キャラクター1話【物語1 引き受けた依頼】
チェスターうお !  すごい風だな…… !立ち止まってたら凍り付いちまいそうだ。
ミント今の時期は風が強いと聞きましたけど山の上のほうまで来ると気温も下がってさらに厳しく感じますね。
クレスこの山に魔物が現れるようになったのか……。こんな場所だったら簡単に退治に行けないし街の人たちが困っているというのもわかるよ。
チェスターそれでお前が引き受けたってわけかよアーチェ。
アーチェまあね~。だって、ほっとけないじゃん。すっごい困ってるみたいだったからさ。
アーチェ今まで魔物が街まで来るなんてことなかったから余計に怖いみたい。
クレスなるほど。突然現れたのか行動範囲が変わったのか……。
ミントいずれにしても、まずはその魔物を見つけなければなりませんね。
クレスああ。アーチェ、どんな魔物なんだい ?
アーチェへ ?
クレス探すにも特徴を知らないとね。こういう山の中だったら、大型の獣なのかな。
ミント小型で、毛皮が厚い魔物の可能性もありますね。集団で襲ってくるような種類でなければいいのですが。
チェスターで、どうなんだよ ?
アーチェあー、え~っと……。
チェスター……まさか、どんな魔物かも聞かずに引き受けたんじゃねえだろうな ?
アーチェギクッ ! !そっ……………………そんなことないし。
チェスター誤魔化せてねえっての。は~、ったく、これだからお前は……。
アーチェう、うるさいなあ !とにかく助けなきゃって思ったんだから仕方ないでしょ !
チェスターだからって、どんなもんかもわからなかったら助けることもできねえだろうが !
アーチェうっ !  そ、そうだけど !  そうだけど…… !
ミント落ち着いてください、二人とも。ひとまず、魔物の気配があるかどうか調べましょう。そうしたらきっと何かわかるはずですよ。
クレスああ、そうだね。困っている街の人を助けたいというアーチェの気持ちもよくわかるし……。
クレスまずはこの付近を調査していこう。
アーチェそうそう、その通り ! !というわけで、ゴチャゴチャ言わずにサクサクッと行くよ !  ほらほら~ !
チェスターあっ、おい !
チェスター行っちまった……。ったく、妙な張り切り方しやがって。
ミントふふ。ですが、なんだか懐かしい感じがしますね。アーチェさんとお会いするのは久しぶりですし。
クレスああ、そうだね。僕たちは、しばらく村の復興でアーチェにはあまり会えてなかったから。
チェスターあー、そういやそうか。だから最近あのうるさい声を聞かなかったんだな。
クレスはは、またそんな言い方をして。
チェスター本当のことなんだから仕方ないだろ ?実際、さっきの大騒ぎを見りゃわかるじゃねえか。
チェスターま、懐かしいのも確かだけどよ。
チェスターつっても、アーチェが突然オレん家にいたときはびっくりしたぜ……。

キャラクター2話【物語2 突然の訪問】
――数日前。
チェスターただいま、アミィ。今日はウリボアを狩ってきたぞ。
アミィわぁ、すごい。ありがとう、お兄ちゃん !
アーチェへえ~、やるじゃん !この鶏肉もあんたが狩ってきたんだって ?意外とちゃんとしてんのね~。
チェスターアーチェ ! ?なんでお前がオレん家で飯食ってんだよ !
アミィ私が誘ったの。たまたま近くまで来ていてこの村に立ち寄ったんだって。
アミィあ、お兄ちゃんのお昼ご飯もちゃんとあるから安心してね。
チェスターいや、それは心配してねぇし、別にいいんだけどよ。
チェスター来るなら先に言っとけよ。たまたまっつっても、着く前に連絡くらいできただろ。
アーチェ別にあんたに会いに来たわけじゃないし~。クレスやミントやアミィちゃんの様子が見たかっただけなんだから。
アーチェ大体、誰が好き好んであんたの顔なんて見に来るのよ。
チェスターああそうかよ !んじゃ、もうアミィに会ったし、飯も食ったし用は済んだだろ、帰れ帰れ !
アーチェあーっ !  ちょっと、お皿引っ込めないでよ !まだ食べてるんだから !
チェスターうるせえな、勝手に人ん家来ておいて !
アミィもう、いじわるはダメだよ、お兄ちゃん。ごはんはゆっくり食べてもらわないと。
チェスター……ったく、仕方ねぇな。
アミィあ、そうだ。せっかく来てくれたんだし、もしよかったら今日は泊まっていきませんか ?
アーチェんー、それはありがたいんだけど……。実は、もう少ししたら出発しなくちゃいけなくって。
チェスターなんだよ。そんなに忙しいのか ?
アーチェそっちこそなによ、さっきまで「帰れ ! 」とか言ってたくせに。
チェスターう、うるせえな !図々しく泊まっていきそうなやつが帰るとか言うから妙だと思っただけだよ。
アーチェそんな言い方しなくてもいいでしょ !この後、雪山に出る魔物を退治しにいくの。だから時間がないってだけ !
チェスター魔物退治 ?
アーチェうん。こっからちょっと先の街なんだけどそこの近くに山があるの、知ってる ?
チェスターあー、あの山か。知ってはいるけど、行ったことはないな。
チェスター山頂がずっと雪に覆われてて、寒すぎるんだよな。だから動物も魔物もあまり住んでなくて狩りには向いてないんだってよ。
アーチェそっか。じゃあやっぱり急に魔物が出るようになっちゃったのかなぁ……。
チェスターそこに行くのか ?  お前一人で ?
アーチェそうよ。街の人たちが困ってたから、早く行って調査しなくっちゃ !
チェスターはぁ ?  大丈夫なのかよ、それ。
アーチェどういう意味よ ! ?
チェスター雪山に一人で行っても迷子になって終わりだろ。魔物の退治だって簡単にできるとは思えねぇし。
アーチェ何よー、ナメないでくれない ?あたしだって色々鍛えてるんだから !あんたに心配なんかされなくたって平気よ !
チェスター別に心配してるわけじゃねえよ !お前が失敗したら依頼した街の奴らだって――
アーチェちょっと !
アミィもう、またケンカしてる。落ち着いて、二人とも。
アミィでも、アーチェさんが心配なのは私も同じだし……お兄ちゃん、アーチェさんと一緒に行ったらどう ?
チェスターは ?  いや、そしたらアミィが一人になっちまうだろ。それはダメだ !
アーチェそうだよ、どのくらいかかるかわからないしアミィちゃんを一人にするなんて……。
アミィ私は平気だよ。ここは魔物も現れないし、村の人たちも親切にしてくれるから。
アミィそれより、魔物が出る場所にアーチェさんを一人で行かせるほうが心配でしょ ?
チェスターそれは、まあ……。
アミィクレスさんとミントさんにも声をかけてみたら ?きっと手伝ってくれるよ !
チェスターうーん…………そうだな。この村の人は、間違いなく信頼できるし。
チェスタークレスたちにも話して、魔物の調査に行く。それでいいだろ、アーチェ。
アーチェあ……うん。それだと助かるんだけど……。
チェスターなんだよ ?
アーチェ二人とも、忙しいんじゃない ?ほら、村の復興を手伝ってるって聞いたし……。
チェスターああ、知ってたのか。それは大丈夫だと思うぜ。最近はだいぶ落ち着いてきたからな。
アーチェそ、そっか !それなら、いい……かな。
チェスター…… ?  なあ、アーチェ。お前――
アーチェよーっし !  そうと決まれば、善は急げよ !さっそく会いに行こー !
チェスターあっ、おい、勝手に行くなっての !……ったく、落ち着きのないやつだな。
アミィふふっ。久しぶりに会ったけど、変わらないね。なんだか嬉しくなっちゃった。
チェスターまあ、変わらねえって言ったらその通りなんだけどな……。悪い、アミィ。ちょっと行ってくる。
アミィじゃあ、ご飯はお弁当にしておくから村を出る前にまた寄ってね。
チェスターおう。ありがとな。
チェスター……アーチェのやつ、何かあったのか…… ?

キャラクター3話【物語3 忍ぶ影】
クレス――なるほど、それでアーチェと一緒に僕たちのところに来たんだね。
チェスターああ。巻き込んじまって悪かったな。
ミントいいえ、むしろ頼ってくださって嬉しかったです。
クレスそうだよ。こういうときこそ、声をかけてくれなきゃ。
チェスターお前らならそう言ってくれると思ってたぜ。
ミントですが、意外でした。アーチェさんは、最初からチェスターさんを頼って村に来たのかと。
アーチェそんなわけないじゃん~。誰がこんなやつ頼るもんですか !
チェスターおわ !  お前、いつの間に戻ってきたんだよ。
アーチェこの先は何もなかったから別の道に行こうって伝えに来たの。
アーチェそしたら、誰かさんが人の悪口言ってたみたいで~。
チェスター悪口なんか言ってねえよ !突然人ん家に押しかけてきたやつがいたって事実を話してただけだ。
アーチェたまたま通りがかったからって言ったでしょ !
アーチェっていうか、クレスが来てくれるのがわかってたなら最初からそっちに行ったし、あんたがここにいるのはただのなりゆきなんだからね ?
チェスターはぁ ?  お前はいっつも――
クレスまあまあ、二人とも。まずは魔物を退治しないと。
アーチェそうだそうだー !サクッと魔物やっつけて、街でゆっくりしようよ。
アーチェ麓の街は静かで落ち着いてるんだけど温泉なんかもあって最近観光客に人気なんだって !
アーチェ隠れ家的な宿も多くて、それ目当てに遠方から来るお客さんも増えてるみたい。
ミントそんなところに魔物が現れたなんてそれは不安になりますね……。
チェスターつーか、噂になるだけでも客足が遠のきそうだよな。
アーチェそう、それよ !なんだ、あんたも意外とわかってるじゃない。
チェスター普通に褒められないのかよ、お前は……。
クレスはは……。でも、そういう事情なら、できるだけ早く魔物を退治したいというのは納得できるね。
ミントええ、そうですね。まずは居場所の手がかりを――
全員! !
チェスター……今、なんか気配があったよな ?
クレスうん。それほど大きなものって感じじゃないけど……。
クレス!  来る…… !
すず!  皆さんだったんですね…… !
アーチェえっ、すずちゃん ! ?
チェスター驚かせるなよ……。なんでまた、こんなとこにいるんだ ?
すずここの魔物退治の依頼を受けたんです。以前お世話になった忍者の里の人から手伝ってほしいと連絡をいただいたので……。
アーチェえっ、ホント ! ?じゃああたしと一緒じゃん !
すず皆さんも、魔物退治を ?
アーチェそうそう !  麓の街の人に頼まれて。まだ魔物は見つけてないんだけどさ……。
すずそうだったのですね。でしたら、このまま私と同行していただけませんか ?
すず忍者の里の方々と協力して、魔物が出現する場所はだいたい掴めたのですが数が多いようで……。
チェスターお、本当か ! ?さすがだな、すず。魔物の特徴すら聞いてこなかったどっかの間抜けとは大違いだぜ。
アーチェひと言多い !  もー……。
アーチェすずちゃん、あたしからも、ぜひ協力させて !困ってる街の人を早く助けたいんだ。みんなもそれでいいよね ?
ミントええ、もちろんです。
クレス目的は一緒なんだ、力を合わせよう。
すずありがとうございます。アーチェさんには、またご協力いただくことになりますね。
ミントまた…… ?
アーチェあー、そういえばそっか !ちょっと前なんだけど、忍者の里で手伝いをしたことがあったからさ。
ミントまあ、そうだったんですね。素敵です、アーチェさん。
アーチェいやー、それほどでも~ !
クレス僕たちがいない間も、アーチェは困っている人を助けていたんだね。
チェスターああ……そうだな。
クレス?  チェスター ?
チェスター…………なあ、アーチェ――
アーチェよーし !  そうと決まれば !さっさと魔物退治に向かうわよ~ !
チェスターあ !  おい…… !ったく、何を焦ってんだよ、あいつは……。

キャラクター4話【物語5 追跡】
アーチェ結構奥まで行くんだね。
すずもう少しで到着します。ただ、この辺りの道が一番険しくて……。
ミント標高が高いからか、雪も深くなってきましたね。
クレスうん。足を取られやすいから、気をつけて。
ミントありがとうございます、クレスさん。
アーチェ…………。
チェスターなにじーっと見てんだよ。
アーチェやっぱりクレスは優しいな~って思ってたの。
チェスター……なんか棘を感じるな……。
アーチェそんなんじゃないわよ。意識しすぎ !
アーチェてかさ、最近のクレスとミントってどんな感じ ?
チェスターどんな感じ、って……別に普通だぜ ?
アーチェ普通って、どう普通なわけ ?なんかこう、一緒に出かけたりとか、そういうのは ?
チェスターいや、特にねえけどな。今まで通りだ。
アーチェえー !  でも、同じ村に住んでるんだよ ! ?まったく何にもないってことはなくない ?ホントに何もないわけ ! ?
チェスターだから、ないって言ってるだろ。みんなと旅してたときとか、浮遊島にいたときとか。その頃と変わらないっての。
アーチェふーん、そっか。
チェスターなんなんだよ、お前は……。
アーチェ別に~。あ、ミント !  あのさ――
チェスターお、おい !  ったくなんなんだ、マジで……。
チェスター……ま、あいつがコロコロ話題を変えるなんていつものことか。
すず!  皆さん、見てください。この足跡……。
クレスこれは、魔物のものか…… !
すずはい。これを見るかぎり複数体が近辺を歩いていたと思われます。
クレス見える範囲にはいないみたいだけど……この足跡の感じからすると、そんなに遠くにいるってわけでもなさそうだな。
ミントでは、ここからは慎重に進んだほうがよさそうですね。
アーチェあ、そういうことならあたしに任せて !
チェスターどうするんだよ ?
アーチェ空から確認するの !  ちょっと待っててね !
すずなるほど、アーチェさんなら空から見渡すことができますね。
チェスターおい、どうだ、アーチェ !
アーチェ! !  魔物の群れがいる !北の方 !
アーチェでも、あっちもあたしたちに気づいてるみたい。向かってきてるし……これ、マズいかも。
チェスターどういうことだ ! ?
アーチェ魔物があたしたちを囲もうとしてる。ぐるっと半円状に広がってる感じなの。
ミント! !知能が高い魔物のようですね。
すずはい。統率もとれているようです。
チェスターけど、向こうから来るなら好都合だ。目についたやつから倒しちまおうぜ !
クレスそうだね ! みんな、背後をとられないように気をつけて。行こう !

キャラクター5話【物語6 魔物たちとの戦い】
チェスターおっしゃ、また倒したぜ !これでだいぶ減らせたんじゃねえか ! ?
クレスああ !  この調子で押していこう !
アーチェあっ、でも待って !
アーチェあいつら、逃げる気だよ !
ミントこのままでは全滅してしまうと悟ったのかもしれませんね……。
チェスターチッ。囲んで仕掛けてきたときといいやけに頭が回る魔物だな !
アーチェでも、ここで逃がすわけにいかないよね。あたし、あいつらを追いかける !
チェスターあっ !  おい、一人で行くのは――
アーチェ! ?  あ、あれ ! ?
アーチェう、うまく飛べ……きゃあ !
チェスターアーチェ !
チェスターおい、大丈夫かよ ! ?
アーチェべ、別になんともないし !なんでかわかんないけどちゃんと飛べなかったってだけで……。
チェスターそれは全然大丈夫じゃねぇだろ ! ?
ミントアーチェさん、無事ですか ! ?
アーチェあー、平気へーき !ちょっと落っこちちゃっただけだし。
チェスターだから、平気じゃねえって !ミント、回復頼めるか ?
ミントはい !ファーストエイド !
チェスターどうだ、治ったか ?
アーチェう、うん……。
ミント特に怪我はなさっていないようなんですが……。
クレス調子が良くないみたいだね。一度下山したほうがいいかもしれない。
アーチェえ ! ?  だ、大丈夫だよ !あとひと息で倒せるんだから、この勢いでたたみかけないと――
クレスいや、無理をして最悪の状況になったら大変だ。手遅れにならないうちに撤退するのも作戦のひとつだよ。
すず魔物に関しては、忍者の方々に追跡をお願いしておきます。今、この近くにいるはずですから。
クレスああ、そうしてもらえると助かるよ。
アーチェ…………。
チェスター……ってわけだ。しっかり掴まってろよ。
アーチェへ ?  ……わっ !
アーチェちょ、ちょっと何してんのよ !下ろしてって !
チェスターうるせぇ、黙って運ばれてろっての !
チェスター……こういうときくらい、大人しくしてろ。
アーチェあ……。……うん。
チェスターよし、戻るぞみんな。
クレスうん。魔物も今は退いているけど、また襲ってくるかもしれない。慎重にいこう。
アーチェ…………。
クレスふぅ、日暮れ前に戻れてよかった。あとは宿がとれればいいんだけど――
クラースん ?  クレスか ?それにみんなも……。
ミントクラースさん !どうなさったんですか ?
クラースあー……その。精霊の調査で立ち寄ったんだが……。
アーチェ…………。
クラースとにかく、休める場所が必要だな。私が泊まっている宿に空きがあるかもしれない。すぐそこだから、案内しよう。
チェスターああ、そうしてもらえると助かるぜ !

キャラクター6話【物語7 不調の少女】
ミントはい、これで診察は終わりです。
チェスターミント !  アーチェはどうなんだ ?
ミント外傷はありません。何かの病気ということもないようですし心配はないかと。
クレスそうか、よかった……。
チェスターけど、それならなんだってあいつ倒れるようなことになったんだ ?
ミントおそらく、疲れが溜まっていたのではないかと……。その状態で、過酷な雪山に登ったので限界に達したのでしょう。
チェスターってことは、過労かよ !人騒がせな……。
アーチェん~……もう食べられないよぅ~……。
チェスター呑気な寝言言いやがって……。心配かけるなっての。
クレスだけど、どうしてそこまで疲れていたんだろう ?
チェスター確かにな。あいつ、体力は結構あるだろ。何かあったのか…… ?
クラースそれとどこまで関係しているかわからないが……最近、キール研究室の精霊調査にアーチェがよく顔を出しているんだ。
チェスターアーチェが ?手伝いをしに行ってるってことか ?
クラースああ、そうだ。こちらとしてもかなり助かってはいたのだが。
ミントそういえば、すずちゃんの手伝いもしていたと言っていましたよね…… ?
クレスうん。僕たちの知らないうちに、アーチェは世界中を飛び回っていたんだな……。
ミント皆さんのお手伝いをするためにあちこちに行くなんて元気なアーチェさんらしいですね。
ミントそれで無理をしすぎてしまったのかもしれませんが……。
クラースそうだな。いつも笑顔で引き受けてくれるからと、甘えすぎた。
クレスでも、今は僕たちもいる。魔物討伐の件はみんなで片付けてアーチェには休んでもらおう。
チェスターまあ、それが一番だとは思うんだけどな……。
ミント?  何か気になることがあるんですか ?
チェスターうーん……いや。まあ、あれこれ引き受けすぎて無茶するってのはあいつらしいっちゃらしいのか…… ?
すず皆さん、お待たせしました。
すず忍者の方々の報告によると残念ながらあの魔物たちは山の奥まで戻ってしまったとのことです。
クレスそうか。じゃあ、また襲ってくる可能性があるね。
チェスター早めに倒しにいったほうがいいとは思うがもう夜だからな。明日、また調査しようぜ。
クラースそれがいいだろう。日中に活動する魔物であれば、夜間は大人しくしている可能性が高い。
すずひとまず、居場所については忍者の皆さんが引き続き確認してくれるそうです。
クレスそれじゃあ、僕たちも今日はここに泊まって明日改めて出発しよう。
ミントそうですね。あ……そうだ。宿のキッチンをお借りすることはできるでしょうか ?
クラースここの主人なら貸してくれると思うがどうしたんだ ?
ミントアーチェさんの身体が温まるものを作れれば、と思ったんです。
クラースなるほど、ではさっそく交渉してみよう。
クレスその間に、僕たちは食材の買い出しに行こうか。
ミントはい、お願いします。
すず私はこちらの予定を忍者の皆さんにお伝えしてきます。
チェスターんじゃ、オレはアーチェの様子を見とくか。呑気に寝てるだけだけどな。
ミントでも、目を覚ましたときにチェスターさんがいてくれたら安心すると思いますよ。
チェスターどうだかな。鬱陶しいとか言いそうだけど。まあ、みんな頼むぜ。

キャラクター7話【物語8 思い出の雪夜】
クレス遅い時間だから店が閉まっているかもと思ったけど無事に食材が買えてよかったよ。
ミントはい。これだけあれば、アーチェさんに栄養のあるものを作れると思います。
クレスうん。それに、久しぶりにみんなで食事ができるのも嬉しいね。
ミントはい !そういえば、揃ってお会いすることはしばらくありませんでしたね。
ミントずっと……この世界に来る前から、ずっと私を支えてくださった皆さんと……。
クレスミント……。
ミント……この雪景色を見ていると、アーリィの町を思い出します。
クレスああ……。あの夜も雪が降ってたな……。
ミントはい……。
ミント私も、きっとクレスさんも他の皆さんも考えたこともないような出来事に直面していたのだと思います。
ミントそうやって、混乱していたときだったからこそクレスさんが正直に話してくれたことが嬉しかった……。
ミント私の、母のこと……。
クレス…………。
ミント黙っていてくれたこともあのときに話してくれたこともクレスさんが私を支えていた証拠です。
ミント本当に、ありがとうございました。
クレス……それは、僕も同じだよ。ミントの言う通り、想像もしなかったことの連続で最初はどうしたらいいのかわからなかった。
クレスだけど、君がずっとそばにいてくれたから僕は戦い続けることができたんだ。諦めずに、最後まで。
ミント…………。
クレスあのときの、ダオスとの戦いの旅は、大切なものを失い続ける日々だった。
クレス何度くじけそうになったか、わからない……。選択を間違えなければ失わずに済んだものもあったのかもしれないと考えてしまう。
クレスそれでも、いつもミントがいてくれて優しさを感じられた。希望を捨てずにいられた。
クレスだから、あのときダオスに立ち向かう力をくれたのはミント、君なんだ。
ミントクレスさん……。
クレス君の優しさは、僕にとってかけがえのないものなんだ。
ミント……あの。
クレスん ?
ミントこれからも……これからも、ずっとクレスさんの隣にいてもいいですか ?
ミントクレスさんと一緒に新しい景色を見て喜んだり、楽しんだり……時には、悲しんだり。
ミント良いことも悪いことも全部、クレスさんと一緒に経験したいんです。
クレスうん……もちろん。
クレスこれからも、たくさんのことを一緒にしよう。きっと色々あるだろうから。
クレスそれがたとえ辛いことだったとしてもミントと一緒なら大事な思い出になると思うんだ。
ミント……はい !
ミント風が…… !
クレスはっくしゅん !
ミント!  クレスさん、大丈夫ですか ?
クレスはは……大丈夫。急に冷たい風が吹いたから。
ミントさっきよりも寒くなってきましたね……。身体を冷やしてはいけませんし、宿に戻りましょう。
クレスそうだね。じゃあ、行こうか。
ミントはい !

キャラクター8話【物語9 少女の本音】
アーチェん……んん~ !
アーチェは~、よく寝た !……って、ここどこ ?
チェスターやっと起きたか。
アーチェチェスター ! ?  なんで……。
チェスターここに来るまでのこと、覚えてねえのか ?お前は――
アーチェそうだったんだ……。ごめん、みんなに迷惑かけちゃって。
チェスターまったくだぜ。あっちにもこっちにも顔を出して疲れ果てるなんてお前らしいっちゃお前らしいけどな。
アーチェ……っていうかあんた、なんであたしの部屋にいんの ?まさか変なことしてないでしょうね…… ?
チェスターするわけねえだろ !なんでオレがお前なんかに……。
アーチェお前なんかってなによ !でも、そうよね。あんたってそういうヤツよね。
アーチェ……まあ、看病してくれてたわけだし。その辺は、その……。
アーチェ…………ありがと。
チェスターん、なんか言ったか ?
アーチェ何も言ってないわよ !もぉ……。
アーチェそれより、みんなは ?まさかあたしの代わりに、また山に…… ?
チェスターいや、買い出しに行ってるだけだ。お前に温かいもの食わせたいってよ。
アーチェそっか……。
チェスターっていうかお前、なんでそんな疲れ果てるまであちこち顔を出してたんだよ。
アーチェえ ?  なんで、って……。
チェスターそりゃ、頼まれたらやるだろうけど人助けが趣味って柄でもねえだろ ?
アーチェなによそれー !あたしがわざわざ人助けするのはおかしいってこと ?失礼な…… !
チェスターだから、頼まれたらやるとは思うって言っただろ !
アーチェまあ、そうだけど……。
アーチェ…………。
アーチェみんなの力になりたいっていうのは嘘じゃないよ。
チェスター嘘だなんて思ってねえよ。お前らしくないやり方だって言ってんだ。
アーチェ……なんであんたはそういうの、気づくのよ。チェスターのくせにさ。
チェスター…………。
アーチェ……みんな、誰かと一緒にいていいなぁって思ったの。
アーチェ誰かと関わって、一人でいる寂しさを誤魔化してたのかもしれない。
アーチェ色んなとこ行って人と話して、困ってるみたいなら手伝って……。
アーチェそうやってずっと忙しくしてたら寂しさなんて感じないかなぁって。
チェスター……オレらの村に来たときも、魔物退治の依頼を受けてたよな。
アーチェうん……。あのときもさ、本当はちょっと顔を見るだけのつもりだったの。
アーチェだけど、アミィちゃんが声をかけてくれたからつい長居しちゃって……。
チェスター長居って……別にいいだろ ?今さらそんな遠慮するような短い付き合いでもないんだし、好きにすりゃいいじゃねえか。
アーチェでも……でも、さ。
アーチェあんた、せっかく平和な世界でアミィちゃんやクレスたちと過ごせるようになったじゃない。
アーチェそれを邪魔するのは、悪いし……。
チェスター邪魔って……。
チェスター変なところで気を遣いやがって。お前らしくもねぇ。
アーチェう、うるさいわね !あたしだって色々考えてんのよ。
チェスター気にしすぎだっての。そりゃ、元々お前は別の場所で暮らしてたけどオレは……。
チェスターオレは……お前がいても――
クレスただいま !あ、アーチェ、起きたんだね。
ミントよかったです、アーチェさん。今、温かいスープを作りますから。
アーチェクレス !  ミント !心配かけてごめんね。
アーチェでも、もう大丈夫だから !明日は改めて魔物退治がんばるよ !
クレスいや、無理はいけないよ。ちゃんと身体を休めないと。
ミントまずは食事ですね。出来上がったら、みんなで食べましょう。
アーチェわーい !ミントのご飯、久しぶりだから楽しみ~ !
チェスターあ……。
チェスター……ったく。結局言いそびれちまったな。
すずクラースさん、まだラウンジにいたんですね。
クラース! ?  す、すず ! ?い、いや、これは、その……。
すずこの街はお酒が名産だとも聞きました。それを目的に遠方から来る方もいるとか。
クラースあ、あー……うん。そうだな……。
クラース…………。
すず…… ?
クラース……実はな、ここに来たのは精霊の調査ではなく完全にプライベートなんだ。
すずそうだったのですか。
クラースああ。たまたま休暇が取れることになってな。それで、せっかくだから美味い酒が飲めるこの街に来たんだよ。
すずなるほど。まさにお酒を目的に来た方だったんですね。
クラースそういうことだ。だが、それでは格好が付かないからな。クレスたちには黙っておいてくれないか ?
すずふふ……。忍者は秘密をばらすようなことはしませんからご安心を。
クラースはは、そうだったな。君はすっかり優秀な忍者だ。今も色々とがんばっているんだろう ?
すずいえ、私はまだまだ……。皆さんのほうが大変だと思います。ただ……。
クラース……どうした ?
すずあの……『大人になる』というのはどういうことなのでしょうか。
クラース大人に…… ?
すずはい。クラースさんも、クレスさんたちもみんな大人です。それぞれ責任のある仕事を任され、役割があり……。
すずですが、私はまだ子供扱いされることが多いように感じるんです。
すずでも、私は大人にならなければなりません。でなければ、立派な忍者とは言えない……そう思うんです。
クラースなるほど……。それで、どうすればいいのか、と ?
すずはい……。
クラース大人、か……。どうなんだろうな。確かに私は年齢的に『大人』と呼べるだろうが決して褒められたものじゃない。
クラースミラルドにも怒られてばかりだったしな。
すずそう……ですか ?
クラースまあ、そう思われていないのであれば私としては威厳が保てていいんだが。
クラースそうだな……。大人になるのは大切なものができたとき、かもしれないな。
すず大切なもの……。
クラースそうだ。人は生きていれば、必ず大切なものができる。
クラースそれを守りたいと思い、そのために必死に生きていこうとすること……。それが、大人になるということではないかと思うよ。
すず大切なもの。それなら、私は……。
クラース……思い当たるものはありそうだな。
すず……はい。
クラースなら、大丈夫だ。君はきっと、立派な大人になれるさ。
クラースだから、今は気負わずに自然体でいればいい。案外それが近道かもしれないぞ。
すずはい……ありがとうございます。

キャラクター9話【物語10 帰る場所】
クラースここが魔物の住む山か……。なるほど、魔物退治が簡単にいかないのは納得だな。
チェスターそうなんだよ……。足場が悪いから踏ん張りが利かねえし移動中に滑ることもあるし。
クラース寒さも堪えるし視界も悪い。やはりアーチェを休ませてきたのは正解だったな。
ミントはい。アーチェさんには申し訳ないですが今無理をするとまた倒れてしまうかもしれませんから……。
チェスター気にすんなよ。ベッドに縛りつけといてもよかったくらいだ。
クレスはは……まあ、気持ちはわかるよ。だからこそクラースさんが来てくれたんだし。
すずはい。クラースさんが一緒なら戦力は十分だと納得してくれました。
クラースそこまで言われたら、きっちり成果をあげないとな。
クレス今日こそ魔物を退治して、街の人たちにも安心してもらおう。
すず!  皆さん、見てください。
ミント何か見つけたんですか ?
すずはい。今朝、忍者の皆さんから聞いていた魔物の痕跡が、そこに。
クレスこれは、体毛…… ?まだ新しい感じだね。
すずこの付近を調査していたところ、巣が見つかったそうです。
すず私たちと戦ったせいか移動することにしたようですが群れ全体で動いているため、あちこちに痕跡が残っていると言っていました。
チェスターってことは、これを追いかけていけば魔物の群れにぶち当たるってことか !
クレスその可能性は高いね。よし、いつでも戦えるように準備をして先へ向かおう !
すず! !  クレスさん、見てください。あそこに魔物の群れが…… !
チェスターよっしゃ、追いついたか !
クレスやっとだね。今日こそ逃がさないように一気に攻撃しよう !
チェスターおう !  絶対に終わらせてやるぜ !おりゃ ! !
魔物グオオオオオ !
ミント!  魔物が散り散りになっていきます。また私たちを囲む気かもしれません !
すずそうはさせません !ハッ !
クラースうまく道を塞いだな !時間を稼ぎながら、連中を観察するぞ。
クラースこれだけ統率の取れた動きだ。群れを率いているやつが必ずいるはずだ。
クレス確かに。そのボスを倒せば一気に崩せるかもしれない !
クラースよし、では動きを封じつつボスを見つけ出す !
クレスはい、右から回り込んで――っ ! ?
クレスこの辺り、雪が柔らかくて足を取られる…… !
ミント昨晩降った雪が積もっているみたいですね。
クラースなるほど、魔物が移動したのは我々をここに誘導するためか。
チェスターくそ、相変わらず厄介なやつらだな…… !
クレスチェスター、弓で戦うのも厳しそうかい ?
チェスターちょっとな。上半身がブレちまって精度が落ちる !
すず私も、これでは狙いが安定しません。
クレスクラースさん、術ならどうですか ! ?
クラース詠唱はもちろん問題ない。だが、大規模な術を使うと雪崩が起きる可能性がある。
クラースかといって威力を弱めればトドメを刺せずまた逃げられてしまうだろう。
クレスそうですか……、何かいい手は――
アーチェみんな~、おっまたせー !
すずアーチェさん ! ?
チェスターお前、なんで来たんだよ ! ?またぶっ倒れたら――
アーチェはいはい、そういうのはあとあと !ここはあたしの魔術に任せてよ !
チェスターバカ !  それは雪崩が起きるかもしれねえって話をしてたんだよ !
アーチェバカってなによ !だったらあんたがなんとかしなさい !
チェスターオレがなんとかするって――うおっ !
チェスターちょっ……いきなり引っ張りあげんじゃねえよ !落ちたらどうすんだ !
アーチェだからほうきに乗せてあげたんじゃない !ほら、これならあんたにだってできることがあるでしょ ! ?
チェスター!  そうか…… !
チェスターおい、アーチェ !群れの中にデカいのは見えるか ! ?
アーチェデカいの ?
チェスター魔物を率いてるボスがいるはずなんだ !デカいのか、偉そうなのか、そんなのを見つけろ !
アーチェなるほどね !あの群れのどこかに――あっ !
チェスターいたか ! ?
アーチェうん !  あの岩の上 !真上に移動するよ !
アーチェこいつでしょ !
チェスターああ、それっぽいな !アーチェ、しばらく止まっててくれるか ?一発で仕留める !
アーチェうん !  しっかり狙いなさいよ !
チェスター任せとけ…… !…………食らえ !
チェスターよっし ! !  どうだっ ! ?
魔物のボスグオオオオオオ…… !
アーチェやった、倒れたよ ! !
ミント! !  今のは…… !
すずあちらです !岩場の上空に、アーチェさんとチェスターさんが !
クラース魔物たちが動揺している……ボスを倒したんだな !
クレスなら、今がチャンスだ !残りの魔物を一気に片付けるぞ !
ミント・すずはい !

キャラクター10話【物語10 帰る場所】
チェスター・アーチェ大勝利~ !
クレスうん。無事に全ての魔物を倒せた。これでひと安心だ…… !
ミント街の人たちにも良い報告ができますね。
チェスターそうだな。……だけど、おいアーチェ。
アーチェなによ ?
チェスターなによじゃねえ !大人しくしとけって言っただろ ! ?なんでこんなとこまで来てんだよ !
アーチェうるさいなー、もー !あたしが来たおかげで勝てたんだからいいでしょ !
チェスター開き直ってんじゃねえよ !結果的にうまくいっただけで、もっとヤバいことになる可能性だってあったんだ !
アーチェそんなことないって~。だいたい、あたしがいなかったら魔物のボスだって倒せなかったし――
ミントチェスターさん、アーチェさん、落ち着いてください。せっかく無事に終わったのですから……。
すず……ふふ。こういう雰囲気、なんだか懐かしいですね。
クラース協力してボスを倒したところまではよかったんだがなぁ。
クレス結局こうなっちゃうのがあの二人らしさなのかもしれないですね。
クラースはは、まったくだ。
アーチェ無事に解決したって街の人たちに伝えてきたよ~ !みんな安心して喜んでた !
クレスそうか、それならよかった !
ミントええ。これで今回の依頼は終了ですね。
クラースならば、私は次の街に向かうとするか。
アーチェえ ?  もう行っちゃうの ?
クラースここは別件の合間に寄っただけだからな。もうしばらくはあちこち歩き回るつもりだ。
チェスターそれも精霊の研究ってやつか ?
クラースああ。まだまだわかっていないことが多いからな。
クラース調査したい場所も色々ある。場合によってはお前たちの手を借りることになるかもしれない。
クレスいつでも声をかけてください。喜んで手伝いますよ。
クラースああ、頼りにしている。それじゃあな。
すずでは、私もそろそろおいとまします。
アーチェすずちゃんは、また忍者の里に ?
すずはい。しばらくは忍者の皆さんと一緒に生活を続けるつもりです。
すずその中で、自分にできることをもっと探していければと思っています。
チェスター誰かさんみたいに無理はしすぎんなよ。
すずありがとうございます。気をつけますね。
すずそれでは、また皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
アーチェ行っちゃった……。じゃあ、あたしもそろそろ行こっかな。
チェスターお前、まだ予定があんのか ?
アーチェあー……うん。もうちょっと頼まれ事があってさ~。
チェスターそんな疲れ果てるくらい動き回って時間を埋めようとするんなら……。
アーチェあー、オッケーオッケー !あんたが何を言いたいかはわかってるからこれ以上は――
チェスターちげーよ、最後まで聞けって !つまりな、あー……別にお前がどこで何しようが勝手だけどな。その……。
チェスターちゃんと帰る場所ってのが必要だろ、って話で……。
アーチェ…… ?  で、何が言いたいの ?
チェスターだから ! !オレのところに来いって言ってんだよ !
アーチェ……へ ?
チェスターあっ ! ?ち、ちげーぞ !変な意味じゃねえからな ! ?
チェスターだ、だから……お前も落ち着く場所がないとしっかり休めねえわけだし……。
チェスター変な気なんか使わないでいつでも帰って来いよ。
アーチェ…… !  うんっ !
アーチェクレスとミントも !また会いに行くからね !
クレスああ、いつでも来てくれ。
ミントはい。待っていますね。
アーチェありがと !  ばいばい !
チェスターったく……本当に騒がしいやつだな。ま、あいつらしいけど。
クレスふふ、そうだね。なんだかんだで、楽しい時間だったな。
ミントええ。久しぶりに皆さんとお会いして一緒に冒険をして、戦って……。
ミント……次にこうして皆さんとお会い出来るのはいつになるのでしょうか。
クレスきっとまた、すぐに会えるよ。
クレスどんな旅でも終わりはあるのかもしれない。だけど、また一緒にいたい、旅に出たいって思うときが来れば、みんな集まるはずさ。
クレスだから、そのときまでは僕たちそれぞれがやるべきこと、やりたいことをやっていこう。
ミント……そうですね。でしたら、クレスさんのやりたいことを教えてください。
ミントそれが今、私が一番やりたいことですから。
クレスありがとう。それじゃあ、次に何をするかまた改めて考えよう。
ミントはい !
チェスターよしっ !そんじゃ、オレたちも村に戻るか !
クレスうん、帰ろう。また次の旅が始まることを楽しみにしながら。