キャラクター1話【Origin1 村の復興】
カイルえっと……このあたりだと思うんだけど……。あっ !  きっとあの村だよ、リアラ !
リアラふふっ、カイルったら。そんなに急がなくても大丈夫よ。
カイルそうなんだけど、久々に会えると思ったら嬉しくてさ。クレスさんたち、元気にしてるかな~。
リアラ魔鏡通信文だと、村の人たちの復興作業を手伝っているみたいね。
カイルうん。けど、やっぱりまだどこの大陸も大変なんだね。
リアラそうね、帝国との戦いが終わってもその被害がなくなったわけじゃないもの。
リアラだけど、セールンドでフィリップが言っていたようにまずは少しずつ良くなっていくようにしないとね。
カイルよし !  じゃあ、まずはオレたちもクレスさんたちを見習って頑張らなきゃ !
チェスターおっ、お前たち、もう着いてたんだな。
アミィお久しぶりです、カイルさん、リアラさん。
カイルチェスターさん !  アミィ !
チェスターははっ、相変わらず元気そうだな、カイル。それに、リアラもここまで来るのは大変だったろ ?
リアラううん、カイルと一緒だったからあっという間だったわ。
チェスターへぇ、そっちの仲も順調ってことか。おいカイル、後で詳しく聞かせてもらうぜ。
カイルえっ ?  どういうこと ?
アミィもう、そんなこと言ったら二人が困っちゃうでしょ。ごめんなさい、うちのお兄ちゃんが余計なことばかり言って……。
カイルう、うん…… ?オレは全然気にしてないから平気だよ。
カイルそれより、二人はどこかに行ってたの ?
チェスターああ、周りの様子を見るついでにアミィが山菜を採りに行きたいって言ってな。その帰りにお前たちを見かけたってわけだ。
チェスターま、大したもてなしはできねえけどアミィを家まで送ったら、村の中を案内するぜ。
チェスターおっ、いたいた。おーい、クレス、ミント !
クレスチェスター。なんだ、先に二人と会っていたんだね。
チェスターおう、外から戻るときにな。お前たちに早く会いたいって言うから連れて来たんだ。
ミントそうだったんですね。お二人が来てくれると聞いて私たちも楽しみにしていたんですよ。
クレス最近は、僕たちも他の大陸になかなか顔を出せなかったからね。
リアラそれは仕方ないと思うわ。この村だって何も残っていないような状態だったって聞いたわ。
カイルなのに、こんな立派な村になってるなんてクレスさんたちはやっぱり凄いや !
クレスいや、僕たちは少し手を貸しただけで建物や畑も、ほとんどここの人たちが作ったんだ。
クレスむしろ、僕たちにも不便がないように家を用意してくれたりしてお世話になっているくらいだよ。
リアラだけど、ここに人が集まったきっかけはクレスたちだと思うわ。
カイルうん、みんなクレスさんたちに感謝してるって言ってたよ。住むところがなくて困っていたときにクレスさんたちの噂を聞いて来たって人もいたし。
チェスターそうだぜ、クレス。お前はいつも謙遜しすぎなんだよ。もう少し威張ってもバチは当たらねえぞ ?
クレスそれはどうかと思うけど……。でも、村の人たちがそう思ってくれているのは僕としても誇らしいかな。
クレスただ、村の復興っていうのは僕がやりたかったことの一つだから……。
チェスター………… ?
アミィクレスさん、ミントさん。お話の途中にごめんなさい。少しいいですか ?
チェスターアミィ。お前、家で待ってるんじゃなかったのか ?
アミィそのつもりだったんだけど「お客さんが来るならどうぞ」って隣のおばさんが食材を分けに来てくれたの。
アミィその時に、息子さんがクレスさんを捜しているって聞いて、ここにいるかなって……。
クレスえっ ! ?  いけない !  もう稽古の時間だった !
カイル稽古 ?
ミントはい、クレスさんは村の子供たちに剣術を教えているんです。
チェスター今じゃあ、すっかり子供たちの前では『クレス先生』だもんな。
チェスターで、その先生が遅刻してちゃあ生徒たちに合わせる顔がねえぞ ?
ミントすみません、クレスさん。私の用事を手伝ってもらったばかりに……。
クレスミントのせいじゃないよ !時間を忘れてた僕が悪いんだ。
チェスターとにかく、子供たちが待ってるんだったら早く行ってやれよ。
クレスでも、ミントから頼まれた用事が……。
チェスターなら、そっちはオレがやっとくよ。大方、集会所に荷物を運ぶ仕事だろ ?
クレスありがとう、チェスター。それじゃあ、頼むよ。
チェスターおう、任せときな。
カイルねえ、クレスさん。その稽古だけど、オレも一緒に行っていいかな ?
クレスえっ、カイルもかい ?
カイルうん、子供たちの相手ならオレもよくやってたから手伝えるんじゃないかと思ってさ。
クレスそうだね、カイルならすぐに仲良くなれると思うしいい刺激になりそうだ。
チェスターそんじゃあ、こっちもリアラに手伝ってもらうか ?ミントが集会所に出入りしてたらまた村の連中が集まってきそうだしな。
リアラわたしは別に構わないけれど村の人たちが集まるのと何か関係があるの ?
チェスターミントはミントで、みんなの悩みを聞いててな。いつの間にか、集会所がミントの相談室みたいになっちまったんだよ。
チェスター人気がありすぎて行列が出来るくらいだからリアラにはそっちを手伝ってもらえないかと思ってな。
リアラそうだったのね。だけど、わたしで大丈夫かしら…… ?
カイル大丈夫だよ !  リアラは優しいしいつもオレの話をちゃんと聞いてくれるじゃないか。
ミントええ、私もリアラさんなら、村の人たちも安心してお話できると思います。
リアラわかったわ。それじゃあ、わたしはミントとチェスターについていくわね。
チェスターよし、それじゃあ用事が全部終わったらオレの家に集まるってことで。
チェスターアミィは留守番と今日の晩飯を頼むぜ。
アミィはーい。お兄ちゃんも、張り切りすぎて邪魔しないようにね。

キャラクター2話【Origin2 食卓を囲んで】
カイルうん !やっぱりアミィのマーボーカレーはすっごく美味しいよ !
アミィふふっ、ありがとうございます。おかわりもありますからいっぱい食べてくださいね。
チェスターそれで、そっちはどうだったんだ。子供とはいえ大変だったろ ?
カイルあはは、確かにみんな、元気だったなぁ。けど、オレも一緒に楽しんじゃって……。
カイルだから、ちゃんとクレスさんの手伝いになってたのかわかんないんですけど。
クレスもちろんなってたよ。みんなも新しい先生だって喜んでたし。
カイルそれならよかったです !子供たちと稽古してたらなんだか懐かしくなっちゃったなぁ……。
リアラカイルの家にも、小さい子がたくさんいたわよね。みんなカイルのことをお兄さんみたいに慕っていたわ。
クレスカイル、もしよかったら明日もどうだい ?もちろん、二人の予定もあるだろうけど……。
カイルう~ん、どうしよう。ねえ、リアラ。少しだけ帰るのが遅くなっても大丈夫かな ?
リアラわたしは平気よ。でも、念のため後でハロルドに連絡しておくわね。
ミントそういえば、お二人はハロルドさんに頼まれてセールンドへ行っていたのでしたね。
リアラええ、フィリップたちからハロルドに連絡があって調べて欲しいっていうサンプルを預かってきたの。
カイルハロルド、最近はカーレルさんの手伝いで忙しいみたいだからオレたちが行ってきたんです。で、預かったものがこれなんですけど……。
チェスターこりゃ、なんかの魔鏡機器か ?
カイルうん、だけど調べて欲しいのはこの中に入っているエネルギーなんだってさ。
カイルなんでも、バルドさんの身体から採取されたらしいんだけどセールンドで調べてもわからなかったみたいで……。
ミントもしかして、バルドさんに何かあったのでしょうか ?
リアラううん、彼自身はなんともないって言ってるみたい。だけど、バルドの身体はバロールの力で甦ったから定期的にジュニアが様子を見ていたそうなの。
カイルその時に見つけたのが、この謎のエネルギーだって言ってたけど……。すみません、オレ、途中から話についていけなくて……。
チェスターまあ、オレたちが聞いたってわからねえだろうな。
ミントでも、本人が大丈夫だと言っていてもやっぱり心配ですね……。
クレス……僕たちにも、何か出来ればいいんだけど。
チェスタークレス、こういうのは適材適所ってやつだろ ?フィリップたちが動いてるなら心配ねえって。
チェスターなんでもかんでも背負い込もうとするのはお前の悪い癖だぞ。
クレス……そうだね、ありがとう、チェスター。
アミィでも、バルドさんたちってもうすぐ別の場所に行っちゃうんだよね ?
チェスターそういやそうだったな。あいつとしては、その前に自分の問題は解決しときたいってわけか。
チェスターなら、オレたちがやるべきはあいつらが安心して旅立てるようにこの世界の問題を解決しとくことだな。
リアラそうね。わたしも今日、村の人たちの話を聞いて改めて実感したわ。ここで暮らす人たちはまだまだ不安を抱えている、って……。
リアラだけど、それと同じくらい将来のことも考えていた。だからこそ、こんなに短い時間で立派な村が出来てお互いに支え合っていけるんだってわかったの。
ミントはい、少しずつですが、前に進んでいる結果だと私も思います。
クレスああ、ミントの言う通りだ。僕たちも、先へ進まないと……。
チェスター……どうした、クレス ?
クレスああ、ごめん。なんでもないよ。それより、アミィちゃんが作ってくれたご飯を冷めないうちに食べないとね。
アミィはい、クレスさんもいっぱい食べてくださいね。
チェスター…………。

キャラクター3話【Origin3 いつも通り】
チェスター……よし、いい感じだ。今の感覚を忘れないようにしねえと。
チェスター……ん ?おい、誰かいるのか ?
クレスごめん、僕だよ。
チェスターなんだ、お前かよ。だったら隠れてねえで、すぐに出て来いっての。
クレス邪魔したら悪いと思って……。
クレスやっぱり、まだ特訓は続けていたんだね。
チェスターもう習慣になっちまってんだ。浮遊島にいた頃は、夜中に出歩くのもなんだから時間をずらしたりしたけどな。
チェスターそれより、お前こそ、こんな時間にどうしたんだよ ?
クレス別に、何か用事があったわけじゃないんだ。ただ、なんとなく外を歩いていただけさ。
チェスターへえ。それで、寝付けない理由はなんなんだ ?
クレスえっ ?
チェスターお前、飯食ってるときに考え事してただろ ?それが原因じゃねえかと思ってな。
クレス……ははっ。見抜かれていたんだね。
クレス……でも、その通りだよ。カイルたちの話を聞いて真剣に考えてみたんだ。
クレスデミトリアスたちとの戦いも終わって世界は平和に向かって進んでいる。だけど、僕自身はどうなんだろう、ってね。
チェスターどうって……お前はちゃんとしてるだろ ?この村の復興を手伝いたいって言ったのはお前じゃねえか。
クレスそれはたぶん、僕がこの村をトーティス村に重ねていたからなんだ。
クレストーティス村の復興は、僕が元の世界でやり残したことの一つだから。
チェスター……そうだな。ダオスを倒して旅が終わったんならオレも一緒に帰っただろうぜ。
クレス……だけど、ここはトーティス村じゃない。いつか復興を遂げて、自立していく。そうしたら、僕たちもこの村を離れることになる。
クレス……そのあとは、僕は一体何をしているんだろう。そんなことを考えるようになったんだ。
チェスターなるほどな。つまり、お前はこの先自分のやりたいことがなくなっちまうかもしれねえと思ってるわけだ。
クレスそう……なのかもしれないね。
チェスター……くっ。ははっ…… !
クレスチェスター ?
チェスターはははははははっ !お前、そんなことで悩んでたのかよ !
クレスそんなことって…… !こっちは真剣に話したんだぞ !
チェスターわかってるよ。お前は昔から真面目過ぎるからな。けどな、そんな先のことなんてその時になってから決めりゃあいいんだ。
クレスだけど……。
チェスターいいから、お前が正しいと思うことをやってみろよ。そうすりゃ、なんでも上手くいくと思うぜ。オレたちのときもそうだっただろ ?
クレス『オレたち』って……何の話だい ?
チェスターオレとアミィがトーティス村に来たときのことだよ。あの時も、お前がオレたちを助けてくれただろ ?
クレスそんな……僕は助けたつもりなんて……。
チェスターお前にはなくても、オレたちはそう思ってんだよ。お前がオレたちを受け入れてくれたからオレもアミィもトーティス村が故郷になったんだ。
チェスターだからもっと自信持てよ。お前が進む道はいつも正しいってな。
クレスチェスター……。
チェスターま、わざわざ悩む必要なんかねえってことだ。それに、もし何かあったらオレも力を貸してやるから安心しろ。
クレス……ありがとう、心強いよ。やっぱりチェスターに話して正解だった。
チェスター何年お前の親友でいると思ってんだよ。そんくらいお見通しだっての。
チェスターお前はそのままでいいんだよ。これからもな。

キャラクター4話【Origin4 稽古】
クレス――はい、そこまで !少し休憩にしよう。水分はしっかりととっておくように。
子供たちはい !  クレス先生 !
カイルふぅー。オレも喉がカラカラだ……。
リアラカイル。水筒持ってきたわよ。
カイルありがとう、リアラ !ごめん、すっかり夢中になっちゃって……。
リアラううん、頑張っているカイルを見られてわたしも楽しかったから平気よ。
活発な子供ねーねーカイル兄ちゃん !次は俺に技を教えてよ !
不満そうな子供あっ、ずるいぞ !僕が教えてもらおうと思ってたのに !
活発な子供いーや、俺が絶対先だからな !
不満そうな子供僕だもん !
カイルわかったわかった !ちゃんと二人に教えるから喧嘩は駄目だぞ。
活発な子供はーい。
不満そうな子供う~、約束だからね、カイル兄ちゃん !
リアラ大人気ね、カイル。
カイルおかげでオレもへとへとだよ。まあ、元気なのはいいことなんだけどさ。ウチにいた子供たちといい勝負かも……。
リアラねえ、カイルはやっぱり自分の家のことを懐かしく思ったりする ?
カイルそうだなあ、たまに思うことはあるよ。みんな元気にしてるのかなぁ、とかいたずらして母さんに怒られてないかな、とかさ。
カイルだから、ここの子供たちと一緒にいるとみんなのことを思い出してオレもなんだか落ち着くのかも。
カイル……って、ごめん !オレ、自分ばかり楽しんでリアラを付き合わせちゃってるよね……。
リアラううん、そんなことない。こういった何気ない時間でもカイルと一緒に過ごせているだけで幸せだから。
カイルリアラ……。
リアラごめんなさい、こんなこと、わざわざ言わなくてもいいよね。
カイル……ううん、オレも同じ気持ちだよ。こうしてリアラと一緒にいられて幸せだ。
カイルでも、オレはリアラと一緒にやりたいことがまだまだたくさんあるんだ。
カイルこの世界をいっぱい回ってまだ見たことない場所に行ってみたり冒険だってしたい !
カイルそれで、いつかは父さんみたいな英雄になって……そのときには、リアラが傍にいて欲しいんだ。
リアラ……ありがとう、カイル。でも、何度も言っているけど、カイルはもうわたしにとっての英雄なの。
カイルだったら、もっとリアラの英雄に相応しい英雄になる !それならいいよね ! ?
リアラふふっ、何それ。可笑しなカイル。
カイルええっ、変かなぁ ?
リアラ……ううん、やっぱりカイルらしいかも。
カイルでしょ ?  なんかこう、オレの英雄への道がここから始まるって感じ !
チェスターへえ。なら……こんな感じか ?
チェスター『少女の為に英雄となることを誓ったカイル。たとえその道が長く、果てしのないものだとしても揺らがぬ意志を胸に最初の一歩を踏み出すのであった』
カイルチェスターさん !  なんかそれカッコいい !
チェスターははっ、だろ ?お前たちの話を聞いてたらつい言いたくなっちまってな。
クレスチェスター。その前に立ち聞きしてたのを謝ったほうがいいんじゃないか ?
チェスターおいおい、それはお前も一緒だってことを忘れるなよ ?
クレスいや、僕は二人の話を邪魔しちゃ悪いと思って……。
リアラいいの。隠すような話じゃないもの。それより、チェスターも稽古を受けに来たの ?
チェスターいや、オレは集会所へ行くところだ。その前に、ちょっと顔を出しただけさ。
カイルそっか。アミィたちはまだ集会所にいるんだよね。
チェスターたぶんな。オレは家の掃除と弓の手入れが終わったから退屈なんだよ。
クレス偉いね、チェスター。ちゃんと家の掃除もしてるなんて。
チェスターあのな……オレだって、なんでもかんでもアミィにやってもらってる訳じゃねえぞ。
クレス冗談だよ。ミントに会ったら、手伝いが必要なときは言ってと伝えて――
ミントクレスさん……あの、少しいいでしょうか ?
クレスミント !  それにアミィちゃんも……。何かあったのかい ?
ミントそれが……村の外に出掛けていた人から近くの森で魔物の群れを見たという報告があったんです。
クレスなんだって ! ?  それで、その人は ?
アミィ大丈夫です。幸い、魔物には気付かれなかったみたいで無事に逃げてこられたと言っていました。
クレスそうか……ならよかったけど……。
チェスターでも近くにいるってことは村に入ってくる可能性もあるよな ?
ミントはい……。村の人たちも、今までこの辺りに魔物なんて出たことがなかったので不安に思っているみたいです。
クレスわかった。僕たちが様子を見てくるよ。ミントとアミィちゃんは、念のため村の人たちに事情を説明して、集会所に集まるように言ってほしい。
クレスあそこは丈夫な建物だから万が一、何かあっても外に出なければ安全だろうしね。
ミントはい、すぐに声を掛けるようにします。
チェスタークレス、オレも一緒に行くぜ。近くの森なら、地形は頭に入ってるからな。道案内は任せとけ。
クレス助かるよ。カイルとリアラは――
カイルクレスさん、オレも一緒に連れて行ってください !
リアラカイルが行くなら、わたしも行くわ。
クレスありがとう、二人も来てくれるなら心強いよ。
チェスターんじゃ、さっさと行こうぜ。
アミィ……お兄ちゃん。
チェスター心配すんなって。魔物の群れなんて、すぐに退治してきてやる。
クレスそれじゃあ、行ってくるよ。ミント、アミィちゃん。村の人たちのことを頼むね。
ミントわかりました。クレスさんたちも、どうかお気をつけて。
ミントでは、私たちも皆さんに声を掛けに行きましょう。
アミィ……はい。
ミントアミィちゃん ?
アミィごめんなさい、ミントさん。クレスさんたちなら大丈夫だってわかってるんですけど、なんだか不安で……。
ミントアミィちゃん……。
アミィ……駄目駄目 !私がこんな顔してたら、村の人たちだって心配になりますよね !
アミィ(……だけど、何だろう、この気持ち。ずっと昔に味わったような……)
アミィ(そうだ……あれは私が……この世界に来て目を覚ます前の……)
ミントアミィちゃん、あまり無理はしないでくださいね。体調が優れないようでしたらすぐに言ってください。
アミィはい。もう大丈夫です。
アミィ……うん、きっと私の気のせいだよね……お兄ちゃん。

キャラクター5話【Origin5 魔物たちの異変】
チェスター魔物の群れがいたってのはこのあたりだな……。
クレスああ。ここからは警戒しながら進もう。
リアラ待って !  見て、あの茂みの奥……。
カイル魔物だ !
チェスター思ったよりも数が多いな。どうする、クレス ?
クレス……まだこっちには気付いてないようだけどこれだけの魔物を一気に相手にするのは危険かもしれない。
チェスターだったら、オレの弓とリアラの術で先に何匹かやっつけておくのはどうだ ?
クレスうん……それなら上手くいくかもしれないけど……。
チェスターなんだ、まだ何か不安なのか ?
クレスああ、ミントも言ってたけど村の近くに魔物が出ることはほとんどなかった。それなのに、どうして急にこんな数が……。
チェスターそいつを考えるのは後にしようぜ。とにかく、今は目の前のやつらをなんとかしねえと村の連中も落ち着かねえだろ。
クレス……そうだね、チェスターの言う通りだ。それじゃあ、さっきの作戦でいこう。
リアラええ、最初はわたしに任せて。
リアラ――エンシェントノヴァ !
クレス今だ !  行くよ、カイル !
カイルはいっ !くらえ !  蒼破刃 !
カイルよしっ、次だ !
クレス僕も負けてられない !飛燕連脚 !
クレスカイル、この調子でいこう !敵が怯んでいる今がチャンスだ !
魔物グルルルルルッアアア ! ! ! !
カイルクレスさん、危ない ! ?
チェスターさせるかよ !  紅蓮 ! !
カイルクレスさん、今、全然魔物のほうを振り向かなかった……。
クレスチェスターがいるからね。それよりも――
新たな魔物の群れグルルルルルッ ! !
リアラ別の魔物 ! ?それも、さっき倒したのと同じくらいいるわ !
カイルだったら、またオレたちで倒せばいいだけだ !
カイル――よし、今のが最後だったみたい。
チェスター思ったより時間がかかっちまったな。けど、これでひとまずは安心だろ。
クレス……やっぱり変だ。
リアラどうしたの、クレス ?
クレス……いや、やっぱりおかしいんだよ。魔物が突然こんなに増えるなんて、普通じゃない。
クレス元々別の場所にいた魔物が移動してきたって可能性もあるけど……。
チェスター魔物同士の縄張り争いとかか。それならこの辺にはいなかったはずの魔物がちらほらいたのも説明がつくな。
カイルあっ、そういえば……。
クレス何か心当たりがあるのかい ?
カイルえ、えっと……すみません。よく考えたらファンダリア大陸のことだから関係ないような気も……。
リアラもしかして、ロニやナナリーのこと ?確かに、今の状況と似ているかも……。
チェスターあいつらにも何かあったのか ?
クレスカイル、僕たちにも聞かせてくれないか。
カイルわかりました。えっと、オレたちがセールンドに行った帰りだってことは言いましたけど本当はロニも一緒に来るはずだったんです。
カイルそれが、ナナリーからの救援があって来られなくなっちゃって……。
リアラその救援っていうのが人の居住地に魔物が頻繁に現れるようになったという内容なの。
リアラナナリーの話だと、その場所も今まで魔物が出るようなところじゃなかったみたい。
チェスター確かにオレたちの状況と似てるな。けど、カイルの言う通り、別の大陸の話なら関係なさそうなもんだが……。
クレスあるいは同じようなことがこの大陸でもいや、ひょっとしたら世界中で起きている可能性も……。
チェスターおっと、魔鏡通信だ。アミィからだな。
チェスターアミィ、どうした ?こっちはちょうど魔物を倒して――
アミィお兄ちゃん ! !  大変なの ! !村が……村のみんなが…… ! !
チェスターアミィ ! ?  どうしたんだ ! ?
アミィそれが……こっちにも魔物がたくさん来て…… !今はミントさんや村の人たちが止めて…… !きゃああああっっ ! !
チェスターアミィ ! !  アミィ ! !  おい、返事をしろ ! !くそっ、通信が切れてやがる ! !
カイルチェスターさん ! ?オレたちも追いかけよう !
クレスああ ! !
クレスアミィちゃん……ミント……。無事でいてくれ…… !

キャラクター6話【Origin6 襲われた村】
リアラひどい……建物がほとんど壊れてしまってるわ……。
チェスターアミィ ! ! おい !  いたら返事をしてくれ ! !
クレス誰もいない……。二人だけじゃなく、村の人たちも……。
カイル……あっ !  クレスさん、チェスターさん !ここに落ちてるの、魔鏡通信機だよ !
クレス本当だ !  だけど、壊れてる……。
リアラじゃあ、ここでアミィは魔物に襲われて……。
チェスターそんなはずはねえ !アミィは絶対ここにいる !早く見つけねえと ! !
クレス待つんだ、チェスター !
チェスター放せ !お前だってミントが心配じゃねえのかよ ! ?
クレス心配に決まってるだろ !ミントにも何度も連絡したけど繋がらない……。だけど……だからこそ落ち着かなきゃ駄目なんだ !
クレスチェスター、僕たちがここに来るまでに一人でも倒れている人を見たか ?
チェスターそれは……。
クレスこれだけ村に被害が出ていて誰も犠牲になっていないなんて普通はあり得ない。
クレスでも、もしミントたちが村の人と一緒に避難してくれていたら……。
カイルそうだよ、チェスターさん !きっと、アミィもミントさんも村の人たちだってみんな無事です !
リアラだけど、どこに行ったのかしら。この近くに、他に安全な場所があるの ?
クレス待ってくれ !  魔鏡通信だ !
ミント……レス、さん、聞こえますか ?  クレスさん…… !
クレスミント !  ああ、聞こえるよ !
ミント……よかった。すみません、魔物と戦っていたときに魔鏡通信機が故障したようで……。何度も連絡をしようとしたのですが……。
チェスターおい、ミント !  アミィは !  アミィは無事なのか ! ?
ミントはい、アミィちゃんも村の人たちも、全員無事です。
チェスターそうか…… !
ミントただ……怪我をしてしまった方が何人かいてアミィちゃんにも看護を手伝ってもらっています。
ミント今は山にある洞窟に隠れていますが魔物も追ってきていて、身動きが取れない状況なんです。
カイルそれじゃあ、今も危険ってことじゃないか ! ?
クレス僕たちもすぐに向かうよ !ミントたちはそのまま、魔物に気付かれないように身を隠しててくれ。
ミントはい、ここにいる人たちは、私がお守りします。だから、――スさ――どう――き――――
クレスミント ?  ミント、聞こえるかい ! ?……駄目だ、また繋がらなくなった。
リアラだけど、ミントたちの居場所はわかったわ。
カイルうん !  オレたちで魔物を倒せば大丈夫だよ !
クレスああ、急ごう !
チェスター……待ってろよ、アミィ。すぐに助けに行くからな !

キャラクター7話【Origin8 異様な魔物】
負傷した村人……ううっ。
ミント……これで、少しは痛みが和らぐと思います。ですが、無理に動くと傷口が開いてしまうので安静にしていてください。
負傷した村人すまない、ミントさん……。それで、外の様子はどうなっているんだ ?
ミント……まだ多くの魔物の気配があります。ですから、今はまだここに隠れているほうが安全だと判断しました。
負傷した村人そうか……なあ、ミントさん。さっき、怪我をした連中とも話し合ったんだが俺たちのことは置いていってくれないか ?
アミィ何を言ってるんですか ! ?そんなこと…… !
負傷した村人ははっ、やっぱり反対されるよな……。でも、最後まで聞いてくれ。俺たちが足手まといになってるのは事実だ。
負傷した村人だから、せめて子供たちだけでも無事に逃げてほしいんだ。
アミィそんな……。
負傷した村人未来ある子供たちが生き残ってくれるならたとえ魔物に殺されたとしても、後悔はないよ。
ミント……いいえ。申し訳ありませんがその提案を受けることはできません。
負傷した村人優しいな、ミントさんは……。だけど……。
ミント私の意見が変わることはありません。
ミントどんな状況でも、決して諦めないでください。皆さんのことは、私が必ずお守りしますから。
負傷した村人ミントさん……。
アミィそうですよ !  それに、お兄ちゃんたちがこっちに向かってるんです !
ミントはい、クレスさんたちが来てくれれば何も心配はいりません。ですから――
アミィな、なに…… !
見張りをしていた村人たっ、大変だ !入口のバリケードが壊された !魔物たちが入ってくるぞ !
ミント皆さん !  すぐに別の出口へ向かってください !私は少しでも時間を稼ぎます !アミィちゃんも避難を !
アミィミントさん……でも…… !
ミント大丈夫です、私も隙をみて避難しますから。
アミィ……わかりました。ミントさん……必ず戻ってきてくださいね !
魔物グルルルルルルルアアアアッ ! !
チェスターどけっ !  こっちは急いでんだよ ! !
チェスター次から次へと出てきやがって…… !
カイルチェスターさん、オレが前に出ます !だから、少し休んでください。
チェスターこんなときに休んでられるかよっ !オレの心配なんかしなくていいっ !
クレス駄目だ、チェスター !カイルの言う通り、いったん下がってくれ。
チェスターなんだと ! ?
クレス今のチェスターは冷静な戦い方ができていない。それに、さっき魔物の攻撃を防いだときに手を痛めただろ ?
チェスター……くっ。
クレス……リアラ、チェスターに治癒術を。その間は、僕とカイルが魔物に対処する。
リアラチェスター、今はクレスの言うことが正しいわ。あなたが無理をして何かあったら誰が一番悲しむかわかるでしょう ?
チェスター……悪かった。オレだってわかってんだよ。こういう時こそ冷静にならなきゃいけねえって……。
チェスターけどな、どうしても『あの時』の記憶が蘇ってくんだよ…… !
クレス……僕も同じだよ、チェスター。けど、ここはあの時のトーティス村じゃない。
クレスだから、僕たちの手で必ず――
魔物 ?―――――― ! !
カイル! !  こいつはオレが倒します !はあああっ ! !  空破絶風撃 ! !
魔物 ?――――
カイルっ !  効いてない ! ?
魔物 ?―――― ! !
カイルぐわああっっ !
リアラカイル ! !  よくも…… ! !エアプレッシャー ! !
クレス一気に畳みかける !  鳳凰天駆 ! !
リアラカイル !  大丈夫 ! ?
カイルうん……オレは平気だよ。でも、あの魔物……少し変な感じだった。
リアラ……わたしも、今までの魔物とは違う雰囲気を感じたわ……。でも、あれだけ攻撃を受けたら――
クレス! ?  みんな、構えろ ! !
魔物 ?――――
チェスター嘘だろ…… !  クレスたちの攻撃をまともに受けて無傷かよ…… !
魔物 ?―――― ! ! ! !
カイルこっちに来る ! !リアラ、オレの後ろに !
カイルこいつ……やっぱり強い ! !
クレスカイルたちから離れろ !
チェスターくらえっ…… ! !  轟天 ! !
カイル…… ! !駄目だ !  この魔物、オレたちの攻撃が効かない ! !
チェスターくそっ、どうなってんだ ! ?
カイルいや……それだけじゃない……。なんだ、この違和感は……。
リアラカイル、また攻撃がくるわ !
カイルくっ…… ! !
カイル……そうか !もしかして、こいつ…… !
チェスターおい、カイル ! ?一人でどこ行くんだ ! ?
魔物 ?―――― ! !
カイル……やっぱりそうだ ! !クレスさん、チェスターさん ! !こいつはオレを狙っています ! !
クレスなんだって ! ?
リアラでも確かに、さっきからカイルばかりを攻撃しているわ。
カイル理由はわからないけどこいつの狙いはオレなんだと思います !
カイルだから、オレがこの魔物の相手をしている間に先へ行ってくださいっ !
クレスカイル…… !  だけど…… !
カイルオレなら平気です !  こんな奴に絶対負けません !
リアラ待って !カイルが残るのなら、わたしも一緒に戦うわ。
カイルリアラ ! ?駄目だ、リアラもクレスさんたちと……。
リアラごめんなさい、わがままなのはわかってる。だけど、わたしもカイルと一緒に戦いたいの !
カイルリアラ…… !
クレス……わかった。だけど二人とも絶対に無理はしないでくれ !
チェスター信じてるぜ。お前らなら無事に追い付いてきてくれるって。
カイルはい、クレスさんたちも……必ず村の人たちを助けてください !

キャラクター8話【Origin9 未知の力】
リアラ――イフルーヴィアム ! !
魔物 ?――――
リアラ駄目……やっぱりわたしの術も効いてない。
カイルオレたちじゃ倒せないのか…… !こうなったら……。
リアラカイル、もう一度やってみるわ !せめて何か弱点を見つければ……。
カイル……いや、オレがあいつを抑える。リアラはその間に逃げてくれ !
リアラ何を言ってるの、カイル ! ?
カイルこいつがオレを狙っているのは間違ってなかった。クレスさんたちを追いかける様子もないしきっと、リアラが離れても追いかけてこない !
リアラでも、そんなことをしたらカイルが…… !
カイルオレは、リアラが無事ならそれでいいんだ。だから、リアラだけでも逃げてほしい。
リアラカイル……。
カイル……ははっ、本当はカッコよく魔物も倒してリアラを守れるとよかったんだけどさ。
リアラだったら、わたしは尚更逃げることなんてできない !
カイルリアラ…… !  駄目だ !このままじゃあ、二人ともやられる !
リアラ聞いて、カイル。もし、同じようにわたしだけが敵に狙われていたらカイルはわたしを置いて逃げる ?
カイルそっ、そんなの出来るわけないじゃないか !
リアラ……ええ、そうよね。カイルならそう答えるでしょう ?
リアラだから、カイルはわたしの英雄なの。カイルはどんな時でも、わたしを守ってくれる。
リアラでも、カイルがわたしを守ってくれたようにわたしもカイルを守りたいの !
リアラそれに、これからもずっと一緒にいるって約束したばかりじゃない。
カイルリアラ…… !
リアラ最後まで一緒に戦いましょう、カイル !わたしたちは、こんな魔物に負けたりしないわ !
魔物 ?―――― ! !
リアラ来る ! !
カイルそうだ…… !  オレはずっと英雄になりたかった。父さんみたいな英雄に…… !
カイル……だけど、今は大切な人を守れる人間になりたい。そうじゃなきゃ、リアラに英雄だって言われる資格なんてないんだ ! !
カイルうわあああああっっ ! !
リアラカイルッ ! ?
カイルだ、大丈夫……これ、くらい…… !
――カタンッ。
カイルあ、魔鏡機器……今の攻撃でヒビが……。
カイルな、なんだ ! ?  中から炎みたいなものが…… ! !  リアラッ ! ?
リアラえっ、なに、これ…… !
カイルオレのところにも炎が…… ! !いや、違う…… !  これは…… ! ?
リアラわたしたちの浄玻璃鏡に反応してるの?
カイル感じる……浄玻璃鏡から何かの力が……。
魔物 ?! !
リアラカイル ! !  危ないッ ! ?
カイル何度もやられてたまるかっ ! !たとえ攻撃が効かなくたって ! !
魔物 ?―――― ! ?
カイル……えっ ?
リアラ効いた…… ?カイルの攻撃が…… !
カイルもしかして、この浄玻璃鏡が……。
魔物 ?! ! ! !
カイルよくわからないけどこの力なら戦えるみたいだ !
リアラええ、やりましょう !  カイル ! !
カイルああ !  オレたちが、お前を倒してみせるっ !

キャラクター9話【Origin10 新たな脅威】
リアラはああああああっっ ! !
リアラ今よ、カイル ! !
カイルうおおおおおおっっ ! !
魔物 ?――――――――
カイル……や、やった !  やったよリアラ !
リアラええ、わたしたちの勝ちだわ。
カイルへへっ……どう……だ……。
リアラカイル ! ?
カイルご、ごめん……。なんか急に力が抜けちゃって……。
リアラ待ってて、すぐに治癒術をかけるから。
リアラ……これで大丈夫だと思うけど無理はしないで。
カイルありがとう……あれ ?
リアラどうしたの ?
カイル浄玻璃鏡が割れてる……。
リアラわたしもだわ……。もしかして、さっきの力が原因かしら ?
カイルうん……あの力、一体なんだったんだろ。それに、さっきの魔物だって……。
リアラ今のわたしたちにはわからないことだらけね。
カイルけど、やらなきゃいけないことは変わってないよ。オレたちもクレスさんを追いかけよう !
ミント……皆さん !  私から離れないでください !
怯える子供ミ、ミントさんっ !  俺たちも戦うよ !
涙目の子供そ、そうだよ !  僕たちだってクレスさんに鍛えてもらってるんだ !
アミィ駄目っ !  それだとミントさんがみんなをかばいながら戦うことになっちゃう !
怯える子供で、でも !このままじゃあやられちゃうよ !
アミィ大丈夫…… !絶対、お兄ちゃんやクレスさんが来てくれる !だから…… !
魔物グルルアアアッッ ! !
怯える子供くそっ…… !  こんな魔物、俺だって…… ! !
ミント! ?  いけません ! !
魔物グルルアアッ ! !
怯える子供う、うわあああっっ ! !
アミィ…………っ ! !
ミントアミィちゃん ! !
アミィ私につかまって !魔物から離れれば―― !
魔物グルルルルルルルァ ! ! ! !
アミィきゃああああああああああ ! !
アミィ(……私、死んじゃうの…… ? )
? ? ?―― !  ―― ! !
アミィ(……誰かが呼んでる ?  でも、誰 ? )
? ? ?お――、ぜ―――に、オレが―― ! !
アミィ(この声…… !)
チェスターアミィ !  お前は、絶対にオレが守ってやるんだ ! !
アミィ――お兄ちゃん ! !
チェスターアミィから離れやがれ ! !
魔物グルルァァ ! !
クレスさあ、二人とも !早く僕たちの後ろへ !
アミィクレスさん…… !
チェスターアミィ !  どこも怪我はしてねえか ! ?
アミィう、うん、私は大丈夫 !  だけど……。
怯える子供ううっ、く、クレス先生……。
クレス……足を怪我してしまったのか。けど、大丈夫。後は僕たちに任せてミントに診てもらうんだ。
ミントクレスさん、チェスターさん !すみません……私が付いていたにも関わらず皆さんを危険な目に……。
クレスいや、ミントがいなかったらそれどころじゃなかったよ。アミィちゃんも、よく頑張ってくれたね。
チェスターここから先はオレたちの仕事だ。アミィたちを危険な目に遭わせた落とし前はきっちり付けてもらうぜ ! !
チェスターやるぞ、クレス ! !
クレスああ !  ここの魔物をすべて倒す !――次元斬 ! !
チェスター――哭龍洸羽 ! !
涙目の子供あんなにいた魔物をあっという間に…… !やっぱり、クレスさんたちは凄いやっ !
ミントさあ、皆さんはこちらへ。怪我の手当てをします。
怯える子供ミントさん……それに、アミィも……。ごめんなさい、俺が勝手に戦おうとしたから……。
ミント謝る必要はありませんよ。私たちを助けようとしてくれたんですから。
アミィそうだよ。でも、約束して。今度からは絶対に無茶はしないって。
アミィあなたに何かあったら、お母さんやお友達……それに私たちも悲しい想いをしちゃうから。
怯える子供……うん。
チェスターよしっ、魔物はあらかた片付いたな !
クレスああ、でも油断しないようにしよう。まだ近くに別の群れがいる可能性も……。
魔物 ?―――― ! !
チェスターチッ…… !  言った傍から出てきやがって !速攻で仕留めさせてもらうぜ !
魔物 ?――――
チェスターなにっ ! ?  効いてねぇだと ! ?
クレスこの感じ……カイルたちと戦った魔物と同じだ !
チェスターくそっ、こいつにも攻撃が通じねえのか ! ?
クレス(どうする…… !  本当に攻撃が効かないなら今ここで倒すことはできない)
クレス(せめて、村の人たちが安全に避難できる時間を稼がないと…… ! )
カイルよかった !  間に合った !
クレスカイル、リアラ…… !二人とも、無事だったんだね !
カイルはい !  だけど、この魔物って……。
チェスターああ、お前たちが相手にしてたやつと同じで攻撃が通用しねえ !
カイルあの魔物と同じ……。だったら、オレに考えがあります !
リアラでも、カイル。わたしたちの浄玻璃鏡はもう……。
カイルああ、だけど魔鏡機器の中にはまだバルドさんから採取したエネルギーが残ってる。これをクレスさんたちに使ってもらえば……。
クレスエネルギー ?どういうことだい ?
カイル詳しくはわからないんですけど、オレたちこの魔鏡機器に入っていた力でさっきの魔物を倒せたんです !
チェスター本当か ! ?なら、オレたちにも使えるようにしてくれ !
カイルはい !  二人は浄玻璃鏡を持っていてください !あとは、魔鏡機器に残っている力がきっと…… !
チェスターな、なんだ、この炎は…… !
クレス僕たちの浄玻璃鏡に反応して―― !
クレスこれは…… ! ?
チェスターわからねえ……。今までに感じたことのねえ力だ。
クレスカイル、この力を使いこなせば僕たちもあの魔物を倒すことが出来るんだね ?
カイルはい !  きっとそのはずです。
クレスわかった !  チェスター !
チェスター言われなくてもいけるぜ !
クレスよし、これで終わりにしよう !

キャラクター10話【Origin10 新たな脅威】
チェスターこいつでトドメだ !
クレスうおおおおおおっっ ! ! ! !
魔物 ?――――
クレス……はぁ、はぁ。やった……のか ?
カイルうん !  オレたちの勝ちだよ !
リアラ周りに魔物の気配もないしもう安全だと思うわ。
チェスターふぅ……。ったく、手こずらせやがって。今回ばかりは、さすがに焦ったぜ。
アミィお兄ちゃん !
チェスターアミィ !  って、おいおい、どうしたんだよ ?
アミィだって……だって…… !
ミントアミィちゃんも怖かったんだと思います。ですが、私たちに心配かけないようにとずっと我慢してくれていたんです。
チェスターそっか……よく頑張ったな、アミィ。
アミィ……うん。私、信じてたよ。お兄ちゃんやクレスさんたちが助けに来てくれるって。
アミィでも、ずっと嫌な想像が頭から離れなくて……。怖くて怖くて、仕方なかったの……。
チェスターアミィ……。へへっ、馬鹿だな。お前に何かあれば兄ちゃんが助けに来るに決まってんだろ。
アミィうん……うんっ…… !
チェスター……『今度』は間に合って、本当によかったぜ。
ハロルド――あんたたちに起こったことは大体わかったわ。要は、貴重なサンプルを勝手に使ったってワケね。
カイルえ~、ひどいよハロルド。オレたち、結構危ない目に遭ったんだけど……。
ハロルドそんなの知らないわよ。むしろ、私がお遣いを頼んでなきゃあんたたちも無事じゃなかったってことじゃない。
ハロルドつまり、あんたたちが助かったのは私のお陰ってことにならないかしら ?
カイルいや、それはさすがに違うような……。う~ん、でも、クレスさんたちを助けられたのはあの力があったからなのは確かだし……。
ハロルド冗談よ、冗談。その力については色々と推測できるけどちゃんと調べてみないと正確なことは言えないわね。
ハロルドま、話を聞く限り、バルドから採取されたエネルギーが浄玻璃鏡になんらかの作用を引き起こしたのは間違いないわ。
カイルうん。だけど、その後にオレたちもクレスさんたちも浄玻璃鏡が壊れちゃったからもうあの力は使えないんだよな……。
ハロルドあんた、アホね。運良く動作はしたみたいだけどデバイスに合わないエネルギーを使ったら壊れるのは当たり前でしょう ?
カイルデバイス ?  えっと……。ごめん……全然わからないんだけど……。
ハロルド無茶な使い方をして壊したってことよ。ま、それも貴重なサンプルになるしなんならその力を使ったあんたたちも解剖して――
カイルあー !  わかったわかった !  悪かったよ……。
リアラハロルド、カイルをこれ以上困らせないで。
ハロルドはいはい。ま、バルドのことは冗談抜きでちゃんと調べたほうがいいわね。
ハロルド攻撃が効かないっていう魔物が他にもいる可能性は十分あるんだから。
リアラそうね……。わたしたちが助かったのは偶然だわ……。
ハロルドさ~てと、そうなると忙しくなるわね。久々に他の連中にも声を掛けようかしら ?
カイルハロルド、ちょっと楽しそうにしてない ?
ハロルドそりゃそうよ !  最近は兄貴の手伝いばっかで退屈ったらないんだから。
ハロルドそんじゃ、あんたたちも早くこっちに戻ってきて。ふっふーん、これで兄貴にうるさく言われず好き勝手にできるわ。
カイルあっ、切れた。まあ、聞きたいことは聞けたから大丈夫かな ?
カイルロニたちのところにはあの魔物は出なかったって話だし。たまたまかもしれないけど。
リアラそうね、それに今はなんともないけれど帰ったら、わたしたちの身体も一度見てもらったほうがいいと思うわ。
カイルうん。浄玻璃鏡だって直してもらわないといけないし……。
クレス二人とも、連絡は済んだのかい ?
カイルはい。あの、村の人たちの様子はどうですか ?
クレスそうだね……やっぱり、魔物に壊された村を見て心を痛めている人は多かったよ。
ミントですが、皆さんはもう一度復興すると仰っていました。
チェスター前よりも立派な村にするんだって張り切ってたくらいだからな。
アミィ私たちも頑張らないとね、お兄ちゃん。
チェスターああ。オレたちだってもうこの村の一員みたいなもんだしな、クレス ?
クレスうん。僕たちや村の人……みんなで力を合わせれば、この場所は何度だって立ち直れるはずさ。
チェスターよし !  そんじゃあ、早速始めようぜ。
すず皆さん !よかった、ご無事のようで何よりです。
クレスすずちゃん ! ?  無事って……もしかして、僕たちが魔物に襲われたことをもう聞きつけたのかい ?
チェスターなんだよ、それだったら心配ねえぞ。魔物は全部オレたちが倒しちまったからな。
すず魔物…… ?いえ、そちらは存じておりませんが……。
クレスそ、そうか、僕たちの件は関係なかったみたいだね。それで、すずちゃんはどうしてここに ?
すずはい。私は、鏡映点の人たちが次々と襲われているという情報が入ったので、皆さんの様子を見に来たんです。
カイル鏡映点が ! ?  それ、一体どういうこと ! ?
すず詳しいことは順番にお話しします。ですが、私たちを狙う何者かが現れたのは間違いありません。
リアラもしかして、さっきの魔物も何か関係あるんじゃ……。
クレス……いったい、この世界で何が起きているんだ。
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