キャラクター | 2話【EPISODE2 機械】 |
ライフィセット | 僕はライフィセット。よろしくね、KOS−MOS。 |
KOS-MOS | はい。なお、KOS−MOSは略称であり―― |
KOS-MOS | 正式名称は【Kosmos Obey Strategical Multiple Operation Systems】です。 |
ライフィセット | えっと、オベ……ストラ……。 |
KOS-MOS | 言いにくいようでしたら、あらためてKOS-MOSと呼ぶことを提案します。ライフィセット。 |
ライフィセット | う、うん。そうするよ。 |
ライフィセット | ところで、KOS-MOSはこのあたりの人 ? |
KOS-MOS | いいえ。メモリーを確認するかぎり私はこの場所に来たことはありません。 |
KOS-MOS | それから、私は人ではなく機械です。 |
ライフィセット | 機械 ? でも、人間そっくりだし話だってできてるよ。 |
KOS-MOS | 私に感情はありません。そう見えるのは人間とのコミュニケーションを円滑にするプログラムです。 |
ライフィセット | プログラム…… ? |
KOS-MOS | あらかじめ組み込まれた機能です。 |
KOS-MOS | ゆえに、私の発言になんらかの情動を感じ取ったり感情的な意図を推測することは無意味です。 |
ライフィセット | う~ん ? よく、わからないよ……。 |
ベルベット | フィー ! |
ライフィセット | ベルベット ! ! |
ベルベット | よかった、ここにいたのね。この女は…… ? |
KOS-MOS | 知り合いですか、ライフィセット。 |
ライフィセット | 心配しなくていいよ、ベルベット。KOS-MOSは、僕を助けてくれたんだ。 |
ベルベット | 助けた…… ?でも、すごく困った顔してたじゃない。 |
ライフィセット | それには理由があって……。 |
ライフィセット | とにかく、KOS-MOSは悪い人じゃないよ。あ、人じゃないんだけど。 |
ベルベット | …… ? よくわからないわね。おかしな格好してるし。 |
KOS-MOS | おかしいというのは主観的な意見です。 |
KOS-MOS | そのような損耗の激しい服を着ているあなたこそ客観的には『おかしな格好』と言えます。 |
ベルベット | なっ…… ! ? |
ライフィセット | お、落ち着いてベルベット。KOS-MOSはこういうしゃべり方なんだ。悪気はないんだよ。 |
KOS-MOS | はい。私は事実を指摘しただけです。 |
ベルベット | それはそれでなんだか腹立つわね……。 |
ライフィセット | あはは……。 |
KOS-MOS | 二人に情報提供を求めます。この惑星の座標はわかりますか ? |
ライフィセット | 惑星…… ?でも、ここがどこかは僕もわからないよ。気がついたら、この浜辺に倒れていたから。 |
ベルベット | あたしも似たようなものよ。 |
KOS-MOS | そうですか。二人にもわからないのであれば仕方ありません。 |
ベルベット | ちょっと、どこに行くのよ。 |
KOS-MOS | この先に、複数の生体反応が集まる場所があります。そこへ向かいます。 |
ライフィセット | 街があるってこと ? すごい、よくわかるね ! |
ベルベット | そういうことじゃなくて。一人で勝手に行かないでちょうだい。 |
KOS-MOS | 私の行動選択にあなたの許可がいるとは思えません。 |
ベルベット | そりゃそうだけど……。お互い困ってるんなら協力したほうがいいでしょ。 |
KOS-MOS | 協力……。 |
ライフィセット | さっきみたいな触れない魔物が現れたら僕たちじゃ手も足も出ないと思う。KOS-MOS、手を貸してくれないかな ? |
KOS-MOS | 先ほどの行動は危機的状況における『民間人の生命保護』に過ぎません。 |
KOS-MOS | 今の私は優先すべき『命令』を与えられていないため、あなた方の提案を受け入れるか否か選択するための基準が存在しません。 |
ライフィセット | えっと、自分じゃ決められないってこと ? |
KOS-MOS | そう考えていただいてかまいません。 |
ベルベット | じゃあ、あたしたちがあんたに勝手についていくわ。 |
KOS-MOS | 私にあなたの行動を否定する理由も存在しません。 |
ベルベット | やっぱり、あんたのほうが変わってるわよ……。 |
キャラクター | 3話【EPISODE3 異能】 |
ベルベット | 街に着いたけど、あんたはどうするの ? |
KOS-MOS | シオンを捜します。 |
ライフィセット | シオンって、あの―― |
KOS-MOS | シオン・ウヅキ。私を作った人間の一人です。彼女と合流し、指示を仰ぎます。 |
ベルベット | あたしたちが知ってる子とは別人みたいね。 |
ライフィセット | そのシオンっていう人は、KOS-MOSにとって大事な人なんだね。 |
KOS-MOS | 私の機能を最適に保つ技術と知識を持つ数少ない人物という意味ではその通りです。 |
ライフィセット | ええと、そうじゃなくて……そうやって会いたがるほど仲がいい人っていうか……。 |
KOS-MOS | ライフィセット。何度も言いますが私にそういった感情は―― |
街の女性 | きゃあああっ ! |
ベルベット | 悲鳴…… ! ? |
ライフィセット | 街の人が魔物に襲われてるよ ! |
ベルベット | こんな街中に、どこから現れたのよ ! |
ベルベット | なっ、すり抜けた ! ? |
ライフィセット | さっき僕を襲ってきたのと同じだ ! |
ベルベット | このままじゃ触れもしないってこと ? |
ライフィセット | KOS-MOS !またあの光で魔物を実体化できる ! ? |
KOS-MOS | 了解しました。ヒルベルト―― |
ライフィセット | あれは…… ! ? |
カノンノ・E | 姿を現して ! |
KOS-MOS | あれは、ヒルベルトエフェクトと同じ……。 |
カノンノ・E | 今だよ ! 魔物を倒して街の人たちを守るの ! |
ライフィセット | うん ! ベルベット ! |
ベルベット | わかってる ! |
ベルベット | これで魔物は片付いたわね。 |
カノンノ・E | よかった。街の人たちも無事みたい。 |
ライフィセット | イアハートもここに来てたんだね。 |
カノンノ・E | うん ! 二人とも無事でよかったぁ。遠くから姿が『見えた』から急いで来たんだ。 |
KOS-MOS | 見えた……。つまりそれは『観測』したということですか ? |
カノンノ・E | えっと……この人は ? |
ライフィセット | KOS-MOSっていうんだ。 |
ベルベット | 人間じゃなくて機械なんですって。ひとことで言えばおかしな奴よ。 |
カノンノ・E | 人間じゃない…… ? |
KOS-MOS | イアハートと言いましたね。質問に答えてください。 |
KOS-MOS | その服は私の知っている百式レアリエンのものと酷似しています。先ほどの光もヒルベルトエフェクトと同様でした。 |
KOS-MOS | しかし、あなたは見る限りレアリエンではない。ただの人間です。 |
カノンノ・E | ひゃく……ひるべると…… ?え ? 何のこと…… ? |
ベルベット | いきなりわけのわからない言葉を並べられても答えられないわよ。イアハートが困ってるじゃない。 |
カノンノ・E | よくわからないけど……。気がついたらこの格好で森の中に倒れてたんです。 |
カノンノ・E | どうしようかと思って、目を凝らしていたら遠くに街があって、そこに向かうベルベットさんとライフィセットの姿が『見えた』の。 |
ライフィセット | 目を凝らしてたらって……。そんな遠くの景色が見えたの ? |
KOS-MOS | おそらく、百式システムの機能です。D.S.S.S.(ディートリプルエス)による虚数領域の知覚。距離の概念はありません。 |
ベルベット | またわけのわからないことを……。 |
ライフィセット | じゃあ、イアハートはその百式システムの力を持ってるってこと ? |
KOS-MOS | おそらくそうなります。しかし、それは通常ありえないことです。 |
ライフィセット | ありえないことが起こっている……。それに、突然変わった僕たちの格好。ねえ、これって……。 |
ベルベット | ええ。たぶん【アーク】がらみね。 |
KOS-MOS | アークとはなんですか。 |
ベルベット | ワイズマンっていう非常識な奴が非常識なことを起こしてるところよ。 |
ライフィセット | ベルベット、それじゃ全然わからないよ。 |
ベルベット | 他に説明のしようがないでしょ。 |
ベルベット | とにかく、非常識でも実際に起きてるんだから認めるしかないんじゃない ? |
KOS-MOS | …………。 |
カノンノ・E | もしかして、KOS-MOSさんを怒らせちゃった ? |
ライフィセット | たぶん、困ってるんじゃないかな ? |
KOS-MOS | 私にそういった感情はありません。 |
KOS-MOS | 重要なのは、その力が現状を打開するのに非常に有用であるということです。 |
KOS-MOS | イアハート、あなたの観測能力でシオン・ウヅキを捜してください。 |
カノンノ・E | ……わかりました。がんばってみます !そのシオンさんのこと、教えてくれますか ? |
KOS-MOS | シオン・ウヅキ。人間。性別は女性。かつてはヴェクター第一開発局に所属。主幹技師を務める。 |
KOS-MOS | 家族構成は兄が一人。身長163センチ、体重およそ48キロ。視力は1.0前後。しかし普段はメガネを着用して―― |
カノンノ・E | う……これ、どのくらい続くの…… ? |
ベルベット | こいつが満足するまで……じゃない ? |
ライフィセット | が、がんばって。 |
カノンノ・E | ……とりあえず、シオンさんのこと捜してみます ! |
KOS-MOS | お願いします。 |
カノンノ・E | えっと……メガネをかけた女性……。歳はベルベットさんより少し上くらいで……。 |
カノンノ・E | ……あれ ? なんだろ ?誰かの声が聞こえて……。 |
ワイズマン | ……さん……イアハート……さん。……聞こえ……か……。 |
カノンノ・E | この声、もしかして……。 |
ベルベット | ちょっと、どうしたのよ。 |
KOS-MOS | 何か、別の通信を拾っているようです。 |
カノンノ・E | ……はい。わかりました。私は、そう念じればいいんですね。やってみます。 |
ワイズマン | やっとこの世界と繋がりました。 |
ライフィセット | ワイズマン ! ? |
キャラクター | 4話【EPISODE4 閉塞】 |
ワイズマン | みなさん、ご無事で何よりです。 |
ベルベット | ワイズマン……。やっぱり、この状況はあんたのせいだったのね。 |
ワイズマン | 言い訳をするわけではありませんが私にとっても不慮の事態だったのです。 |
ワイズマン | 始まりは、とある世界の高次ネットワークに偶然にも接続してしまったことでした。 |
ワイズマン | そして、ネットワークを通してその世界を観測していた際にKOS-MOSさんを見つけました。 |
ワイズマン | その時、KOS-MOSさんは本体が壊され大切なコアが損傷する事態に陥っていました。 |
KOS-MOS | 私のボディが、大破していた……。 |
ワイズマン | 私はとっさにKOS-MOSさんのバックアップをとりました。このまま消えてしまうのは惜しいと感じたからです。 |
ライフィセット | そのバックアップっていうのがここにいるKOS-MOSなの ? |
ワイズマン | その通りです。 |
ベルベット | よくわからないけど、別の世界のことでしょ ?それがなんでこんなとこで動き回ってるわけ ? |
ワイズマン | KOS-MOSさんの世界の広域情報ネットワーク確かU.M.N.といいましたか。 |
ワイズマン | 私はそこからKOS-MOSさんのバックアップデータをこちら側の隔離領域に保管しました。いざという時に復元できるようにするためです。 |
ワイズマン | 幸い、KOS-MOSさんの本体は修理されデータも復旧されたようで、私が残したバックアップは必要なくなりました。 |
ワイズマン | そのため、この隔離領域も破棄するつもりでした。 |
ワイズマン | ところが、私が破棄を実行する前に隔離領域がKOS-MOSさんの記憶を元にひとつの仮想世界として再構築されたのです。 |
ワイズマン | 運悪く、ちょうどアークにお呼びしようとしていたベルベットさんたちを巻き込む形で……。 |
KOS-MOS | なぜ、そのようなことが起こったのですか ? |
ワイズマン | 原因はわかりません。あちらの世界での出来事と何か関連があるのでしょうか……。 |
ワイズマン | ともかく、これが事の経緯になります。 |
ライフィセット | じゃあ、僕やイアハートの格好が変わったのも……。 |
ワイズマン | おそらくKOS-MOSさんの記憶に影響を受けたためと思われます。 |
ベルベット | あの触れない魔物も同じ理由 ? |
KOS-MOS | グノーシス。あなた方が魔物と呼ぶような存在を私の世界ではそう呼んでいました。 |
KOS-MOS | 虚数領域に存在するため接触するにはヒルベルトエフェクトによって実数領域に固着させる必要があります。 |
ベルベット | 要するに、隠れてるのを無理やり引きずり出してやるってこと ? |
KOS-MOS | 間違ってはいませんが、正確な認識は持っておいたほうが良いでしょう。 |
ベルベット | はいはい。機会があったらね。 |
KOS-MOS | ここが、私の記録を元にした仮想空間だということは理解しました。 |
KOS-MOS | ワイズマン、あなたの技術力が私の世界を遥かに超えるものであると仮定すれば納得のいく説明であったと言えるでしょう。 |
ワイズマン | ご理解いただけて何よりです。私としてもご本人の意思を無視してシャドウを作ってしまったようで心苦しいのですが。 |
KOS-MOS | 謝罪は必要ありません。私が不要なコピーであるというのなら消去すればいいだけです。 |
ライフィセット | 消去って……KOS-MOS消えちゃうの ! ? |
KOS-MOS | 私は機械です。本来の用途から外れることはむしろ人間に害をもたらす危険性があります。 |
ライフィセット | そんなことない !簡単に消えるなんて言っちゃダメだ ! ! |
ベルベット | フィー……。 |
KOS-MOS | なぜ、ライフィセットが感情的になるのですか。 |
ライフィセット | だって……不要だとか、そんなの関係ないよ ! |
ベルベット | フィー、落ち着いて。まずはここから出て、後でじっくり話しましょう。 |
ライフィセット | う、うん……。 |
ベルベット | それで、どうやったらここから出られるわけ ? |
ワイズマン | KOS-MOSさんがそう望めばいいだけです。そうすれば、ログアウトのプロセスが始まりアークへと帰還できるでしょう。 |
ベルベット | あんた次第だってさ。頼んだわよ。 |
KOS-MOS | それは……不可能です。 |
キャラクター | 5話【EPISODE4 閉塞】 |
ベルベット | ……不可能って、どういうことよ。ただ『出たい』って思うだけでしょ ? |
KOS-MOS | 私は機械であり自らの意思を持たないからです。 |
KOS-MOS | 任務や目的のためにこの世界から出る必要性がなければ、私は『出たい』と考えることはないでしょう。 |
KOS-MOS | 『命令』されれば別ですが。 |
ベルベット | だったらあたしが命令するわ。 |
KOS-MOS | あなたにその権限はありません。 |
ベルベット | もう、融通が利かないわね…… ! |
ライフィセット | じゃあ、誰ならKOS-MOSに命令できるの ? |
KOS-MOS | シオンであれば……。 |
ライフィセット | でも、シオンはここにはいないんだよね ?そのためだけにワイズマンに呼び出してもらうわけにもいかないし……。 |
ワイズマン | であれば、別の―― |
ライフィセット | ワイズマン ? どうしたの ? |
カノンノ・E | ぷはっ ! もう限界…… ! |
ベルベット | ワイズマンが何か言いかけてたけど。 |
ライフィセット | イアハート、もうちょっとだけなんとかできないかな…… ? |
カノンノ・E | 無理だよぉ。けっこう体力使うみたい。しばらく休ませて…… ! |
ベルベット | 仕方ないわね。どこか休めるところを探しましょ。 |
ライフィセット | 僕、宿がないか見てくるよ。KOS-MOS、一緒に行こう。 |
KOS-MOS | いえ、私は―― |
ベルベット | どうせ目的もないんでしょ。だったらフィーを手伝ってあげて。あたしはイアハートの様子を見てるから。 |
KOS-MOS | ……わかりました。 |
カノンノ・E | ベッドだ ! はぁ、やっと落ち着けるよ。 |
ライフィセット | ゆっくり休んでね、イアハート。 |
カノンノ・E | ありがとうライフィセット。 |
ベルベット | それにしても、都合良く宿が見つかったものね。しかもあたしたちのお金が使えるなんて。 |
ライフィセット | それなんだけど、もしかしたらここはKOS-MOSだけの記憶で出来ているわけじゃないのかもしれない。 |
カノンノ・E | 私たちの記憶も影響してるってこと ? |
ライフィセット | うん。だから、そのうち僕たちの意思だけでも出られるようになるんじゃないかな。 |
ライフィセット | どのくらい時間がかかるかはわからないけど……。 |
ベルベット | いつになるかもわからないことを待つ気にはなれないわね。 |
ベルベット | だいたい、誰かさんが融通を利かせられればとっくに解決してる話なんだから。 |
KOS-MOS | それは私に対する『皮肉』ですか ? ベルベット。 |
ベルベット | あら、わかってるじゃない。 |
KOS-MOS | コミュニケーションの手法として、相手の感情を揺さぶり自分に優位な状況を作り出すものがあることは知っています。 |
KOS-MOS | 無意味な行為です。少なくとも私に対しては。 |
ベルベット | そう ? じゃあ、もっと試してみようかしら。 |
ライフィセット | もう、ベルベットってば。 |
ライフィセット | KOS-MOS、気にしなくていいよ。ベルベットは素直じゃないところがあるから。 |
ベルベット | ちょっとフィー、変なこと言わないでよ。 |
カノンノ・E | きっとライフィセットをとられたみたいでヤキモチやいてるんですよ。 |
ベルベット | イアハート、あんたは寝てなさい。 |
KOS-MOS | ……シオンも、私の言動に怒りのような感情を持っていたようです。まるで、私に『心』があると思っていたかのように。 |
ライフィセット | 僕もKOS-MOSには心があると思うな。 |
KOS-MOS | なぜ、そう思うのですか。 |
ライフィセット | 今みたいにシオンのことを話す時懐かしそうな顔をしているように見えるんだ。 |
KOS-MOS | ライフィセット、それはあなたの願望です。 |
ライフィセット | 願望でもいいよ。僕はKOS-MOSと仲良くなりたいから。 |
KOS-MOS | 私は……。 |
ベルベット | っ ! ? |
ライフィセット | じ、地震 ! ? |
カノンノ・E | ……ううん、違う。外に、ものすごく大きな魔物が ! |
魔物 | ………… ! ! ! ! |
ベルベット | くっ…… ! どうなってるのよまったく ! |
ライフィセット | このままじゃ街の人たちが…… ! |
ベルベット | 記憶の世界だか知らないけどそれは寝覚めが悪いわね。あたしたちの寝床もなくなっちゃうし。 |
カノンノ・E | やっぱり、あの魔物も実体をもっていないみたい。でも、私じゃあの大きさを実体化させるのは―― |
KOS-MOS | イアハートは休んでいてください。あれは、私が―― |
KOS-MOS | ヒルベルトエフェクト……展開 ! |
カノンノ・E | すごい。街一つ丸ごと……。 |
KOS-MOS | これで、あなた方の攻撃も通じるでしょう。【魔物】の排除に協力してもらえますか ? |
ベルベット | ええ。攻撃が当たるなら、こっちのものよ ! |
キャラクター | 6話【VSメデューサローパー】 |
魔物 | ………………。 |
ライフィセット | 魔物が消えていく……。 |
カノンノ・E | よかった。街の人たちもみんな無事みたい。 |
ベルベット | いったいどうなってるのよ。あんな魔物が次から次に襲ってくるなんて。 |
KOS-MOS | ライフィセット、私は街の周辺を見てきます。小型の【魔物】が残っているかもしれません。 |
ライフィセット | でも、少し休んだほうが……。 |
KOS-MOS | 私に休息は必要ありません。 |
カノンノ・E | うーん……。 |
ライフィセット | イアハート、どうしたの ? |
カノンノ・E | どうして魔物は私たちの前にだけ現れるのかな。 |
ライフィセット | それは、この世界がKOS-MOSや僕たちの記憶に影響を受けているから……あ。 |
ベルベット | つまり、魔物を生み出しているのはあたしたち――いいえ、KOS-MOSだってこと ? |
カノンノ・E | KOS-MOSさんが困ったり動揺した時に魔物が現れているように思えるんです。 |
カノンノ・E | もちろん、確証はないんですけど……。 |
ライフィセット | でも、そんな……。魔物が襲ってくるのがKOS-MOSのせいだなんて。 |
ベルベット | 今考えても、答えは出ないわ。ただ、この先も似たようなことが起こる覚悟はしておいたほうがよさそうね。 |
ライフィセット | …………。 |
ライフィセット | イアハート、どう ? |
カノンノ・E | うう~…… ! はいっ ! |
ライフィセット | やった ! また繋がったよ ! |
ワイズマン | どうやら、接続が不安定なようですね。イアハートさんに負担をかけてしまいました。 |
カノンノ・E | そう思うならなるべく手短に…… !今もすごく大変なんだよ。 |
ワイズマン | では、さっそく本題に入りましょう。 |
ワイズマン | KOS-MOSさんの意思に頼らずその世界から離脱する方法があるかもしれません。 |
ベルベット | 昨日言いかけてたのはそれね。 |
ライフィセット | どうすればいいの ? |
ワイズマン | そこは、KOS-MOSさんの世界にあったネットワークを模倣した世界です。 |
ワイズマン | おそらく、なんらかの結節点……。ないしは接続ポイントのようなものがあるのではないでしょうか。 |
KOS-MOS | U.M.N.には【コラム】と呼ばれる空間跳躍のためのゲートがあります。 |
ワイズマン | やはり……。でしたら、その【コラム】を使ってこちら側に転移できるかもしれません。 |
ライフィセット | そうか ! KOS-MOSの認識では【コラム】っていうのはもともと『そういうもの』だから―― |
ベルベット | わざわざ『出たい』と思わなくても出口になるってわけね。 |
ワイズマン | イアハートさんが得た観測能力を使えば【コラム】の場所も突き止められるはずです。 |
ベルベット | あんたには頼りっぱなしになるわね。出来そう ? イアハート。 |
カノンノ・E | う……がんばります。 |
ワイズマン | では、【コラム】に到着したらまた連絡をください―― |
カノンノ・E | ぷはっ ! |
ベルベット | お疲れ様。少し休んでなさい。 |
カノンノ・E | ありがとうございます……。 |
ライフィセット | これでこの世界から出られそうだね ! |
KOS-MOS | はい。よかったですね、ライフィセット。 |
ベルベット | 他人事みたいな言い方するわね。 |
KOS-MOS | 事実、その通りです。 |
KOS-MOS | みなさんをこの世界に留めおくことは『民間人の保護』という点において避けるべき事案ですが、私自身にそれは当てはまりません。 |
KOS-MOS | 私はバックアップに過ぎないのですから。 |
ライフィセット | KOS-MOS……。 |
ベルベット | ……とにかく、イアハートが落ち着いたらここを出て【コラム】を探しましょう。 |
キャラクター | 7話【VSベルベット】 |
カノンノ・E | 【コラム】があるのはこの山を越えた先だと思います。そこに、どうしても観測できない『穴』みたいな場所があるんです。 |
KOS-MOS | そこが外の世界に繋がっているためイアハートには観測ができないということですね。 |
ベルベット | 山越え、ね。楽な旅にはならないわよ。 |
ライフィセット | おしゃべりしながら行けば、あっという間だよ。 |
ベルベット | そんな余裕があればいいけど。 |
ライフィセット | それでね、羅針盤っていうのは台座のほうを持つと安定するんだ。 |
ライフィセット | 揺れる海の上でもちゃんと方向がわかるように工夫してあるんだよ。 |
カノンノ・E | ライフィセット、がんばってるなぁ。 |
ベルベット | あの子なりに、KOS-MOSの感情を引き出そうとしてるのよ。 |
カノンノ・E | でも、機械だから感情なんてないってKOS-MOSさんは言ってましたよ ? |
ベルベット | だからこそよ。自分を道具だって言う奴を放っておけないの。 |
ライフィセット | KOS-MOSの世界でも羅針盤って使う ? |
KOS-MOS | 羅針盤は、骨董品や美術品として一定の価値を有しているようですが、本来の使い方をされることはまずないでしょう。 |
KOS-MOS | U.M.N.を用いたより高度で正確な位置情報システムがありますから。 |
ライフィセット | そっか……なんだか寂しいな。 |
KOS-MOS | なぜです ? より良い物があるのなら旧来の物が淘汰されるのは必然。それが道具というものです。 |
ライフィセット | そ、そうかもしれないけど……。 |
KOS-MOS | 使い道のない道具に意味はありません。それが危険な力を持っているのならなおさらです。有害とさえ言えるでしょう。 |
ライフィセット | KOS-MOS……それ、自分のことを言ってるの ? |
KOS-MOS | そう受け取っていただいてかまいません。 |
ライフィセット | 僕はKOS-MOSが危険だなんて思わないよ。 |
KOS-MOS | あなたは私の能力を理解しているように見受けられます。 |
KOS-MOS | 確かにあなた方は私の世界にはない原理を用いた技術を有しているようです。その一方で、科学技術においてはあまり発展しているとは言えない。 |
KOS-MOS | 私が持つ兵器としての能力を正しく把握しているとは思えません。 |
ライフィセット | そうじゃないよ。僕はKOS-MOSが悪い人とは思えないって言ってるんだ。 |
KOS-MOS | それこそ無意味な感傷です。私は人ではありませんから。 |
ライフィセット | …………。 |
カノンノ・E | KOS-MOSさん、そんな言い方しなくても…… ! |
ベルベット | やめておきなさい、イアハート。 |
カノンノ・E | ベルベットさん、でも……。 |
ベルベット | 感情なんてない。だから人間扱いするな。そう言いたいんでしょ。 |
KOS-MOS | ……その通りです。 |
ライフィセット | っ…… ! |
カノンノ・E | あ ! ライフィセット…… ! |
KOS-MOS | …………。 |
ベルベット | イアハート、【コラム】まであとどのくらい ? |
カノンノ・E | 日が昇るのと同時に出発したとして順調に行けば到着は明日のお昼くらいです。 |
カノンノ・E | でもこの先、荒れた道になるみたいだからちょっとペースを落としたほうがいいかも。 |
ベルベット | そうね。このままじゃ魔物の襲撃も増えそうだし。 |
カノンノ・E | それってやっぱり……。 |
ライフィセット | …………。 |
KOS-MOS | ライフィセット。 |
ライフィセット | KOS-MOS……。 |
KOS-MOS | 貴方に謝罪を。 |
ライフィセット | どうしたの ? 急に。 |
KOS-MOS | 私の発言が貴方を不快にさせたようだからです。 |
ライフィセット | 不快なんかじゃないよ。ただ、ちょっと悲しかっただけで……。 |
KOS-MOS | それでも、謝るべきであると判断しました。 |
ライフィセット | それも『コミュニケーションを円滑にする』ため ? |
KOS-MOS | ……おそらく、違います。 |
KOS-MOS | これは命令や義務によっての行動ではなく……。しいて言えば、ライフィセットを悲しませたくないとそう、私が判断しました。 |
ライフィセット | それって……。 |
KOS-MOS | ライフィセット、どうすれば償えますか ? |
ライフィセット | 償いなんて必要ないよ。それより、自分のことを『道具』だなんて言わないでほしい。 |
ライフィセット | それで、できればKOS-MOSに『生きる意味』を見つけてほしいんだ。 |
KOS-MOS | 生きる、意味……。 |
ライフィセット | 僕もそうやって、名前と羅針盤をもらったんだよ。 |
KOS-MOS | 難しいです。私はずっと『命令』に従って行動してきましたから。 |
カノンノ・E | じゃあ、何か『楽しい』と思えることを探すところからはじめましょう ! |
KOS-MOS | 楽しいこと、ですか。 |
カノンノ・E | それも難しいなら……。まずは誰かと一緒にいるとか。 |
カノンノ・E | 同じ時間を過ごす人がいると、その人の好きなものや嫌いなもの、何に喜んで何に悲しむのか……色んなことがわかってくるんです。 |
カノンノ・E | そうすると、自分の中に隠れている気持ちが見つかることがあるんですよ。 |
KOS-MOS | …………では、あなた方にします。 |
KOS-MOS | ライフィセット、同行の許可を願います。 |
ライフィセット | もちろんだよ !あっちの世界に戻ったら一緒にいろんなことをしよう。 |
KOS-MOS | はい。よろしくお願いします。ライフィセット。 |
ベルベット | …………。 |
カノンノ・E | ここを越えれば【コラム】はすぐそこだよ。 |
ベルベット | ねえ、KOS-MOS。 |
KOS-MOS | なんでしょう、ベルベット。 |
ベルベット | あんた兵器なのよね。それで、あっちの世界で壊れて動けなくなってたって。 |
KOS-MOS | バックアップされたデータを解析する限りではそのようですね。 |
ライフィセット | ベルベット、急にどうしたの ? |
ベルベット | ずっと考えてたのよ。どうして魔物たちが襲ってくるのか。 |
ベルベット | 原因はあんたよ。 |
KOS-MOS | 私……。 |
ベルベット | この世界はあんたの記憶が反映されてる。つまり魔物を呼び出しているのもあんた。 |
ベルベット | あんたの中の何かがあたしたちの邪魔をしてる。だとしたら、このまま【コラム】に行っても元の世界に戻れるとは思えない。 |
KOS-MOS | 何が言いたいのですか。 |
ベルベット | 悪いけど、あんたとはここでお別れってことよ。 |
ライフィセット | ベルベット、何言ってるの ! ? |
ベルベット | フィーは黙ってて。 |
KOS-MOS | ベルベット、あなたの目的はわかりませんが私は戦うつもりなどありません。 |
ベルベット | へえ、じゃあこれならどう ? |
KOS-MOS | その姿は―― |
ライフィセット | KOS-MOS ! ? どうして…… ! |
KOS-MOS | なぜ、武装のロックが……。私のシステムがベルベットを敵と判断した ? |
KOS-MOS | ベルベット、私から離れてください…… ! |
ベルベット | ぼんやりしてると、今度はあたしがあんたをぶっ壊すわよ ! |
キャラクター | 8話【VSベルベット】 |
KOS-MOS | ベルベット、やめてください…… ! |
ベルベット | やめてください ?だったらなんであんたは、あたしを攻撃してるの ? |
KOS-MOS | ! |
ベルベット | システムだかなんだか知らないけどいつまでバカなこと言ってるつもりよ ! |
ベルベット | 『命令』がなければ何もできない !自分じゃ戦う相手も選べない ! |
KOS-MOS | ! |
ベルベット | そのうえ、一度負けたくらいで引き下がって !あたしはそういうのが大嫌いなのよ ! |
ベルベット | 負けたら悔しいでしょ ! ?もっと怒って、きっちりやり返しなさい ! |
ベルベット | それが『生きる』ってことでしょう ! |
KOS-MOS | 私は……。 |
KOS-MOS | 私は……あなたとは戦いません。 |
ベルベット | ……ふん。やっと自分で『決めた』のね。 |
ライフィセット | KOS-MOS ! |
KOS-MOS | ベルベット、なぜこんなことを…… ? |
ベルベット | 言ったでしょ。このままじゃ、あんたがどこにも行けないからよ。 |
ライフィセット | ……どういうことなの ? |
カノンノ・E | 私たちは【コラム】を通れば外に出られるかもしれないけど、KOS-MOSさんは無理なんじゃないかって。 |
カノンノ・E | 昨日、ベルベットさんがそう言ったの。 |
KOS-MOS | 私がここから出られない…… ? |
ベルベット | あんた、自分で言ってたじゃない。自分にはここを出る意思がないって。 |
ベルベット | だからあたしは、あんたの『敵』になることにした。 |
ベルベット | やり返したい相手がいればあんたも外に出る気になるかもしれないでしょ。 |
カノンノ・E | でも、もうちょっとやり方があったと思います。戦って言うこと聞かせるんじゃなくて……。 |
カノンノ・E | もし、KOS-MOSさんが武器を下ろさなかったらどうするつもりだったんですか ? |
ベルベット | その時はその時よ。結果的になんとかなったからいいじゃない。 |
KOS-MOS | では、その姿も ? |
ベルベット | ワイズマンに頼んだのよ。『敵』になるためにね。 |
ライフィセット | そういうことなら先に言っておいてよ。 |
KOS-MOS | なぜ、私のためにそこまでするのですか。 |
ベルベット | 別にあんたのためじゃない。フィーとの約束を守ってもらうためよ。 |
ライフィセット | 言ったでしょ、KOS-MOS。ベルベットは素直じゃないところがあるって。 |
KOS-MOS | なるほど。理解しました。つまりはベルベット、あなたも『おかしな奴』ということですね。 |
ベルベット | う、うるさいわね !さっさと【コラム】に向かうわよ ! |
キャラクター | 9話【VSKOS-MOS?】 |
カノンノ・E | 【コラム】はこの辺りにあるはずだけど……。 |
ライフィセット | 見て、あそこに洞窟があるよ。 |
ベルベット | 【コラム】はあの中みたいね。 |
KOS-MOS | …………。 |
ライフィセット | どうしたの ? KOS-MOS。 |
KOS-MOS | わかりません。命令や任務ではない行動をとることが初めてなので。 |
ライフィセット | わかるよ。最初の一歩を踏み出す時はすごく不安だよね。 |
ライフィセット | 大丈夫だよ。大きな海に出たら風がいろんな場所に運んでくれる。 |
ライフィセット | でも、大事なところでは流れに身を任せないで。 |
ライフィセット | 自分の舵は自分で取るんだ。 |
ベルベット | ふふっ。フィーも言うようになったじゃない。 |
ライフィセット | もう、からかわないでよ……。 |
カノンノ・E | でも、ライフィセットの言う通りです。自分を見失ってしまったら大事なものをたくさん失うことになるから。 |
KOS-MOS | ……わかりました。先へ進みましょう。 |
ベルベット | 何もないわね……。 |
カノンノ・E | おかしいなあ。【コラム】は確かにここにあるはずなんだけど……。 |
KOS-MOS | ……気をつけてください。虚数領域の存在特有の反応があります。 |
ライフィセット | KOS-MOSがもう一人 ! ? |
KOS-MOS | 違います。あれは……。 |
カノンノ・E | あのKOS-MOSさんが【コラム】だよ ! |
KOS-MOS | あれは私が元いた世界との結節点。 |
KOS-MOS | バックアップとして切り離された際にエラーを起こしてしまった任務や命令の記憶。兵器としての私の一部です。 |
ベルベット | 【コラム】――出口じゃなかったってこと ? |
ライフィセット | それじゃあ、僕たちこの世界から出られないの…… ? |
カノンノ・E | ううん。むしろあのKOS-MOSさんがこの世界に私たちを閉じこめる楔のようになってるんだと思う。 |
ベルベット | つまり、あいつをどうにかすればいいのね。 |
ライフィセット | でも、あれもKOS-MOSの一部なんだよね ?そんなことしたら……。 |
KOS-MOS | 破壊しましょう。 |
ライフィセット | え ! ? |
カノンノ・E | いいんですか ? あのKOS-MOSさんと一つになれば命令や任務を取り戻せるかもしれません。もしかしたら元の世界に戻ることだって……。 |
KOS-MOS | 破損データです。破壊後にデータの分析を行えばエラーを修復できる可能性があります。ですが命令も任務も、今の私には必要のないものです。 |
KOS-MOS | まして、私はバックアップ。元の私とは別個体です。元の世界に戻っても混乱を生じさせるだけでしょう。 |
KOS-MOS | 何より私は、ライフィセットとの約束をまだ果たしていません。 |
ライフィセット | KOS-MOS……。 |
KOS-MOS | ヒルベルトエフェクト……展開 ! |
ベルベット | あっちもやる気みたいね ! |
KOS-MOS | 私たちを縛るデータエラー……。あなたを破壊します。 |
キャラクター | 10話【VSKOS-MOS?】 |
カノンノ・E | 終わった…… ? |
KOS-MOS | はい。エラーを起こしていたデータは完全に破壊されました。 |
ベルベット | あんたはもう自由ってわけね。 |
KOS-MOS | 自由……。その意味を私はまだ正確に理解できていません。 |
ベルベット | それでいいのよ。頭で理解するようなものじゃないから。 |
ワイズマン | 皆さん、無事に【コラム】にたどり着いたようですね。 |
ライフィセット | 思ってたのとはちょっと違ったけどね。 |
ワイズマン | しかしこれで、皆さんをアークにお呼びすることが可能になりました。 |
ベルベット | じゃあ、さっさとやってちょうだい。いいわよね ? KOS-MOS。 |
KOS-MOS | はい。もちろんです。 |
ワイズマン | では―― |
KOS-MOS | ここが、アーク……。 |
ワイズマン | KOS-MOSさん。こうしてお会いするのは初めてですね。 |
KOS-MOS | あなたがワイズマンですか。直接見るとさらに不可解な存在ですね。 |
ベルベット | ぷっ……あんたも言うようになったじゃない。 |
KOS-MOS | 事実を述べたまでです。 |
ライフィセット | 僕たちもワイズマンってよくわからないし。 |
カノンノ・E | いつも唐突だってことくらいかな。 |
ワイズマン | それは……申し訳ありません……。 |
ベルベット | それで、あんたはこれからどうするの ? |
KOS-MOS | ライフィセットとの約束を果たします。 |
ベルベット | それはわかってるけど、他にもいろいろ考えなきゃいけないことがあるでしょ。住む場所とか、仕事とか……。 |
KOS-MOS | しばらくはベルベットに面倒を見てもらいます。 |
ベルベット | はぁ ! ? なに勝手に決めてるのよ ! |
KOS-MOS | 自由に生きろと言うのなら、やり方を示すべきです。私に命令したかったのでは ? |
ベルベット | あんた、まさか根に持って……。 |
KOS-MOS | ご想像にお任せします。 |
ライフィセット | あ、KOS-MOS、今笑ったでしょ ? |
KOS-MOS | いえ、私にそういった感情はありません。 |
ライフィセット | ううん、絶対笑ったよ ! |
KOS-MOS | ですから、私は―― |
カノンノ・E | 二人ともすっかり仲良しですね ! |
ベルベット | はぁ……まあいいわ。フィーが喜ぶなら、融通の利かない居候の一人くらい、面倒見てやるわよ。 |