キャラクター | 1話【世界1 本を返しに】 |
カーリャ・N | これはここに置いて……っと。ふぅ、ようやく整理整頓の終わりが見えてきました。やはり書籍の片付けは時間がかかってしまいますね。 |
カーリャ・N | さて、この本は──これは、ローエン様の戦術資料 ?いけない、お借りしたままでした…… ! |
カーリャ・N | (……しかしこの情報量と密度はすごいですね。さすが、ローエン様が救世軍の方々を指揮する為に使われていた資料です) |
カーリャ・N | (これを読めばローエン様の知識や実力に近づける。そう思って何度も読み返しました) |
カーリャ・N | (新たな騒乱が起こってしまった時もう、誰も傷つけずに済むように、何度も……) |
カーリャ・N | ……ローエン様にお返ししなくては。魔鏡通信で連絡を差し上げましょう。 |
ローエン | ネヴァンさん、ご無沙汰しております。 |
カーリャ・N | お久しぶりです、ローエン様。突然連絡してしまい、申し訳ありません。 |
ローエン | 何をおっしゃいますか。うら若き乙女からの知らせを無下にするような無粋なジジイではありませんぞ ? |
ローエン | それで、どのような御用でしょうか ? |
カーリャ・N | はい。実は、大変お恥ずかしい話なのですが……。部屋の片付けをしていたところローエン様の戦術資料を見つけまして……。 |
ローエン | 戦術資料…… ? あぁ、アレですか。そういえばネヴァンさんにお貸ししておりましたね。 |
カーリャ・N | お返ししたと思い違いをしていたようなのです……。本当に申し訳ありません……。 |
カーリャ・N | そこで、もしご迷惑でなければ、お返しに伺いたいと思い、ご連絡させていただいた次第です。 |
ローエン | そういうことでしたか。では、私が受け取りにセールンドへ伺いましょう。 |
カーリャ・N | いえ、そういう訳にはいきません。こちらの見落としでお借りしたままだったものです。私がローエン様のご自宅にお届けします。 |
ローエン | しかし……。 |
ローエン | …………。 |
カーリャ・N | ? ローエン様 ? |
ローエン | これは失礼。少々考えごとをしておりました。それでは、ご足労をかけますが資料を届けていただいてよろしいでしょうか ? |
カーリャ・N | はい、もちろんです。お伺いする日時はいつ頃がよろしいですか ? |
ローエン | 予定を確認しますので後ほど通信文でご連絡しますね。 |
カーリャ・N | わかりました。ではご連絡をお待ちしています。 |
カーリャ・N | ローエン様のご自宅は……ここですね。 |
カーリャ・N | ローエン様、ネヴァンです。先日ご連絡しました戦術資料をお返しに参りました。 |
? ? ? | は~い、ちょっと待ってー。 |
アンジュ | いらっしゃい、ネヴァン。遠路遥々ようこそ。 |
カーリャ・N | アンジュ様…… ?どうしてローエン様のご自宅にアンジュ様が…… ? |
アンジュ | 色々あってね。さぁ、入って入って。 |
カーリャ・N | は、はい。失礼します。 |
ローエン | これはネヴァンさん。お待ちしておりました。お呼び立てして、申し訳ありません。 |
カーリャ・N | とんでもありません。お返ししなければならないものを忘れていた私がいけないのです。 |
カーリャ・N | こちら、お借りしていました戦術資料となります。返却が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。とても参考になる素晴らしい内容でした。 |
ローエン | ご丁寧にありがとうございます。そう言っていただけるとお貸した甲斐があったというものです。 |
ローエン | 時にネヴァンさん。少々お時間をいただくことはできますか ? |
カーリャ・N | はい、特に予定はありませんので大丈夫ですが……。 |
ローエン | 実は本日、ネヴァンさんにお越しいただいたのにはわけがありまして。 |
ローエン | 今準備を進めているお茶会に是非とも参加いただければと考えていたのですがいかがでしょうか ? |
カーリャ・N | 私が、ですか…… ?お誘いはとても光栄なのですが私では場違いな気が……。 |
ローエン | いえいえ、そんな堅苦しいものではありませんよ。それに、ネヴァンさんの立ち振る舞いには確かな品位があります。 |
ローエン | 木漏れ日の差し込むテラスでお茶を召し上がる姿はさぞ絵になることでしょう。 |
アンジュ | ふふ、そうですね。ベリルがいたらきっと良い題材だって喜ぶくらい様になると思うわ。 |
カーリャ・N | そ、そんなことは……。 |
アンジュ | でも、カーリャと一緒に唐揚げを口いっぱい頬張って食べるところもすごく魅力的よね ? |
カーリャ・N | それは…… ! お恥ずかしい、限りです……。 |
ローエン | 普段のクールな様相が愛らしく崩れる瞬間私はいいと思いますよ ? |
カーリャ・N | そう……でしょうか…… ? |
アンジュ | ええ。身近さっていうのかな ?そういうのが感じられるもの。 |
アンジュ | さ、こっちに来て。みんな待ってるわ。お菓子や食べ物もたくさん用意してるの。きっと気に入るはずよ。 |
カーリャ・N | ……わかりました。それでは失礼します。 |
キャラクター | 2話【世界2 みんなでお茶会】 |
エリーゼ | わぁ~……すごいです !お皿のタワーにケーキやサンドイッチがいっぱいです ! |
ティポ | サンドイッチはフルーツサンドだー !お皿タワーごといっちゃうぞー ! |
アリエッタ | サラダやスープも、とっても美味しそうで、可愛い。どれから食べていいか……迷う、です。 |
シェリア | そういう時は下から食べていくといいわ。サラダやスープはアミューズっていうんだけどアミューズ、サンドイッチ、スコーン── |
シェリア | そして、最後にデザート。この順番がアフタヌーンティーを楽しむ一般的な作法ね。 |
エレノア | なるほど。塩味のあるお料理から甘味へというわけですね。 |
アリエッタ | 難しい……。ちゃんと食べられるかな…… ? |
シェリア | 今のは食べ方の一つっていうだけだから。好きなものから食べていいのよ。 |
アンジュ | みんな、ネヴァンが来たわよ。 |
カーリャ・N | お邪魔させていただきます。 |
エレノア | いらっしゃい、ネヴァン。待っていましたよ。変わりないようで安心しました。 |
エリーゼ | これでみんな来ましたね ! |
シェリア | ええ。後は買い出しに行ってるソフィとベルベットライフィセットが戻ってきたらお茶会開始ね。 |
カーリャ・N | ベルベット様とライフィセット様がソフィ様とお買い物に…… ?少し珍しい組み合わせですね。 |
アンジュ | ライフィセットくんとソフィ、気が合うみたいで。一緒にお買い物に行きたいって。 |
カーリャ・N | なるほど。お二人とも好奇心が旺盛でしたね。アジトにいた時もリフィル様たちと遺跡談義で盛り上がっていらっしゃいました。 |
アンジュ | ふふ、そうね。それにベルベットが巻き込まれて困らせちゃうまでがワンセットだったわね。 |
カーリャ・N | それほど前のことではないのに懐かしいです。そういえば、このお茶会はローエン様とアンジュ様が企画されたのですか ? |
アンジュ | 企画というほどのものじゃないわ。私がローエンさんからピンキストの集いについて相談を受けたところから始まったの。 |
カーリャ・N | ピンキスト……。確か、ピンクかわいいものが好きな人、だったでしょうか ? |
ローエン | その通りです。エリーゼさんとアリエッタさんがピンキストの集いを開催しようとしていたのですが── |
ローエン | お二人とも、ご自身の思いや意見を伝えることがちょっぴり苦手でして、話し合いがなかなか進んでいなかったのです。 |
カーリャ・N | そこでお二人はローエン様にご相談されたんですね。 |
ローエン | 大変光栄なことです。しかし私のようなジジイではピンキストの集いについて的確な助言をできるかいささか不安がありまして。 |
アンジュ | 私が相談を受けてみんなに手伝ってもらえないかお願いしたの。 |
アンジュ | そうしたらシェリアやエレノア、ベルベットが協力してくれて。せっかくだからライフィセットくんやソフィを連れてみんなで集まろうって話になって── |
カーリャ・N | 小さな子たちのためのお茶会となった訳ですね。となると、エル様やアニス様も ? |
アンジュ | 声はかけたんだけど、予定があってね。ただ、リグレットさんがアリエッタの様子を見に来ることになってるわ。 |
ティポ | ねえねえ、クッキー一個だけなら食べていい ? いいよねー ? |
アリエッタ | だめ。みんなが揃うまで待つ、です。 |
エリーゼ | ……ベルベットたち、遅いですね。何かあったんでしょうか ? |
ティポ | お腹ペコペコでグゥグゥ言ってるよー。 |
ローエン | ふむ……ネヴァンさん。本日ですが、お帰りはいつ頃をお考えでしょうか ? |
カーリャ・N | 遅くならない内にこちらを出ようかと。 |
ローエン | では、これ以上お待たせするわけにもいきませんので先に始めましょうか。 |
カーリャ・N | ですが、ベルベット様たちがまだ……。 |
アンジュ | 大丈夫よ。ベルベットたちはそのままお泊まり会を開くから時間はあるの。 |
ローエン | ええ、ベルべットさんたちも笑って許してくれるかと。それに── |
カーリャ・N | 今のは……あの、お腹が空いたというわけでは……。うぅ……。 |
ローエン | ほっほっほ。それでは少々押してしまいましたが始めるとしましょう。 |
ティポ | やったー ! ケーキ ! ケーキ食べるー ♪ |
エリーゼ | もう、ティポったら。シェリアの話を聞いてなかったんですか。アリエッタ、はい。アミューズをどうぞ。 |
アリエッタ | ありがとう……ん、おいしい。お友達にも、食べさせてあげたい、です……。呼んでもいい ? |
アンジュ | ちょ、ちょっと待って !後でアリエッタのお友達の分を用意してあげるから今呼ぶのは我慢してね。 |
シェリア | このスコーン、しっとりして美味しい……。どうやって作ってるのかしら ? |
エレノア | それなら、ローエンとヴィクトルが共著で出版したレシピ本に載っていますよ。私も参考にして何度か作ったことがあります。 |
シェリア | あの二人、レシピ本なんて出してたの…… ? |
エレノア | はい。誰でも手軽に作れる料理から立派なスイーツまで網羅した素晴らしい一冊ですよ。買っておいて損はないと思います。 |
シェリア | そ、そうね。帰りに買っていこうかしら ?このスコーン、作ってあげたいし……。 |
エレノア | そういえばソフィから聞きましたよ。アスベルと二人きりで買い物に行ったそうですね。いかがでしたか ? |
シェリア | い、いかがでしたかって……。別に、買い出しを手伝ってもらっただけよ ! |
エレノア | でも、とても楽しそうだったと。 |
シェリア | ……それは、まぁ……。 |
エリーゼ | アリエッタ。この前アルヴィンがくれたお花の種、芽は出ましたか ? |
アリエッタ | うん。小さくだけど、出た……です。今から、すごく楽しみ。ピンクのお花……。 |
ティポ | アルヴィンは絶対綺麗に咲くって言ってたけど大丈夫ー ? |
アリエッタ | 芽を見たリグレットがこれは立派に育つだろうって、言ってた。だから、きっと大丈夫、です。 |
エリーゼ | そうですね。うん、きっとそうです。よかったら、お花の観察日記をつけて時々見せ合いっこしませんか ? |
アリエッタ | 見せ合い……うん、わかった、です。どっちが先にお花を咲かせられるか、競争……。 |
エレノア | なら、日記帳が必要ですね。明日、帰る前に買っていきましょう。 |
シェリア | クレヨンや色鉛筆もあると華やかになって絵を描く楽しみも増えるわよ。 |
エリーゼ | ならピンクの色鉛筆が必要ですね !アリエッタ、ピンキストとしての腕の見せ所ですよ ! |
アリエッタ | うん…… !シェリアも、色鉛筆選ぶの、手伝って……。 |
シェリア | ええ、もちろん。私もピンキストだもの。可愛いのを選びましょ ♪ |
エレノア | シェリア、いつの間にピンキストに…… ! ? |
カーリャ・N | …………。 |
アンジュ | ローエンさん特製のお茶とお菓子は楽しめてる ? |
カーリャ・N | あ……はい、もちろんです。以前にも何度かいただきましたがやはり格別です。 |
アンジュ | ふふ、よかった。ローエンさんが張り切って準備していたから。やっぱり甘いものを食べると幸せになるわよね。 |
カーリャ・N | …………。 |
アンジュ | ネヴァン。もしかしてだけど、緊張してる ? |
カーリャ・N | ? いえ、していないと思いますが……。そのように見えますか ? |
アンジュ | ううん、ちょっと気になっただけ。さ、こっちに来て。エリーゼたちのピンキストトークに私たちも混ざりましょ ? |
カーリャ・N | は、はい。 |
ローエン | …………。 |
キャラクター | 3話【世界3 頼み事】 |
ベルベット | ……うん、いいと思う。エレノアもシェリアも腕を上げたわね。 |
ライフィセット | やったね、二人とも ! |
エレノア | はい、ありがとうございます !鍛錬を積んだ甲斐がありました ! |
シェリア | でも、まだまだヴィクトルさんのスープには及ばないわ。レシピ本を買ったら、読み込まないと。 |
ソフィ | とっても美味しいよ、このスープ。 |
カーリャ・N | はい。思わずお代わりをいただいてしまったほどです。ヴィクトル様の料理も素晴らしかったですがお二人も十分かと。 |
カーリャ・N | ……あ。 |
エリーゼ | ? どうかしましたか、ネヴァン。 |
カーリャ・N | スープに夢中になって時間を忘れていました…… ! |
カーリャ・N | 気がつかず長居をしてしまいました……。申し訳ありません……。 |
ローエン | 何をおっしゃいますか。皆さんと一緒にお泊まり会に参加いただいてもいいんですよ ? |
エリーゼ | はい ! ネヴァンもお泊りしてほしいです。みんなとお風呂、きっと楽しいですよ。 |
アンジュ | こういうのは一緒の友達が多いほど楽しいものね。 |
カーリャ・N | いえ、これ以上お世話になる訳にはいきません。きっとご迷惑をおかけしてしまいます。 |
ローエン | いえいえ、迷惑だなんて。救世軍では元気が有り余る方々をお相手してきましたが── |
ローエン | 私は元々、今日のようなお茶会などのお手伝いをする方が向いているんです。どうかお気になさらず。 |
カーリャ・N | ローエン様……。お心遣い、ありがとうございます。 |
ローエン | さて、これ以上お引き止めするわけにもいきませんね。最後に一つ、ネヴァンさん明日以降、何かご予定はありますかな ? |
カーリャ・N | いえ、特には。これからミリーナ様のご自宅に戻って部屋の片付けを再開するつもりです。 |
ローエン | なるほどなるほど。では大変恐縮なのですが一つ、頼まれていただけませんか ? |
カーリャ・N | この封筒は…… ? |
ローエン | こちらをライラさんに届けて欲しいのです。実はライラさんは今、シオンさんの所へ遊びに出掛けておりまして。 |
ローエン | ライラさんにこちらの封筒を渡していただけると助かるのですがいかがでしょうか ? |
カーリャ・N | もちろん構いません。喜んでお引き受けします。 |
ローエン | ありがとうございます。 |
エリーゼ | ネヴァン、またお茶会に来てくださいね !ピンキストのこと、いっぱいお話します ! |
アンジュ | 私も、次はイリアたちを誘ってくるわね。 |
カーリャ・N | ……はい、是非。その時を楽しみにしています。それでは失礼します。 |
ローエン | ……さて。では他の皆さんにも……。 |
エリーゼ | ? 他の皆さん…… ? |
ティポ | ねーねーローエン。ネヴァンに渡した封筒、中身はなーにー ? |
ローエン | 申し訳ありませんが、それは秘密です。 |
アリス | …………。 |
デクス | ごめんよーー ! アリスちゃーーーーん !お待たせーーーーーー ! ! |
アリス | …………。 |
デクス | アーーリーースーーちゃーーーーん ! ! |
アリス | うるさいわね、2Kデクスの癖に。そんなに叫ばなくても聞こえてるわ。 |
デクス | あぁ、ごめんよ、アリスちゃん。アリスちゃんを目の前にしたらつい…… ! |
アリス | で ? 手に持ってる紙袋はなに ?今日は朝から出掛けてたみたいだけど ? |
デクス | もちろんアリスちゃんへのプレゼントだよ !街で美味しいって有名なスコーンさ ! |
デクス | 一日数量限定で朝五時から並ばないと買えないんだ。その分、一度食べると忘れられない美味さだとか !さぁ、お茶も淹れるから一緒に── |
アリス | そんなのいらない。 |
デクス | そ、そうなのか ! ? ごめんよ、アリスちゃん。昨日甘いお菓子が食べたいって言ってたから…… ! |
デクス | そうだ ! 街で美味しいケーキ屋を見つけたんだ !そこのチョコレートケーキが絶品で── |
アリス | はぁ……わかってない。ホントにわかってないわね ! |
アリス | アリスちゃんのしもべならアリスちゃんが何を欲しがってるかくらい察しなさいよ ! |
デクス | ご、ごめんよアリスちゃん ! 今ひらめくから !アリスちゃんが欲しがっているものを !オレならできるはずだ―― ! |
アリス | キモくてキショいから変な顔して力まないで !あぁもう、とにかく私が欲しいものを持ってきて !今すぐに ! |
デクス | うぅ、アリスちゃんっ…… !くっ、オレはアリスちゃんのしもべなのに…… !どうしてアリスちゃんの欲しいものがわからない ! ? |
デクス | あ……いや……。アリスちゃんのしもべは自称に過ぎない……。誰をしもべにするか選ぶのはアリスちゃんだ…… ! |
デクス | うぅっ ! そんなことすら忘れてしまっていたなんて !だから、だからオレはアリスちゃんが欲しいものをひらめけないんだぁーーーー ! |
デクス | うぅ……アリスちゃんの、欲しいもの……。アリスちゃんの欲しい、もの……。 |
キャラクター | 4話【世界4 ライラの元へ】 |
カーリャ・N | この街に来るのも久しぶりですね。さて、ライラ様はどこに── |
カーリャ・N | これは……剣戟の音 ? |
クレス | うおおおおおおおお ! |
アルフェン | はぁあああああああ ! |
キサラ | まだまだぁ ! |
カーリャ・N | クレス様にアルフェン様、それにキサラ様…… ? |
アルフェン | くっ、やはりキサラの守りは堅いな ! |
クレス | ああ、切り込む隙がなかなか見えてこない…… ! |
キサラ | いや、お前たちの連携こそ実に見事だ。この打ち合いで何度冷や汗をかいたか。 |
キサラ | 少しの油断でもあれば私の盾も危なかったかもしれないな。 |
カーリャ・N | ……クレス様も、アルフェン様もキサラ様も……。とても楽しそうに訓練をされていますね。本当に真面目な方々です。 |
カーリャ・N | それに、訓練とは思えないほどの技の冴えです。私も気が緩まないようしっかり鍛えておかなくては。 |
ライラ | あら、ネヴァンさん。こちらにいらしたのですね。 |
シオン | アルフェンたち、うるさかったでしょう ?熱が入るといつもああなのよ。 |
カーリャ・N | ライラ様、シオン様 !ご無沙汰しています。 |
シオン | ええ。その様子だと元気そうね、ネヴァン。こっちも元気と言えばそうだけど……。 |
ライラ | アルフェンさんたちは元気が有り余っていますね。少し抑えてもらった方がいいかもしれません。騒音の苦情が入らないか心配ですわ。 |
カーリャ・N | あ……訓練の音ですね。確かに、街の入口辺りでも聞こえました。ライラ様とシオン様も訓練の為こちらに ? |
ライラ | いえ。皆さんに休憩に入っていただこうかと。朝からずっと続けてますから。 |
シオン | アルフェン、キサラ、クレス。ネヴァンも来たことだし、そろそろ一息ついたらどう ? |
アルフェン | あぁ、ネヴァンが来たのか。それじゃあ一度切り上げよう。 |
クレス | そうだね。ちょうどお腹も空いてきたところだし。 |
キサラ | ならば食事を用意しよう。ライラが持ってきてくれた焼き菓子だけではシオンが満足しないだろうからな。 |
シオン | それはそうよ。お菓子は別腹って言うでしょ ? |
ライラ | この前はご飯は別腹とおっしゃっていたような……。 |
カーリャ・N | ライラ様の焼き菓子と、キサラ様の食事…… ! |
キサラ | 心配するな、ネヴァン。お前の分もたんまりと作ってやるぞ。 |
ライラ | 焼き菓子もたくさん持ってきましたので ! |
カーリャ・N | ! ? ご、ご心配、ありがとう、ございます……。 |
シオン | アップルパイにチーズタルト……。ライラの焼き菓子はどれも本当に美味しそうね。お店を出してくれれば通い詰めるのに。 |
キサラ | 買い占める、の間違いではないか ? |
シオン | そ、そこまではしないわ。朝一番に並ぶだけよ。 |
アルフェン | その光景が目に浮かぶよ。 |
ライラ | そんなに喜んでいただけるなんて光栄です。頑張って作ってきた甲斐がありましたわ。さぁ、クレスさんとネヴァンさんもどうぞ。 |
クレス | うん、ありがとう。キサラさんが作ってくれたサンドイッチも美味しかったし運動の後には甘いものもあるといいね。 |
カーリャ・N | はい。運動の後にはエネルギー補給が必要です。サンドイッチの炭水化物や焼き菓子の糖分といった栄養素は非常に重要かと思います。 |
シオン | わかってるわね、ネヴァン。はい、アップルパイ。 |
カーリャ・N | あ、ありがとうございます…… !シオン様にはこちらのチーズタルトを…… ! |
シオン | ええ、ありがとう。この星型のチーズタルト、見た目も可愛いわね。 |
二人 | ! ? |
カーリャ・N | ……クレス様 ? ライラ様 ? |
クレス | スターのタルトを食べて── |
ライラ | スターっと倒れると── ! |
キサラ | ……いや、それは苦しいだろう。食中毒で倒れているようだし……。 |
クレス | くっ……僕もまだまだ訓練が足りないな…… ! |
ライラ | 頑張りましょう、クレスさん ! |
カーリャ・N | お二人は相変わらずですね……。 |
クレス | そういえばネヴァン。ローエンさんやエリーゼたちに会ったって聞いたんだけど、みんなは元気そうだったかい ? |
カーリャ・N | は、はい。皆さん、お変わりありませんでした。 |
カーリャ・N | 特にローエン様は、遊びにいらしていたエリーゼ様やアンジュ様たちのお相手をとても楽しそうにしていらっしゃいました。 |
ライラ | 相変わらずお元気そうで何よりですわ。ほかにもどなたかいらっしゃっていたのですか ? |
カーリャ・N | アリエッタ様にエレノア様、シェリア様やベルベット様、ライフィセット様、ソフィ様がいらしてお茶会を開かれていました。 |
シオン | そんなに集まっていたのなら賑やかなお茶会だったんでしょうね。 |
カーリャ・N | それはもう。ローエン様がヴィクトル様と共著で出版されたレシピ本の話や、エリーゼ様とアリエッタ様が育てている花の話……。 |
カーリャ・N | 皆さん、とても楽しそうにされていました。ライラ様たちはいかがお過ごしでしたか ? |
ライラ | 私はエドナさんとお茶をしたり、のんびりしています。時々スレイさんとミクリオさんの遺跡巡りや調査について行ったりもしていますわ。 |
ライラ | 先日はリンウェルさんとテュオハリムさんも一緒だったのですが、お互いの歴史の話を始めたら止まらなくて大変でした。 |
キサラ | それなら帰ってきた後も止まらなかったぞ……。テュオハリムは素晴らしき友を得た、と子供のように興奮してスレイとミクリオについて語っていたな……。 |
カーリャ・N | そういえば、テュオハリム様やリンウェル様ロウ様のお姿がないようですが…… ? |
シオン | リンウェルとロウならクロエと森に出かけてるわ。薬草を採りに行くとか言ってたわね。 |
キサラ | テュオハリムは朝からジョニーに誘われて出ている。以前世話になった村で音楽を楽しんでいるはずだ。同じ趣味を持つ者同士、気が合うのだろう。 |
クレス | あちこちの小競り合いも、少しずつだけど落ち着いてきている。こうやってみんなで穏やかに暮らせる日が続くといいね。 |
カーリャ・N | ? お客様でしょうか…… ? |
キサラ | よし、私が出よう。 |
キャラクター | 5話【世界5 訪ねてきたのは】 |
ガイ | いや~やっぱりここは冷えるなぁ。厚着してくればよかったよ。 |
ガイ | ──お、ネヴァンじゃないか。久々だな。 |
カーリャ・N | ガイ様 ? は、はい。お久しぶりです。 |
キサラ | 今日はどうしたのだ、ガイ。クレスたちと訓練に来たのか ? |
ガイ | いや、届け物があってな。ほら、アルフェン。 |
アルフェン | これは……。 |
ガイ | じゃ、確かに渡したぜ ?お茶を楽しんでいるところ、邪魔して悪かったな。 |
ライラ | もう帰られるのですか ?せっかくですからご一緒しませんか。 |
シオン | 今ならライラのアップルパイとチーズタルトがあるわよ ? |
ガイ | そいつは魅力的な提案だ。ライラの焼き菓子は美味いからなぁ。いただきたいところだが── |
ガイ | 悪い。ルークがちょっと調子を崩しててな。すぐに戻らないといけないんだ。 |
カーリャ・N | ルーク様が…… ! ?付きっ切りで看病しなくてはいけないほど具合が悪いのですか ? |
シオン | ティアは ? 彼女の治癒術でも治らないの ? |
ガイ | 何、そこまで深刻な話じゃない。ゴタゴタも落ち着いてきて時間ができたからあちこち見て回ってたんだ。 |
ガイ | で、はしゃぎすぎて風邪を引いちまったわけさ。 |
クレス | 大したことがないのならいいけど……風邪も侮れないからね。 |
ガイ | そういうこと。心配は心配なんでな。早く戻ってやらないと。 |
カーリャ・N | ガイ様は今も変わらずルーク様のお世話をしているのですね。 |
シオン | 目を離すと何をするかわからない人がいる──その苦労、少しだけど理解できるわ。 |
アルフェン | ……シオン ? どうして俺を見るんだ ? |
ガイ | そうそう。こういう感じで、自覚がないんだよなぁ。 |
キサラ | …………。 |
ライラ | キサラさん ? どうされましたか ?まるで強敵を前にしたようなお顔ですが…… ? |
キサラ | あぁ、いや。なんというか。ガイの話を聞いていたらテュオハリムのことを考えてしまってな。少々……いや、かなり心配になってきた……。 |
アルフェン | 気持ちはわかるが……。ジョニーがいるから大丈夫じゃないか ? |
キサラ | そのジョニーに迷惑をかけていないか心配なのだ。そもそもあの人は自分の身の回りのことは一人では何もできない……。 |
キサラ | 最近は少しずつ自力でやれることも増えてはいたがそれでも……やはり私も同行すべきだったか…… ?しかし、それではテュオハリムの為にならない…… ! |
ガイ | ……わかる。わかるぞ、キサラ。すごく……よくわかる……。 |
キサラ | ふっ……さすがだな、ガイ…… ! |
アルフェン | いい勝負をした後、お互いの健闘を称えるような顔になってるな……。 |
クレス | ある種の戦友と言える間柄なのかもしれないね。 |
カーリャ・N | 同じ苦労を分かち合う……。素晴らしい絆を感じます。 |
ライラ | そこまで大仰なものではないと思うのですが……。 |
カーリャ・N | …………。 |
ガイ | どうした、ネヴァン。俺の顔に何かついてるか ? |
カーリャ・N | いえ、そういうわけでは──あっ ! すみません、ライラ様お届け物をまだお渡ししていませんでした。 |
カーリャ・N | こちら、ローエン様からお預かりしたお届け物です ! 遅れてしまい申し訳ありません ! |
ライラ | そうでしたわ !私もすっかり忘れていました。ありがとうございます、確かに受け取りました。 |
カーリャ・N | 大変失礼しました……。皆さんとのお喋りが楽しくて、つい……。 |
ライラ | いえいえ、こちらこそ。それに、夢中になるほど楽しんでいただけたようで嬉しいですわ。 |
シオン | 私もよ。ネヴァンとゆっくりお茶をする機会なんてあまりなかったから。話せてよかったわ。 |
アルフェン | ローエンたちの近況も聞けたしな。 |
クレス | そうそう。そんなに申し訳なさそうな顔をされてしまうと逆にちょっと寂しいかな ? |
カーリャ・N | 皆さん……ありがとうございます。 |
ライラ | それでですね、私からもネヴァンさんにお願いがあるのですがよろしいでしょうか ? |
カーリャ・N | あ、はい。もちろんです。私にできることならなんなりとおっしゃってください。 |
ライラ | ありがとうございます。実は、エステルさんに届けていただきたいものがあるんです。 |
カーリャ・N | エステル様への、お届け物…… ? |
ライラ | はい。かさ張るものではないのですが、いかがでしょう ? |
カーリャ・N | …………。 |
ライラ | もしや、お忙しかったり…… ? |
カーリャ・N | いえ。大丈夫です。私でよければお預かりします。 |
カーリャ・N | (何だか、色々と届け物を頼まれますね…… ? ) |
キャラクター | 6話【世界6 頼み事、再び】 |
ガイ | どうした、ネヴァン。何か気がかりでもあるのか? |
カーリャ・N | あ……いえ。皆さん、あちこちで届け物をされているなとぼんやり考えてしまいまして。 |
ガイ | 鏡映点同士、色々と繋がっているからな。魔鏡通信文じゃなくて、手紙のやりとりをしたりお互いの大陸の名産品を贈り合ったり……。 |
ガイ | まぁ、そういう付き合いもあるだろうさ。 |
カーリャ・N | ……なるほど。以前から物資の交換はありました。平和になった今もそういうことが続いているのですね。 |
カーリャ・N | …………。 |
ライラ | ネヴァンさん ? |
カーリャ・N | ……ライラ様やローエン様たちの今を楽しむ何気ないお話を聞いていたらとても懐かしい気持ちになってきて……。 |
カーリャ・N | エステル様やユーリ様たちともお会いしたいお話がしたいと、そんな風に考えていました。 |
ライラ | きっとエステルさんたちも同じ気持ちですわ。では荷物を持ってまいりますので、お待ちください。 |
ガイ | それじゃ、俺は帰るかな。今度はルークを連れて遊びに来るよ。 |
アルフェン | ああ、ぜひ来てくれ。こうしてゆっくりするのもいいが鍛錬の相手も頼みたいところだ。 |
クレス | そのときはぜひ僕も呼んでほしいな。アルバート流剣術には学ぶべきところが多いからね。 |
ガイ | 構わないぜ。しかし、クレスとアルフェンは本当に修行が好きだなぁ。 |
シオン | 放っておくと一日中やってるわ。それで二人とも傷を作って帰ってくるんだから。 |
キサラ | そんな二人にシオンが小言を言い、ミントがなだめ最後に二人で治癒術を使うまでがいつもの流れだ。 |
ガイ | はは、シオンとミントの気苦労はよ~くわかるよ。クレスもアルフェンも、ほどほどにな ? |
アルフェン | 気をつけているつもりなんだがつい熱中して……。 |
クレス | でもガイの言う通り、ミントたちを心配させてばかりはよくないね。次からはもっと気をつけるよ。 |
ガイ | そうしてくれ。見守る側としてはヒヤヒヤしちまう。 |
ガイ | じゃあみんな、またな。ネヴァンも届け物、頑張れよ。 |
カーリャ・N | はい、ガイ様もお気をつけて。 |
キサラ | さて、腹を満たして話もひと区切りついたところだが訓練の続きはどうする ? |
クレス | キサラさんさえよければ、ぜひお願いしたいな。その盾を崩す糸口が見つかれば、今後どんなに守りの堅い敵と出会っても恐れることがなくなるからね。 |
アルフェン | ああ、俺からも頼む。ただし、今度は一人ずつ相手をしてもらうっていうのはどうだ ? |
クレス | 単独で如何に守りを突き崩すかを考えるわけか。うん、いいと思う。キサラさん、どうかな ? |
キサラ | 問題ない。お前たちのような手練れとの訓練は私にとっても有意義だからな。 |
アルフェン | シオンはどうする ? |
シオン | そうね……。私はミントやアーチェたちと一緒に訓練するわ。 |
シオン | 銃と星霊術でアルフェンたちの相手をするのは少し難しいもの。 |
カーリャ・N | ミント様たちもいらっしゃるのですか ? |
クレス | ああ。今日は合同で訓練をする約束をしていてね。 |
キサラ | そして訓練の後は食事会を予定している。シオンは今からそれが楽しみで仕方ないのだろう ? |
シオン | べ、別にそういう訳じゃないわ。アーチェやチェスターとは術や射撃について色々と話ができるし、食事だけが楽しみなわけじゃ……。 |
アルフェン | 食事が楽しみなのは間違いないんだな。 |
シオン | ……ミントの料理はとても美味しいの。楽しみにしないなんて逆に失礼じゃないかしら ? |
シオン | アルフェン。あなただって訓練で一流の剣士が相手をしてくれたら嬉しいでしょう ? |
アルフェン | もちろんだ。この世界で知ったことだがクレスやルーク、ガイのように伝統ある流派で学んだ人はまた動きが違うからな。 |
アルフェン | 剣術の型に実戦で培われた理論が息づいてる。体だけじゃなく頭でも覚えないといけない…… !クレスたちはそれを実践してて本当に凄いんだ ! |
シオン | ……そういうこと、臆面もなく言うわよね、あなた。 |
キサラ | それがアルフェンの美点だと思うぞ。 |
クレス | 僕もそう思うよ。この姿勢がアルフェンの成長の速さの秘訣なんだ。 |
クレス | それに……『実戦』で『実践』とは…… !くっ、アルフェン。君はやっぱりすごいよ…… ! |
アルフェン | ? 何がだ ? |
カーリャ・N | …………。 |
ライラ | お待たせしました、ネヴァンさん。こちらがお届けいただきたい品物です。 |
カーリャ・N | 薄い材質の箱……あまり丈夫なものではありませんね。細心の注意を払って運びます。 |
ライラ | 鞄も用意しましたので使ってください。お手数をおかけしますが、よろしくお願いしますわ。 |
カーリャ・N | 助かります。それでは確かにお預かりしました。 |
デクス | アリスちゃぁ~~~~~~~ん……。はぁ……どうすればアリスちゃんは機嫌を直してくれるんだろう……。 |
デクス | 美味しいスイーツは──アリスちゃんを納得させられないのはわかってる。ガッカリさせて怒らせてしまうだけだ。 |
デクス | 他にアリスちゃんが欲しがるものは……。くっ……何故だ ! 何故それがわからないオレ !オレのすべてであるアリスちゃんが欲しいものを…… ! |
デクス | いっそ、この世界に一つしかない秘宝とかそういうものが手に入ればなぁ……。 |
デクス | な、なんだ、今の音は ! ? |
キャラクター | 7話【世界7 戦いの音】 |
カーリャ・N | (この森を抜ければエステル様のいる街までもう少しですね) |
? ? ? | お――……前には出── ! |
? ? ? | 注意し──かなり強──…… ! |
カーリャ・N | この音は……誰かが戦っている ? |
謎の魔物 | グォオオオオオオ ! |
クロエ | 来るぞ、ロウ ! |
ロウ | くそ ! こいつ、石の塊のくせに速いぞ ! ? |
リンウェル | ロウ、クロエ、離れて !疾風の舞── ! エアスラスト ! |
謎の魔物 | ! ? |
クロエ | 効いている……か ! ? |
フルル | フルルゥ~ ! |
リンウェル | だめ ! 足止めくらいにしかなってない ! |
ロウ | 頑丈すぎだろ、ったく !クロエ、どうするよ ! ? |
クロエ | どうするもこうするもない !こいつが人里に降りれば大きな被害が出るのは確かだ !何としてもここで討つぞ ! |
ロウ | へへっ、だよな ! !けど、このまま殴ってても埒あかねえぞ ! |
クロエ | いや、少しずつだが攻撃は効いている !隙を見つけて攻撃を重ねればいけるはずだ ! |
ロウ | よし、なら決まりだ。俺が奴の隙を作る。その間に頼むぜ ? |
リンウェル | ロウ ! ? またそういう無茶を…… !自分が打たれ弱いの忘れちゃったの ! ? |
ロウ | その言い方やめろっての !それに、当たらなきゃ関係ねえ。 |
クロエ | ……確かに、私たちのなかで最も素早いのはロウだ。そこは信頼している。だが、奴の力を見ただろう ?一撃でももらえばタダでは済まないぞ ? |
ロウ | そんなヘマしないって。これでも鍛えてんだ。な、リンウェル ? |
リンウェル | ……うん、わかった。クロエ、ロウなら大丈夫だよ。こう見えてもやる時はきっちりやるから ! |
クロエ | ……わかった。リンウェルが信じるのなら、私も信じよう !頼むぞ、ロウ ! |
ロウ | そっちも信じてるからな !行くぜ、リンウェル、クロエ ! |
謎の魔物 | グオオオオオオオオオオオオオオ ! |
ロウ | おせぇおせぇ ! どこ狙ってやがる ! ? |
クロエ | リンウェル ! 今の内に詠唱を !ロウが作るチャンスを見逃すな ! |
リンウェル | うん ! 天雷の裁き── ! |
謎の魔物 | ォォオオオオ ! |
ロウ | っ── ! 今だ ! |
リンウェル | サンダー ! ブレード ! ! |
謎の魔物 | ッ ! ? |
クロエ | その隙、逃さない ! 神影空裂斬っ ! |
ロウ | 見たか、俺たちの連携 !これで── |
謎の魔物 | オオォォ──オオオオオオオオ ! |
リンウェル | 嘘 ! ? |
クロエ | くっ、手応えはあったが浅かったか…… ! ? |
カーリャ・N | そこにいるのは──ロウ様 ! ?リンウェル様、クロエ様も ! ? |
リンウェル | ネヴァン ! ? え、どうしてここに ! ? |
謎の魔物 | オォォ ! ? |
クロエ | 話は後だ !ネヴァン ! すまないが手を貸して欲しい ! |
カーリャ・N | もちろんです ! |
クロエ | ではリンウェルと共に術で足止めを頼む ! |
ロウ | その隙に俺とクロエで同時攻撃だな !打ち込むのは―― |
クロエ | ああ、同じ場所だ !もう一撃叩き込めれば勝機はある ! |
リンウェル | よしっ…… ! ネヴァン、行くよ ! |
カーリャ・N | はい ! 力を合わせて── ! |
謎の魔物 | オオオオオオオオオ ! |
リンウェル | 氷の力 ! |
カーリャ・N | その身に受けなさい ! |
二人 | コチコチ ! ハンマーー ! ! |
謎の魔物 | ── ! ? |
ロウ | やるじゃねぇか !クロエ、俺たちも ! ! |
クロエ | ああ ! 決めるぞ、ロウ ! |
二人 | 飛燕 ! 双天脚 ! ! |
謎の魔物 | オ、オオォ──オオオォォォォ……。 |
リンウェル | や、やった ! 今度こそやったよ ! |
フルル | フッルルルゥ~ ♪ |
ロウ | はぁ~……。マジで、キサラの盾並みに硬い奴だったぜ……。 |
クロエ | だが、何とか討ち取ることができた。ネヴァンが来てくれなかったら── |
謎の魔物B | オオオオオオオ ! |
カーリャ・N | ! ? もう一体…… ! ? |
ロウ | 嘘だろっ ! ?こっちはやっと倒したってのに…… ! |
クロエ | 慌てるな ! 先ほどのように戦えば必ず勝てるはずだ ! |
リンウェル | うん ! クロエの言う通りだよ !ロウ、前衛は任せたからね ! |
ロウ | ……へへっ、そうだよな。よし、もういっちょやってやるか ! ! |
キャラクター | 8話【世界8 森を歩きながら】 |
ロウ | まさかこんなのが二体もいるとはよ……。マジでビビったぜ……。 |
クロエ | 私たちだけでは危なかったかもしれないな。ありがとう、ネヴァン。おかげで危険な魔物を討伐できた。 |
リンウェル | うん ! ホントに助かったよ、ネヴァン。 |
フルル | フゥ~ルルゥ~ ♪ |
カーリャ・N | いえ、お役に立てたようでなによりです。皆さん、お怪我はありませんか ? |
ロウ | 擦り傷程度だ、唾でもつけときゃ──痛ぁ ! ? |
リンウェル | 痩せ我慢しないの。最初にふっ飛ばされた時に肩ぶつけたでしょ ?ほら、痣ができてる。 |
ロウ | こ、こんくらいどうってことねーよ ! |
フルル | フルゥ ! |
ロウ | いだだだぁ ! |
クロエ | ロウ、こういう時は大人しく手当された方がいいぞ ?ほら、これを。打撲に効く軟膏だ。 |
リンウェル | わぁ、ありがとう !ほら、ロウ。こっちに見せて。他に痛めた場所はある ? |
ロウ | あー……尻 ? |
リンウェル | そこは自分で塗ってよ ! |
ロウ | 塗ってくれとは言ってねーだろ ! ? |
カーリャ・N | そういえば、皆さんは何故こちらに ?シオン様からは三人で薬草を採りに出かけたと伺っていたのですが……。 |
クロエ | その薬草が生えているのがこの辺りなんだ。元々別件で来ていたんだが、レイナードからついでにと薬草の採取を頼まれてな。 |
クロエ | 街で準備をしていたら偶然ロウとリンウェルに会ったんだ。 |
ロウ | で、薬草は解熱剤の材料になるから俺たちも採りに行こうってなったんだよ。 |
カーリャ・N | 結果、先ほどの魔物に襲撃されたんですね。 |
リンウェル | こんな大変なことになるとは思わなかったよ~……。 |
フルル | フルゥ~……。 |
クロエ | ロウ、リンウェル。それにネヴァン。巻き込んでしまってすまなかった。まさかあれほど強力な魔物が潜んでいるとは……。 |
ロウ | 気にすんなよ。あんたも言ってたけど、あんな魔物は放置できねぇ。どっちみち倒さなきゃいけなかっただろうさ。 |
カーリャ・N | そうですね。あの魔物が何かの拍子で街を襲っていたら相当な被害が出ていた筈です。 |
カーリャ・N | 危険を冒してまで討伐した意味はあったと思いますよ。 |
リンウェル | うん、そうだね。 |
クロエ | そう言ってもらえると助かる。この礼はいつか必ず…… ! |
ロウ | 真面目だなぁ……。そんじゃ、今度メシ奢ってくれよ。俺とリンウェルとネヴァンにさ。 |
リンウェル | いいね ! ネヴァンもどう ? |
カーリャ・N | 特に巻き込まれたという認識はないのですが……。でも、それでクロエ様が納得されるのならぜひご一緒させてください。 |
クロエ | ああ ! ではネヴァンも満足する美味しいレストランを探しておこう ! |
ロウ | おう !でもよ、まさかネヴァンがここに来るとは思わなかったぜ。 |
リンウェル | うん。シオンのところに来るのは聞いてたから早く戻ろうねって話してたんだけど……。あ~、ネヴァンとお茶したかったな~。 |
カーリャ・N | ですが、こうして無事にお会いできてよかったです。大怪我をしてはお茶どころではありませんから。 |
クロエ | そうだな。療養所のベッドでお茶会は難しいだろう。騒がしくすると怒られてしまう。 |
カーリャ・N | そうですね。件の薬草はもう採取されたのですか ? |
クロエ | いや、森に入った矢先に襲われてな。探すのはこれからだ。 |
カーリャ・N | なら、私にも手伝わせてください。また魔物が襲ってくるとも限りませんし。 |
クロエ | すまない、助かる。早々に見つけて、みんなで街へ帰るとしよう。 |
カーリャ・N | それにしても、ロウ様とクロエ様の技凄まじい威力でしたね。 |
ロウ | へへっ、だろ ?前々から温めてたとっておきだったんだ。 |
クロエ | だが、タイミングが僅かにズレていた。あれは想定していた威力には達していないと考えるべきだな。 |
ロウ | 実戦では初めてだったからなぁ。けど、俺はさっきのでコツを掴んだぜ ? |
クロエ | 奇遇だな、私もだ。そういえばリンウェルとネヴァンのコンビネーションは見事だったな。私たちも見習わなくては。 |
リンウェル | えへへ~ ♪ だってさ、ネヴァン。特訓した甲斐があったね。 |
カーリャ・N | あ、ありがとうございます。ですが、剣技も魔鏡術もまだまだです。クレス様たちのようにもっと精進しなくては。 |
ロウ | ……あー、ところで、ネヴァン。その鞄だけどよ、大丈夫か ? |
カーリャ・N | ? 大丈夫か、とおっしゃいますと ? |
ロウ | だからその。妙に大事そうに持ってるなぁって。 |
カーリャ・N | はい。これはとても大切なものです。ライラ様からお預かりした、エステル様へお届けする品物が入っていますので。 |
ロウ | あ、あぁ、そうなのか。そいつはマジで大切だな。でも荷物にならねーか ? 平気か ? |
カーリャ・N | ええ、問題ありません。そんなに重いものでもないので── |
カーリャ・N | っ ! ? |
リンウェル | わ ! ? コ、コーダみたいなちっさい動物が── |
クロエ | ネヴァンの鞄を奪っていったぞ ! ? |
カーリャ・N | だ、だめです ! 返してください !それは大切なものなんですっ…… ! |
キャラクター | 9話【世界9 無事確保】 |
小動物 | ── ! っ── ! |
ロウ | ぜぇ、ぜぇ、ぜぇっ…… !や、やっと、捕まえたぜっ…… ! |
カーリャ・N | あ、ありがとうございます、ロウ様…… ! |
クロエ | 鞄の中身は無事か ?確認してくれ、ネヴァン。 |
カーリャ・N | は、はい ! |
カーリャ・N | ……特に破損は見受けられません。中身も大丈夫と思われます。 |
リンウェル | よ、よかったぁ~……。 |
小動物 | ── ! |
リンウェル | ……君、もしかしてお腹空いてる ?フルルのおやつ、食べる ? |
小動物 | ! ! |
カーリャ・N | ……おやつを抱えて一目散に行ってしまいました。この鞄に食べ物が入っていると思ったのでしょうか ? |
リンウェル | たぶんね。さっきの魔物のせいで餌がなかなか見つからなかったのかも。 |
ロウ | そういや、ここを通った商隊の連中が動物に荷物を盗まれたとか言ってたな……。 |
クロエ | 野生動物は味を占めると同じことを繰り返すからな。街の方でも注意喚起しておいた方がいいだろう。 |
リンウェル | でも、ネヴァンの鞄を取り返せてよかったよ。 |
カーリャ・N | はい !ありがとうございます、ロウ様、リンウェル様 ! |
フルル | フルゥ~……。 |
クロエ | ふふ。フルルはおやつを取られたことが不満なようだ。 |
リンウェル | あぁ、ごめんフルル ! |
カーリャ・N | も、申し訳ありません、フルル様…… !こちら、お礼というほどの品ではありませんが携帯食糧となります。どうぞ召し上がってください ! |
フルル | フル ! ? フルゥ~ ♪ |
ロウ | お、機嫌直ったのか ?食い物につられるなんてお前も単純な── |
フルル | フルルルルゥ~ ! |
ロウ | いだだ ! ? んだよ、ホントのことだろ ! ? |
クロエ | さて、ネヴァンの鞄も取り返したことだ。薬草の採取を始めてもいいだろうか ? |
カーリャ・N | はい、もちろんです。お騒がせして申し訳ありませんでした。 |
リンウェル | みんなで手分けして、ササッと集めちゃおう ! |
ロウ | 俺は放置かよ ! ?わかった、悪かったって……いでっ ! |
フルル | フッルゥ~ ! |
クロエ | ……よし、これだけあれば十分だろう。 |
リンウェル | 暗くなる前に集まってよかったね。クロエとネヴァンはこれからどうするの ?もう行っちゃう ? |
クロエ | ああ、家に戻るつもりだ。時間に余裕があればアルフェンたちの顔を見に行ったんだがな……。 |
カーリャ・N | そろそろ日が落ちる頃合いです。私も早めにこの森を抜けてエステル様のところへ急ぎます。 |
リンウェル | うん、わかった。二人とも気をつけてね。ここを少し行けば街道に出られるから。 |
ロウ | 特にネヴァンは荷物をちゃんと見とけよ ?すごいもんが手に入るかもしれねーからな ! |
カーリャ・N | ? すごい、もん ? 手に入る…… ? |
リンウェル | あ、あぁ ! なんでもない ! なんでもないからね ! ?もう、ロウっ…… ! |
ロウ | え。あ。やべ。お、おぉ ! なんでもねー ! なんでもねぇぞ ! ? |
カーリャ・N | …………。 |
クロエ | こほん。あー、ネヴァン。お前に相談があるんだが、いいだろうか ?ク、クーリッジのことなんだが……。 |
カーリャ・N | え。あ、は、はい。私でよろしければ。 |
クロエ | クーリッジが以前アジトで振舞われていた唐揚げをまた食べたいと言い出したんだ。だが、私はレシピを知らなくて……もし知っていたら教えて欲しい。 |
カーリャ・N | 確か、ファラ様の生活向上委員会特製のタレが必要だったかと思います。ただ、申し訳ありません。私もそのレシピまでは……。 |
クロエ | そ、そうか。確かミソがベースだったような気がするんだが……。 |
カーリャ・N | あ、それは間違いないかと思われます。あの濃厚さはミソがなければ出せないものかと !他には、そうですね── |
カーリャ・N | (……ロウ様も、リンウェル様も、クロエ様も私に何かをしてくださろうとしている…… ?いえ、それはライラ様もでしょうか…… ? ) |
ロウ | よし、街道が見えてきたな。俺たちは街に帰ろうぜ、リンウェル。 |
リンウェル | うん。それじゃネヴァン、クロエ。またね。 |
クロエ | 今日は本当に助かった、ありがとう。 |
カーリャ・N | ロウ様とリンウェル様も、お帰りの際はご注意を。私のように貴重品を小動物に持って行かれないように。 |
リンウェル | だってさ、ロウ。 |
ロウ | お前も言われてんだろ ! ? |
フルル | フル~ ♪ |
カーリャ・N | ──それでは、皆さん。 |
クロエ | ああ。また会おう、みんな。 |
デクス | ……どうやら行ったようだな。 |
デクス | しかし……すごいもん……そうか、すごいもんか…… ! |
デクス | それは ! それこそ ! アリスちゃんに相応しいものだぁ !あいつらの言うすごいもんさえアリスちゃんに渡せば ! |
デクス | そう !きっとアリスちゃんも機嫌を直してくれるに違いない ! |
デクス | 待っていてくれ、オレのアリスちゃん !すぐに君が欲しているモノを持って行くからね ! |
キャラクター | 10話【世界10 エステルの元へ】 |
カーリャ・N | やはり街道は歩きやすくていいですね。エステル様の街まであと少しでしょうか…… ? |
? ? ? | お、いたぞ ! |
ユーリ | よう、ネヴァン。ここまで無事だったか ? |
フレン | この先の森で手強い魔物が出たと報告があって討伐隊を組む話も出ていたんだが……。 |
カーリャ・N | ユーリ様 ! フレン様 !はい。途中までロウ様たちと一緒でしたので大きな問題はありませんでした。 |
カーリャ・N | フレン様がおっしゃった手強い魔物もロウ様たちと共同で撃破しています。当面は安全かと思われます。 |
フレン | それはよかった。みんな、さすがだね。これで商隊も安心してこの街道を使えるよ。ありがとう。 |
カーリャ・N | いえ。ロウ様やリンウェル様クロエ様のご活躍あってのことです。 |
カーリャ・N | ところで、お二人は何故こちらに ? |
ユーリ | エステルに言われてな。お前の出迎えだよ。 |
フレン | そろそろ日も落ちるからね。エステリーゼ様が心配されるのは当然さ。 |
カーリャ・N | お気遣いありがとうございます。ですが、お二人にわざわざ来ていただかなくても……。 |
ユーリ | オレもそう言ったんだけどよ。フレンもエステルも心配だからって冬眠前のクマみたいにウロウロしちまってさ。 |
ユーリ | ま。ほっとけない病の奴らが多いからな。付き合わされる身にもなれっつーの。 |
フレン | まったく、君はまたそういう言い方をして。すまない、ネヴァン。逆に気を遣わせてしまったね。 |
カーリャ・N | いえ、そんなことはありません。むしろ、皆さんにお時間をとらせてしまい申し訳ありません。 |
カーリャ・N | それに恐らくですが……ローエン様が皆さんにご連絡されたのではないでしょうか…… ? |
フレン | それは── |
ユーリ | そうそう。今回の発起人はローエンのじーさんさ。 |
フレン | ユ、ユーリ ? |
ユーリ | こうやってオレたちが都合よく現れた時点で気づくだろ ? ローエンもバレること前提で仕掛けてんのさ。 |
ユーリ | リンウェルからの連絡、お前も聞いてたろ ?ロウが口滑らせたってヤツ。もうバレてるって。 |
フレン | ……確かに、それもそうだね。もう誤魔化してもしょうがないか。 |
ユーリ | そーいうこと。 |
カーリャ・N | と、おっしゃいますと…… ? |
ユーリ | 長いこと一人で頑張ってたせいなんだろうが……。お前って、どうも息抜きが下手っていうかそもそもちょいと苦手だろ ? |
カーリャ・N | そう……なのでしょうか…… ?あまり意識したことがないのでよくわからないところではあります……。 |
ユーリ | 少なくとも、ローエンにはそう見えたらしいな。それであちこちに連絡して手を回したって訳だ。 |
ユーリ | その結果は……顔を見りゃわかるな。 |
フレン | うん。前よりも表情が明るく見えるよ。肩の力も抜けている。 |
ユーリ | ここに来るまでバタバタしたみたいだがおかげでそれなりに緊張が解けたんじゃねぇか ? |
カーリャ・N | それは……はい、そうだと思います。以前から皆さんとお茶をしたり、お話をする機会はありましたが── |
カーリャ・N | 今回のようにたくさんの方々と気兼ねなく触れ合えた経験はなかったと思います。お二人の言う通り、肩の力は抜けたような気がします。 |
フレン | うん。ローエンさんと色々と仕込みをした甲斐があったよ。 |
カーリャ・N | 仕込み ? |
ユーリ | ローエンたちが何かを仕掛けたのはもう勘づいてるだろ ? |
カーリャ・N | は、はい。ただ、何かまでは……。 |
カーリャ・N | あ……もしかしてですが、エステル様へお届けするこの箱が関係しているのでしょうか ? |
ユーリ | そいつはこれからのお楽しみだ。さ、早いとこエステルのところへ── |
? ? ? | デクス ! シュトラール ! ! |
フレン | なんだ…… ! ? |
ユーリ | ちっ ! おいネヴァン、無事か ! ? |
カーリャ・N | は、はい、問題ありません !ですが…… ! |
デクス | ははははは !一陣の風となって駆け抜けるこの ! オレは !アリスちゃんにしか止められないぜ ! |
ユーリ | デクス ! ? なんでこんなところにいやがる。いや、それよりも今のはどういうつもりだ ? |
デクス | 案ずるな。お前たちを傷つける気はない。用があるのはコレなのだからな ! |
カーリャ・N | その鞄…… ! ?返してください、デクス様 ! |
デクス | すまないが、それは聞き入れられない。これはアリスちゃんに捧げなければならないのだから !では諸君、さらばだ ! |
フレン | くっ、速い ! ? |
ユーリ | 逃がすか ! |
カーリャ・N | はい ! 絶対に取り返しますっ…… ! |
| to be continued |