キャラクター | 1話【強き想い1 マギルゥのお願い】 |
エリーゼ | ……くしゅん ! |
ルドガー | 冷えるな……何か羽織るか ? |
エリーゼ | ううん、大丈夫です。これくらいなら。 |
ティポ | マギルゥはどうしてこんな寒いところにぼくたちを呼び出したんだろうねー ? |
ルドガー | それが、オリジン魔鏡に関することらしいけど……。 |
ティポ | オリジン魔鏡ってなんなのさー ?最近みんな言ってるけどー。 |
ルドガー | 力を引き出すことで、通常の攻撃が通用しない幻影種に有効なオリジン魔鏡技が使えるんだ。 |
ルドガー | それに戦闘中でも素早くアイテムを扱えるようになるそうだ。 |
エリーゼ | とっても便利ですし使いこなせるようにならなくちゃ、ですね。 |
マギルゥ | よっ、待ったかの ? |
ティポ | 待った !マギルゥ、遅いぞー ! |
マギルゥ | そこは「今来たところ」と返すのがお約束じゃぞ ♪ |
ルドガー | デートの待ち合わせならそうかもしれないけど……。オリジン魔鏡に関することなんだよな ? |
マギルゥ | その通りじゃ、準備が思いのほか手間取ってのう。 |
マギルゥ | 二人を呼んだのは他でもない儂の作品のモデルになってほしいのじゃ ! |
エリーゼ | モデル…… ? |
ティポ | オリジン魔鏡の話じゃないじゃんー ! |
マギルゥ | そう結論を急ぐでない。これには海よりも深~い事情が……へっくしゅん ! |
ルドガー | 寒いだろ、その格好じゃ。 |
ティポ | スキマ風、入りまくりー。 |
マギルゥ | ええいっ、テンションを下げる寒風め…… !ま、そんなことはどーでもいいがの。 |
マギルゥ | オリジン魔鏡というのは結局のところオリジナルの技や術を編み出すんじゃろ ? |
マギルゥ | 折角じゃから儂もオリジナルの式神を作ろうかと思っての。 |
ルドガー | 式神……マギルゥが武器にしているあの変わった紙みたいなやつか。 |
マギルゥ | うむ ! 普段は店売りの品やダンジョンで拾ったものを使っておる。 |
エリーゼ | えっと……式神って作ろうと思って作れるものなんですか ? |
マギルゥ | 儂もやったことないがなんとかなるじゃろ。 |
ティポ | うわー、テキトー。 |
マギルゥ | なーに、世紀の大魔法使いにかかれば式神の千体や二千体、造作でもないわ ! |
ルドガー | どれだけ作るつもりなんだ……。 |
マギルゥ | そーゆー訳で、二人にはいい感じに活躍してカッコかわいい姿を見せてほしいのじゃ ♪ |
ルドガー | カッコ……。 |
エリーゼ | かわいい……。 |
マギルゥ | その姿を見れば儂のインスピレーションがピーンときて ! |
マギルゥ | それはもう素晴らしいオリジナルの式神……。オリジン式神が誕生するであろう ! たぶん ! ! |
ルドガー | 俺たちはたぶんで呼ばれたのか……。 |
エリーゼ | その……ひとつ、聞いてもいいですか ? |
マギルゥ | ほいほいなんじゃ ?答えたいことなら答えてやらんでもないぞ。 |
エリーゼ | なんでわたしをモデルに…… ?その、かわいい人なら、わたしより、もっと……。 |
マギルゥ | なんじゃ、そんなことか。 |
マギルゥ | お主も式神っぽいのを連れてるじゃろ。そこのムラサキカズラみたいな。 |
ティポ | ぼくはカズラでもヘチマでもないぞー ! |
ルドガー | ……これは、騒がしい修行になりそうだな。 |
キャラクター | 2話【強き想い2 現れた幻影種】 |
魔物 | ギャンッ ! |
ルドガー | 倒したけど……これでどうだ ? |
マギルゥ | うーん、イマイチじゃのう。いや、イマニ、イマサンか ? |
マギルゥ | ほら、お主はアレ使えたじゃろ ! 変身 ! |
ルドガー | 骸殻のことか ?流石にモデルのためだけにあの力を使うのは……。 |
マギルゥ | ふむ……そうか、じゃあそこは諦めよう。 |
ティポ | えー、諦めちゃうのー ? |
マギルゥ | 本人が嫌がる事を無理強いさせても魅力的なモデルにはならんからのう。 |
マギルゥ | そんなわけで、ムラサキヘチマもできる範囲で魅せる闘いを頼むぞ ♪ |
ティポ | だから、ヘチマじゃないー ! |
エリーゼ | 魅せる闘い……難しい、ですいつもは、魅せようと思ってないですし。 |
ルドガー | 確かにな。演舞の意識が必要なのかもしれない。指先をビシッと揃えて……こう、か ? |
マギルゥ | なんか演技がかって嘘くさいのう。 |
エリーゼ | そんな……。 |
ティポ | どーしろっていうのさー ! |
マギルゥ | 自然体でいて、かつ観客を意識するのじゃ !……難しいかの ? |
ルドガー | 役者の領分になってきたな……。コングマンに頼んだ方がいいんじゃないか ? |
エリーゼ | 闘技場のチャンピオンですもんね。魅せる闘いは得意そうです。 |
マギルゥ | あやつをモデルにしたらマッチョ神になりそうじゃのう……。 |
マギルゥ | 強そうなのはいいが絵面的に暑苦しいじゃろな、却下 ! |
ルドガー | やっぱり俺たちでなんとかするしかないか。 |
エリーゼ | あっ……向こうから、別の魔物が来ます ! |
魔物 | ゴオォォッ ! |
ルドガー | はっ ! ! |
ティポ | 突撃ーっ ! |
ティポ | うわ、ダメだー ! |
エリーゼ | 手ごたえがないです、これは……もしかして ! |
ルドガー | ああ、幻影種か…… ! |
マギルゥ | これはドラマチックな展開になってきたのう。さあ、オリジン魔鏡技を編み出さねば勝ち目はないぞ ! |
魔物 | ゴアアァッ ! |
マギルゥ | って、儂を狙うんか~いっ ! ? |
エリーゼ | 回復します ! |
マギルゥ | すまんのー。こりゃ儂も高みの見物とはいかなそうじゃ…… ! |
ルドガー | このままではジリ貧か……。みんなを、守るためには…… ! |
エリーゼ | ルドガーの両手が、光り始めた…… ! ? |
マギルゥ | 噂の骸殻かの ? |
ティポ | 違うよ、こんなの見たことないー ! |
ルドガー | 今なら…… ! !降り注げ ! |
ルドガー | そして……舞い散れ !氷雨斑雪 ! ! |
魔物 | ゴ……ゴオオォォンッ ! ! |
ルドガー | ふう……ぶっつけ本番だったがなんとかなったみたいだな。 |
ティポ | ルドガーすごーい !あんな技、いつの間にー ! ? |
ルドガー | みんなを守りたいと思ったら自然と身体が動いたんだ。 |
エリーゼ | わたしも、できるようになるでしょうか ? |
マギルゥ | もちろんじゃ !この儂がモデルに見込んだんじゃからの ! |
ティポ | マギルゥが言うとうさんくさいぞー ? |
ルドガー | 無責任なことは言えないが……自分で限界を決めなくていいと思う。 |
エリーゼ | ……そう、ですね。 |
マギルゥ | にしても、今のはよかったの !寒空に舞う氷と雪の結晶……冬を支配する王の風格じゃった ! |
ルドガー | はは……、マギルゥの参考にもなったみたいだな。 |
キャラクター | 3話【強き想い3 インスピレーション】 |
ルドガー | この辺りは少し暖かいな……。植生も変わってきたみたいだ。 |
ティポ | たくさん歩いたもんねー。疲れたぁー。 |
ルドガー | ……そうだな。いったん休憩にしようか。 |
エリーゼ | ふぅ……。 |
マギルゥ | なんじゃ、そんなにへばっとったのか。気づかなんだぞ。 |
エリーゼ | その、オリジン魔鏡をなんとか使いこなせるようにならなきゃって……。 |
マギルゥ | ふむふむ、お主は背負い込むタイプなんじゃな。ならば儂を見習うがいい。 |
マギルゥ | 儂も今んとこ、なーんも閃かんがぜーんぜん気にしとらんからの ! |
ルドガー | それもどうなんだ……。 |
エリーゼ | でも……やっぱり、早く使えなきゃって気持ちばかり焦っちゃうんです。 |
ティポ | エリーゼ……。 |
マギルゥ | まー、儂が言うのもなんじゃがお主は人事を尽くしとると思うぞ。 |
マギルゥ | こうなったらあとは天命を待つだけ……。なるようにしかならぬものよ。 |
ルドガー | そうだな……俺も不意に閃いた感じだからコツとかを教えられなくて悪いが。 |
マギルゥ | そこらへんも人それぞれじゃしの。考えすぎて疲れた時には……これじゃ ! |
エリーゼ | お芋…… ? |
マギルゥ | そうじゃ ! 寒いところで食う焼き芋は美味いぞ。蜜芋じゃからたっぷり糖分も補給できる ! |
マギルゥ | というわけで、ルドガー !調理はよろしく頼むぞえ。 |
ルドガー | はいはい、わかったよ……。 |
マギルゥ | なんだかんだ頼めばやってくれる……お主のそういう所も見込んでモデルを頼んだのじゃ。 |
ティポ | ルドガーはお人よしだからねー。 |
マギルゥ | お人よし過ぎて借金とか背負ったりせんようにの。 |
ルドガー | ……肝に銘じておくよ。 |
ルドガー | よし、そろそろかな。熱いから気を付けるんだぞ。 |
マギルゥ | あちっ、あちちっ ! |
エリーゼ | いただきます…… ! |
マギルゥ | ……うむ !美味なり ! ! |
ルドガー | お褒めに預かり光栄だ。 |
エリーゼ | ほくほくで、とっても美味しいです…… ! |
マギルゥ | この香りがまた食欲をそそるのう。……そう、魔物どもにとっても、の。 |
魔物 | グルルル…… ! |
エリーゼ | 魔物が……こんなにたくさん ! ? |
ルドガー | 幻影種……かどうかはわからないがこの数は厄介だな……。 |
マギルゥ | すっかり囲まれてしもうたのー。さて、どうしたもんか。 |
ティポ | なんとかしなくちゃー ! |
エリーゼ | うん……だったら…… ! |
ルドガー | エリーゼの右手が…… ! !これは俺の時と同じ ! ? |
エリーゼ | そっか……こういうことだったんですね ! |
エリーゼ | そんなに食べたいのなら…… !これでも食べて ! |
ティポ | ピコハンだー ! |
二人 | ティポピコレイン ! ! |
魔物 | ギャオオォォンッ ! ! |
ルドガー | すごい、一気に魔物たちを…… ! |
マギルゥ | ……ピコーン !これじゃこれじゃこれじゃあ ! ! |
マギルゥ | エリーゼの姿に食いきれぬ料理を作るオカンを見た !儂も今までにないやつ、思い付いたぞ ! |
マギルゥ | 出てこい、ビエンフー ! |
ビエンフー | ビエ~ン ! 荷物袋に押し込まれ幾星霜 !やっと出番が回ってきたでフー ! |
ティポ | なんかいたー ! |
マギルゥ | お見舞いされてしまうのか ? |
マギルゥ | これが地獄の……無限無窮弾(せんぼんノック)じゃ ! ! |
エリーゼ | 式神で打った…… ! ? |
魔物 | ギャオオォォンッ ! ! |
マギルゥ | ふん、まだまだじゃな。この程度捌けぬようでは、優勝は狙えぬぞ。 |
ティポ | 意味わかんないけど、すごいぞー ! |
ルドガー | なんだかんだで、みんなオリジン魔鏡を使えるようになったみたいだな……。 |
マギルゥ | うむ ! お主たちのおかげで儂も新たな力を手にしてしまったようじゃ。 |
マギルゥ | それに、新たな式神も思い付いたのじゃ !ほれっ ! |
ルドガー | こ、これは…… ! |
エリーゼ | ハムと、ソーセージの……詰め合わせ ? |
マギルゥ | ルドガー王のハムとエリーゼ聖母のソーセージ……。名付けて『オセイボ神』じゃ ! |
ルドガー | ……それ、戦えるのか ? |
ビエンフー | ちゃんとした式神じゃないから無理でフね。 |
マギルゥ | ……味で勝負 ! |
ティポ | ダメじゃん !マギルゥのバホー ! ! ! |