キャラクター | #N/A |
ユーリ | カロルたちが言ってた場所ってのはここで合ってるよな ? |
エステル | はい、そのはずですがパティもいませんね。 |
リタ | ったく、あのガキんちょ。あっちから呼び出しといて、なんでいないのよ。 |
レイヴン | まあまあ、落ち着きなってリタっち。少年たちも、きっとすぐ来るでしょ。 |
ラピード | ワンッ ! |
ジュディス | あら ? 噂をすれば来たみたいね。 |
カロル | みんな~、お待たせ~ ! |
パティ | カロルと一緒に準備をしていて少し遅くなってしまったのじゃ。 |
ユーリ | 別に構わねえよ。けど、準備ってなんだ ?オレたち全員を集めたってことはまたなんか厄介事か ? |
エステル | もしかして、帝国軍の残党がこの近くにいるんです ? |
カロル | ううん、それは大丈夫。このあたりはトラブルも起こってないから安心して。 |
レイヴン | 少年、もったいぶるのもいいけどそろそろ、おっさんたちを集めた理由を教えてくんない ? |
カロル | そうだね。実は、みんなに来てもらったのは……。 |
パティ | 海を満喫するためなのじゃ ! |
リタ | …………はぁ ? |
パティ | リタ姐~、ここはもっと驚いてくれないとせっかくのサプライズが台なしなのじゃ。 |
ユーリ | サプライズ、ね……。なるほど、そういうことか。 |
エステル | ユーリ ? |
ユーリ | つまり、働いてばっかのオレたちに休みをくれるってことだろ、カロル先生 ? |
カロル | 正解 !ほら、最近は『凛々の明星』にも依頼がいっぱいあって大変だったでしょ ? |
カロル | それに、リタやエステルたちも忙しいって聞いてたからたまには息抜きもいいかなって思ってさ。 |
パティ | そこで、うちがオススメのリゾートビーチにユーリたちを呼んではどうかと提案したのじゃ。 |
ジュディス | ふふっ、驚いたわ。そこまで気遣ってくれるなんてさすがカロルね。 |
リタ | そんなに呑気にしてていいの ?平和になったからって、問題が全部解決したわけじゃないでしょ ? |
レイヴン | 確かにそうかもしんないけどずっと気を張ってるってのもしんどいし。 |
レイヴン | 仕事と休息をキッチリ切り替えられるのがデキる大人ってもんよ。 |
ジュディス | あら、いいこと言うわね、おじさま。 |
リタ | 何故かしら……おっさんに言われると無性に腹が立つんだけど……。 |
エステル | ですが、レイヴンたちの言う通りかもしれませんね。 |
エステル | それに、わたしも最近はリタとゆっくりお話できる時間がなくて寂しかったですし……こういう機会があってもいいんじゃないでしょうか ? |
リタ | し、仕方ないわね……。あんたがそこまで言うのなら一日ぐらいは付き合ってあげるわよ……。 |
エステル | はい ! ありがとうございます、リタ。 |
パティ | それじゃあ、早速ユーリたちにも水着に着替えてもらうのじゃ ! |
ユーリ | なんだ、そんなもんまで用意してくれてんのか ? |
パティ | 当然じゃ。ユーリの水着はうちが厳選に厳選を重ねて選んだからのう。早く見たいのじゃ。 |
レイヴン | ちょっとパティちゃん ! !言っとくけど、男物しか用意してないなんてオチはおっさん認めないわよ ! ? |
パティ | 無論、ジュディ姐たちの水着もばっちり用意しておるのじゃ ! |
レイヴン | いやっほううううううっっっっ ! ! ! !パティちゃん、最高っっ ! ! |
リタ | あー、バカっぽい……。 |
ジュディス | いいじゃない。賑やかなのは嫌いじゃないわ。 |
カロル | あっ、もちろんラピードの分も用意してるからね。 |
ラピード | ワフッ……。 |
ユーリ | ところで、カロル。フレンにも声かけたんだろ ?あいつはどうした ? |
カロル | あ、うん。フレンもちゃんと来てくれるよ。でも、セールンドで各大陸の近状報告会があるからそれが終わってからだって。 |
ユーリ | ……そうか。相変わらず仕事熱心なことで。 |
ユーリ | まあ、それでも来るってんならオレたちは先に楽しませてもらうとするか。 |
ラピード | ワンッ ! |
キャラクター | #N/A |
ユーリ | おっ、全員着替え終わったな。 |
エステル | はい ! どうですか、リタ。わたしの水着、似合ってます ? |
リタ | ま、まあ、いいんじゃない。 |
エステル | ふふっ、リタもとっても可愛いですよ。 |
リタ | あ、あたしのことはいいのよ ! !それより……。 |
レイヴン | ……………………。 |
リタ | おっさん、もしかしてまた気絶してんの ? |
ジュディス | 先に来た私と目が合った瞬間こうなっちゃったの。悪いことしちゃったかしら ♪ |
リタ | いや、むしろ静かになってくれて助かるわ。 |
ラピード | ……ワフッ。 |
カロル | ラピード、あまり元気ないね。水が得意じゃないのは知ってたけどやっぱり、ボクたちに付き合ってくれてるのかな ? |
ユーリ | 本当に嫌だったら着替えたりしねえよ。そうだろ、相棒 ? |
| ワンッ ! |
カロル | へへっ、そっか。ありがとね、ラピード。 |
リタ | ……で、なんであんたはそんな恰好なのよ ? |
カロル | ああ、これ ? それは……。 |
パティ | 今からうちとカロルで、近くの島に隠された『海賊の宝箱』を探しにいくのじゃ。 |
リタ | 『海賊の宝箱』 ? |
カロル | うん。この前カイルやジェイ、エルマーナたちと探険隊を結成したことは話したでしょ ? |
カロル | それで、ティル・ナ・ノーグに眠るお宝の情報なんかを集めてて、その話をしたらパティが教えてくれたんだ。 |
ユーリ | なるほどな。けど、オレたちは一緒じゃなくていいのか ? |
カロル | うん、みんなには休んでほしいからね。 |
カロル | それに、探険隊隊長のボクがお宝を見つけたってみんなに報告したくて……。 |
ユーリ | 了解。カロル隊長のいいところを持っていくわけにはいかねぇな。 |
パティ | うちも本当はユーリと一日中一緒にいたいところじゃが、海賊の宝箱と聞いては放っておけん。 |
パティ | これも海賊として生きるうちの運命……。じゃが ! 宝を見つけた暁には、夕暮れが沈む海岸でユーリとロマンティックなひとときを迎えるのじゃ ! |
ユーリ | おう ! 期待してるぜ ! |
レイヴン | ほほ~う。モテる男はつらいね~、青年。おっさん羨ましいわ。 |
ユーリ | おっさん起きたのか。ま、とにかく、気を付けて行ってこいよ。 |
カロル | うん。あ、そうだ、さっきフレンから魔鏡通信文が届いてたよ。 |
エステル | フレンも、こっちに着いたんです ? |
カロル | ううん。今、セールンドから船で向かってるところだって。 |
リタ | それじゃ、まだまだかかりそうね。 |
エステル | そうですね。港からこのビーチまでは距離がありますし遅い時間になるとあまりゆっくりできないかもしれません。 |
ユーリ | 道は整備されてるし、馬車にでも乗せてもらえれば少しは早く着くだろうが……どうしたもんかね。 |
パティ | 実はこんなこともあろうかとうちが乗り物を用意しておいたのじゃ !ユーリ、ちょっと待っておくのじゃ ! |
エステル | あ、パティ…… ! |
ジュディス | 待っていろって言うのだからそのうち戻って来るんじゃないかしら ? |
レイヴン | よ~し ! じゃあおっさん早速ビーチで可愛い女の子たちと~……。 |
リタ | ていっ ! |
レイヴン | いたっ ! ?ちょっ、いきなり殴らなくてもよくない ! ? |
リタ | おっさんが変なことしないように事前に止めてやったんだからむしろ感謝しなさい。 |
レイヴン | そんなこと言って~。本当はリタっちもおっさんと遊びたいんじゃ……。 |
リタ | は ? |
レイヴン | じょ、冗談です……リタっち、顔怖い……。 |
ラピード | ワフッ ? |
ユーリ | ん ? なんだこの音…… ? |
エステル | あっ、見てください !車輪のついた箱が近づいてきます ! |
パティ | 待たせたの、ユーリ !これでフレンを迎えにいくのじゃ ! |
カロル | えっ ! ? 何これ、カッコイイ ! !機械みたいだけど……。 |
パティ | ふふん、これはチャットやキール研究室が共同で開発した大陸中を楽に移動できる乗り物……。名付けて『全自動駆動車 TYPE-R』じゃ ! |
ユーリ | へえ、こいつはまた随分と大層なものを作ったな。まあ、キール研究室の連中ならこれくらい朝飯前か。 |
リタ | ちょっと ! あたしはこんなの作ってたなんて知らないわよ ! ? |
リタ | ってか、さっきの速度からするとモーターを動かすには相当なエネルギーを使ってるはず……。でも、そうなるとリソースが……。 |
パティ | はーい、ストップじゃ。リタ姐が調べてたらユーリがフレンを迎えにいけなくなるぞ ? |
リタ | いいじゃない、ちょっとくらい……。でも、そうね……パッと見ただけでもちゃんと安全装置はついてるみたいね。 |
パティ | うむ、その点は問題ない。うちでも簡単に乗れる自動操縦機能が付いておるからのう。 |
パティ | ただ、少しは自分でも操作しないといけないからうちがユーリに教えるのじゃ。 |
ユーリ | なるほどね。そんじゃあ、こいつを借りてフレンを迎えにいくか。 |
ラピード | ワンッ ! |
ユーリ | おっと、相棒に先を越されちまったか。パティ、さっそくこいつの動かし方を教えてくれ。 |
パティ | うむ、了解なのじゃ ! |
ユーリ | よし、覚えることはこれくらいか。 |
エステル | それではユーリ。フレンのことよろしくお願いしますね。 |
ユーリ | おう、任せとけ。 |
ユーリ | どうだ、ラピード。そっちも潮風が当たって気持ちいいか ? |
ラピード | ワンッ ! |
ユーリ | けど、オレたちだけで楽しんでちゃいけねえよな。 |
ラピード | ウゥゥ……ワフッ ! ! |
ユーリ | そんじゃあ、飛ばしていきますか ! |
キャラクター | #N/A |
ジュディス | ……静かね。たまにはこういうのも悪くないかしら。 |
レイヴン | はいはい~。おっさんからジュディスちゃんにドリンクのお届けよ~。 |
ジュディス | ありがとう。気が利くのね、おじさま。 |
レイヴン | そりゃあ、おっさんは紳士ですから。レディにはいつだって優しいのよ。 |
ジュディス | ふふっ、そうだったわね。それじゃあ、遠慮なく頂くわ。 |
レイヴン | どうもどうも。ところでジュディスちゃんは嬢ちゃんやリタっちと一緒に行かなくてよかったの ? |
レイヴン | パティちゃんが用意したアレ結構面白いみたいよ。 |
ジュディス | そういうおじさまこそ私の相手をしてていいの ? |
レイヴン | 何言ってんの。今のジュディスちゃんを一人きりにしたら、周りの男たちが黙ってないって。 |
ジュディス | あら。じゃあ今日はおじさまが守ってくれるのね。 |
レイヴン | 任せなさい !今のレイヴンはジュディスちゃんだけの騎士よ。 |
ジュディス | ふふっ、素敵な騎士様ね。おかげでゆっくり休めそう。 |
レイヴン | そうねぇ。まさか少年がおっさんのことまで労わってくれたのは驚きだわ。 |
レイヴン | 最近はすぐに腰が痛くなるしこれ以上、歳は取りたくないもんだわ。 |
ジュディス | おじさまも大変ね。 |
レイヴン | ほんとよ~。ギルドの手伝いもあるしアレクセイの旦那も監視しておかないと何するかわからないし。 |
ジュディス | あの人、大丈夫なの ?また裏で色々と動いてるみたいだけど。 |
レイヴン | う~ん、今のところは問題ないみたいよ。一応、名目上はセールンドとも同盟を組んだって聞いてるし。 |
ジュディス | そう。また悪さをしないといいのだけれど。 |
レイヴン | ま、そうなったときはおっさんが何とかするからジュディスちゃんたちは心配しなくて大丈夫よ。 |
レイヴン | ……あいつがやることの責任はおっさんにもあるわけだしね。 |
ジュディス | おじさまがそこまで気にすることはないわ。全部あの人が自分でやってることなんだから。 |
レイヴン | そう言ってくれると、少しは心が軽くなるわ。ありがとね、ジュディスちゃん。 |
ジュディス | どういたしまして。でも、私たちのことを頼ってくれてもいいのよ。仲間なんだから。 |
レイヴン | ……そうね。また勝手に動いて青年たちに殴られるのは勘弁だし。 |
ジュディス | あれは、おじさまの自業自得よ。 |
レイヴン | あらっ ! ?ま、それはその通りだしね。 |
レイヴン | おっさんも、もう少し周りを頼ることにするわ。だから、おっさんのことも頼って頂戴ね。 |
ジュディス | ええ、もちろんよ。 |
レイヴン | って、いつの間にか真面目な話に付き合わせちゃったわ。 |
ジュディス | 構わないわよ。でも、私もそろそろひと泳ぎしようかしら。 |
レイヴン | そんじゃあ、おっさんも一緒に……ん ? |
ゴーシュ | どうだ ? 何かわかったか ? |
ドロワット | 駄目だわん……。話を聞いても見た人はいないって……。 |
ゴーシュ | まったく……一体どこへ行ったんだ……。 |
ジュディス | あら、あの子たちって……。 |
ゴーシュ | お前たちは ! ?何故こんなところにいる ! ? |
レイヴン | そりゃあ、こっちの台詞よ。まさか、あいつも一緒じゃないでしょうね。 |
ゴーシュ | あいつとは、イエガー様のことか ! |
ドロワット | ちゃんと名前で呼ばないとイエガー様に失礼なの ! |
レイヴン | はいはい、わかったわかった。おっさんが悪かったよ。 |
ジュディス | それより、慌ててるみたいだけど何かあったのかしら ? |
ゴーシュ | それは……。 |
ドロワット | 緊急事態……なの。 |
キャラクター | #N/A |
エステル | リタ、落ちないように気を付けてくださいね。 |
リタ | え、ええ ! あんたこそ、ちゃんと掴まってなさいよ ! |
エステル | あ、走り出しますよ ! |
リタ | きゃ、きゃああ ! ? |
エステル | あはは ! 楽しいですね、リタ ! |
リタ | ちょ、ちょっと、スピード出すぎでしょ ! ? |
エステル | 次は大きく曲がりますよ ! |
リタ | ひっ、人の話を聞きなさいーーーー ! ! |
エステル | リタ、お疲れさまでした。 |
リタ | あ、あんた……何回あの変な乗り物に乗せるのよ……。 |
エステル | す、すみません…… !楽しかったので、つい……。 |
リタ | ま、まあ……あたしも嫌だったわけじゃないし……。 |
エステル | そうですか ! ?リタも楽しんでくれたんですね。 |
エステル | ……本当に、リタが一緒にいてくれてよかったです。 |
リタ | な、なによ急に……。 |
エステル | その……最近、リタが忙しそうで心配だったんです。それに、ユーリやフレンたちだって……。 |
リタ | そんなの、別にいつものことでしょ ?あんただって、フレンと一緒に色々な街を回ってるじゃない。 |
リタ | この前、フレンに会ったときも言ってたわよ。あんたが街の復興のために動いているのはわかるけど無理させてるんじゃないかって。 |
エステル | フレンが……。 |
リタ | 忙しいのはあんたも同じだしあたしは好きなことさせてもらってるだけ。心配しなくても大丈夫よ。 |
エステル | そうですか。……やっぱり、リタは凄いですね。 |
リタ | だから、それはあんただって……。 |
エステル | ごめんなさい……。わたし、本当は怖かったのかもしれません。 |
リタ | 怖い ? どういうこと ? |
エステル | ……リタ、覚えていますか ?エフミドの丘で見た海の景色を。 |
リタ | そりゃあ、覚えてるわよ。あんたがはしゃいでる姿もね。 |
エステル | はい。丁度、この海のようにエフミドの丘から見た海もとても広大で……世界がこんなにも広いんだって実感しました。 |
エステル | それから、ユーリやリタたちと旅をしたことが本当に楽しくて……わたしの世界もどんどんと広がっていったんです。 |
エステル | それはこの世界に来てからも同じでした。みんなと一緒に過ごすことが、わたしにとってはかけがえのない時間になっていきました。 |
リタ | ……そうね。こっちに来てからも結局やることはそんなに変わってなかったし。 |
エステル | ……ですが、これからは少しずつみんなと会う機会も減っていくんじゃないかと不安になることがあるんです。 |
リタ | エステル……。 |
エステル | ……ごめんなさい。こんな話をしてもリタを困らせてしまうだけですよね。 |
リタ | ……全く、本当にあんたって子は……。変なところで気を遣ってどうするのよ……。 |
エステル | リタ ? |
リタ | いい ? あんたはそんなこと気にしなくていいの。あんたが会いたいって思ったんなら素直にそう言えばいいじゃない。 |
エステル | で、ですが……。 |
リタ | この際だから言っておくけどあんたが会いたいって言えばあたしはいつでも会いに行くわよ。 |
リタ | ユーリたちだってきっと同じだわ。だいたい、今まであんたのわがままを何回聞いてきたと思ってるのよ。 |
エステル | そ、それは……。 |
リタ | だから、そんな心配しなくてもいいの。あんたが行きたいが場所があるならこれからも付き合うわよ。 |
リタ | ……あたしだって、あんたと一緒にいるのはた、楽しいんだから。 |
エステル | リタ…… ! |
リタ | ああっ、もう ! この話は終わり !ほら、どうせあんたのことだからまだやりたいことがあるんでしょ ? |
エステル | はい ! このあとは一緒に海の家でかき氷を食べましょう ! |
リタ | はいはい。じゃあ、行くわよ。 |
レイヴン | おっ、嬢ちゃんにリタっち。ちゃんとバカンスを満喫してるみたいね。 |
リタ | 何よ、おっさんだって……って、そこの二人は……。 |
ゴーシュ | ……久しぶりだな。 |
エステル | ゴーシュにドロワット ?もしかして、あなたたちも海水浴に来たんです ? |
ジュディス | 当たらずとも遠からずね。でも今は、迷子を捜しているの。 |
ゴーシュ | お前たちも知っているだろう。エリックとライアンという、私らが世話になった教会の施設が預かっている子供たちだ。 |
ドロワット | 今日は他の子たちと一緒に来たんだけど二人だけ、どこかに行ってしまったの……。 |
レイヴン | で、偶然会ったおっさんたちが手伝うことになったわけ。 |
エステル | それは大変です !リタ、わたしたちも一緒に捜しましょう ! |
リタ | はいはい。そうなる気はしてたわよ。 |
ジュディス | それじゃあ、ここからは手分けして捜しましょう。 |
キャラクター | #N/A |
フレン | 予定より遅くなってしまった。カロルたちがいるビーチは……。 |
フレン | ……だいぶ離れているな。一度連絡を入れておくか……。 |
ユーリ | よう、フレン。乗ってくか ? |
ラピード | ワンッ ! |
フレン | ユーリ ! それにラピードも……。いったい、その機械は何なんだい ? |
ユーリ | 細かいことは気にすんな。説明はあとでしてやるから席に座れって。 |
フレン | ……わかったよ。僕を迎えに来てくれたってことでいいのかい ? |
ユーリ | ああ。エステルたちが待ってるぜ。 |
フレン | それじゃあ、よろしく頼むよ。 |
ユーリ | そこのベルトを締めとけよ。 |
ユーリ | どうだ ? なかなかいいだろ、こいつ。 |
フレン | ああ、はじめは驚いたけど安全装置もちゃんとついてるみたいだしね。 |
ユーリ | 最初に言うのがそれかよ。オレの運転じゃ不安ってか ? |
フレン | そう受け取ってくれて構わないよ。 |
ユーリ | へいへい、安全運転を心がけますよ。 |
フレン | ところで、ユーリ。エステリーゼ様の様子はどうだった ? |
ユーリ | エステル ? 別に、いつもと変わらなかったぜ。 |
ユーリ | そうだな……。しいて言えば、リタと会えて嬉しそうだったな。今頃二人ではしゃいでるんじゃねえか ? |
フレン | そうか。だったらいい。エステリーゼ様も僕の仕事を手伝ってくれているから負担になっていないか心配だったんだ。 |
ユーリ | それもあいつが好きでやってることだろ。変な気を遣ってると、逆にあいつに心配されるのがオチだぜ。 |
フレン | 確かに、それはありそうだ。けど、こうしてカロルが休暇の時間を作ってくれて助かったよ。 |
フレン | きっと、僕が休んでくださいと言っただけじゃあ聞いてもらえなかっただろうからね。 |
ユーリ | あいつ、そういうところは頑固だからな。 |
ユーリ | で、お前はどうなんだ ?色々と走り回ってんだろ ? |
フレン | ……そうだね。今も各大陸の情勢を確かめる為に動いているよ。 |
フレン | せっかく世界が落ち着きを取り戻そうとしているんだ。僕のことは気にしなくても大丈夫だよ。 |
ユーリ | さっきも言っただろ ?オレが気にしなくても、エステルが気にするってな。 |
フレン | それは……。 |
ユーリ | お前も、もう少し肩の荷を下ろせよ。少なくとも、今日は仕事のことは抜きにしようぜ。 |
ユーリ | なんでも、おっさんが言うには仕事とプライベートを切り替えられるのがデキる大人ってやつらしいからな。 |
フレン | レイヴンさんが……。 |
フレン | ……そうだね。そういう考え方も今の僕には大事なのかもしれない。 |
フレン | ありがとう、ユーリ。君の言う通り、今日は羽を伸ばすことにするよ。 |
ユーリ | ああ。なんなら寝ててもいいぜ。みんながいるビーチまではまだかかるし長旅の疲れもあんだろ ? |
フレン | いや、こうして二人で話す機会も久しぶりだし起きてるよ。 |
ラピード | ワンッ ! ! |
ユーリ | ラピードもいるってよ。 |
フレン | ははっ、ごめんラピード。でも、ラピードがいるなら尚更僕が寝ている間に事故でも起こされたら困る。 |
ユーリ | だから、そんな無茶しねぇっての。 |
ユーリ | ま、いいや。そんじゃ好きにしてな。 |
フレン | ああ。 |
ラピード | ワフッ。 |
キャラクター | #N/A |
エステル | ……子供たち、いませんね。 |
レイヴン | 海の家もひと通り捜してみたけどどこもハズレだったわ。 |
リタ | ああ、もうっ ! どうして子供って大人しくできないのかしら。 |
ジュディス | もうビーチにはいないのかもしれないわね。 |
ドロワット | やったの ! 新情報だわん ! |
レイヴン | なになに ? その様子だと期待できそうじゃない。 |
ゴーシュ | ああ、エリックとライアンに似た子供が船に乗り込んでいるところを見たという人物がいた。 |
エステル | 船、ですか ? |
ドロワット | そうだわん。でも、その船は最近魔物がいっぱい出る島に向かう船だったの。 |
ゴーシュ | つまり、魔物の討伐隊を乗せた船にあの子たちも乗り込んでしまった可能性が高い。 |
レイヴン | う~ん、誰かが気付いてくれりゃいいけど子供たちだけでその島に上陸なんてしちゃったら危険かもね。 |
レイヴン | けど、なんでわざわざそんな船に乗り込んだわけ ? |
ゴーシュ | それは……私たちにもわからない。自分たちで乗り込んだのなら理由があるはずだが……。 |
ドロワット | ……あー ! ! ゴーシュちゃん !きっと『海賊の宝箱』なの ! |
ゴーシュ | 『海賊の宝箱』 ? なんだ、それは ? |
ドロワット | エリックとライアンが話してたの !この辺の孤島には海賊の宝箱がいっぱいあるって ! |
ゴーシュ | なに ? だが、そんなものはただの噂だ。私も港に着いたときに漁師の人たちが話していたのは耳にしたが……。 |
ジュディス | それ、ただの噂じゃないかもしれないわね。 |
ゴーシュ | どういうことだ ? |
エステル | 実は、わたしたちの仲間もその宝箱を探して孤島に向かったんです。 |
ゴーシュ | じゃあ、本当にあの子たちは海賊の宝箱を探すために船に乗り込んだのか ? |
レイヴン | まあ、子供はそういうの好きだからねぇ。 |
ゴーシュ | ……とにかく、あの子たちの行き先はわかった。事情を話して、なんとか船を用意してもらう。 |
リタ | ねえ、その前にカロルたちに連絡してみれば ? |
ジュディス | そうね。運が良ければ、今頃同じ島を探索してるかも。 |
エステル | はい、魔鏡通信で聞いてみましょう。 |
カロル | う~ん、宝箱、全然見つからないね。 |
パティ | まだ諦めるのは早いのじゃ、カロル。きっと次の場所にはざっくざくのお宝が待っておるのじゃ。 |
カロル | う、うん ! そうだよね ! |
パティ | しかし、随分と魔物が多いのう。この海域はそれほど魔物もおらんかったはずじゃが……。 |
? ? ? | わああああっっっーーーー ! |
パティ | なんじゃ、今の声は ? |
カロル | 叫び声みたいだったね……。もしかしたら、ボクたち以外にも誰かいて魔物に襲われてるのかも ! ? |
パティ | 急ぐぞ、カロル ! 助けに行くのじゃ ! |
エリック | ライアン ! 後ろに隠れて !魔物はボクがやっつけてやるから ! |
ライアン | で、でも…… ! |
魔物 | グルルルルッ…… ! |
エリック | く、来るならこい !お前なんか、ボクが…… ! |
パティ | 伏せるのじゃ !――グリッターズレイン ! ! |
エリック | えっ…… ? |
パティ | ふぅ、間一髪じゃったのう。 |
カロル | 大丈夫 ! ?……って、子供 ! ?どうしてこんな場所に……。 |
パティ | ふむ、事情はわからんがまずは怪我をしていないか確認じゃ。 |
カロル | う、うん、そうだね。……あれ、この子たちって ? |
ライアン | あっ ! あのときのお兄ちゃん ! ? |
カロル | やっぱり ! ? えっと、確か名前はエリックとライアン……だったよね ? |
パティ | なんじゃ、カロルの知り合いなのか ? |
カロル | うん。ゴーシュとドロワットがお世話になってた施設の子たちで……。 |
ライアン | もしかして……お姉ちゃんたちに頼まれてボクたちを連れ戻しにきたの ? |
パティ | 連れ戻す…… ? |
カロル | あ、エステルから魔鏡通信だ。ちょっと待ってて。 |
エステル | カロル、今どこにいますか ? |
カロル | 今は、海賊の宝箱があるっていう孤島だよ。まだ見つけてないんだけど、子供たちに会って……。 |
ゴーシュ | まさか、エリックとライアンか ! ? |
カロル | ゴーシュ ! ?なんでエステルと一緒に ? |
ドロワット | お手柄だわん !すぐそっちに行くから、待っててねん ! |
カロル | え ? ど、どういうこと ! ? |
エリック | やっぱり、そうだったんだ…… !ライアン、行くぞ ! |
ライアン | う、うん…… ! |
カロル | ええっ ! ? なんで逃げるの ! ? |
パティ | 待つのじゃ、うちが華麗に捕まえて…… ! ? |
カロル | パティ ! ? |
パティ | ……ううっ、なんじゃ、この罠は ?宙ぶらりんになってしまったのじゃ~。 |
討伐隊A | やったぞ ! 魔物が罠に――えっ、人間 ? |
討伐隊B | き、君たちは何者だ ! ? |
パティ | カロル、早く助けて欲しいのじゃ。 |
リタ | ちょっと ! そっちで何が起こってんのよ ! ? |
ゴーシュ | エリックとライアンは無事なのか ! ? |
カロル | 待って待って ! ? みんな全部ボクに聞かないでよーーーー ! ! |
キャラクター | #N/A |
フレン | ……直りそうかい、ユーリ。 |
ユーリ | 駄目だな。タイヤのスペアがあればよかったんだがオレたちだけで修理するのはちと厳しいぜ。 |
ラピード | クゥーン……。 |
ユーリ | 仕方ねえ。パティには繋がらねえしいったんリタに連絡してみるか。 |
ユーリ | リタ、今大丈夫か ?こっちでトラブル発生だ。 |
リタ | はぁ ? あんたたちまでトラブル ?もう勘弁してよね……。 |
ユーリ | どうした、なんかあったのか ? |
リタ | 色々とね……。で、トラブルってなに ? |
ユーリ | いや、こっちは後回しでいい。先にそっちの話を聞かせてくれ。 |
リタ | わかったわ。手短に話すけど―― |
リタ | ――という訳で、あたしたちは船を借りて孤島に向かってるところ。 |
ユーリ | そりゃまた妙な偶然が起きたもんだな。んじゃ、こっちはこっちでなんとかするよ。 |
リタ | ええ。それじゃあ、いったん切るわよ。何かあったら、また連絡ちょうだい。 |
ユーリ | ああ。気を付けてな。 |
ユーリ | さて、どうすっかねえ。 |
フレン | ユーリ、僕たちも応援に行くべきじゃないか ? |
ユーリ | だな。となると、この全自動駆動車は置いていったん港に戻るか。 |
フレン | ん、あれは…… ? |
ユーリ | おっ、丁度いいところに馬車が来てくれたな。乗せてもらえるか聞いてみようぜ。 |
ユーリ | おーい、ちょっと止まってくれ。 |
行商人A | なんだ ? こんな道の真ん中で何をしている。 |
ユーリ | ちょっとこっちの足がなくなっちまってね。急ぎの用事もあるんでこの馬車に乗せてくれねえか ? |
フレン | もちろん、人数分のお金はお支払いします。出来れば、ここから一番近い港に僕たちを送ってほしいんです。 |
行商人A | いや、いきなりそんなことを言われても私も仕事中で……。 |
? ? ? | ノンノン。構いませんよ。彼らはミーの知り合いですから。 |
フレン | あなたは…… ! ? |
イエガー | ブラボー、偶然ですね。ファインにしてましたか ? |
ユーリ | ああ、見ての通りだよ。あんたはこんなところで何してんだ ? |
イエガー | ミーはビジネスでーす。バット、近くにゴーシュとドロワットもいるようなのでフェイスを出そうかと。 |
ユーリ | だったら、あんたも無関係じゃねえかもな。 |
イエガー | ホワッツ ? どういうことですか ? |
ユーリ | オレたちもさっき聞いたばかりだがちと厄介なことになってるみたいだぜ。 |
イエガー | ……フム、バッドなシチュエーションなら早急なアクションが必要ネセシティー。聞かせてもらいましょう。 |
イエガー | ――アイアンダースタン。では、ユーたちを近くのポートまでセンドしましょう。 |
イエガー | それと、アイランドへ向かうシップのネゴシエイトもお任せネ。 |
ユーリ | そいつは願ったり叶ったりだがあとで代金ふっかけてくるんじゃねえだろうな。 |
イエガー | ノーノ―。今回はゴーシュとドロワットのプロブレム。ミーのヘルプは当然でーす。 |
イエガー | それに、まだユーたちには助けてもらったお礼が出来ていませんでしたからね。 |
ユーリ | 別にそんなもんいらねえよ……って言いたいところだが、今回は素直に受け取っとくぜ。 |
ラピード | ワンッ ! |
イエガー | オーケー。ではハリーアップね。ユーたちになら、あの二人を任せられます。 |
フレン | 待ってください。あなたは一緒に行かないのですか ? |
イエガー | ミーにはベリーインポータントなビジネスがありますからね。 |
ユーリ | おいおい、そんなに大事なのか ? |
イエガー | イエース、ミーにとってはビッグビジネス。このチャンスは絶対にロストしてはならないのです。 |
イエガー | それに、先ほども言いましたがユーたちがゴーするのであればミーも安心ですから。 |
ユーリ | へぇ、そりゃ随分と信用されちまってるな。 |
イエガー | ビジネスは人をルックして判断します。そして、ミーのルッキングは確かなものです。 |
フレン | ……わかりました。二人のことは任せてください。 |
イエガー | イエース。レッツライド !ミーがクイックリーにセンドでーす ! |
キャラクター | #N/A |
エステル | パティ、大丈夫でしたか ? |
パティ | うむ、ありがとうなのじゃ !宙づりになったときは懐かしい感じもしたが……それはきっと気のせいじゃな ! |
カロル | いや、気のせいじゃないと思うけど……。とにかく無事でよかったよ。 |
リタ | けど、あの子たちは逃げちゃったんでしょ ?せっかく見つけたってのに。 |
パティ | 申し訳ないのじゃ~。 |
レイヴン | まあまあ、魔物からは助けられたんだし無事なのがわかっただけでもお手柄よ。 |
リタ | それはそうだけど、このままだとまた魔物に襲われる危険があるわ。 |
ジュディス | そうね。あの子たち、機転は利きそうだけどそれにしたって限界があるわ。 |
エステル | 討伐隊の方々も捜してくれていますがまだ見つかったという連絡はありませんし、心配です。 |
ゴーシュ | …………。 |
ドロワット | どうしたの、ゴーシュちゃん ? |
ゴーシュ | ……いや、そもそも、どうしてエリックとライアンは海賊の宝箱なんてものを欲しがっているのかと考えていてな。 |
ドロワット | 確かに、エリックたちは好奇心旺盛だけどみんなに心配かけるようなことはしないわん。 |
ゴーシュ | ああ、エリックたちの反応を見ていると危険だとわかったうえでこの島に来ているのは確かだ。そこが、どうにも腑に落ちなくてな……。 |
パティ | ふふっ、そんなものは決まっておる !海賊の宝箱にはロマンが詰まっておるのじゃ ! |
カロル | だよね ! 宝の地図とかも見てるだけでワクワクするし ! |
リタ | ……バカっぽい。そんなわけないでしょ。 |
エステル | ええっ、違うんです ! ?わたしも冒険のお話はいつもドキドキしながら読んでいたんですが……。 |
リタ | えっ、まさかあんたもそっち派なの ? |
レイヴン | まあ、おっさんもどちらかと言えばお宝とかにはワクワクするほうよ。 |
リタ | いや、おっさんの意見はどうでもいいから。 |
レイヴン | ひどい、リタっち !おっさんも会話に入れて ! |
ジュディス | でも、現実的にお宝っていえばそれなりに価値があるものだって思うんじゃないかしら ? |
ゴーシュ | 価値があるもの……。まさか、あの子たち……。 |
ジュディス | 心当たりがあるみたいね。 |
ドロワット | あのね、エリックたちがお世話になってる教会今は資金不足で大変なの……。 |
ゴーシュ | 帝国との大戦が終わったとはいえすぐに充実した援助を受けられたわけじゃないからな。 |
ドロワット | それどころか、預かる子供の数が増えてセキレイの羽の援助だけじゃ厳しいんだわん。 |
ゴーシュ | 私たちもできるだけ力を貸しているが根本的な解決には至っていないのが現状だ。 |
エステル | ……やはり、戦いの傷はまだ癒えていないのですね。 |
ゴーシュ | ……ああ。今日子供たちを連れて来たのも少しでも喜んでもらおうと思ってな。シスターに頼んで私たちが計画したんだ。 |
レイヴン | う~ん、話を聞く限り、ジュディスちゃんの線で当たりっぽいわね。 |
カロル | でも、だったら尚更放っておけないよ。 |
レイヴン | そうね。泣かせる話だけど命あっての物種だからね。 |
リタ | おっさんが言うと説得力あるわね。 |
レイヴン | でしょでしょ ? もっと褒めて ! |
リタ | うざっ ! 別に褒めてないっての ! |
ジュディス | ともかく、子供たちの安全が第一よ。 |
カロル | うん。それじゃあ、ここからはボクたちも手分けして……。 |
ジュディス | ……待って。バウルが子供たちを見つけてくれたわ。 |
ゴーシュ | 本当か ! ? |
ドロワット | どこにいるの ! ? |
ジュディス | 浜辺を進んでいるみたい。近くに洞窟の入り口が見えるからそこを目指しているようね。 |
カロル | さすがバウル !やっぱり頼りになるね ! |
ジュディス | ふふっ、ありがとう。バウルも喜んでるわ。 |
パティ | なら、うちらもその洞窟を目指すのじゃ。 |
ゴーシュ | ……思えば、私たちはエリックたちに振り回されてばかりだな。 |
ドロワット | ゴーシュちゃん。エリックとライアンを見つけても怒らないであげてほしいの。だって……。 |
ゴーシュ | ……わかっている。きっと、私たちがイエガー様のお力になりたいという気持ちと同じなのだろうな。 |
レイヴン | …………。 |
ゴーシュ | 行こう。今の私たちの役目は無事にあの子たちを保護することだ。 |
キャラクター | #N/A |
レイヴン | ……はぁはぁ。なんか……思ったよりも大変だったわね……。 |
エステル | 大丈夫ですか、レイヴン ? |
レイヴン | あー、平気平気……。けど、子供たちだけでよくこんな場所まで来られたもんだわ。 |
ゴーシュ | 元々、動き回るのが好きな子たちだったからな。 |
ドロワット | それに私とゴーシュちゃんが教会を出ていったときも二人だけでこっそり追いかけてきたんだわん。 |
パティ | うむ、あっぱれな行動力じゃ。 |
ジュディス | ふふ、将来大物になりそうね。 |
リタ | 感心してどうするのよ。おかげでこっちは、こんな場所まで来ることになったんでしょうが。 |
レイヴン | まあ、それもおっさんたちが保護してめでたしめでたしといこうじゃない。 |
エステル | そうですね。幸い、この辺りには魔物はいないようですし……。 |
子供の声 | ――見つけたッ ! ! |
カロル | ねえ、聞こえた ! ? 今の声って…… ! |
ゴーシュ | エリックとライアンだ ! |
ドロワット | きっとこの先なの !急げや急げだわん ! |
ライアン | エリックお兄ちゃん ! やったよ ! |
エリック | ああ ! この宝箱の中にきっと……。 |
ゴーシュ | エリック ! ライアン ! |
エリック | ゴーシュお姉ちゃん ! ?それにドロワットお姉ちゃんも……。 |
ドロワット | 二人を迎えにきたの。ゴーシュちゃんも私も怒らないから一緒に帰ろう。 |
ライアン | ま、待って !ぼくたち、ちゃんとお宝を発見したよ ! |
エリック | ほら ! この宝箱 !この中に財宝が…………えっ ? |
リタ | ……何も入ってないわね。 |
ライアン | ……そんな。 |
ゴーシュ | ……これで満足しただろ。さあ、帰るぞ。 |
エリック | ま、待って ! ボクたちが聞いた宝の島はここだけじゃないんだ ! だから、近くの島も調べればきっと……。 |
カロル | ……ううん。ここで最後だと思う。ボクたち、先に他の島を調べてたんだけど同じように宝箱は空だったんだ。 |
カロル | だから、最後のこの島に本物の宝があると思ってたんだけどそれもハズレだったみたいだね。 |
パティ | 残念じゃが、お宝が先に取られているなんて海賊をやっていればざらにあるのじゃ。 |
レイヴン | 世の中、そうそうウマい話はないってことね。 |
エステル | ですが、これじゃああまりにも……。 |
リタ | 仕方ないわよ。あたしたちにどうこうできる話じゃないわ。 |
リタ | ……だから、そんな寂しそうな顔子供たちに見せないようにしなさい。 |
エステル | リタ……。 |
カロル | な、なに ! ? |
ジュディス | この気配……みんな、気を付けて ! |
魔物の群れ | グルルアアアアアアッッ ! ! ! ! |
ゴーシュ | 魔物の群れ ! ? |
ドロワット | 急にいっぱい出てきたわん ! ? |
レイヴン | もしかして、おっさんたちずっと見られてた ? |
ジュディス | そうみたい。魔物にしては賢いようね。 |
リタ | だから感心してる場合じゃないでしょうが !とっとと片づけるわよ ! |
レイヴン | んじゃ、ここはおっさんに任せて頂戴 !華麗にターゲット、オン ! |
レイヴン | ふっ、どうよ。おっさんの実力は。これで魔物たちも大人しく……。 |
魔物の群れ | グルルルルルアアアアッッ ! ! |
レイヴン | ええっ ! ? ちょ ! ? さっきより増えてない ! ? |
カロル | 仲間を呼んだんだよ !ここは魔物の棲み処だったんだ ! |
エステル | 大変です ! わたしたちが来た道も魔物に塞がれてしまっています ! |
エリック | そ、そんな……ボクたちのせいで……。 |
ゴーシュ | 心配するな ! こいつらは私たちがやっつける ! |
ドロワット | でも、全部倒すのは大変なの…… ! |
パティ | まさにピンチというやつなのじゃ。 |
ユーリ | こいつはまた盛大な騒ぎだな。いくぜ、相棒 ! |
ラピード | ワオーン ! ! |
ユーリ | くらいな ! ! 蒼破 ! ! |
カロル | ユーリ ! ラピード ! |
フレン | みんな、無事かい ! ? |
エステル | フレン ! 来てくれたんですね ! |
フレン | 遅くなってしまい申し訳ありません。ラピードが案内してくれたおかげで大事は避けられたようですが。 |
ユーリ | お手柄だぜ、ラピード。さて、残りのやつらも相手してやるか。 |
ジュディス | あら、遅れてきたのに全部横取りするつもり ? |
ユーリ | なら、どっちが多く倒せるか勝負といくか ? |
ジュディス | いいわね、やりましょう。 |
フレン | 君たち ! こんなときにまで一体何を……。 |
リタ | あの戦闘バカたちのことはほっときなさい。それより、こっちもさっさと片づけるわよ。 |
パティ | うちらの実力を思い知らせてやるのじゃ ! |
キャラクター | #N/A |
パティ | ユーリ~、うちはユーリが助けに来てくれると信じておったのじゃ~。 |
ユーリ | そりゃどうも。で、そっちはずっとだんまりだがそろそろ話す気になったか ? |
エリック | ごめんなさい……。でも、ライアンを誘ったのはボクなんだ。だから、悪いのは全部ボクで……。 |
ライアン | 違うよ ! エリックお兄ちゃんは、ぼくのために宝箱を探してくれたんだ ! |
ゴーシュ | ライアンの為…… ? |
ドロワット | 宝箱を探しにいったのは教会の資金難を知ったからじゃなかったの ? |
エリック | ……もちろん、それも目的の一つだったよ。 |
エリック | だけど、ライアンと離れ離れになる前に二人で何か凄いことをやってみたかったんだ。 |
カロル | 離れ離れって、どっちか教会を出ていっちゃうの ? |
ライアン | ……ぼくがビフレストの人たちと一緒に新しい月に行くことにしたの。 |
エステル | ビフレスト……そういえば、ライアンは元々ビフレスト出身の家系……でしたね。 |
ユーリ | ああ、だからフリーセルが誘拐しようとしたのをオレたちが止めたんだが……お前、ビフレストの連中と一緒に行くのか ? |
ライアン | ……うん。最初はどうしようかと思ったけどずっと、ぼくを育ててくれたおじいちゃんが言ってたんだ。 |
ライアン | 「いつか、お前もビフレストの民として誇り高い男になってほしい」って……。 |
ライアン | ……だから、今はまだ子供だけど新しいビフレストに行って、ウォーデン様たちのお手伝いをしたいんだ。 |
ライアン | ……きっと、そうしたらおじいちゃんもお父さんも喜んでくれると思うから。 |
レイヴン | ……本当に、子供ってのは大人が思うより色々と考えてるもんだわ。 |
エステル | ……ええ、とても勇気のある決断だと思います。 |
エリック | ボクも、最初に聞いた時はビックリしたよ。でも、ライアンが決めたことならって覚悟はしてたんだけど、やっぱり寂しくて……。 |
エリック | だから、最後にずっと忘れないような思い出を二人で作ろうって話し合ったんだ。 |
エリック | そうしたら、ライアンもずっとボクのことを覚えててくれると思ったから……。 |
ユーリ | 心配すんな。ダチのことを忘れるやつなんていねえよ。 |
ライアン | えっ ? |
ユーリ | オレと、このフレンって奴も昔からの仲でな。一緒につるんでは、今のお前たち以上に馬鹿なことをやってきたもんだぜ。 |
フレン | お、おい、ユーリ !一体、なんの話を…… ! |
ユーリ | まあ聞けって。そんで、大人になってからは別々の道を行くことになってな。しばらく顔を合わせることもなかった。 |
ユーリ | ……けどな、こいつと馬鹿やってた頃のことは今でも覚えてる。どんだけ離れてようがダチってのはそんなもんさ。 |
エリック | ……本当 ? |
ユーリ | ああ、オレは生まれてこの方嘘をついたことはねえからな。 |
フレン | ……まったく、よく言うよ。だけど、今回ばかりは君の意見に同意だね。 |
ラピード | ワンッ ! |
レイヴン | 腐れ縁って言葉もあるくらいだしね。お前さんたちが思っている以上に人の縁ってのは繋がってるもんよ。 |
ジュディス | そうね。自分で断ち切らない限りは残るものじゃないかしら。 |
ライアン | ……そっか。うん、そうだよね…… ! |
エリック | ……ありがとう、お兄ちゃん !ボクたちも、お兄ちゃんたちみたいに大人になってもずっと友達でいるよ ! |
ライアン | うん ! エリックお兄ちゃんとぼくはずっと友達だからね ! |
カロル | ……ううっ。ボク、ちょっと涙が……。 |
パティ | うむ、これが熱き友情というやつなのじゃ。 |
リタ | それに、別に一生会えなくなるわけじゃないでしょ ? |
ライアン | えっ ! ? で、でも……月ってあんなに遠いしそんな場所に行っちゃったら……。 |
リタ | 今、ジュニアたちが月とこっちを繋ぐ転送装置を作ってるの。それが完成したら会いに行けるようになるはずよ。 |
エリック | そうなの ! ? だったらボク、絶対ライアンに会いに行くよ ! |
ライアン | うん ! そのときは、また一緒に遊ぼうね ! |
レイヴン | リタっち。そういうことは先に言ってくんない ? |
リタ | し、仕方ないでしょ !言い出すタイミングがなかったんだから ! |
エステル | でも、よかったですね。それなら、いつでも会いにいくことができます。 |
ドロワット | やったの~ !これで万事解決なのよ ! |
ゴーシュ | ああ、二人も寂しい思いをしなくてすみそうだ。お前たちにも、世話になった。 |
ドロワット | 私らは他の子たちと合流するわん。まったね~ ! |
ユーリ | さてと、色々派手なイベントが起こっちまったが……まだ時間もあるし、オレたちもここから休みを満喫するか。 |
パティ | ところでユーリ。うちが貸した全自動駆動車はどこじゃ ? うちは今からでもユーリとドライブに行きたいのじゃが ? |
ユーリ | あっ、悪い、パティ……そのことなんだが……。 |
カロル | あ、パティ。あれじゃない ? |
パティ | おおっ、あんなところに停めておったのか。それじゃあ、早速乗り込むのじゃ ! |
ユーリ | ……おいおい。まさか勝手にここまで走ってきたとかいわねえよな。 |
フレン | さすがにそれはないと思うけどあるとすれば……。 |
パティ | ん ? なんじゃ ?後ろに荷物がわんさかと……これは……ユーリとフレン宛の手紙じゃ。 |
ユーリ | オレたちに ? まさか……。 |
| 「ディアー、マイフレンド。荷物はチルドレンへのサプライズとしてゴーシュとドロワットに渡してください」 |
| 「教会についても、ミーがサポートしますからドントウォーリー。アーンド、マシンのリペアはオマケです。それでは、シーユーアゲイン !」 |
フレン | 荷物の中身は、全部子供向けの玩具みたいだね。 |
ユーリ | ったく、何がビッグビジネスだよ。別にオレたちには黙ってなくてよかっただろ。 |
レイヴン | あいつはそういう奴なのよ。許してやってちょうだい。 |
ユーリ | 仕方ねえ。頼まれたからにはちゃんと届けねえとな。 |
ラピード | ワンッ ! |
カロル | ボクたちも手伝うよ。海で使えそうな玩具もたくさんあるし、使い方を教えてあげなきゃ。 |
リタ | もしかして、最後まで子供たちの面倒を見なくちゃいけないってオチなの ? |
エステル | いいじゃないですか、リタ。なんだか楽しそうです ! |
ジュディス | ええ、こういう一日があっても悪くないんじゃない ? |
ユーリ | だな。そんじゃあ、オレたちも派手に遊んでやるか ! |