キャラクター | 1話【Chapter 01 Hunter】 |
ブリジット | ソルさーん、賞金首のソル=バッドガイさーん。どこにいるんですかー。出て来てくださいよー。 |
ブリジット | おかしいなあ。それらしい人がこの森に入っていったって聞いたのに。 |
ブリジット | それよりも、もしかしてウチ迷っちゃってます ? |
ブリジット | おまけに食糧も尽きたし。 |
ブリジット | 立派な賞金稼ぎになって故郷に凱旋するつもりがウチ、ここで飢え死にしてしまうんでしょうか。 |
ブリジット | そこ、もしかして誰かいるんですか ? |
ブリジット | ああっ、見つけました ! |
スタン | うわっ ! ? |
ブリジット | その格好、ツンツン頭。間違いありません。ソル=バッドガイさんですね。 |
スタン | 待った待った ! 人違いだって !ちょっと服が似てるだけ ! |
ブリジット | えー、ほんとですか ?なんだか誤魔化そうとしてません ? |
スタン | そんなことしてないって。 |
S・ディムロス | 安心するがいい。こいつは多少抜けてはいるが悪党ではない。我が保証しよう。 |
ブリジット | あれ ? 今の声……。 |
スタン | 誰が抜けてるんだよ。あ、今しゃべったのはこの剣なんだ。 |
ブリジット | わぁ、しゃべる剣さんですか ! |
スタン | あんまり驚かないんだな。もっと気味悪がられるかと思ったよ。 |
S・ディムロス | 気味が悪いとはどういうことだ。 |
ブリジット | 面白いじゃないですか。見世物にしたらおひねりたくさんもらえますね。 |
S・ディムロス | 我を、見世物にだと…… ! ? |
スタン | 面白いことは言わないと思うけどなあ。 |
ブリジット | ということは、あなたは旅芸人さんですか ? |
スタン | いや、俺はたしか賞金首―― |
ブリジット | やっぱり ! ? |
S・ディムロス | 馬鹿者 ! お前は賞金首を狙う賞金稼ぎだ ! |
スタン | そ、そうそう、そっちそっち !俺もソル=バッドガイを追ってるんだ。 |
ブリジット | 同業者さんでしたか。でも、賞金首は渡しませんよ。ウチはいっぱい稼いで故郷に帰る―― |
ブリジット | あれ ? 帰る ? 帰った ?ウチは、なにを……。 |
スタン | あー ! そういえば、提案があるんだ ! |
ブリジット | へ ? あ、はい。なんですか ? |
スタン | ソル=バッドガイはかなり強いらしくてさ。だから協力して戦えないかと思って。 |
ブリジット | うーん……。 |
スタン | いくら稼ぎたいといっても命には代えられないだろ。 |
ブリジット | 確かに。そうかもしれませんね。 |
スタン | よし、決まりだな !俺はスタン。こいつはディムロスだ。 |
S・ディムロス | スタンともどもよろしく頼む。 |
ブリジット | ブリジットです。こちらこそ、よろしくお願いしますね。 |
ブリジット | ところで、どっちに行けば森から出られるかわかりますか ? |
スタン | あー……あっち、かな。 |
ブリジット | ありがとうございます。じゃ、出発しましょう。 |
スタン | ふぅ……。なんとか信用してもらえたみたいだ。 |
S・ディムロス | まったく、冷や冷やさせてくれる。今後も気を抜くなよ。 |
スタン | わかってるって。これも、ブリジットを救うためなんだからな。 |
キャラクター | 2話【Chapter 02 Departure】 |
ソル | ん……ここは、アークとかって街か。 |
ラムレザル | さっきまで、部屋にいたのに……。 |
ワイズマン | 急にお呼び立てしてすみません。どうしてもお二人の力を借りたかったのです。 |
ラムレザル | 私たち ? |
ソル | そりゃロクでもねえことが起きてますって言ってるようなもんだぞ。 |
ワイズマン | おっしゃる通りです。状況は芳しくありません。 |
ワイズマン | 覚えていますか ? 以前に、ソルさんたちが閉じ込められたあの世界のことを。 |
ソル | あぁ。 |
ソル | 聖皇アリエルスは俺を殺したくねぇが邪魔されたくもなかった。 |
ソル | だから『ゆりかご』に近づかせないよう足止めしようとした。そのための『罠』だ。 |
ラムレザル | でも、お母さ──アリエルスは元の世界で拘束されている。『罠』と、それを動かしていた手下も倒した。 |
ラムレザル | すべて終わったはず。 |
ワイズマン | しかし、『罠』は一つではなかったようなのです。 |
ソル | なんだと……。 |
ワイズマン | より正確に言えば、ソルさんを『罠』へと誘い込む入口が複数存在していたということです。我々は前回その一つを破壊したに過ぎなかった。 |
ソル | 入口自体はまだ他にも残ってるってのか。『慈悲なき啓示』、本当にロクでもねぇもんを作りやがって。 |
ワイズマン | すでにお一人、この『罠』に取り込まれてしまっています。 |
ワイズマン | さらに、御する者を失った『罠』は今現在暴走状態にあると言っても過言ではありません。 |
ワイズマン | なるべく、慎重に対処する必要があります。 |
ソル | また中からどうにかしろってか ? |
ワイズマン | 話が早くて助かります。 |
ミラ=マクスウェル | だが、それだけでは我々まで呼ばれた理由にはならないだろう。 |
ミラ=マクスウェル | 我々はそのアリエルスとやらも『罠』についても知らないのだからな。 |
スタン | 俺たちは何をすればいいんだ ? |
ワイズマン | 簡単に言えば、核となっている人物を『正解』へと導くことです。 |
スタン | 正解 ? |
ワイズマン | 『罠』が作り出す世界は『核となる人物』の記憶が元になります。出来る限り記憶をなぞりその人物の願いを果たすことで解除できるはずです。 |
ワイズマン | しかし『罠』は制御する者を失って非常に不安定です。『核となる人物』が激しく動揺すれば皆さんを巻き込んで崩壊しかねません。 |
ソル | 『核となる人物』とやらを気絶なりなんなりさせて外へ連れ出すんじゃダメなのか ? |
ワイズマン | それもまた『罠』が崩壊する危険があります。 |
ワイズマン | なにより、精神と強く結びついたまま無理に引きはがしてしまうと、核となっている方にどんな影響が出るかわかりません。 |
ミラ=マクスウェル | ふむ、ずいぶんと厄介そうな場所だな。 |
ワイズマン | いざという時に対処できる方々を選んだつもりです。 |
スタン | へへ、そう言われたらやるしかないよな。でもさ、正解に導くってどうするんだ ? |
ラムレザル | みんなで、説得する ? |
ソル | 知らねぇ連中が押しかけてきて「この世界は偽物だ」なんて言ってきやがったら間髪入れずにぶん殴るな。 |
デューク | フッ。真実とは自分で見極めるべきもの。 |
ワイズマン | 『罠』は、迷いや苦悩、そして後悔。そういった『心の隙』に入り込み絡め取ります。 |
ワイズマン | 真実を告げるということは、その『心の隙』と正面から向き合うことと同じです。 |
ワイズマン | ソルさんの時はそれで上手くいきましたが『罠』が不安定であることを考慮すると慎重になった方がいいでしょう。 |
スタン | 確かに、その閉じ込められちゃった人が無事に出られることが一番だもんな。 |
デューク | ならば、接触する者は少ない方がいいだろう。 |
ミラ=マクスウェル | 誰か一人が同行して誘導し残る者がサポートに徹するといったところか。 |
ソル | この中で、一番人当たりの良さそうなヤツは……。 |
スタン | え ? なんでみんな俺を見るんだ ? |
S・ディムロス | 確かに、馬鹿正直なスタンが適任かもしれんな。小難しいことができるかは不安だが……。 |
スタン | 馬鹿は余計だろ ! |
ソル | 俺とラムレザルはあっちの世界じゃ顔を知られてる。悪い意味でな。 |
ラムレザル | 人類に宣戦布告したから。 |
ミラ=マクスウェル | 私もだいぶ学んだつもりだが、初対面の人間は驚かせてしまうことがあるかもしれない。 |
デューク | 私は他者を導くつもりはない。 |
ソル | スタン。お前しかいないだろう。 |
スタン | ……わかった、やってみるよ。人助けのためだしな ! |
ワイズマン | 分担が決まったようですね。では、もう少し具体的な打合せに移りましょう。一刻も早く彼女を解放するために。 |
スタン | よし、それじゃあ出発だ ! |
ワイズマン | さて、私も自分の仕事を……おや ? |
ワイズマン | 何者かが、私が作った防壁をこじ開けて『罠』の中に侵入しようとしている…… ?いったい、何のために……。 |
キャラクター | 3話【Chapter 03 Samurai】 |
スタン | そうだ。この『手配書』を渡しておくよ。どの賞金首もソルほどの額じゃないけど。 |
ブリジット | わあ、ありがとうございます。でも、どうして ? |
スタン | 俺、賞金稼ぎとしてはまだ駆け出しでさ。いきなりソルに挑んでも返り討ちにあうかもしれない。 |
ブリジット | なるほど。確かにソル=バッドガイさんは凶暴で凶悪で手のつけられない暴れん坊だって聞いてます。 |
ブリジット | 物は壊すし人も殴る。子供に首輪をつけて連れ回したり老若男女問わず暴力を振るうとか。 |
S・ディムロス | なんたる悪逆非道…… ! |
スタン | いや、さすがにそこまでひどい人じゃないと思うけど……。 |
スタン | とにかく、そんな相手だからまずは、その『手配書』の賞金首たちを捕まえて実力をつけてからソルに挑もうと思うんだ。 |
ブリジット | わかりました。スタンさんの言う通りにしましょう。 |
スタン | スタンでいいよ。 |
ブリジット | はい。スタン。 |
スタン | それで、最初の賞金首だけど……。 |
ブリジット | なになに ?『人斬りサムライ梅喧』かー。 |
? ? ? | 私を呼んだか。 |
ブリジット | 賞金首さんの方から出て来てくれました。まるで出番を待っていたみたいです。 |
スタン | こ、こういうこともあるって ! |
ミラ=マクスウェル | そうだ。たまたま近くを通りかかったのだ。お前たちは運が良かった。いや、悪かったと言うべきだな。 |
ブリジット | 「無数の暗器で肉塊になるまで切り刻む残虐非道の女剣士」って手配書には書いてますけどそんな怖い人には見えません。 |
スタン | 人は見かけによらないって言うだろ ! |
ミラ=マクスウェル | フフフ……。そうやって油断した者たちが何人この刀の錆となったことか。 |
ミラ=マクスウェル | それを知る頃には、お前たちは血と骨に成り果てているだろう ! |
スタン | す、すごいやる気だ…… ! |
ブリジット | そんなことにはなりません。あなたの悪行、ウチがここで終わらせてあげます ! |
ラムレザル | 始まった。 |
ソル | スタンのやつ、頑張ってるじゃねぇか。ミラの方はやり過ぎだがな。 |
ソル | コソコソするのは性に合わねぇが出番が来るまでのんびり待つとするか── |
デューク | 待て。誰かいる。 |
ラムレザル | そこ ! |
? ? ? | いきなり攻撃してくるとは…… !そちらがその気ならこちらも ! |
ソル | やらせるかよ ! |
カイ | ソル ! ? |
ソル | てめぇは……カイ ! ? |
キャラクター | 4話【Chapter 04 Relation】 |
カイ | ソル、どうしてこんな場所に ? |
ソル | そりゃ、こっちのセリフだ。ここがどこかわかってるのか。 |
デューク | 知り合いか ? |
ソル | ああ、少なくとも敵じゃねぇ。だよな ? |
カイ | ああ、お前たちが本物ならばな。私の知る限り、ソルとラムレザルさんがこんなところにいるはずがない。 |
ソル | それについては説明してやる。とりあえず二人とも剣を納めろ。 |
デューク | ……いいだろう。 |
カイ | わかった。聞かせてくれ。 |
ソル | さて、どっから話せばいいか。 |
ラムレザル | ここが、元の世界ではないということ。そして私たちは同じだけど、同じではない。 |
カイ | 同じでは、ない…… ? |
カイ | ……なるほど。おおよその経緯はわかった。お前たちがもう一人のソルとラムレザルさんだということも理解した。 |
カイ | バックヤードとも違う、別の世界か……。にわかには信じがたいが、否定する根拠もないか。 |
ソル | そういうてめぇはなんでこんなところにいる。 |
カイ | 偶然、ではないな。アリエルスの遺物が発見されたというので調査に来たんだ。そこで奇妙な空間を見つけた。 |
カイ | 見ているだけでは調査は進まないと思ったのでこじ開けて中に入ってみればお前たちがいたというわけだ。 |
ソル | 相変わらず思い切りのいい野郎だ。そもそも、連王が自ら調査に繰り出していいのかよ。 |
カイ | 危険な調査になる可能性があった。部下に犠牲を出すわけにはいかない。私ならどうとでもなる。 |
カイ | ともかく、今はソルの話を信じることにしよう。 |
ソル | ずいぶんと素直じゃねぇか。気味が悪いぜ。 |
カイ | 長い付き合いだ。お前がこんな手の込んだウソをつけないことくらい知っている。 |
ソル | 確かに、そんな面倒なことをするくらいなら今頃はてめぇを叩きのめして言うこと聞かせてる。 |
カイ | 言ってくれる。試してみるか ? |
ソル | ぬかせ。時間の無駄だ。 |
デューク | 騒がしいな。二人はどういう関係なのだ。 |
ラムレザル | カイの奥さんのお父さんがソル。だからソルはカイのお義父さ―― |
カイ | み、皆さんはこれから何を ! ?場合によってはお力になれるかもしれません ! |
ソル | お、おお、そうだな !時間もないことだし、さっさと説明しようじゃねぇか ! |
デューク | 何を慌てている。 |
ラムレザル | わからない。この話をすると、私もぞわぞわする。 |
キャラクター | 5話【Chapter 05 Buddy】 |
ミラ=マクスウェル | ぐあああぁぁ…… ! |
ブリジット | どうです ? すごいでしょ ! |
スタン | ほんとにすごいよ !ブリジットがこんなに強いとは思わなかったなぁ。 |
ブリジット | でも、なんだか変じゃありません ?手応えがないというか……サムライのわりには法力もたくさん使ってきましたし。 |
スタン | で、でも、人相は手配書の通りだっただろ ?自分でも名乗ってたしさ。 |
ミラ=マクスウェル | うむ。人を疑うのはよくないぞ。 |
ブリジット | うわ、もう起きたんですか ! ?でも、本物かどうかは警察に突き出せばわかりますね。人違いだったらその時はごめんなさいしましょう。 |
スタン | そうそう、俺もいっしょに謝るからさ。とりあえずミ……じゃなかったこのサムライは捕らえて連れて行こう。 |
ブリジット | ところで、いつ頃森を抜けられるんでしょうか。ウチ、お腹空いちゃいました。 |
ミラ=マクスウェル | 私もだ。 |
スタン | うーん、日が暮れる前に森を抜けるのは無理そうだな。今日はキャンプして、明日早くに出発しようか。飯も簡単なものなら俺でも作れるし。 |
ブリジット | ほんとですか !しましょう、キャンプ ! |
ブリジット | 美味しかったです。スタンは料理もできるんですね。すごいです。 |
スタン | 妹に比べたら、俺なんて全然だよ。 |
ミラ=マクスウェル | いや、なかなかの腕前だった。自信を持っていいと思うぞ。 |
ブリジット | 捕まってるのになんでそんなに偉そうなんですか。 |
スタン | まあまあ。それより、ブリジットはどうしてソルを追ってるんだ ? |
ブリジット | 別に、ソルさんだからってわけじゃなくて賞金額が一番高かったからです。スタンこそ、どうして ? |
スタン | 俺の場合は流れで……。 |
ブリジット | 流れ ? |
スタン | あ、いや ! 家族を養いたくてさ !村を飛び出したはいいけど、大変なことに巻き込まれて流れでこうなったっていうか。 |
ブリジット | 家族のために村を……ウチと同じですね。 |
スタン | ブリジットも ? |
ブリジット | ウチは双子で、村には『双子は災いを呼ぶ』っていう言い伝えがあるんです。 |
ブリジット | そんな迷信のせいで、ウチの家族は負い目を感じながら暮らしてきました。 |
ブリジット | だから、お金をたくさん稼いで、村に仕送りして……。ウチは一人でも生きていけるし災いなんてないって証明したいんです。 |
スタン | そうだったのか……。 |
ミラ=マクスウェル | 家族のため、村の因習までなくそうとは見上げた心がけだ。 |
ブリジット | だから、なんで賞金首さんが偉そうなんですか。 |
スタン | はは……。とにかく、これから一緒に頑張っていくんだ。あらためてよろしく頼むよ、相棒 ! |
ブリジット | 相棒……。 |
スタン | あ、いきなり気安かったかな。 |
ブリジット | いいえ……ずっと一人で、パートナーと言えばロジャーくらいだったので、ちょっと新鮮です。 |
ブリジット | いいですね、相棒 !こちらこそよろしくお願いします。 |
キャラクター | 6話【Chapter 05 Buddy】 |
ブリジット | 次の賞金首さんは……と。 |
ブリジット | 『流麗なる死神テスタメント』 |
ブリジット | 「森の悪魔を守る護衛であり保護者。人間を嫌悪しており、人前に現れることは少ないが相対すれば惨劇は免れず、辺りは血の海になる」 |
ブリジット | さらに物騒な人みたいですね。でも、どこにいるんでしょうか。 |
ミラ=マクスウェル | その者の居場所なら知っているぞ。なんなら教えてやってもいい。 |
ブリジット | 助かります !だけど、代わりに自分を解放しろとかそういうのはダメですよ。 |
ミラ=マクスウェル | 私は食事さえ出れば文句はない。 |
ブリジット | ものすごく怪しいですね。 |
ミラ=マクスウェル | 無闇に他人を疑うのは関心しないな。人には信じる心も必要なのではないか。 |
ブリジット | 説得力を感じないんですよね……。 |
スタン | まあ、他に情報もないんだし話だけでも聞いてみよう。 |
ブリジット | むぅ……スタンがそう言うなら……。 |
ミラ=マクスウェル | ここだ。その賞金首はこの地を根城にしている。 |
ブリジット | こんなところに住んでるんですか ?変わった人ですねぇ。 |
スタン | 好みは人それぞれだよ。礼儀だの作法だのに口うるさくこだわる人もいるわけだし。 |
S・ディムロス | それは我のことを言っているのか。 |
S・ディムロス | いいか、スタン。我は表面的なことにこだわっているわけではなくその真意、つまりは誠意や戒心を持てと―― |
スタン | わ、わかったわかった !俺が悪かったって ! |
ブリジット | ふふ……スタンとディムロスさんは仲良しなんですね。 |
スタン | 長い付き合いだからな。口うるさいけど。 |
S・ディムロス | 誰のせいだと思っている。 |
ミラ=マクスウェル | お前たち、そんなに気を抜いていいのか ?ここは賞金首の根城だぞ。 |
ブリジット | そうでした。でも、本当にこんな暗くてジメジメしたところに住んでいるんでしょうか。 |
ミラ=マクスウェル | きっとそういう場所が落ち着くのだろう。 |
? ? ? | ……私をなんだと思っている。 |
ブリジット | わわっ、出ました ! |
スタン | お前がテスタメントか ! |
デューク | ……そうだ。来い。 |
スタン | えぇ、もう ! ?こう……もっと段取りとかあるだろ ! ? |
ブリジット | 段取り…… ? |
デューク | どうせ戦うことになるのだ。ならば小細工は無用。 |
ミラ=マクスウェル | その通り ! |
ブリジット | あっ ! いつの間に縄を ! |
ミラ=マクスウェル | フッフッフ……この程度、私にかかれば造作もない。 |
ミラ=マクスウェル | これで二対二。先日は不覚をとったが今度こそお前たちを血祭りにあげてやろう ! |
ブリジット | テスタメントさんの居場所を教えたのはこれが狙いだったんですね ! |
ミラ=マクスウェル | 今さら気付いても遅い ! |
スタン | うわっ ! いきなり ! ? |
デューク | 余所見をしている場合か。 |
スタン | ちょっとくらい手加減してくれよ ! |
S・ディムロス | スタン、この男にそんなことを言っても無駄だ。 |
デューク | そういうことだ。 |
スタン | くそ、ならこっちも本気でいくぞ ! |
キャラクター | #N/A |
ブリジット | じゃあ、ここは本当の世界じゃない ? |
スタン | ブリジットの記憶を元に作られた世界なんだ。信じられないかもしれないけど……。 |
ブリジット | いいえ。なんとなくわかります。ウチはとっくに賞金を稼いで村に帰ったって。 |
ブリジット | 村の風習もなくなって、ウチを縛るものは何もない。でも、そうしたら今度はウチはどこに向かえばいいんだろうって……。 |
ブリジット | きっと、それがウチの迷いで『心の隙』だったんだと思います。 |
ミラ=マクスウェル | 答えは見つかったのか ? |
ブリジット | いいえ。まだです。ウチはまだ、自分のことを決められていません。 |
ブリジット | でも、『相棒』って言ってくれる人もいるから今は迷わなくてすみそうです。 |
スタン | ブリジット……。 |
デューク | だが、依然我々は『罠』に捕らわれたままだ。 |
ブリジット | ウチのせい……でしょうか。 |
スタン | そんなに自分を責めるなって。そのうちなんとかなるさ。 |
ソル | まったく、悠長なことを。 |
ラムレザル | ずっと気になっていたことがある。 |
ミラ=マクスウェル | どうかしたのか ? |
ラムレザル | この『罠』はアリエルスが作ったもの。管理者を失った程度で目的を遂行できなくなるとは思えない。 |
ラムレザル | きっと、何重にもセーフティが用意されている。 |
ミラ=マクスウェル | つまり、今なおこの『罠』は目的のために稼働しているということか。 |
カイ | そもそも、この『罠』の目的はソルの足止め。そういうことでしたよね。 |
ソル | じゃあ、なんだ ?俺がまたここに来るはめになったのも必然って言うのか。 |
ラムレザル | 可能性を肯定するよ。 |
カイ | ……なるほど、そういうことか。これでようやく合点がいった。 |
ソル | おい、カイ。一人で納得してるんじゃねぇ。 |
スタン | そういえば、この人は…… ?どうしてソルたちといっしょにいるんだ ? |
ブリジット | この人はカイ=キスクさんです。連王っていうとっても偉い方ですよ。 |
カイ | いえ、すみません。私のことも含めてきちんと説明しましょう。 |
カイ | まず、第一にこの『罠』とソルの関係です。 |
カイ | ソルの足止めという目的が今なお遂行中ということならブリジットさんが巻き込まれた理由に説明がつく。 |
デューク | 捕らわれた友を、助けに来るということか。 |
カイ | それも一つの理由でしょう。 |
カイ | そして、ラムレザルさんの言うようにこの『罠』が我々が考えているよりずっと高度ならばこう判断するんじゃないでしょうか。 |
カイ | 「管理者を欠いたことにより目的遂行に支障が出た。新しい管理者を立てる必要がある」……と。 |
カイ | 私は、何かに呼ばれているような気がしてここにたどり着いたんです。貴方はどうですか、ブリジットさん ? |
ブリジット | ウチもたぶん同じです。 |
ソル | うざってぇ。言いたいことがあるならはっきりと言え。 |
カイ | つまりはこういうことだ。 |
ソル | てめぇ……なんのつもりだ。 |
カイ | おそらく、私とブリジットさんのどちらかを新しい管理者にしようとしていたのだろう。 |
カイ | そして、選ばれたのは私だ。 |
ソル | なに…… ! ? |
カイ | ブリジットさんには、『賞金首』としてソルを追うようわざわざ意識を植え付けた。 |
カイ | しかし、私にはもともと「ソルと本気で戦いたい」という願望があった。どちらが適任かはわかるだろう。 |
カイ | 私と戦えソル。ここから出るにはそれしかない。 |
スタン | ちょっと待ってくれよ !いきなりすぎるだろ、そんなの ! |
デューク | だが、もっともな推測だ。 |
ミラ=マクスウェル | そして、新たな管理者を倒せばここから出られる……か。 |
スタン | いくらなんでもそんな単純な……。 |
ソル | 戦う理由なんぞ単純でいい。 |
ソル | ロクでもねぇ代物だと思ってたが最後にいい仕事をするじゃねぇか。 |
カイ | 同感だ。あの女に感謝するのは癪だが。いつでも始めていいぞ。 |
ソル | ああ。せーの、で頼むぜ『坊や』。 |
キャラクター | #N/A |
ソル | どうしたぁっ !足が止まってるぞ ! ! |
カイ | 止まっているんじゃない。機を見定めているんだ。 |
カイ | お前のように動き回るのはいたずらに体力を消耗するだけだからな ! |
ソル | ぬかせ !そうやってチンタラ考えてる間に終わらせてやる ! |
ブリジット | ソルさんもカイさんも楽しそうです。一歩間違えば、お互い死にかねないのに。 |
デューク | それが彼らの友という形なのだろう。 |
S・ディムロス | うむ。剣を交えてこそ伝わるものもある。 |
ミラ=マクスウェル | 男というのは、ああやって喧嘩することで友情を深めるらしいぞ。 |
ブリジット | そうなんですか ? 私にはよくわかりません。スタンはわかります ? |
スタン | え ? いやぁ、人による……のかな。 |
スタン | でも、どれだけ喧嘩しても友達だって思える奴がいるのはわかるよ。 |
ソル | 次で終いだ。腹に力を入れろ、歯を食いしばれ。 |
カイ | そっちこそ、瞬きなどするなよ。私を見失うぞ。 |
ラムレザル | 決着だね。 |
デューク | いや、これは……。 |
ソル | いくぞ ! カイ ! |
カイ | 来い ! ソル ! |
ソル | おい、どういうこった ! ? |
カイ | そうか……私の願いはソルと本気で戦うこと。決着までは望んでいなかった。 |
ソル | つまり、てめぇが満足しちまったんで時間切れってわけかよ。締まらねぇな。 |
カイ | すまないな。思っていたよりずっとお前との戦いが楽しかったからかもしれない。 |
ブリジット | ここ、どこですか ?綺麗な街ですね。 |
スタン | よかった、戻って来られたんだな !ここは学園都市アークっていうんだ。 |
ワイズマン | 皆さん、無事に戻られて何よりです。 |
ブリジット | わわっ ! この人、ピカピカ光ってますよ ! |
ソル | 安心しろ。目に優しくねぇだけで悪いヤツじゃない。 |
カイ | 様々な人たちを見てきましたが世界にはまだまだ予想外の存在がいるものですね。 |
ラムレザル | 違う。ここは、私たちが生まれた世界とは別の世界。 |
カイ | ここが…… ! |
ソル | 詳しい説明は後回しだ。ワイズマン、『罠』はどうなった ? |
ワイズマン | 無事解除されました。これ以上被害者が出ないよう私の手で封じておきます。 |
ソル | 今度は抜かりなくやってくれよ。 |
ブリジット | あの……ごめんなさい ! |
スタン | ブリジット、どうして謝るんだ ? |
ブリジット | だって、ウチが変な罠に引っかかったせいで皆さんに迷惑かけちゃったから。 |
カイ | そういうことなら謝るべきは私でしょう。私が関わらなければ、事態は円滑に解決していたはず。 |
ソル | 今さら誰が原因かなんて議論しても仕方ねぇ。それより、お前との勝負が打ち切られたことの方が問題だ。 |
カイ | それこそ、私のせいだな。 |
カイ | 正直、驚いているんだ。自分の中にこんな想いが燻っていたなんて。 |
カイ | 無意識に考えないようにしていたのかもしれない。お前とぶつかり合っていた日々の高揚と充足感を。 |
ソル | 昔に戻りてぇのか ? |
カイ | それは無理だ。私には家族がいる。連王という立場もある。私の命はもはや私一人のものではない。 |
ワイズマン | でしたらその想いをシャドウとして残してはいかがですか? |
カイ | シャドウ…… ? |
ソル | それも後でゆっくり説明してやる。要は、しがらみも何もなく俺とお前がやりあう方法があるってことだ。 |
カイ | それができるなら願ってもないことだ。 |
ワイズマン | ブリジットさんもいかがですか ? |
ブリジット | ウチも……ですか ? |
ワイズマン | こうして、予期せぬ出会いを経たもう一人のあなたには新しい道があってもよいのではないでしょうか。 |
ブリジット | 新しい道……新しい世界……。ここでもう一度、賞金稼ぎを始めるのも悪くないですね。 |
S・ディムロス | うむ。何かを始めるのは素晴らしいことだ。だが、それゆえの苦難も多くあるだろう。スタン、お前も手助けしてやれ。 |
スタン | ああ、もちろん !これからもよろしくな ! |
ブリジット | はい ! よろしくお願いしますね、相棒 ! |