやるって言うからものすごく期待してたアル。 |
銀時 | いいところじゃねえか。俺たちの思い出が染みこんだ家だぞ。 |
神楽 | こんなゲロくさいボロ屋の思い出より大江戸遊園地でネズミの耳つけて浮かれた写真撮る方がいいアル。 |
銀時 | ゲロくさいのは主にお前のせいだろうが。まったく、妙な贅沢覚えやがって。ガキは家でゲームでも── |
銀時 | ……おい神楽。この話、前にもしなかったか ? |
神楽 | 何度だってしてやるネ。フライドチキンの皮食わせろヨ ! |
銀時 | だからそれも前に聞いたっての ! |
? ? ? | 落ち着け、銀時。 |
銀時 | うるせえヅラ !てめぇも出るタイミング早すぎ── |
銀時 | って、予告と変わってんじゃねぇか !ヅラどこ行った ! ? |
ユーリ | ヅラじゃないユーリだ。 |
銀時 | お前はそれ言わなくていいんだよ!ややこしくなんだろーが ! |
ジュディス | 少し落ち着いたらどうかしら。そんなに慌てなくても、きちんと説明するわ。 |
銀時 | 予告であれだけ登場すると見せかけて衣装だけとか……炎上まっしぐらのパターンだぞコノヤロー ! |
ユーリ | 何の話だかわからねえが、とにかく聞けって。お前たちに手を貸してもらいたいんだ。 |
銀時 | 手ェ貸せだぁ…… ? |
神楽 | お前なかなか見る目アルな。銀ちゃん頭下げんの慣れっこネ。 |
銀時 | そっちに手を貸すのかよ !だいたい、なんで俺が謝ることになってんだ ! ? |
ユーリ | 原因は『あの男』だ。 |
銀時 | いきなり核心つくじゃねぇか……。 |
銀時 | 『あの男』ってのは高杉のことだろ ?面倒くせえからできればそっちは予告詐欺でお願いします。 |
ユーリ | タカスギ ? 誰だそりゃ。 |
銀時 | いや、ほら、予告でばっちりわざとらしい影で出てたじゃねえか。 |
ユーリ | 予告だかなんだか知らねえけど『あの男』ってのはタカスギってやつじゃねえよ。 |
ジュディス | 私たちがこんな格好をしているのもアークの『祭り』がメチャクチャになったのもあなたの知り合いの『桂』という人のせいよ。 |
銀時 | ヅラぁ ! ? |
キャラクター | #N/A |
ワイズマン | ──というわけで、この『アーク』では『祭り』のため異世界からゲストをお呼びしているのです。 |
桂 | なるほど……そういうことか。 |
ワイズマン | ええ、ですから桂さんにも是非ご協力を── |
桂 | これは天人の『ゲーム』の中なのだろう。なに、心配するな。俺にも多少の心得はある。それで、俺がプロデュースするアイドルはどこだ ? |
ユーリ | ……おい、ワイズマン。全然わかってないみたいだぞ。 |
ワイズマン | 困りました。説明するのはこれで三度目なのですが……。 |
桂 | しかし何とも妙な場所だな。貴殿もなぜそんなにピカピカと光っている。眩しくはないのか ? |
ジュディス | あの調子じゃ、何度言っても無駄じゃないかしら。 |
ジェイド | 同感ですね。いっそ話の通じる相手を呼びなおしては ? |
ワイズマン | しかし、こちらの都合でお呼びしたのに何もせず追い返すのも申し訳ないです。 |
ユーリ | じゃあ、こいつの通訳を連れて来るしかねえな。同じ世界から来た奴がいるだろ。 |
ワイズマン | 銀時さんや神楽さんのことですか。確かにあのお二方なら……。 |
桂 | なんだ、銀時やリーダーも来ていたのか。『ゲーム』で遊ぶなら声を掛けてくれればいいものを。水くさい奴らだ。 |
ワイズマン | …………銀時さんと神楽さんなら大丈夫だと思いますが念のため土方さんと沖田さんにも来ていただきます。 |
ユーリ | 今、一瞬なんか考えたな。 |
ジェイド | おそらく前回のことを思い出したのでしょう。 |
ワイズマン | なにより新八さんです。新八さんが必要です。あの方のツッコミがなければ事態に収拾がつかなくなります ! |
ジュディス | めずらしく力説するわね。 |
ユーリ | 前回のでだいぶ懲りたみたいだな。 |
ワイズマン | お呼びするにあたって、前回の記憶は持っていていただいた方がいいですね……。 |
ワイズマン | ――準備が整いました。ではお呼びしましょう。皆さん、少し下がっていてください。 |
桂 | ふむ。それは天人の技術か ?なかなか興味深い。 |
ワイズマン | ……あの、下がっていただけませんか桂さん。 |
桂 | そうケチケチするな。ちょっと見物するだけだ。 |
ワイズマン | ……わかりました。その辺りのものに触らないでくださいね。 |
桂 | 失敬な。この桂小太郎、そのような迂闊な男では── |
ワイズマン | おや。桂さん、袖口から何か落ちましたよ。 |
桂 | うむ。これは爆弾だな。どうやらすでに起動しているようだ。 |
ユーリ | ってわけで、気づいたらオレとジュディはこの姿でワイズマンとジェイド、それに桂もいなくなってた。 |
ユーリ | 呼び出そうとした連中もお前ら以外どうなったのかわからねえ。 |
銀時 | ぜんぶヅラのせいじゃねぇか ! |
銀時 | しかも第二話でいきなりオチがわかっちまったぞ !どうせこの後、闇の力に支配されたヅラがラスボスで登場して、みんなで袋だたきにすんだろ ! ? |
銀時 | 俺、知ってる ! 知ってますぅ !つーか、誰でも予想できるってーの !おい、この先の話どーすんだよ ! |
神楽 | 最初からやり直すしかないネ。もう一回ダイヤ配っとけば誤魔化せるアル。 |
ジュディス | 仕切り直すにしても、いなくなった三人を見つけないと始まらないわ。 |
ユーリ | だからこうして手を貸りに来たってわけだ。 |
銀時 | 完全にヅラの後始末じゃねぇか……。 |
ユーリ | それこそ万事屋稼業ってもんだろ ? |
銀時 | ……くそ ! わかったよ !やりゃあいいんだろ、やりゃあ。後でワイズマンにたんまり請求してやるからな ! |
神楽 | 交通費と飲食代はきっちり分けろヨ ! |
ジュディス | 話はまとまったようね。 |
ユーリ | これ以上何も起きなきゃいいけどな……。 |
キャラクター | #N/A |
新八 | 銀さーん ! 神楽ちゃーん ! |
新八 | いないんですかー ?いたら返事してくださいよー ! |
新八 | ねえ、真っ暗なんですけどー !それになんか動きづらいしー ! |
新八 | ……やっぱり返事はない、か。 |
新八 | 目が覚めたらこんな状態だし。どうなってんだよ。 |
新八 | とにかくここから出ないと。どこかに出口は……。 |
新八 | やった、出られたぞ !……って。 |
新八 | ここどこー ! ? |
新八 | いや、見覚えがあるぞ !そうだ ! 前に連れて来られたアークとかいう街だ ! |
新八 | どうして……僕は元の世界に戻ったはずなのに。 |
新八 | それにしても身体が変な感じだな。動きづらいし、目線がやけに低いし……。 |
新八 | って、なんじゃこりゃあああああ ! ? |
新八 | でっかいオタマジャクシになってる !通りで動きづらいわけだよ ! |
新八 | ていうか、またこのパターンかよ !しかもメガネ要素までなくなってるじゃねぇか !僕のアイデンティティがぁ ! ! |
新八 | いい加減にしろよ ! バンナム !もとの身体で参戦させろよ !僕だって魔鏡技的なもの撃ちたいんですけどォ ! ? |
新八 | ハァハァ……。ひ、ひとりでツッコミを入れても虚しいだけだ。なんとか元に戻る方法を探さないと。 |
子供 | ママー、あれなーに ? |
お母さん | しっ、見ちゃいけませんっ。 |
住人A | おい、魔物だぞ ! どっから入り込んだんだ !誰か、ワイズマンを呼んで来てくれ ! |
住人B | そんな悠長なこと言ってたら逃げられる !俺たちで駆除しよう ! |
新八 | やば…… ! まずはここから離れなきゃ ! |
新八 | なんて歩きにくい身体なんだよ……。丸いし、なんかぶよぶよしてるし。おまけにちょっと生臭い ! |
新八 | これじゃあ、銀さんたちに会えても僕だとわかってもらえるかどうか……。 |
新八 | とか言ってたらよく知ってる人たち前から歩いてきたー !おーい ! おーい ! |
土方 | おい、総悟どうなってんだこりゃ。目の前が光ったと思ったらいつの間にか変なところにいるじゃねぇか。 |
沖田 | まっ、よくあることでさぁ。 |
沖田 | 土方さんも寝てる間にいつの間にか綺麗な川岸にいて向こう岸から死んだじいちゃんとばあちゃんが手招きを……なんてことが起きるかもしれやせんぜ。 |
土方 | それ絶対、寝込み襲われてるよね ! ?しかも犯人てめぇじゃねぇか ! |
新八 | 土方さーん ! 沖田さーん ! |
土方 | ん ?今、万事屋んとこのメガネの声がしなかったか ? |
沖田 | そんなの聞こえやせんぜ。マヨ食い過ぎて脳まで乳化したんですかい。 |
土方 | するか ! |
新八 | ぐあっ ! ? |
新八 | ちょっと土方さん ! 踏んでる !僕のこと踏んでますってば ! |
土方 | ほら、今も聞こえるじゃねぇか。 |
沖田 | じゃあ、幽霊ってやつでさァ。土方さん、あの坊主によっぽど恨まれてたんだ。 |
土方 | ちょ、怖いこと言うのやめて ! ?ていうか俺、けっこうあいつに優しかったよね ? ね ? |
新八 | 今現在ぜんぜん優しくねぇよ !むしろ命の危険すら感じてるっつーの ! |
土方 | ひいいい ! やっぱ声がするぅぅぅ ! |
沖田 | あーあ、こりゃ相当恨まれてたんでさァ。ほら、耳をすませば苦悶の呻き声が……。 |
新八 | ぐえええっ ! ? |
土方 | ほんとだァァ ! 聞こえるぅぅぅ ! |
新八 | 沖田さんも踏んでます ! ていうか踏み潰してる ! |
沖田 | おっといけねぇ、俺にも霊の声が。こいつは念入りに除霊してやらなきゃ。 |
新八 | ぐえええええええええっ!オイコラァァ! あんた絶対気づいてんだろォォォー! |
キャラクター | #N/A |
銀時 | ヅラを探すっつってもなぁ。なんか手がかりとかねぇのかよ。 |
ジュディス | 彼とは古くからの付き合いなんでしょう ?行きそうな場所に心当たりはないのかしら ? |
銀時 | あんなやつ友達じゃないですぅー。江戸を騒がす攘夷志士と友達なんて言ったら俺が捕まっちまうじゃねぇか。 |
ユーリ | ジョウイシシってのがなんだか知らねえけど妙なことに巻き込まれたくないって気持ちはわかるぜ。 |
銀時 | へぇ、意外だな。薄情なヤツだとか言われると思ったぜ。 |
ユーリ | 品行方正な奴らばかりじゃねえってこった。 |
ユーリ | 正義だのなんだのより自分のやり方を突き通すって奴も大勢いるのさ。 |
銀時 | 俺だってそんなご立派な信念なんぞ持ち合わせちゃいねーよ。楽して儲かりゃそれでいい。面倒なのはごめんだ。 |
ユーリ | 面倒はごめんってのは同感だ。ま、自分と周りにいる気の合う連中くらいは守りたいって思うけどな。 |
銀時 | おまっ……地元のヤンキーみたいなこと言ってんじゃねぇよ。 |
神楽 | ジュディスの姉御もヤンキーアルか ? |
ジュディス | ヤンキーっていうのがなんなのかわからないけどなぜか一緒にされたくない気がするわね。……それより、どうして『アネゴ』なのかしら ? |
神楽 | 姉御は姉御アル。 |
ジュディス | ちっとも答えになってないわよ。 |
神楽 | 細かいことは気にすんナ。 |
ジュディス | まあいいわ。好きに呼んでちょうだい。 |
銀時 | げっ……ありゃあ……。 |
沖田 | ほらほら土方さん、故人の言葉にもっとよーく耳を傾けてやらなきゃ。 |
土方 | ひいいいい ! 俺は悪くねぇ !迷わず成仏してくれぇぇぇぇ ! |
銀時 | おい、そこのバカ二人。コントの練習なら余所でやれ余所で。 |
土方 | コントじゃねぇよ ! |
沖田 | 万事屋の旦那じゃねぇですかィ。なんでここにいるんでさァ ? |
銀時 | そりゃこっちのセリフだ。コラボだからってのこのこ出張ってきやがって。テメェらの新衣装はねぇからとっとと帰れ。 |
土方 | テメェこそ死んだ魚みてぇな目ェしやがってしゃしゃり出て来てんじゃねぇぞ。プレイしてるお子様に悪影響だろうが。 |
銀時 | んだとコラァ。やんのかオラァ。 |
土方 | 上等じゃねーか、かかってこいや。 |
ユーリ | おいおい、なんで喧嘩始めてんだよ。話がややこしくなるだろ。 |
神楽 | バカどもには何を言っても聞かないアル。姉御、一発ガツンとお願いしやす ! |
ジュディス | 放っておけばいいと思うのだけど……まあいいわ。 |
土方 | いってーな何しやがる ! |
銀時 | てめぇこら ! ちょーしのんなよ !女子だからって、容赦しねーぞ ! |
土方 | そうだそうだ ! |
ジュディス | あら ?切り刻んじゃおうかしら♪ |
神楽 | 姉御、さっさと殺っちまうネ。その服真っ赤に染めて新衣装にすればいいアル。 |
銀時 | ちょーしにのってんのは僕らっしたぁぁ ! |
土方 | ほんと、すんませんっしたぁぁぁ ! |
沖田 | まあ、バカ二人は放っておくとして。いったい何が起こってるんですかい ? |
ユーリ | あんたたち二人を呼んだのはワイズマンだ。理由は……まあ桂の暴走を止めるためってとこか。 |
土方 | 桂だと ! ? あの野郎がこっちに来てやがんのか。 |
沖田 | 落ち着いてください土方さん。ここは江戸じゃねぇんですぜ。別の世界じゃ桂の罪は意味がないんじゃないですかい。 |
土方 | ……いや、別の世界だろうがなんだろうが俺たちは真選組だ。犯罪者を野放しにはできねぇ。 |
沖田 | まったく融通のきかねぇ上司でさァ。 |
ユーリ | 桂を野放しにできないってのは賛成だ。実際、この状況はあいつのせいだしな。 |
銀時 | つーわけだ。お前らもヅラ探すの手伝え。 |
神楽 | 銀ちゃん新八のこと忘れてるアル。 |
銀時 | おお、そうだった。うちのぱっつぁんも巻き込まれてんだった。 |
土方 | 事情はわからねぇが、要するに前みたいに厄介なことになってるってわけか。いいだろう。手ェ貸してやる。 |
土方 | で、テメェんとこのメガネがどこに行ったかなんか手がかりはねぇのか。 |
沖田 | ああ、それなら土方さんの足の下に── |
銀時 | それがなんもねぇんだよなぁ。けど、あいつのことだからどっかのメガネに憑依してもう一回コラボだドン、とか言ってんじゃね ? |
沖田 | いや、ですからね。さっきから俺らの足の下で── |
神楽 | 銀ちゃん銀ちゃん。メガネってあれのことアルか ? |
銀時 | んー ? |
二人 | いたー ! ? |
キャラクター | #N/A |
桂 | 新八くん ! いったいどうしてしまったのだ ! |
ジェイド | …………。 |
銀時 | ありゃあどう見てもヅラじゃねぇか。なにやってんだアイツ。 |
ユーリ | もう一人の方はジェイドだ。けど、様子がおかしいな……。 |
桂 | ロン毛にして髪まで染めて……どれだけ頭皮と毛根を痛めつけるつもりなんだ君は !将来、後悔するのは自分なんだぞ ! |
ワイズマン | あの……その方は新八さんではないのでは ?少なくとも身体はジェイドさんなのですが……。 |
銀時 | なぁにが後悔だ。てめぇは新八の母ちゃんか ! |
桂 | ぬお ! ? |
桂 | くっ……誰かと思えば、銀時か。どうしてこんなところにいる。 |
銀時 | どうしたもこうしたもてめーを捜してたんだよヅラ。 |
桂 | ヅラじゃない桂だ。 |
銀時 | どっちでもいいよ ! 手間かけさせやがって。さっさと元の世界に帰りやがれ。 |
桂 | 待て。俺にはやるべきことが……。そうだ。お前も新八くんを説得してくれ。 |
桂 | 自分のような髪質になりたくなければ毛根を傷つけるのはやめるんだと。 |
銀時 | 俺の天パは生まれつきだ !若気の至りとかじゃねぇよ ! |
ユーリ | そこまでだ。そろそろ話を進めようぜ。 |
ワイズマン | ユーリさん、ジュディスさん !銀時さんたちを呼んで来てくださったのですね。私の話を聞き入れてもらえず困っていたのです。 |
ジュディス | いっそのこと口をきけないようにしたら ?その方が面倒がないでしょう。 |
神楽 | 姉御いいこと言ったアル。私に任せるネ。 |
土方 | 待て待て。過激な嬢ちゃんたちだな。桂を捕まえるのは俺たち真選組の仕事だ。 |
土方 | おい、桂。てめーも年貢の納め時だ。 |
沖田 | 大人しくお縄につきな。 |
銀時 | なに後から出てきて、しゃしゃり出てんだてめェら。このバカを連れてかねぇと俺らが報酬もらいそこねんだよ。てめェらは迷子の子猫でもあやしてろ。 |
土方 | ああん…… ?てめーこそ俺らの邪魔すんじゃねぇよ。公務執行妨害で逮捕すんぞコラァ。 |
ユーリ | やれやれ、また喧嘩が始まっちまったな。 |
ジュディス | そうね。しばらく待ちましょう。 |
ワイズマン | あの……止めてはいただけないのでしょうか。 |
ユーリ | こういうのは途中で止めても後味悪いだろ思い切りやらせときゃいいんだよ。 |
ジュディス | 目的の桂は見つかったのだし。焦ることもないわ。 |
ユーリ | でも、なんか忘れてる気がすんだよな。 |
新八 | お前らいい加減にしろよ ! |
銀時 | 今、新八の声がしなかったか。 |
土方 | ばばば、バカ言うな ! そんなわけねぇだろ !アイツは迷わず成仏したに決まってる ! |
新八 | だから勝手に殺すな !僕はずっとここにいるって言ってんだろ ! |
銀時 | ……なんか、でっけぇオタマジャクシが新八の声でしゃべってるぞ。 |
神楽 | きっと気のせいアル。こんなメガネ要素の欠片もないのが新八なわけないネ。 |
銀時 | ……だよな。とりあえず倒しとくか。魔物だし。 |
新八 | 倒すな !ていうか僕ですよ ! 僕 ! 志村新八── |
神楽 | ガルドよこせよゴラァ ! |
新八 | ひいいっ ! 神楽ちゃんせめて最後まで話を聞いて ! |
ワイズマン | 待ってください ! その魔物が新八さんです ! |
土方 | マジかよ ! じゃあ、さっきまでの声は……。 |
沖田 | いやぁ、ビックリしたなー。まさか坊主が魔物になっていたなんてー。てっきり俺ァ霊の声だとばかり思ってやしたぜィ。 |
新八 | ウソつけェェ ! アンタ絶対気づいてただろォォォ ! |
銀時 | まあまあ落ち着けってぱっつぁん。なんやかんやでこうして会えたじゃねぇか。 |
神楽 | 私は最初からわかってたネ。元気そうでなによりアル。 |
桂 | うむ。この角張った感じ確かに新八くんの面影があるな。 |
新八 | それは店の看板じゃねーか !お前らわざとやってんだろ ! |
銀時 | とりあえずこれで探してたやつらは見つかったわけだ。依頼達成っつーことでさっそく報酬を……。 |
ジュディス | 待って。その魔物が新八ならジェイドはどうなっているの ? |
土方 | そっちも誰か乗り移ってんのか ?つーか、なんでさっきからひと言も……っていねぇ ! ? |
沖田 | いつの間に……。いくらふざけてたからって、俺らに気づかれずいなくなるなんてただ者じゃねぇですぜ。 |
? ? ? | 悪ぃな。ちっとばかし身支度に時間がかかっちまったぜ。 |
ユーリ | ジェイド ! ? |
銀時 | いや、違う! てめーはまさか……。 |
高杉 | ちったぁマシな恰好になったか ?にしてもよ、ここはなかなか面白ェ世界だな、銀時。 |
銀時 | 高杉……。 |
高杉 | ご名答。いや、しかし驚いたぜ。気づけば別の世界ってんだからな。 |
高杉 | 状況を把握するのにしばらくだんまり決め込んでいたが……なかなか面白ェ世界だ。それにこの身体も……。 |
高杉 | 譜術とやらか。コイツは役に立ちそうだ。 |
ユーリ | おい、高杉ってのはあんたの知り合いか ? |
銀時 | ああ、よーく知ってらぁ。んでもって仲良くおしゃべりなんて死んでもできねぇ相手だよ。 |
ジュディス | つまりは敵ってことね。 |
高杉 | 譜術のコツがまだうまく掴めねえんだ。ちっとばかし試させてくれよ。 |
銀時 | てめー ! 高杉ィィ ! |
キャラクター | #N/A |
高杉 | どうやら時間切れみてェだな。もうちっと試したかったがこの身体の持ち主が痺れを切らしそうだ。 |
高杉 | 仕切り直しだ。ここは引き下がってやる。 |
新八 | 終わった…… ? |
ワイズマン | はい。ジェイドさんの身体の中にもう彼はいないようです。 |
土方 | ちっ……逃げられたってわけか。 |
沖田 | どうでしょうかね。ヤツぁ『仕切り直し』なんて言ってやしたぜ。 |
ユーリ | 今は考えてもしょうがねぇよ。それよりジェイドをどっか安静させられるとこに運んでやらねえと。 |
ジュディス | ジェイドの様子はどう ? |
ワイズマン | 少し消耗していますがじきに目を覚まされるでしょう。 |
ユーリ | なら一安心か。 |
ワイズマン | ええ。ところで、土方さんと沖田さんの姿が見えませんが……。 |
銀時 | あいつらなら街の見廻りに出たよ。高杉の言った『仕切り直し』って言葉が気になるっつってな。 |
桂 | 高杉はどうなったのだ ? |
ワイズマン | 魂が他者の肉体に留まれなくなり、離れたのでしょう。その魂は元の世界の肉体に引き寄せられたはずです。 |
ユーリ | 何にしろ奴にできることはないってか。これで一件落着だな。 |
銀時 | おまっ……そういうこと言うなって。この後ぜってぇなんかあるフリになっちまうだろうが。 |
ジュディス | そうなったらもう一度倒せばいいだけよ。 |
銀時 | 血の気の多いお姉さんだなー。あんま物騒だとゴリラみたいになっちまうぞ。 |
ジュディス | やっぱり、あなたから片付けることにしようかしら。 |
銀時 | ごめんなさい許してください。 |
神楽 | 姉御、銀ちゃんの天パをムシりとってやるネ。 |
銀時 | え、なに ? 俺の味方してくんないの ! ?仲間でしょ ! ? |
神楽 | それより問題は新八のほうネ。どうやったら元に戻るアルか。ヌメヌメしててうっかり踏むと気持ち悪いアル。 |
新八 | うっかりでも踏まないで ! |
新八 | 今回のコラボはみんなして僕のこと忘れすぎなんですよ !この身体、ちょいちょい映ってないし……これじゃあいないも同然じゃないか ! |
新八 | だいたい、僕のメガネ要素どこいったの ! ?どうせならジェイドさんに乗り移ってもよかったじゃないか ! 同じメガネなんだし ! |
銀時 | 新八、そりゃあいくらなんでも贅沢ってもんだ。同じメガネでもあっちは格が違うんだよ。 |
神楽 | 調子のるのもそのくらいにしとけヨ。メガネにだって選ぶ権利があるネ。 |
ジュディス | 悪いことは言わないわ。ジェイドだけはやめておきなさい。 |
ユーリ | だな。お前にジェイドの身体は荷が重い。 |
桂 | 新八くん、お姉さんを悲しませてはいけないぞ。 |
新八 | なんで僕が説教されてんのォ ! ? |
ジェイド | やれやれ、ずいぶんと騒がしいですねえ。年寄りの安眠を妨げるとは嘆かわしい。 |
ユーリ | ジェイド ! 起きて平気なのか。 |
ジェイド | 少し疲れはありますが、問題ありません。それよりあの男について伝えないといけないことが……。 |
桂 | 高杉か。奴め、いったい何を企んで── |
アークの住人 | きゃあああああっ ! |
新八 | 悲鳴 ! ? |
桂 | 外からだ。行くぞ銀時 ! |
銀時 | うるせえな、わーってるよ ! |
新八 | なんだこれ……魔物だらけじゃないか ! |
神楽 | ちなみに新八もネ。 |
新八 | 今それわざわざ言う ! ? |
ジェイド | ……遅かったようですね。 |
桂 | これはいったいどういうことだ。高杉は何を企んでいる。 |
ジェイド | 正確なところまではわかりませんが私の身体にいる間、彼は魔術や譜術なによりアークの技術に興味を持っていました。 |
銀時 | あの野郎にアークの技術だと…… ?んなの考えるまでもなく最悪の組み合わせだろうが。 |
ジュディス | だけど、彼は元の世界に帰ったのでしょう ?今さら何が……。 |
? ? ? | そりゃあ、俺のことかい。 |
銀時 | 高杉 ! ? |
キャラクター | #N/A |
銀時 | 高杉 ! ? |
桂 | 貴様、なぜここにいる ! |
高杉 | ずいぶんとつれねぇ反応じゃねェか。魂だけじゃなく、こっちも身体が必要だろうと思って気ィ利かせてやったってのによ。 |
ワイズマン | まさか、元の世界から肉体を引き寄せたと…… ?なんという精神力……いや、執念でしょうか。 |
ワイズマン | この大量に発生した魔物たちも、彼の精神に引きずられるように集まったのでしょう。 |
高杉 | ワイズマン……だったか。テメーの技術、俺がもらい受けるぜ。 |
ジェイド | 彼の目的はアークの技術を元の世界に持ち帰ることです。そしてすべてを破壊しようとしている。 |
ユーリ | お前らのダチはロクでもないこと考えるな。 |
銀時 | あんな中二野郎、ダチじゃねえ。ただの腐れ縁だ。 |
桂 | そうだな。もう昔とは違う。何もかもな。 |
高杉 | 邪魔するってのか。まあ、そうなるよな。面白くなってきたぜ。 |
銀時 | こっちはてめーの相手してるほど暇じゃねえんだよ。新八 ! その身体じゃ戦えねぇ ! どっか隠れてろ ! |
新八 | はい ! 銀さん ! |
高杉 | ずいぶんとお優しいねぇ。そんなんでこの俺を止められるのか ? |
ユーリ | そっちこそ、たった一人で勝つつもりか ? |
高杉 | 上等だ。かかってきな。 |
ジュディス | なら、後でたっぷり後悔することね…… ! |
土方 | うおおおおおおおおおおおっ ! ? |
沖田 | 土方さん、もっと必死で逃げないと魔物に食われちまいやすぜ。 |
土方 | 総悟てめぇ ! 俺を囮にしやがったな ! |
沖田 | いやいや、土方さんが魔物を引きつけている間に俺が住人を逃がす。立派な作戦でさァ。 |
土方 | やっぱ囮じゃねぇか !で、住人はどうした ! ? |
沖田 | とっくの昔に避難終わってますぜ。 |
土方 | だったら助けろよ ! ? なに見守ってんだよ ! |
沖田 | やれやれ……副長のくせに部下に頼ってばかりで恥ずかしくねぇんですかぃ。 |
土方 | その部下が俺を見殺しにしようとしてんだけどォ ! ? |
沖田 | しょうがねぇ……いきやすぜ。 |
土方 | 総悟 ! 足を狙うぞ ! |
二人 | うおおおおおおっ ! |
魔物 | オオオオオン ! |
土方 | やったか…… ? |
魔物 | グルルルルルッ…… ! |
土方 | あ、あれ…… ? 効いてない ? |
沖田 | あー……効いちゃいるみたいですが相手がデカすぎて蚊に刺されたくらいにしか感じてないみたいでさァ。 |
土方 | ダメじゃねぇか ! |
銀時 | おい ! そこのバカ二人 !なんてもん連れて来やがる ! |
土方 | しょうがねぇだろうが !こっちも大変なんだよ ! |
沖田 | 土方さん、あれを見てくだせぇ ! |
土方 | 高杉…… ! ?野郎、なんで生身でここにいやがる ! |
ユーリ | 説明してる暇はねえ !あの男とこのデカブツ、同時に相手するのはちっと厳しいぜ…… ! |
ジェイド | 高杉の狙いはアークの技術そのすべてを握るワイズマンです ! |
銀時 | ヅラ、てめーはワイズマンを連れて逃げろ ! |
桂 | ヅラじゃない桂だ !だが、心得た ! |
ワイズマン | みなさん、どうかお気を付けて ! |
高杉 | 逃げろ……か。ほんとにお優しいこった。 |
銀時 | てめーはいつまでそのまんまのつもりだ。中二病はとっくに卒業する歳だろうがよ。 |
高杉 | クックック……俺ぁしつこい性分でね。てめェらはそいつの相手でもしてな。 |
銀時 | 待ちやがれ ! |
魔物 | グルアアアアアアッ ! |
ユーリ | 銀時 ! そっち行ったぞ ! |
銀時 | ちっ……邪魔すんじゃねぇよデカブツが ! |
神楽 | 銀ちゃん ! 先にコイツ片づけないとまずいアル ! |
ジュディス | あなたたち、これを連れて来た責任はきちんととってちょうだい。 |
土方 | わーってるよ ! いくぞ総悟 ! |
沖田 | へいへい。やってやりやすよ。 |
キャラクター | #N/A |
魔物 | オオオ……。 |
土方 | どうだこのデカブツ !さんざん人を追い掛け回しやがって ! |
沖田 | ちっ……図体ばかりでてんで弱っちいな。土方ヤるにゃ、あと二、三匹必要か……。 |
土方 | 総悟、何か言ったか ? |
沖田 | いえ、なんにも。 |
ジェイド | 魔物の相手ばかりしていても事態は解決しません。ワイズマンは、この魔物たちが高杉に引き寄せられたと言っていました。 |
ジュディス | いくら魔物を倒しても元を断たなければ意味がないというわけね。 |
銀時 | 高杉のヤローはヅラとワイズマンを追っていった。俺たちも二人を探すしかねぇな。 |
神楽 | ところで銀ちゃん。新八どこ行ったアルか。 |
銀時 | ああ ? んなのどっかその辺に隠れて── |
アークの子供A | 魔物だー ! 退治しろー ! |
新八 | ひいいい ! 僕、悪い魔物じゃないってば ! |
アークの子供B | 魔物がしゃべった ! |
アークの子供C | しゃべる魔物はもっと悪い魔物だ ! |
新八 | あっ ! 痛い痛い ! やめてェェェ ! |
銀時 | まあ、大丈夫そうだな。ヅラたちを探しに行くか。 |
新八 | 待てやコラァ ! 助けろよ ! |
銀時 | いや、子供たちと陽気に戯れてるのかと思って。 |
新八 | 陰湿に退治されそうになってましたけど ! ? |
銀時 | あー、はいはい。おーいガキども。こいつは一見卑猥な魔物に見えるかもしれねぇが実際は人畜無害なアイドルオタクだ。 |
新八 | なんか余計なひと言がひっかかるんですけど。 |
銀時 | つーわけで、見逃してやってくれ。危ねえからガキは家に帰ってゲームでもしてろ。 |
アークの子供A | なんだこのおっさん。 |
銀時 | おっさんじゃねぇよお兄さんだ。あんま大人舐めてっとケツに獅子戦吼くらわせっぞ。 |
アークの子供B | 子供を脅すなんて悪い大人だ !悪い大人はやっつけろ ! |
銀時 | いてっ、いててっ……いい加減にしろよゴラァァァ ! |
アークの子供A | 悪い大人がキレた ! 逃げろー ! |
銀時 | クソガキども ! 次会ったら覚えてやがれ ! |
ジェイド | 子供相手に本気で怒ってますね。 |
ジュディス | 彼、いつもああなの ? |
新八 | ええ、まあ……。 |
土方 | アホはほっといて俺たちゃこの状況をなんとかするぞ。 |
沖田 | 高杉を野放しにしておけやせんね。 |
土方 | いや、俺たちは先に住人の避難誘導と魔物の始末だ。 |
ユーリ | へぇ、あんたなら「テロリストは叩っ切る !」とか言うかと思ったけどな。 |
沖田 | やれやれ、鬼の副長が随分と丸くなったもんでさァ。 |
土方 | うっせーぞ総悟 ! いいから人命救助だ !遅れんじゃねぇぞ ! |
沖田 | へいへい。そんじゃ、そっちは任せやしたぜ。 |
ジェイド | 我々も行きましょう。 |
ユーリ | ああ。いい加減カタをつけないとな。 |
銀時 | さてと……んじゃ、いっちょやってやっか。新八、神楽、いくぞー。 |
神楽 | おうヨ ! |
新八 | はい ! 銀さん ! |
桂 | ……ヤツの姿はないか。どうやら巻いたようだ。これで少しは時間が稼げるだろう。 |
ワイズマン | 桂さん、いざとなればあなたは逃げてください。 |
桂 | 急に何を言うのだ ? |
ワイズマン | 私はアークの長です。街と住人を守る責任があります。それに、これでも力はあるのです。 |
桂 | ダメだ ! 一人で行かせるわけにはいかん ! |
ワイズマン | 桂さん……。 |
桂 | ずっと気になっていたのだ。このアークで、どうしてお前だけが違う。他の住人は俺たちと同じ姿なのに。 |
ワイズマン | それは……。 |
桂 | いや、姿形などどうでもいい。それよりもどうしてお前ばかりが責を負う必要がある。『祭り』とはなんだ ? どうしてそこまでこだわる。 |
ワイズマン | ……アークの人々は皆、疲れているのです。 |
ワイズマン | 数多の世界を観測し我々は争いばかりを目にしてきました。 |
ワイズマン | 争いに身を浸すアーキタイプたちにせめて一時でも心安らげるような時間を作りたい。『祭り』とはそのための催しなのです。 |
桂 | 安らげる時間が必要……か。少しだがわかるような気がするな。ならば、お前はどうなのだ ? |
ワイズマン | 私、ですか…… ? |
桂 | お前はここの住人たちの心を癒やしたいと言うがお前の心はいったい誰が守ってくれるのだ。 |
ワイズマン | 私の心ですか……考えたこともありませんでした。 |
桂 | ずっと気になっていたのだ。お前が、いつも一人だということが。 |
桂 | そんなにピカピカ光っていては周囲も眩しかろう。一人でいるのはそのせいなのではないか ? |
桂 | 俺と共に来い。俺ならお前のその眩しさなどものともせんぞ。 |
ワイズマン | いえ、あの、私はアークを離れるわけには……。 |
桂 | そうなるとそのワイズマンという名はどうかと思うな。名前というより通り名ではないか。 |
桂 | よし ! 今日からお前はエリザベス弐号……いや、ワイザベスだ ! |
ワイズマン | ま、待ってください。なんだか話が飛躍し過ぎているような── |
高杉 | おっとヅラ、そこまでだ。 |
高杉 | てめェもアークの技術がほしいってわけだ。まあ、気持ちはわかるぜ。 |
桂 | 貴様と一緒にするな ! |
高杉 | やろうってのか。いいぜ、久しぶりに相手してやるよ。 |
桂 | ワイザベス !ここは俺に任せて逃げろ ! |
ワイズマン | 桂さん ! 私なら大丈夫です。あなたこそ逃げてください ! |
桂 | 悪いがそれはできない相談だ。俺は決して仲間を見捨てたりせん ! |
高杉 | ククク…… ! なかなか熱いなぁヅラ !銀時のバカにでもあてられたか ! |
桂 | ヅラじゃない桂だ !だが、そうかもしれんな…… ! |
銀時 | ったく、人がいないのをいいことに好き勝手言いやがって。俺はゾンビか何かかっつーの。 |
桂 | 銀時 ! |
高杉 | 思ったより遅かったな。あの程度のデカブツに手こずるなんて腕が鈍ったんじゃねェか。 |
銀時 | バーカ。アフターサービスにちっとばかりそこらの魔物を倒しながら来たんだよ。 |
銀時 | てめぇと違ってこっちは客商売なんでね。みんなに愛される万事屋目指してっからよ。 |
高杉 | やれやれ……相変わらず緊張感のねぇ野郎だ。興が削がれちまった。 |
銀時 | おい、どこ行くつもりだ。てめぇを逃がすわけねーだろ。 |
高杉 | 安心しな。俺は逃げも隠れもしねぇよ。この先に、おあつらえ向きの場所がある。そこで待ってるぜ。 |
銀時 | 野郎……。 |
新八 | 銀さん ! |
ユーリ | 桂も無事だったか。 |
ジェイド | 高杉はどうしましたか ? |
桂 | 決着をつけるつもりだろう。この先で待っていると言っていた。 |
ジュディス | わざわざ相手の挑発に乗るつもり ? |
ワイズマン | こうなったら強制的に彼を元の世界に送り還します。少々、乱暴な扱いになってしまいますが……。 |
銀時 | ダメだ。あいつは俺らに任せろ。 |
ワイズマン | し、しかし……。 |
銀時 | あのヤローはしつけーからな。無理矢理送り還してもさっきみたいに執念で戻ってくるかもしれねぇ。 |
銀時 | ここからは俺たちの仕事だ。そうだろう、ヅラ。 |
桂 | ヅラじゃない桂だ。……だが、お前の言う通りだな銀時。 |
ユーリ | 結局戦うしかないってわけか。 |
ジェイド | 彼には気の毒ですがね。 |
ジュディス | どうしてこう馬鹿正直なのかしら。 |
神楽 | 姉御の言う通りアル。男どもはみんなカッコつけたがるネ。 |
新八 | 行きましょう、みなさん。決着をつけるために…… ! |
銀時 | いや、お前がまとめんな。 |
新八 | いいでしょう別に !今回、やたら影が薄いんだからこういう時くらい目立つことさせてくださいよ ! |
神楽 | オタマジャクシに言われてもナ。 |
新八 | ちくしょぉぉぉー ! |
キャラクター | #N/A |
銀時 | よぉ、高杉。待たせたな。 |
高杉 | またゾロゾロ引き連れてきやがったな銀時。 |
銀時 | てめぇが無様にやられる姿を見学したいんだとよ。 |
高杉 | フッ……。 |
高杉 | ここはアークつったか。どいつもこいつも間の抜けた顔してやがる。よほど平和なんだろうな。 |
高杉 | おまけに『祭り』だって ?暢気なもんだぜ。 |
桂 | それは違うぞ。 |
桂 | 戦を目の当たりにしてきたからこそアークの人々は平和を守ろうとしているのだ。それは江戸の人々と同じだと思わんか。 |
高杉 | 江戸と同じねぇ……。なら、なおさらぶっ壊したくなる。 |
ジェイド | あなたの激しい憤りは私にも伝わりましたが勝手な感情を押しつけられるのはいい迷惑です。 |
高杉 | てめェらこそなんで受け入れてる ?『祭り』もてめェら自身も偽物なんだろう。 |
ユーリ | オレたちはオレたちだ。本物も偽物もねーよ。 |
ジュディス | あなたの言うことにいちいち付き合うつもりはないわ。さっさと終わらせましょう。 |
高杉 | 随分と勇ましい女だな。 |
銀時 | ば、バカお前 ! 余計なこと言うなって !このねーちゃん怒らせんな !めちゃめちゃ怖いんだから ! |
ジュディス | フフフ、怒らせたことがあるみたいな物言いね。 |
銀時 | す、すんませんしたぁっ !と、とにかく俺が言いたいのはだな……。 |
銀時 | 何者かなんてどうでもいい。今ここで何をするかでそいつの価値が決まるんだよ。 |
高杉 | やれやれ、くっちゃべってても埒が明かねェな。結局、俺たちはコイツでカタをつけるしかやり方を知らねェってわけだ。 |
神楽 | なめんなよゴルァ ! |
新八 | ちくしょう !僕にもなんかカッコイイこと言わせろぉぉ ! |
高杉 | 最終決戦ってやつか。まとめてかかってきな。 |
キャラクター | #N/A |
高杉 | ……ちっ。 |
桂 | もうやめろ高杉。こんな戦いなんの意味もない。 |
高杉 | つまんねーことぬかしてんじゃねェよヅラ。やっと温まってきたところだぜ。 |
銀時 | こっちはいつまでもてめぇの欲求不満解消に付き合ってられねぇんだよ。 |
ワイズマン | 高杉さん、アークの物を外の世界に持ち出させるわけにはいきません。 |
ワイズマン | それに、元の世界に戻ればあなたはこのことを覚えてはいないでしょう。 |
ジェイド | 本当は、あなたも気づいていたのではないですか ? |
高杉 | さあね。なんのことやら。 |
ユーリ | どっちにしろ、こいつをこのままにはしておけないだろ。 |
ジュディス | さっさと帰ってもらいましょう。それが一番よ。 |
ワイズマン | わかりました。私が責任をもって高杉さんを元の世界に戻します。 |
新八 | あのぉ……ついでに僕の方もどうにかしてもらえるとありがたいんですが。 |
神楽 | 新八、空気読めヨ。 |
新八 | わかったよ、もういいよ……。今回、僕こういうポジションなんだ……。 |
ワイズマン | 桂さん、あなたはどうされますか ? |
桂 | ワイザベスはここを離れることができないのだろう。ならば無理に連れて行くわけにはいかんな。 |
ワイズマン | 私はそちらの世界に行くことはできませんが桂さんは、こちらにシャドウを残すことができますよ。 |
桂 | シャドウ? なんだそれは。 |
ユーリ | 簡単に言うと自分の分身みたいなもんだな。 |
ジェイド | こちらの銀時や神楽もシャドウです。 |
桂 | ふむ……よくわからんがそのシャドウとやらを残せば俺が帰った後もワイザベスを一人にせずにすむのだな。なら俺の答えは決まっている。 |
ワイズマン | 桂さん……。 |
ジュディス | そんな理由でシャドウを残すことを決めるなんてあなたのお友達は変わってるわね。 |
銀時 | ただの腐れ縁だっつーの。おい、ヅラ。おめぇもこの姉ちゃんに言ってやれ。 |
桂 | ヅラじゃない桂だ ! |
ワイズマン | それでは、彼らを元の世界に戻します。同時にシャドウを作りましょう。 |
銀時 | おう新八、気ぃつけてな。 |
神楽 | あっちの私たちによろしく言っとけヨ。 |
新八 | はいはい、任せといてください。たぶんこういうのって、記憶なくなってると思うけど。 |
ワイズマン | それでは……。 |
桂 | ……む、何も変わらんように感じるぞ。 |
ワイズマン | いえ、無事に終わりましたよ。元の桂さんは本来の世界に戻りました。 |
桂 | どうにも実感がわかないがワイザベスがそう言うのなら、そうなのだろう。 |
高杉 | ……おい、こいつはどうなってる。 |
銀時 | 高杉 ! ? てめぇ、なんでまだいやがる ! |
高杉 | 俺に聞くんじゃねぇよ。そいつが失敗したんだろう。 |
ワイズマン | なんということでしょう……。おそらく、桂さんのシャドウを作ろうとした余波で高杉さんのシャドウまで作ってしまったようです。 |
銀時 | マジで失敗してんじゃねぇか ! |
ユーリ | シャドウってのは、こっちに残りたいっていう意志みたいなもんが必要なんだろ ? |
ジェイド | はい、その通りです。高杉さんの場合、残りたい意志というよりもっと別の何かかもしれませんが。 |
新八 | って、なんじゃこりゃあああああ ! ? |
銀時 | その声は新八か ! ?ええと……ずいぶん逞しく育ったな。 |
新八 | いや、なんにも変わってませんよ !元の世界に戻してくれたんじゃないのかよ ! |
ワイズマン | すみません、どうやら手違いがあったようで……。 |
新八 | ちゃんとやれよ !アンタ前回もそうだったじゃねぇか ! |
ユーリ | ……言っちまったな。 |
ジュディス | 言っちゃったわね。 |
ジェイド | うかつな失敗が多いですからね。ワイズマンは。 |
ワイズマン | う……それは返す言葉もありません。 |
神楽 | あーあ、ワイズマン落ち込んだネ。新八のせいアル。 |
新八 | 僕が悪いのかよ ! ?ていうか、いい加減に身体を元に戻せぇぇぇぇぇ ! ! |