キャラクター1話【鏡士1 墓前にて】
カーリャミリーナさま~ !  フィルさま~ !こっちですよ~、はやくはやく~ !
ミリーナカーリャ、あまり急かさないで。そんなに急いだら、フィルが……。
フィリップはぁ……はぁ……。い、いや、大丈夫。心配しないで、ミリーナ……。
ミリーナ全然大丈夫には見えないわ。焦らずゆっくり行きましょう。カーリャも、それでいいわよね ?
カーリャむむむ、フィルさまの運動不足を考慮していなかったカーリャのミスですね……。スピード落とします~。
フィリップご、ごめん……。こんなに体力が落ちているなんて思わなくて……。
ミリーナカーリャが急ぎすぎなのよ。もう少しゆっくりでも大丈夫なのに。
カーリャむ~、だって、なんだか気になっちゃって……。なんかこう、特別な場所に行く感じじゃないですか。
ミリーナそうね。確かに特別な場所だわ。だからこそ、到着前に疲れ果ててしまったら意味がないでしょう ?
カーリャそれはそうですね。すみませんでした、フィルさま。
フィリップいや、僕もごめん。調べ物が多くて、すっかり運動不足になってて……。
カーリャそれはその通りだと思います。もっと運動してください、フィルさま !
ミリーナもう、またそんな言い方を……。あっ。
カーリャ見えてきましたね、二人目のイクスさまのお墓 !
二人…………。
ミリーナ……またここに来る時間を作れてよかったわ。
フィリップうん……約束だったからね。また戦いが続くようだったら来られなかったかもしれない……。
ミリーナ色々と騒動はあったけど……。でも、これからもちゃんとお墓参りは出来そうね。
カーリャよかったです !  けど、他の人には伝えないんですか ?カーリャはミリーナさまとずっと一緒だから教えてもらいましたけど……。
ミリーナいえ、話そうとは思っていたの。ただ、もう少し落ちついてから話したほうがいいかなって……。
フィリップでも、そろそろちゃんと伝えたいよね。
ミリーナええ。それでね、話をする日のこと、考えたの。ちょうど色々なことが落ち着く頃……。
ミリーナイクスがコーキスと、鏡精としてのリンクを切った後にしたらどうかな、って。
カーリャ…… !
フィリップ……うん。それがいいんじゃないかな。ちょうど区切りになる日だしね。
カーリャそうですね……。世界が落ち着いてきましたから、その日もそんなに遠くないと思いますし。
フィリップそうだよね。もうすぐ、イクスとコーキスが……。
フィリップ…………。
ミリーナどうかしたの、フィル ?
フィリップ……イクスたちのリンクが切れる前にやっておきたいことがあるんだ。それに、協力してもらえないかと思って。
ミリーナええ、もちろん構わないわよ。どんなことなの ?
フィリップそれは――
コーキスマスター、よかったな !今日、めちゃくちゃたくさん釣れて !
イクスああ、これだけあれば夕飯は豪華になりそうだよ。どうやって食べるか、悩むよなぁ。
コーキスんー、確かに !煮るとか、焼くとか……あ、干物もいいかも !
イクスいいな、全部挑戦してみようか。けど、コーキスも結構食いしん坊になったな。
コーキスそ、そういうわけじゃないって !パイセンじゃないんだから。
コーキスまあ、食べられるっていうのも嬉しいけど……俺が一番嬉しいのは、釣りをするとか、食事をするとかそういう時間をマスターとゆっくり過ごせることだよ。
イクスああ、そうか。これまでずっと、色々あったから……。
イクスこういう時間がとれるようになったってことはそれだけ世界が落ち着いてきてるっていうことなんだよな。
コーキスうん。やっと安定して、俺とマスターも……。
イクス……うん。鏡精としての関係を切るときが、そう遠くないうちに来るんだよな。
イクスまあ、それだって平和な未来に向かってるっていうことだから、いいことだよ。
コーキス……うん。そうだよな。
イクス…………。
イクスあれ、ミリーナからだ。
イクスどうしたんだ、ミリーナ。
カーリャこんにちはー、イクスさま !
コーキスうわ、パイセンだ !
カーリャちょっとコーキス、うわ、ってなんですかうわ、って !
コーキスいや、さっきパイセンの話をしてたから……。
イクスコーキスと一緒に釣りに行ってきたんだ。それでたくさん魚が釣れたからいろんな料理を考えてて……ミリーナとカーリャも一緒にどうだ ?
カーリャお魚…… ! !
ミリーナ素敵…… !  是非参加したいけれど、その前に私たちの用事を聞いてもらってもいいかしら ?
イクスああ、話してくれ。
ミリーナフィルが、大切な話をしたいんですって。だから申し訳ないんだけど、セールンド城まで来てもらいたいの。
フィリップ急に呼び立ててごめん。でも、今話しておきたくて……。
イクスわかった。実は、俺とコーキスも今セールンドにいるんだ。身支度を整えたらすぐに行くよ。
ミリーナよかったわ !それじゃあ、待っているから……よろしくね。
コーキス…… ?ミリーナ様たち、何の話なんだろう ?
イクス世界に危機的なことが起こった、っていうわけではなさそうだけど……。
イクスまあ、考えても仕方がないか。フィルさんが直接話したいっていうなら大事な話だろうから……。
イクスひとまず荷物を置いて、セールンド城に向かおう。

キャラクター2話【鏡士3 呼び出し】
イクスフィルさん、ミリーナ、お待たせ。
カーリャあ、イクスさまとコーキスも到着ですね !これで全員集合ですよ~。
コーキスあれ ?  マークはともかく、ネヴァンパイセンやヨーランド様も呼ばれてたのか ?
マーク俺はともかくってなんだよ。まあ、フィルがいるんだから俺がいるのは自然かもしれねぇが。
フィリップ僕から話したいことがあるのはその通りなんだけど実はヨーランドからの提案でもあるんだ。だから、みんなに集まってもらった。
フィリップイクスと、それにミリーナのこれからのことに関する話だったから。
イクス俺たちのこれから…… ?
フィリップうん。二人を、正式な形で宮廷鏡士として迎え入れたいんだ。
二人! !
コーキス宮廷鏡士……って、なったら何か変わるのか ?
イクス今さら鏡士としての修行をする……とか、そういうわけではないんだよな ?
マークま、そういう反応になるわな。宮廷鏡士がやってんのと同じようなことをこれまでずっとしてきたんだから。
フィリップそうだね。まあ、やることは今までと変わらない。だから「今さら ? 」と思われるのもわかってはいるんだ。
フィリップただ、現状ではイクスとミリーナは旧セールンド王国の宰相だったゲフィオンが特例で迎え入れた鏡士という身分のままなんだよ。
コーキスえ、そうなのか ! ?
イクスすっかり忘れてたけど、確かにそうなるのか……。
フィリップしかも、現在は事実上セールンド王国は存在していないも同然だ。旧王国の生き残りが何とか国の形を整えようとしているだけだしね。
フィリップ逆を言えば、これまで何の保障もなく只働きをさせてきたイクスとミリーナに報いることができるチャンスなんだ。
フィリップ人事に妙な政治が絡む状況ではないからね。王がいないのに宮廷とは……と思うかもしれないけれど次の政治体制に移るまでの仮の名前と思って欲しい。
コーキスなんか色々面倒くさそうだな。ってか、そういう肩書きみたいのって重要なのか ?
マークコーキスにはまだわからねえかもしれないが所属だの立場だのってのは、大勢の人間が集まる場では必要不可欠なんだよ。国の信用に関わってくるしな。
カーリャバーン !  と名乗られたら「おお~ ! 」ってなりますもんね~。
イクス俺たち、まだ見習い鏡士みたいなものだったからなぁ。
コーキス見習い……確かに名前だけだと弱そう……。
カーリャ・Nフィリップ様の提案は、実体と肩書きを釣り合わせるということでもありますね。
フィリップ肩書きが付く以上、色々と役目も果たしてもらうことになると思う。だから無理にとは言わないんだけど……。
イクス大丈夫です。もちろん引き受けますよ。これまでもやってきたことかもしれないけど今後はみんなの役に立てる鏡士になる――
イクスそういう風に考えたら、断る理由なんてありません。
フィリップありがとう、イクス……。
コーキスミリーナ様はどうするんだ ?
ミリーナ私も引き受けるわ。これからもイクスをサポートしたいっていうのもあるけれど……。
ミリーナ今は純粋に、みんなの手助けをしたいと思っているの。
イクスそっか……うん、そうだよな。
フィリップただ、その宮廷鏡士になるにあたって――
ヨウ・ビクエ私から、条件があるの。
イクスヨーランドさんから ?
ヨーランドええ。これからイクスとミリーナには鏡士として努めてもらうことになるでしょう ?
ヨーランドその力があることを証明するために試練を用意したいのよ。
イクスえっ、試練…… ?
ヨウ・ビクエあら ?  意外だったかしら ?
イクスい、いや……急だなって思って……。ミリーナも知っていたのか ?
ミリーナいえ、条件がある、というところまでは聞いていたけれど……。
フィリップはは……。ヨーランドがどうしてもそうしたいらしくて……。
カーリャそれって、イクスさまやミリーナさまには任せてられない !  的なやつですか…… ?
ヨーランドまさか。イクスもミリーナも、その実力に疑いはないわ。
ヨーランドでも、後輩には世話を焼いてあげたくなっちゃうのよ。
マーク世話を焼くっつーより、楽しんでる気がするけどな。
ヨーランドあら、何か言ったかしら ?
マークいーや、何も。
イクス言われてみれば、ヨウ・ビクエの迷宮や始祖久遠の塔なんかを作った人だもんな……。
コーキスつまり、試練を与えるのが趣味ってことか ?
カーリャさすがに趣味なんてことは……ないですよね ?
ヨウ・ビクエふふ、どうかしらね ?
二人えっ…… ! ?
イクスまあ、これから改めて任に就くということで初心に帰るという意味で試練を受けるのはいいことかもしれない。
ヨウ・ビクエそうそう、それよ !所属するための試験みたいなものだと思って気軽に取り組んでみてね。
カーリャ・N気軽に取り組めるようなものではないと思いますが……。
ミリーナこれでお墨付きがもらえるのなら他の人たちも納得してくれるはずだもの。
イクスうん、挑戦しよう。ヨウ・ビクエの試練に。
ヨウ・ビクエそれじゃ、決まりね !
ヨウ・ビクエ試練は明日行うわ。詳しいことは秘密だけど、鏡士の実力と鏡精との絆を試す内容になっているから。
コーキスマスターとの絆……。
カーリャむむむ、これはカーリャも気合いを入れなきゃいけませんね !
ヨウ・ビクエふふ、そうよ~。というわけで、今夜はみんなセールンド城に泊まってゆっくり準備をしてね。

キャラクター3話【鏡士4 試練に備えて】
コーキス明日、試練を受けるのかぁ……。
イクスそういえば、コーキスの意見を聞かずに決めちゃったな……。嫌だったか ?
コーキスまさか !マスターがなんか偉い人になるんだろ ?そのための試練なら俺、頑張るよ !
イクス偉い人なのかはわからないけど……。でも、コーキスが一緒にいてくれると心強いよ。
コーキス……うん !
ミリーナイクス、今ちょっといいかしら ?
イクスミリーナか。もちろん、どうぞ。
イクスどうしたんだ ?  こんな時間に。
ミリーナ特に用事があったわけじゃないの。イクスと話がしたかっただけで。
ミリーナ……あの、ね。なんとなく、なんだけど。初めて二人でセールンドに来たときのことを思い出したからかもしれないわ。
イクスああ……。
カーリャ懐かしいですねぇ。なんというか、もうずーっと昔の話って感じがしちゃいます。
イクスそうかもなぁ……。あんまり思い出したくないこともあるけど……。
コーキスふーん ?  そうなのか ?
ミリーナあのときは、コーキスはまだいなかったものね。
イクスまあ、ある意味見られてなくてよかったというかなんというか……。
イクス当時、俺はものすごく情けなくってさ。優柔不断だったし、勇気もなくて……。
イクスゲフィオンから「世界を救ってほしい」って言われて真っ先に思い浮かんだのが「俺には無理だ」ってことだったんだ。
イクスそれからも結構長いこと、「俺には何も出来ない」って思ってたような気がするな……。
ミリーナそんなことないわ。少しは迷っていたかもしれないけれどそれは環境が変わりすぎたからだろうし……。
ミリーナ何より、最終的には私と一緒に世界を救うことを選んでくれたじゃない。そして、実際に世界を救った。
イクスそれは俺だけの力じゃないよ。みんなが支えてくれて、だからこそ守りたいと思えるようになって……。
イクスみんながいなかったら俺は、何も出来ないままだった。
ミリーナそれでも、一歩踏み出すことを決めたのはイクスよ。そこから少し背中を押したことはもしかしたらあったかもしれないけれど……。
ミリーナ一番難しいのは最初の一歩だわ。それを自分で決断して踏み出したんだもの。
ミリーナイクスは最初から情けなくなかったし格好良かったわ !
コーキスそうだぜ !まあ、確かに昔のマスターは今より輪をかけて心配性だったけど……。
コーキスそれでも、いざってときにはビシッと決めてめちゃめちゃ格好いいじゃん !だから格好いいんだよ !
カーリャおんなじ言葉を繰り返してるだけですね~。これだからコーキスは……。
コーキスう、うるさいな !それだけ格好いいって言いたいんだよ !
カーリャまあ、カーリャとしてはあのやたらめったら心配性なイクスさまも、なんだかんだ好きでしたけどね~。
イクスあはは……そっか。
カーリャでもなーんか、この感じだとイクスさまって次の試練を受けたらまた雰囲気変わりそうな気がしません ?
イクスそうかな ?
ミリーナきっとそうよ !またイクスが開花して、格好良くなるんだわ !
コーキスんー、なんかミリーナ様のそれももはや「待ってました ! 」って気分になるから不思議だよなぁ。
イクス……ありがとう。皆にそう言ってもらえると勇気が湧いてきた気がする。
イクスみんなの言う通り、この試練が終わったらもう一段成長できるかもしれない。
イクス明日は俺たちの集大成を――それから新しい俺たちを見せられるように精一杯ぶつかっていこう !
コーキスおう、マスター !
ミリーナ……ふふ。このままじゃ、いつまでも昔話に花が咲いてしまいそうね。
ミリーナ私、そろそろ部屋に戻るわ。明日はお互い頑張りましょうね、イクス。
イクスああ。よろしくな、ミリーナ。
カーリャコーキスも、しっかり寝て、イクスさまのお役に立つんですよ !
コーキスわかってるって !ミリーナ様、カーリャパイセン、おやすみなさい !
ミリーナええ、おやすみなさい。
イクスよし、俺たちも寝ようか。
コーキスうん……。あのさ、マスター。
イクスん ?
コーキスたぶん、なんだけど……これが俺の鏡精としての最後の役目になるような気がするんだ。
イクス……うん、そうだな。
コーキスだからさ、最後はマスターと一緒にヨーランド様の試練をバッチリ乗り越えたい。
コーキスそれでマスターが立派な鏡士だって認められれば俺、すっごく嬉しいから。
イクスありがとう、コーキス。
イクスもしかしたら、ヨーランドさんは俺とコーキスがちゃんとお別れ出来るように、こういう場を設けてくれたのかもしれないな。
コーキスえ、そこまで考えてるのかな…… ?本当に趣味のような気もするけど。
コーキスま、でもマスターとの思い出が作れるんだったらいい趣味じゃん !  って感じだよな !
イクスはは、そうかもな。
イクスそれじゃあ、コーキス。明日はよろしくな。
コーキスうん !  俺たちがすごいってところ、見せようぜ !

キャラクター4話【鏡士5 夜の一幕】
カーリャ・Nあら ?  マーク…… ?
マークん ?  お、パイセンじゃん。もしかしてつまみ食いに来たのか ?
カーリャ・N違います。寝る前に温かいお茶をいただこうと思っただけです。
マークははっ、怒るなよ。冗談だって。ちょうど淹れてるところだから、ちょっと待ってろよ。
マーク相変わらず他の連中からは大雑把な味だとか言われるけど、我慢してくれよ。
カーリャ・N私は、マークが淹れてくれるお茶は好きですよ。昔から、ずっと。
マーク……そっか。
マーク……準備、進んでんのか ?
カーリャ・N準備 ?
マーク月へ行く準備だよ。色々落ち着いてきたし、そろそろかなって思っただけさ。
カーリャ・Nああ……そうですね。準備は着々と進んでいます。
カーリャ・N具体的な日取りも決まりつつあるのでもう間もなく、ですね。
マーク……ふうん。
カーリャ・N寂しいのですか ?
マーク寂しいよ。
カーリャ・N…………。
マークけど、今さらまた引き留めるようなダセェことはしねえよ。
マーク一度決めたことは曲げねえ頑固なのがパイセンだからな。
カーリャ・Nマーク……。
マーク気をつけて行ってこいよ。
カーリャ・Nええ……。
カーリャ・Nあなたこそ、こちらの皆さんのことは任せましたよ。
マークああ、任されたぜ。
カーリャ・N……お茶、ありがとう。おやすみなさい。
マークああ……おやすみ。
マーク…………。いつまでも隠れてないで、いい加減出てこいよ。
フィリップあ……ご、ごめん。のぞき見するつもりじゃなかったんだけどたまたま通ったら真剣な様子だったから……。
マーク別に、聞かれてマズい話なんかしてねえから構わねえよ。
フィリップう、うん……。…………。
マークなんだよ ?
フィリップ……マークがネヴァンと一緒に月に行けないのは僕のせいだろう ?
マーク…………。
フィリップマークには、我慢させてばかりだね……。
マーク……何を言い出すかと思えば。そんなの今に始まったことじゃねぇだろ ?
フィリップそう言われると、返す言葉もないんだけど……。
マークそれにな、俺は生まれたときから一生お前の面倒を見るって決めてるんだ。
マーク悪いと思ってるなら一日でも長生きして俺とパイセンが会う機会を増やしてくれよ。
フィリップああ、もちろん。
マークってか、お前何してたんだよ ?こんな時間にうろついて。
フィリップああ、そうだった。マークを捜していたんだよ。
マーク俺を ?
フィリップ寝る前に少し本を読もうと思ったら、寝室の魔鏡機器の電源が切れてしまって。
フィリップマークに取り替えてもらえないかな、って……。
マークあ、あのなあ…… !お前も明日は早いんだから、今日は大人しく寝ろ !
フィリップご、ごめん……。
マークやれやれ、困ったもんだぜ……。
マークこれだから、お前のそばから離れられねえんだよ。

キャラクター5話【鏡士6 試練開始】
ヨウ・ビクエ昨日はよく眠れたかしら ?
コーキスああ !  ぐっすり寝たし、今日の試練は絶対合格出来るぜ !
カーリャカーリャだって、しっかり寝ましたよ~ !ミリーナさまのサポート、頑張ります !
ヨウ・ビクエふふ、やる気満々ね。鏡士の二人も、同じかしら ?
ミリーナええ、もちろん !
イクス任せてください。でも、どんな試練になるんですか ?
ヨウ・ビクエやること自体はシンプルよ。私が作った仮想鏡界にいる魔物を倒すこと。
ヨウ・ビクエある程度倒せば仮想鏡界の出口が現れるから。無事に脱出出来れば初代ビクエお墨付きの鏡士に任命してあげるわ。
マークなるほどな、確かにシンプルだ。
ヨウ・ビクエただ、仮想鏡界にいる敵の難易度はイクスとコーキスの二人組を想定しているの。だからミリーナにとっては少し不利よね。
ヨウ・ビクエというわけで、ミリーナには特別措置としてカーリャだけじゃなく、ネヴァンも同行してもらうわ。
ヨウ・ビクエそれで構わないかしら ?
ミリーナ私は、もちろん。でもネヴァンは急な話になってしまうけれど、平気 ?
カーリャ・N私は、もともとそのつもりで来ていますので。準備も整っています。
ミリーナ頼もしいわ。それじゃあ、よろしくね。
フィリップじゃあ、そろそろ始めるけど……準備はいいかな ?
コーキスもちろん !
カーリャバッチリですよ !
イクスヨーランドさん、お願いします !
ヨウ・ビクエええ。それじゃあ、いくわよ――
イクスここが、仮想鏡界……。
コーキス俺とマスターだけっぽいか ?
イクスそうみたいだな。やっぱり別々に挑戦することになるのか。
二人! !
コーキス早速出たな !
イクスヨーランドさんが用意した魔物だ。本物じゃない。けど…… !
イクスッ !  ……ッ !やっぱり、強い !
コーキスこれ、油断したらマジでやられるやつ !
イクスああ、そうなるだろうな。大丈夫か、コーキス。
コーキス当たり前だろ !ってか、試練なんだからこんくらいじゃなきゃ意味ないもんな !
イクスはは……確かにそうだな。よし、しっかりと魔物の動きを観察して連携していくぞ !
コーキスおう ! !

キャラクター6話【鏡士7 鏡士と鏡精】
ミリーナフォトン ! !
カーリャ・N鏡翔霧刃 !
カーリャさっすがミリーナさまとネヴァン先輩です !襲ってきた魔物、もう倒しちゃいましたよ !
カーリャこの調子なら、試練もパパッと終わりそうですね !
カーリャ・N……だといいのですが。
カーリャへ ?
ミリーナさっきから、それなりの数の魔物を倒しているわ。今は小休止なのか落ち着いているけれど……。
ミリーナそれでも出口が現れないということはただ倒しているだけでは出られないのかもしれないわね。
カーリャ・N私もそう思います。恐らく、私たちが自ら考えて動かなければ出口が見つからないようになっているのでは……。
カーリャうう~ん、なるほどぉ……。そう簡単には外に出してもらえないっていうことですね……。
カーリャこれは長引きそうですねぇ~。
カーリャ! !ご、ごめんなさい !  おなかが鳴っちゃいました……。
ミリーナふふ、カーリャったら。おなか空いたの ?
カーリャ空いたっていうか、まだしばらく食べられないんだな~って思ったら、反射的に……。
ミリーナカーリャらしいわね。えっと……うーん、これしかなさそうだわ。
カーリャわ、あめ玉 !
ミリーナ悪いけど、しばらくはそれで我慢してもらえるかしら ?
カーリャもちろんです~ !わーい、ミリーナさま大好き !
カーリャ・N…………。
ミリーナ?  どうしたの、ネヴァン。
カーリャ・Nえ ?
カーリャネヴァン先輩、今なんかふにゃーって感じの顔してましたよね~ ?
カーリャ・Nあ……すみません、深い意味はないんですが。
カーリャ・Nただ、私も昔はよくミリーナ様に甘えていたなと思い出したんです。
カーリャそれ、ネヴァン先輩のミリーナさま……ですよね ?
カーリャ・Nええ。いつも優しくて、私がわがままを言っても笑顔で許してくれたんです。
カーリャなんか、今のネヴァン先輩を見てるとぜんっぜん想像がつきませんね。
ミリーナ私は……少し、わかるわ。ネヴァンとゲフィオンがどういう風に過ごしてきたか。
カーリャ・N……はい。
カーリャ・Nですから、二人のやり取りが嬉しかったんです。ああよかった、と……。
カーリャ・N私が小さいミリーナ様と小さいカーリャのことが好きなのは、そういう訳なのかもしれませんね。
ミリーナありがとう……。
カーリャえへへ、なんだか照れちゃいますね !カーリャも、ネヴァン先輩が大好きですよ !
ミリーナ私もよ。
カーリャ・N嬉しいです。
カーリャ・N……どうか、お二人はこれからもそのままでいてください。それが私のミリーナ様の希望でもあると思います。
カーリャもちろんですよ !カーリャは、これからもずーっとずーっとミリーナさまと一緒です !
ミリーナ私もよ。これからもよろしくね、カーリャ。
カーリャへへへ、よろしくされちゃいました !こうなったら、その期待に今すぐバシッと応えなきゃいけませんよね !
カーリャカーリャが出口を見つけてみせますから待っててくださいね、ミリーナさま !
ミリーナ! !  待って、カーリャ !一人で先に行ったら危ないわよ !
カーリャ・N……ふふ。私も、行かなくちゃ。
マークイクスとコーキスは順調。ミリーナとパイセンたちはさらに一歩進んでるって感じだな。
フィリップうん。この調子なら、予定より早くそのときが来そうだね。
マーク……ったく、お前も無茶するよな。魔物との戦いはあくまで前哨戦で本番はこの当代ビクエと戦うこと、なんて。
フィリップこういう形でなければ、出来ないと思ったから……。実戦形式が一番、鏡士の技術を伝えやすいんだよ。
フィリップ今の僕の技術を、イクスとミリーナに少しでも多く伝えたいんだ。
マークわかってるよ。じゃなかったらお前に負担のかかるやり方を了承するわけないだろ ?
フィリップ……わがままばかりでごめん。
マークだから、もう今さら気にするなっての。それより、せっかく用意してもらった舞台だ。華々しく魅せてこようぜ !
フィリップそうだね。そろそろいいタイミングだ。行こう。
ヨウ・ビクエ予定通り、フィリップとマークも行ったみたいね。それじゃあ――
ヨウ・ビクエあとは手はず通りに、頼んだわよ ♪

キャラクター7話【鏡士8 真の試練】
マークよし、到着、っと……。まだ誰もここには来てねぇみてぇだな。
フィリップそうだね。イクスたちとミリーナたち、両方が合流してからここで戦うという手はずではあったけど……。
マーク思ったより時間かかってんな……。まあ、そのうち来るんだろうけど。
フィリップうん。それまでにしっかり集中しておこう。
マークというか、お前まさか最終的に勝ちを譲る気じゃねぇよな ?
フィリップまさか。試練に合格して欲しいという気持ちは確かにあるけど……。
フィリップだからって、わざと負けるつもりはない。全力で行くよ。
マークそうか、それなら安心だ。手加減なんか絶対にするなよ。
マーク俺としてはイクスに一度負けてるんでね。ここでリベンジさせてもらうつもりだ。
フィリップなるほど。案外負けず嫌いなんだね。
マークそりゃ、負けっぱなしは癪だからな。
フィリップじゃあ、僕もマークに勝利を贈るつもりで戦わなきゃいけないな。
マークそいつは最高の贈り物だ。頼むぜ、マスター。
マークお、そんなこと言ってるうちに、誰か来たみたいだな。イクスか、ミリーナか――
マーク! ?  な…… !
フィリップそんな、君は…… !
コーキスよっしゃ、倒した !
イクスナイスだ、コーキス !
コーキスへへっ !合格するためには勝ち続けなきゃいけないからな !
イクスそうだな。……問題は、これがあとどれくらい続くのかわからないっていうところだけど……。
コーキス深く考えるなよ、マスター !考え過ぎはマスターらしいとこかもしれないけどさ。
コーキス俺はまだまだ動けるし !どんどん倒していこうぜ !
イクスはは……そうだよな !出てくるやつを、全部倒す。それだけだよな !
コーキスほら、また次が来たみたいだぜ !しっかり迎え撃って……。
コーキスえっ ! ?
イクスあなたは…… !
イクスウォーデン、さん…… !
コーキスな、なんで ! ?ヨーランド様、こんな幻まで用意してたのかよ…… !
ウォーデンいや、違う。俺は幻ではなく本物だ。
イクスえ…… ?
ウォーデン自らの意志でここに来ている。お前たちと対峙するために。
ウォーデン俺だけではなく、あいつらもな。
ミリーナメルクリア ! ?それに、バルドさんまで……。
カーリャな、な、どういうことなんですか ! ?幻じゃ……ないんですよね ! ?
メルクリア当然じゃ !正真正銘、本物のわらわじゃ !
メルクリアそなたたちがこの空間から出るにはわらわを倒す必要があるのじゃ !
カーリャえええええ ! ?そ、そういう試練なんですか ! ?ネヴァン先輩、聞いてます ! ?
カーリャ・Nいえ、全く知りませんでした。まさかここで二人を相手にすることになるなんて……。
バルドいえ、私はただの見届け人です。あくまでも戦うのはメルクリア様だけ。
バルドこの試練の件については、ヨーランド様から打診を受けたのです。協力してもらいたい、と。
バルド初代ビクエ直々の依頼ということでウォーデン様が引き受けるとおっしゃいまして。
メルクリア兄上様が協力するのであれば、わらわも手伝わないわけにはいかぬからな !
ミリーナ私たちとメルクリアが戦うのね……。
メルクリアやはりそなたたちとは浅からぬ因縁で結ばれておるようじゃの。
ミリーナ……そうかもしれないわ。どれだけ時間を経ても切れない何かが。
メルクリアうむ……じゃから、わらわが見極めてやろう。そなたが鏡士として相応しいかどうか。ビフレスト皇女としてな !
ファントム……これで、わかったでしょう ?私たちが初代ビクエの依頼を引き受けた理由が。
マークいやいやいや、待て待て待て !事情はわかったが、なんで俺とフィルが試練を受ける側になってるんだよ !
ファントムそれも、シンプルな話ではありませんか ?要するにヨーランドは、フィリップにはまだビクエとして未熟な部分があると思っているんです。
マークなっ…… !
フィリップいや……そういうことなんだろう。でなければ、試練を提案したはずの僕に試練を課すなんて考えられない。
ファントムその通りです。あなたがこれから先、この世界のビクエとして相応しい人物であるかどうか……。
ファントムその判断が、私の手に委ねられたのです。
マークチッ……なんかムカつくな。
フィリップ確かに、初代ビクエから見れば、僕もまだまだひよっこなのかもしれない。
フィリップそれでも、僕だってビクエの地位を継いだ人間だということは忘れないでもらいたい。
フィリップリーパ、君に勝てばヨーランドも僕をビクエと認める……そういうことで間違いないよね ?
ファントムええ。私に負けるようでは後輩の指導なんてもってのほかですから。
マークそいつは話がわかりやすくて助かるぜ。とにかく倒す、それだけってこったな !
フィリップああ。ビクエとして認めてもらうためにも、必ず君を倒すよリーパ !

キャラクター8話【鏡士9 隣に立つために】
フィリップ……ッ !
ファントム辛そうな顔をしているじゃありませんか。あなたの力はそんなものでしたか ! ?
マークてめぇ、調子に乗りやがって…… !
フィリップいや……そう言われてしまうのも当然だ。中途半端な力を見せているんだから。
フィリップ僕には一体何が出来るのか。これから先、どのように生きていくべきか。ビクエとしてどう振る舞うべきなのか……。
フィリップ君の姿を見ていればわかるんじゃないかと思って観察させてもらっていた。
ファントム……負け惜しみですか ?
フィリップいいや、単なる事実だ。
フィリップでも、もう迷うようなことはない。本気でいかせてもらうよ。マーク !
マークそうこなくっちゃな。行くぜ !
マークフィル !  お前の本気、きっちり見せてみろよ !
フィリップああ !罪悪感に支配されて下を向くのはもう終わりだ。
フィリップ僕は当代ビクエ !その全力を受けてみろ !
フィリップ & マーク岩斬刹界衝 ! !
ファントムうわあああああっ !
ファントムくっ……。
フィリップ僕の実力は、わかってもらえたかな ?
ファントム……そうですね。疑う余地もありません。
ファントム技の強度、正確さ、指示の出し方……。間違いなく、あなたは当代ビクエだ。……私の負けです。
マークよっしゃ !ま、わざわざこんなことしなくてもわかりきってたことだけどな !
フィリップでも、きっと良い機会だったんだと思う。君にも、初代ビクエにも、僕の覚悟を見てもらえた。ありがとう、リーパ。
ファントム……あなたへの鬱憤を晴らす機会を与えてもらったのに残念ですよ。
マークハッ。悪ぶりやがって。最初からそんなもんねぇだろ ?
ファントムいえ……本当ですよ。
ファントムイクスたちを正式に鏡士として迎え入れる……それは、あなたが現役を退く準備の一環ではないかと思っていましたから。
フィリップ…………。
ファントムけれど、戦ってみてわかりました。そんなつもりはないようですね。
フィリップ僕のことを心配してくれたのかい ?
ファントムあなたに抜け駆けされるのが癪だったんですよ。
フィリップはは……なるほどね。でも、そんなことは考えていないよ。
フィリップ確かに、いずれはイクスかミリーナ、どちらかがビクエの名を継ぐのかもしれない。
フィリップだけど、これでも僕は当代ビクエであることを誇りに思っているんだ。僕が生きている間はこの座を明け渡すつもりはないよ。
ファントム……そうですか。
ファントム最初からそれくらい図々しく生きてほしかったものですね。
フィリップはは、その通りだ。だからこれから、生き直させてもらうよ。
フィリップ初代にも正式に認められた、当代のビクエとしてね。
メルクリア術式・九頭竜 ! !
カーリャ・N……ッ !
メルクリアどうした、防ぐので精一杯か ! ?術式・五十雀 ! !
ミリーナ! !やっぱり、強いわ……。メルクリアの鏡士としての実力は本物よ。
カーリャ・Nはい。二人がかりであるにも関わらずこれだけ押されてしまうとは……。
カーリャあわわわわ、ミリーナさまとネヴァン先輩が追い込まれてしまうなんて…… !かくなるうえは、カーリャが――
バルド落ち着いてください。あの中に入っていくのは危険ですよ。
カーリャで、でも…… !
カーリャ・N大丈夫です、小さいカーリャ。私と小さいミリーナ様が負けるということはありませんから。
ミリーナそうよ。私はこれからもイクスの隣で一緒に戦っていくんだから。
ミリーナそのためにも鏡士としての力を示さなければならない。絶対に、負けたりしないわ !
メルクリア大切な人と共に戦いたい……。その想い、わらわにもよくわかる。
メルクリアだからこそ、わらわはそなたの壁となるのじゃ !さあ、全ての力をぶつけてみよ !
ミリーナええ !私の想いを、覚悟を、認めさせてみせるわ !

キャラクター9話【鏡士10 宮廷鏡士として】
ミリーナはああっ !
メルクリアクッ……ま、まだじゃ !  まだわらわは…… !
ミリーナいいえ、ここまでよ !ネヴァン ! !
カーリャ・Nはい !
ミリーナ私たちの全力を受けてみなさい !
カーリャ・Nこの想いを、集約する !
二人ビリーフイグニッション ! !
バルドそこまでです !
メルクリアッ ! ?  バルド ! !
カーリャああああっ !バルドさまが攻撃を防ぐなんてズルじゃないですかぁ ! ?
メルクリアそうじゃ、バルド !邪魔をするなと言うたであろう ! !
バルド申し訳ありません、メルクリア様。見ているつもりではあったのですが、つい身体が動いてしまい……。
バルドミリーナさんも、ネヴァンも、申し訳ありません。無粋な真似をしてしまいました。
バルドここは、私の不始末として、不戦勝ということで納得いただけないでしょうか ?
メルクリア! !  おぬし、最初からそのつもりで……。
バルドさあ……なんのことでしょう ?
カーリャ・Nバルド、あなた……。
メルクリアまったく、損な役回りばかり請け負うのう。
バルドメルクリア様こそ、ミリーナ様のご友人として一肌脱ごうというお気持ち、ご立派でした。
メルクリアなっ……何を言うておる !わらわはそのようなつもりはない !
ミリーナふふ……私は、そうだったなら嬉しいけれど。
メルクリアミリーナ……。
ミリーナ勝敗に関しては、メルクリアが納得してくれるのならバルドさんの言う通りで構わないわ。ね、ネヴァン。
カーリャ・Nええ、もちろんです。
カーリャカーリャも、仕方がないから認めてあげても構いませんよ~ !
メルクリアそうじゃな……。バルドが割って入らねば、わらわは確実に負けていた。そういう意味でも結果は出ておるじゃろう。
バルドでは、決まりですね。
ミリーナ! !  出口が……。
バルドこれで試練は終わり、ということですね。
カーリャわ~、よかったです !ミリーナさまは無事合格ってことですね !おめでとうございますぅ !
ミリーナありがとう、カーリャ。……イクスたちはどうなったのかしら。
メルクリアあちらの状況はわらわたちにもわからぬ。じゃが、相手をしておるのは兄上様じゃ。
メルクリア今頃完膚なきまでに叩きのめされているかもしれんのう !
ミリーナなるほど、そうなのね……。でも心配はいらないわ。
ミリーナイクスは、絶対に負けない。何があっても諦めたりしないもの !
ミリーナだから私、先に行って待ってるわね、イクス…… !
イクス――そういうことだったのか……。
ウォーデン今頃、メルクリアやファントムも戦っている。
ウォーデンそしてお前の最後の相手は俺だ。覚悟はいいか ?
イクスもちろんです !……と、言いたいところなんですが。
ウォーデンなんだ ?
イクスどうしてここまで俺たちに力を貸してくれるんですか ?
ウォーデン以前にも言っただろう。お前の面倒を見てほしいとあの男から頼まれたからだ。
コーキスあの男、って…… ?
イクス最初の俺……イクスさん、ですよね ?
コーキスあっ…… !
ウォーデンそういうわけだ。俺は俺の役割を果たさせてもらう。
イクス…………。
ウォーデンどうした ?  今さら怖気づいたわけではなかろう。
イクスい、いや……いくら試練といっても、ビフレストの皇太子に剣を向けるなんて、国際問題に発展しないかな……。
コーキスいやいやいや、誰も見てないんだからいいじゃん !
ウォーデン本当に真面目なやつだな……。わかった。
ウォーデン魔鏡術の応用で、お前たちから見える俺の姿を変えてやった。持続時間の短い幻覚のようなものだがこれなら少しは剣を向けやすいだろう。
イクスえっ ! ?  あっ……そ、そこまでしてもらわなくても…… !
ウォーデン鏡士の動揺は鏡精にも伝わる。
ウォーデンそれが原因でお前たちの本来の実力を引き出せないとなれば、俺としても不本意だ。
コーキスなるほど……。
ウォーデン何より、この憎たらしい顔はさぞ殴りやすいだろう ?
イクスいや、俺と同じ顔なんですけど……。
イクスでも、ありがとうございます。ここまでしてもらって中途半端なことは出来ませんよね。
ウォーデンお前も問題ないか、コーキス。
コーキスもちろん !なんか久々にボスに稽古つけてもらうみたいで嬉しいぜ !
ウォーデンそうか。だが、稽古のように手加減はしないぞ。全力で来い !
二人はい !

キャラクター10話【鏡士10 宮廷鏡士として】
コーキスはああああっ !
ウォーデンッ…… !
イクスうおおおおおっ !
ウォーデン! !  やるな、お前たち。だが…… !はあっ ! !
イクス & コーキスうわっ ! !
ウォーデン決め手には欠ける ! !
コーキスくっそぉ、これじゃダメか…… !
イクス落ち着け、コーキス !相手の動きを見るんだ !
コーキスああ…… !
コーキスッ !  ここだ…… !
ウォーデン! !
イクスいいぞ、コーキス !たたみかけていくぞ !
コーキスおうっ !
コーキスマスターと心をひとつにして ! !
イクスこの攻撃で決める ! !
イクス俺に力を !集え、魔鏡の光 !
コーキス翔けろ !  現の炎 !
イクス & コーキス夢現・灼鏡閃 ! !
ウォーデンくっ…… ! ! !
コーキスはぁ……はぁ…… !う、受け止められた…… ! ?
イクスあ、ああ……。コーキス、もう一度だ !
コーキスおう !
ウォーデンいや……ここまでだ。
イクス & コーキスえっ ! ?
ウォーデンこれ以上戦っても、結果は見えている。
コーキスへ ?  それって……。
ウォーデン……俺の負けだ。お前たちの息の合った一撃、見事だった。
イクス & コーキスや、やった…… !
ウォーデンあのまま押し切れると思ったが……。やはりお前たちは恐るべき鏡士と鏡精だ。
コーキスへへっ……だろ ! ?
イクスあなたにそこまで言ってもらえて、素直に嬉しいです。俺自身も、もう迷わずに言えるようになりました。
イクス俺は、誰にも恥ずかしくない鏡士になれる。
ウォーデン……もうなっている。これから先のアスガルド連邦を背負う鏡士はお前たちだ。
イクス & コーキスありがとうございます…… !
コーキス! !  出口だ…… !
ウォーデンヨーランドが認めたようだな。試練は合格だ。
ウォーデンだが、鏡士の力は世界を救うと同時に滅ぼすことも出来る……。
ウォーデンそれを決して忘れるな。
イクスわかっています。この力は、これからも大切な人たちを救うために使い続ける……そう誓います。
ウォーデン……そうか。
ウォーデンでは、行け。鏡士としての一歩を踏み出すために。
イクス & コーキスはい…… ! !
イクス行こう、コーキス !
コーキスうん…… !
ヨウ・ビクエそれじゃあ、改めまして……。皆様、イクス・ネーヴェとミリーナ・ヴァイスが本日、宮廷鏡士に認定されました。
ヨウ・ビクエ二人の門出を祝って、ささやかながらお祝いの席を設けましたのでお楽しみください。――さあ、主役の登場よ ♪
イクスこ、こんばんは……。
コーキスおお~、マスター、格好いいじゃん !
カーリャミリーナさま、素敵です~ !
ミリーナふふ、ありがとう、カーリャ。それに、こんなにたくさん集まってくれたなんて……。
ガロウズ二人とはもう長い付き合いになるしな !それが宮廷鏡士になったって聞いたら駆けつけるだろ !
セシリィはい。こんなにおめでたいことはありませんし一緒にお祝いさせてくださいっ !
フリーセルまさか、ビフレストの民である私たちまでこのような場にいるとはな。
バルド確かにその通りですね。以前ならば想像も出来ませんでした。
メルクリアそれが実現したのも、そなたらの人徳じゃ。めでたいことじゃ !
ウォーデン……そうだな。
ミリーナありがとう、みんな……。
ヨーランド本当に色々あったけれどいい関係に着地できたと思うわ。
ヨーランドというわけで、イクス。何か挨拶をしてもらえるかしら ?
イクス……はい。
イクスみんな、今日は来てくれて本当にありがとう。俺は、最初は力もなくて、優柔不断で、何も出来ないやつだったと思うんだけど……。
イクス今日という日を迎えられたのはみんなのおかげです。誰か一人でも欠けていたら今の俺もこの世界すらも存在しなかったかもしれない。
イクス一つ一つの繋がりが俺という存在をこの世界に繋ぎ止めてくれた。
コーキス…………。
イクス俺は、そんな世界が大好きだし、これからも守りたい。まだまだ鏡士としては未熟かもしれないけど……俺に出来ることをやっていくから。
イクスこれからも、俺たちに力を貸してください。そして一緒にこの世界を守ってください。お願いします !
コーキス当たり前だろ、マスター。これからも……この先、何があったとしてもマスターと一緒にやっていくから !
カーリャカーリャも一緒ですよ !イクスさまとミリーナさまのことを支えていきます !
ウォーデン世界を守りたいという気持ちは同じだ。俺たちも協力しよう。
フィリップ今までの敵も味方も関係なくこれからは同じ鏡士として、共にやっていこう。
イクスああ……よろしく !
マークん ?  なんだこんなときに。誰だ…… ?
ルックま、マークさん、大変です !今、ちょっとヤバい魔物が現れて……。
ルックなんとかいったん抑えましたがいつまた暴れ出すか…… !
マークはぁ ! ?  ったく……お前らでどうにか出来ないのか ?
ルックむ、無理です、もう限界です…… !
マーク仕方ねぇな……。今行くからちょっとだけ我慢しろ !
イクス――あはははは !
コーキスど、どうした、マスター ! ?
イクスいや、ごめん。俺、試練が終わって宮廷鏡士になったらもっと成長できるんじゃないかって思ってたんだ。でも……そうじゃないんだよな。
イクスそんなことじゃ俺は変わらないんだ。今まで通り、一生懸命生きていくなかでこそみんなを守れる力を手にできる。
イクス俺、宮廷鏡士って言葉に舞い上がってたのかもな。だから、ミリーナ――
ミリーナええ。わかってるわ、イクス。鏡士の力は困っている人を救うためにあるんですもの。
イクスなあ、マーク。俺たちも一緒に行くよ。世界を守るって役目を早速果たさなくちゃ。
ミリーナええ。戦力は多いほうがいいでしょう ?
ヨウ・ビクエあらあら。じゃあ、パーティーはいったんお預けね ?
ガロウズよっしゃ !ケリュケイオンはすぐ発進出来るようにしとくぜ !
カーリャえ、えええええ ! ?そんな、せっかくのご馳走があああああ…… !
ミリーナごめんなさい、カーリャ。ご馳走はあとで改めて作ってあげるから。
ミリーナそれじゃあ、イクス。
イクスああ。行こう、みんな ! !