キャラクター | 1話【Life1 特別な日】 |
サラ | えっと……小麦に卵と牛乳……。うん ! 必要なものは全部揃ったね。 |
アレン | サラ、僕が持つよ。 |
サラ | ありがとう ! でも、全部持ってもらうのは悪いから、半分ずつにしよう。 |
カナ | サラー ! アレンー !こっちの買い出しも終わったわよ……わわっ ! ? |
ゼファー | よっ、と ! |
カナ | あ、危なかった~。 |
ゼファー | 「危なかった~」じゃねえよ。お前なぁ……今日だけで何回こけそうになってんだ。 |
カナ | え、えっと……三回、くらい ? |
リッピ | カナ様、残念ながら今ので四回目でございます。 |
リッピ | ですが、その四回全てをゼファー様が見事にカナ様のフードを掴んでお助けしました。 |
ゼファー | ったく、お前、俺と一緒じゃなきゃ今頃泥だらけになってんぞ。 |
カナ | ううっ……ありがとう、ゼファー。 |
アレン | やっぱり、ゼファーは頼りになるね。 |
ゼファー | 俺のことはいいんだよ。それより、カナ。お前、ちゃんと注意して歩けよ。最近は特に浮かれてるみたいだからな。 |
カナ | 仕方ないじゃない。だって、もうすぐ『あの日』なんだもの ! |
リッピ | はい、僭越ながらこのリッピもカナ様のお気持ちはよくわかります。 |
リッピ | 私たちにとっても大事なサラ様のお誕生日が近づいてきたのですから。 |
カナ | ええ ! またみんなで一緒にサラのお誕生日会が出来るって思ったら楽しみで仕方ないもの ! |
サラ | えへへ、ありがとう、カナ。だけど、その日は私の誕生日ってだけじゃないよ。 |
リッピ | はい、アレン様にゼファー様、そして私もこのティル・ナ・ノーグへやって来た日ですね。 |
ゼファー | あー、そういやそうだったな。なんかずっと一緒にいた感覚だから全然気にしてなかったわ。 |
カナ | 駄目よ、ゼファー !大事な日なんだから、ちゃんと覚えて ! |
ゼファー | いや、なんでお前が怒るんだよ……。まあいいや。俺たちはともかく、サラの誕生日は盛大に祝わねえとな。なあ、相棒 ? |
アレン | うん。サラ、今年はどんな誕生日会がいいかな ? |
サラ | えっ ? う~ん……私はみんなが一緒にいてくれたらそれだけで十分なんだけど……。 |
サラ | そうだ ! さっきカナも言ってたけどアレンたちもお祝いされる側なんだし何かやりたいこととかある ? |
アレン | 僕たち…… ? そうだね……。ゼファー、何かあるかな ? |
ゼファー | うーん、別に俺はリッピの料理が食べられればそれで満足だぜ ? |
リッピ | それは大変光栄でございます。では、当日は私も腕によりをかけてフルコースをご用意いたしますよ。 |
カナ | でも、それだとリッピもお祝いする側に回っちゃうんじゃないの ? |
リッピ | いえいえ、私にとっては自分の料理を食べてもらい皆様の笑顔を見られることが何よりの幸福なのです。 |
ゼファー | つまり、いつも通りでいいってことなんじゃねえの ? |
カナ | うーん……でも、やっぱり何か特別なことをしてお祝いしたいわ。みんながあっと驚くようなプレゼントをするとか……。 |
ゼファー | プレゼント……ねえ。 |
カナ | それと、お誕生日会だからケーキは必須だわ !あっ、でも、そうなるとまたリッピにお願いすることになっちゃうかしら ? |
リッピ | 私は問題ございませんよ。皆様からのリクエストなどもございましたら承ります。 |
アレン | ケーキか……。ねえ、こういうのはどうかな ? |
ゼファー | おっ、そんな提案をするってことは何か面白えことでも思いついたか ? |
アレン | 面白いかどうかはわからないけどみんながそれぞれ好きな食材を持ち寄ってリッピに一つのケーキにしてもらうんだ。 |
サラ | アレン、それすごくいいと思う ! |
カナ | ええ ! 特別感もあるし、私たちの世界で一つだけのケーキを作るってことね ! |
リッピ | これは、私の腕の見せ所になりそうです。このリッピ、誠心誠意、皆様にとっての特別なケーキを作らせていただきますよ。 |
ゼファー | よし、んじゃ決まりだな。ただの食材じゃつまんねーしレアものでも探しにいくか。 |
カナ | あっ、ずるい、ゼファー !抜け駆けは禁止よ ! |
ゼファー | なんでそうなるんだよ……。仕方ねえ。相棒、一緒に行こうぜ。 |
アレン | うん、僕は構わないけどそれならサラたちも一緒に……。 |
ゼファー | ……あー、それだと結局いつもと変わんねえだろ ?どうせなら、お互い最後まで何持ってくんのかわからないようにしようぜ。 |
サラ | 確かに、そっちのほうがワクワクできていいかもしれませんね。 |
ゼファー | だろ ? つーわけで、サラはこいつの面倒を頼む。一人だと、食材探し回っている間に迷子になりそうだからな。 |
カナ | 失礼ね ! 私はそんな子供じゃないわよ !……たぶん。 |
ゼファー | そこは言い切ってくれよ……。 |
リッピ | では、私はどちらのペアに付いていけばよろしいでしょうか ? |
ゼファー | リッピはこっちで頼む。ちょっと相談したいこともあるからな。 |
リッピ | はい ! では、私はアレン様とゼファー様に同行いたします。 |
アレン | 二人なら大丈夫だと思うけど旅先では怪我をしないように気を付けてね。 |
カナ | はーい。それじゃあ、サラ。ゼファーたちに負けないようなすごいケーキの食材を探しましょう ! |
サラ | うん ! 未知の食材を求めて冒険に出発だね ! |
キャラクター | 2話【Life2 食材を求めて】 |
| ――翌日。 |
サラ | ん~~、いい天気 !絶好の冒険日和になったね ! |
カナ | ええ ! だけど、サラ。ここに来ることは最初から決めてたみたいだけど目的地があったりするのかしら ? |
サラ | うん。実は少し前に、この辺りは自然が豊かで美味しいフルーツがたくさん実ってる場所があるって聞いたの。 |
サラ | でも、具体的な場所はわからなかったからまずはそれを調べてみようと思って。 |
カナ | それなら、この街道を通る人たちに聞き込みをするのはどうかしら ? |
カナ | ほら、ちょうどこっちに歩いてくる人がいるわ。あの人たちから話を聞いてみましょう。 |
サラ | あれ ? でもあっちも手を振ってるような……。 |
カノンノ・E | やっぱり ! サラにカナだ。こんなところで会えるなんて偶然だね ! |
サラ | イアハートさんにパスカさん !二人とも、どうしてここにいるんですか ? |
P・カノンノ | えっと、私たちは依頼人を捜していたの。そしたら、二人の姿が見えて……。 |
カナ | 依頼人 ? |
カノンノ・E | あっ、そっか。サラたちにはまだ話してなかったよね。 |
カノンノ・E | 実はね、私とパスカ、それとグラスバレーで新しくギルドを立ち上げたんだ。 |
P・カノンノ | 私も何か役に立てることがしたくて。そうしたら、イアハートとグラスバレーがギルドを作ろうよ、って言ってくれたの。 |
サラ | そうだったんですね !三人ともすごいなぁ……。みんなの役に立ちたくてギルドを始めるなんて。 |
カノンノ・E | あっ、だけど、まだそんなに大きな仕事をしてるわけじゃないよ ? 隣町まで荷物を届けたり薬草の採取みたいな依頼が多いし。 |
カナ | それでも十分すごいことだと思うわ。依頼した人たちも、きっと感謝しているはずよ。 |
カノンノ・E | えへへ、そうかな ?そうだと嬉しいんだけど。 |
サラ | じゃあ、さっき言ってた依頼人っていうのはギルドのお仕事のことなんですね。 |
P・カノンノ | うん。今回の依頼は、この辺りのフルーツを一緒に採取することなんだ。それで、今から合流するところだったの。 |
二人 | フルーツ ! ? |
P・カノンノ | えっ、ど、どうしたの、二人とも ? |
カナ | そのフルーツ、たぶん私たちが探してたものだわ ! |
サラ | あの、もしよかったら私たちも一緒に行っていいですか ? もちろん二人のお仕事もお手伝いしますから ! |
カノンノ・E | わかった。たぶん、大丈夫だと思うよ。依頼人さんには私たちからもお願いしてみるね。 |
P・カノンノ | だけど、待ち合わせの時間ってもうすぐよね ? まだ来ていないみたいだけど……。 |
カノンノ・E | 確かに……。ねえ、二人は私たち以外に誰か見かけた ? |
サラ | いいえ。結構前からこの辺りにいましたけど誰も通りませんでした。 |
カノンノ・E | そっか。じゃあ、もう少し待ったほうがいいかな。 |
P・カノンノ | …………あれ ? 今……。 |
カノンノ・E | ん ? どうしたの、パスカ ? |
P・カノンノ | えっ ? あ、うん……遠くからなんだけど悲鳴のようなものが聞こえた気がして……。 |
サラ | えっ ! 本当ですか ! ? |
P・カノンノ | うん。少し聞こえただけだったから……私の勘違いかもしれないけど……。 |
カナ | でも、本当だったら大変よ ! |
サラ | うん、カナの言う通りだよ !パスカさん、どのあたりから聞こえたかわかりますか ? |
P・カノンノ | えっと……あの少し木が茂ってる道の奥からかな。 |
サラ | カナ、私たちで様子を見てこよう。 |
カノンノ・E | 待って、私たちも一緒に行くよ。何かあったら、人手は多いほうがいいでしょ ? |
サラ | そうですね。それじゃあ、念のため、気を付けていきましょう。 |
魔物 | ――グルルルルッッ ! ! |
襲われている男性 | こ、この魔物め ! くっ、来るなっ ! ? |
サラ | いた ! !大変 ! ! 魔物に襲われてるよ ! ! |
カノンノ・E | 待って ! あれって……。 |
シェリア | 皆さん ! 早くこっちに避難を !怪我をした人がいたら教えてください ! |
ソフィ | 魔物は任せて。わたしがやっつけるから。 |
シェリア | えっ ! あなたたち、どうしてこんなところに……。 |
サラ | えっと、詳しいことは後で話します !今はっ ! |
シェリア | そうね。この魔物たちを退治しましょう ! |
キャラクター | 3話【Life3 魔物撃退】 |
ソフィ | ……うん、もう平気。魔物はやっつけたよ。 |
襲われていた男性 | た、助かったよ。俺たちだけじゃ危なかった。それで、君たちは ? |
シェリア | 私たちは、偶然通りかかっただけです。他のみんなは……。 |
サラ | 私たちも声が聞こえて駆けつけたんです。もしかしたら、誰かが襲われてるかもしれないと思って。 |
襲われていた男性 | そうだったのか。一応、気を付けていたんだけどな。 |
襲われていた男性 | しかし、参ったな……。これからフルーツを採りにいく予定だったんだがそれどころじゃなくなったよ。 |
カノンノ・E | フルーツ、ってことは、あなたが私たちの依頼人さんですか ? |
襲われていた男性 | えっ ? じゃあ、あんたたちがギルドの人か !なるほど、どおりで強かったわけだ。 |
ソフィ | ギルド ? |
P・カノンノ | あっ、うん。その辺りのことも二人に説明したほうがいいよね ? |
サラ | そうですね。シェリアさんたちの話も聞きたいしいったん、状況を整理しましょう。 |
シェリア | そう。じゃあ、サラとカナも、私たちと目的は一緒だったのね。 |
カナ | びっくりしたわ。まさか、ソフィたちも私たちと同じフルーツを探していたなんて ! |
ソフィ | うん、今度アスベルたちとパーティーをするからみんなのために美味しいケーキを作りたいの。 |
カナ | もしかして、そちらの誰かもお誕生日なのかしら ? |
ソフィ | ううん、違うよ。だけど、みんなが一緒に集まるのは久しぶりなの。 |
ソフィ | 最近はみんなバラバラで、あまり会えないから……。 |
シェリア | …………。 |
ソフィ | ケーキって、お誕生日の人がいないと作っちゃいけないの ? |
カナ | いいえ、そんなことないわ !誕生日じゃなくても、特別な日はやっぱりケーキが一番よ ! |
カナ | それに、ソフィがみんなのためにケーキを作るのならすっごく喜んでくれると思うわ ! |
ソフィ | ……うん、そうだといいな。 |
シェリア | 私も、ソフィから話を聞いて一緒にケーキを作ることにしたの。 |
シェリア | 近くの街で食材を集めているときに美味しいフルーツが採れる場所が近くにあるって聞いて……。 |
サラ | そっか。それで、フルーツを探していたら魔物に襲われている行商人さんたちを見つけたんですね。 |
シェリア | ええ。でも、まさかそんな危険な場所だったなんて知らなかったわ。 |
カノンノ・E | あの、そのことなんですけどさっき行商人さんたちから聞いた話だと今まで魔物はそんなにいなかったそうです。 |
カノンノ・E | だけど最近、急に数が増えてきたみたいで困っているって言ってました。 |
カノンノ・E | このままだともっと増えて往来も出来なくなるんじゃないかって心配していたし……。 |
サラ | だったら、私たちが魔物を退治してフルーツを採りにいくのはどうでしょう? |
サラ | 危険かもしれないけど、放っておいたらまた誰かが怪我しちゃうかもしれないし……。 |
カナ | そうね、困っている人がいるなら助けなきゃ ! |
P・カノンノ | うん、いいと思う。フルーツを採るっていう最初の目的も達成できるし。 |
ソフィ | シェリア、わたしたちも行こう。 |
シェリア | ええ。それじゃあ、行商の人たちを安全な場所まで送ったら、私たちでフルーツがあるところまで向かいましょう。 |
カナ | ――それでね、ただの岩だと思っていたらすごく大きなストーンゴレムだったの !私、突然動いたときは声を上げちゃったわ。 |
ソフィ | 大丈夫だった ? |
カナ | ええ、ゼファーがすぐに対応してやっつけてくれたわ。 |
カナ | ゼファーが言うには「こういうデカい奴ほど、脆いところを叩けば案外あっさり崩れるもんだぜ」ですって。 |
サラ | あはは……たぶん、ゼファーさんだからあっさり倒せたんだろうけどね。 |
サラ | でも、そのお陰で安心して山を越えられるって色んな人たちに感謝されたんだ。 |
ソフィ | そっか。サラたちは今もアレンたちと一緒に冒険してるんだ……。 |
サラ | ソフィ ? どうかしたの ? |
ソフィ | ううん、なんでもない。それより、サラたちの冒険のお話、もっと聞かせて。 |
サラ | ええ、まだまだいっぱいあるわ。次は―― |
シェリア | ソフィ……やっぱり……。 |
P・カノンノ | シェリアさん、何か気になることがあるんですか ? |
シェリア | ……ごめんなさい。これは私たちの問題なんだけど最近、ソフィに寂しい思いをさせてるんじゃないかって心配しているの。 |
カノンノ・E | ソフィが ?そんな風には見えませんでしたけど……。 |
シェリア | たぶん、私たちに心配かけないように振舞っているのよ。 |
シェリア | 最近私たちは別の場所で活動することが多くなってきて会える機会が減っているの。 |
シェリア | だから、やっとみんなで集まれる日が決まってソフィも何か自分に出来ることはないかって探しているんじゃないかしら。 |
シェリア | 本当は、私たちがソフィのために何かしてあげなきゃいけないのにね……。 |
サラ | シェリアさん……。だったら、私たちも協力させてください ! |
サラ | それで、今日のことをアスベルさんたちに話して、楽しんでもらえたらなって……。 |
シェリア | ……そうね。私たちも、カナたちみたいないい冒険話ができるかしら。 |
サラ | はい ! まずは肝心のフルーツを探して――…… ! |
カノンノ・E | サラ ? |
サラ | みんな、止まって。今、草の隙間から魔物の姿が見えたんです。それに、この奥って……。 |
P・カノンノ | うん、教えてもらった通りなら例のフルーツが実ってる場所のはず。 |
サラ | ってことは、やっぱり…… ! |
魔物 | グルルワワワッッ ! ! |
ソフィ | 敵が来た。 |
サラ | 私たちを通さないつもりだね。でも、そうはいかないよ ! |
カナ | ええ ! 私たちでやっつけましょう ! |
キャラクター | 4話【Life4 噂の果実】 |
ソフィ | ――スカラーガンナー ! |
シェリア | 魔物は今ので最後みたいね。 |
カナ | ええ。だけど……。 |
P・カノンノ | ……この辺りに実っていたフルーツは全部食べられちゃってるみたい。 |
カナ | で、でも ! サラたちが他の場所も見に行ってくれてるからきっと、まだ……。 |
カノンノ・E | ……ただいま。 |
カナ | イアハート、サラ !そっちはどうだった ? |
サラ | やっぱりこっちも全部駄目みたい……。 |
カナ | そ、そっか……。 |
シェリア | ……残念だけど、一度戻ったほうがいいかもしれないわね。 |
サラ | はい……。 |
行商人 | ――わかった。他の商売仲間にも伝えておくよ。苦労をかけさせちまったな。 |
カノンノ・E | ごめんなさい。せっかく依頼してもらったのに……。 |
行商人 | いやいや ! あんたたちが謝ることじゃないだろ !むしろ、あんたたちが駆け付けてくれてなきゃ俺たちもどうなっていたか……。 |
行商人 | ともかく、今年の収穫は諦めるしかないな。 |
シェリア | あの、そのフルーツなんですけどまだどこかのお店に残っていたりしませんか ? |
行商人 | 生憎だが、収穫したらすぐに持ってくるよう言われててな。在庫もなけりゃあ卸した店でも完売してるだろうな。 |
ソフィ | そっか……。 |
シェリア | ……大丈夫よ、ソフィ。まだ時間はあるし、別のフルーツを探してみましょう。 |
サラ | うん ! 私たちも手伝うよ !珍しいフルーツは他にもあるはず ! |
行商人 | 珍しいフルーツか……。あの噂が本当なら……。 |
サラ | もしかして、心当たりがあるんですか ? |
行商人 | うーん、あるにはあるんだが……本当に噂程度だぞ ? |
サラ | それでも大丈夫です !話、聞かせてもらえませんか ? |
行商人 | わかった。それじゃあ教えるが俺たち商人の間で噂になってる幻のフルーツってのがあるんだ。 |
行商人 | なんでも、ある孤島だけで実るそのフルーツは見た目はパイナップルなのに、マンゴーのような濃厚で甘い香りがするらしい。 |
行商人 | 果肉はスイカのようにみずみずしくバナナのようなしっかりとした甘さが口全体に広がるんだそうだ。 |
カノンノ・E | そんなすごいフルーツがあるんですね !食べてみたいなぁ。 |
P・カノンノ | でも、幻のフルーツっていうくらいだから手に入れるのは難しいのかな。 |
行商人 | ああ、そのフルーツが実る孤島の場所を知っているのは、とある漁村の村長だけらしい。 |
行商人 | おまけに今まで誰も教えてもらったことがないから本当はそんなのないんじゃないかって言われるほどさ。 |
シェリア | それで、あくまで噂に留まっているのね。 |
ソフィ | そのフルーツは、なんていう名前なの ? |
行商人 | 『ネオピカルフルーツ』って呼ばれているそうだ。 |
カナ | ネオピカルフルーツ…… !まさに特別って感じの名前だわ ! |
カナ | ねえ、サラ ! 私たちもそのネオピカルフルーツを探しにいくのはどうかしら ? |
サラ | うん、ソフィたちと一緒に行こう。まずは噂になってる漁村に行って聞き込みだね。 |
カノンノ・E | パスカ、私たちも行ってみようよ。依頼は中途半端な感じになっちゃったし……。 |
P・カノンノ | うん。幻のフルーツ、食べてみたいよね。みんなと一緒に行ってみよう。 |
キャラクター | 5話【Life5 村の掟】 |
シェリア | ここが、教えてもらった漁村ね。 |
カナ | あの~、すみません~。聞きたいことがあるんだけど少しいいかしら ? |
P・カノンノ | カナ、早速村の人に話しかけてる。 |
カノンノ・E | 私たちも一緒に聞いてみよう。 |
村人 | ん ? お嬢さんたち、見かけない顔だね。この村になんの用だい ? |
カナ | えっと、私たち、ネオピカルフルーツっていう珍しいフルーツがあるって聞いて来たの。何か知ってることはないかしら ? |
村人 | ……ネオピカルフルーツ、か。やれやれ、あんたたちもその類なんだな。 |
カナ | それじゃあ、本当にそのフルーツは存在するのね ! |
村人 | ああ。だが、悪いことは言わねぇ。噂は聞かなかったことにして帰んな。そのほうが、お嬢さんたちのためだ。 |
ソフィ | わたしたちのため…… ? どういうこと ? |
村人 | ネオピカルフルーツは確かにこの村の名産品だった。だが、そのフルーツが実っている孤島に強力な魔物が棲みついてしまってな……。 |
村人 | 今じゃあ、誰もその島に近づくことはなくなった。以来、幻のフルーツになったというわけさ。 |
カナ | そうだったのね……。だけど、安心して ! 魔物なら私たちでやっつけるわ。 |
サラ | あの、船さえ用意してもらえればなんとかできると思います ! |
村人 | あんたたちが…… ? いやいや……無理だ。この前だって、訓練された傭兵団がやられて帰ってきたんだぞ。 |
サラ | そこをなんとかお願いします !私たち、こう見えて腕には自信があるんです ! |
村人 | いや、そうは言ってもな……。 |
謎の老人 | ……ふむ、話は聞かせてもらったぞ。 |
ソフィ | 誰 ? |
村長 | ここの村長じゃ。お主たち、どうしてもネオピカルフルーツが欲しいのじゃな ? |
カナ | ええ、仲間のためにどうしても必要なの ! |
村長 | ……よかろう。ならば、ついてこい。お主たちが島へ上陸する資格があるのか確かめさせてもらうぞ。 |
村人 | い、いいんですか、村長 ! |
村長 | 構わん。これも村の掟じゃからのう。 |
村人 | ……えっ ? そんな掟ありましたっけ ?この前来た連中は勝手に島に行ってましたけど……。 |
村長 | しぃー ! ワシが今決めたんじゃからお主は話を合わせておれっ !やっと村長っぽいことができるチャンスなんじゃぞ ! |
シェリア | ……あの、全部聞こえてますよ……。 |
村長 | なっ ! ? こ、こほんっ !ともかくじゃ ! 試練を見事突破できればお主たちを孤島へ案内することを約束しよう。 |
シェリア | ……はぁ。信じて大丈夫かしら。 |
サラ | と、とにかく、今は村長さんについてってみましょう。 |
村長 | おお、見えてきたぞ。お主たちに挑んでもらう試練はあれじゃ。 |
P・カノンノ | えっと、あの大きな岩のこと ? |
村長 | いかにも。あの巨大な岩を割ってみせたら試練は合格じゃ。 |
カナ | どうしよう。大きさだけなら、この前戦ったストーンゴレムよりもあるわ。 |
村長 | ふむ、やはり、ちと厳しかったかのう。じゃが、あの岩を砕けんようでは孤島にいる魔物たちに追い返されるのがオチじゃ。 |
ソフィ | わかった。わたしがやるね。 |
シェリア | あっ、ちょっと、ソフィ ! |
村長 | 最初の挑戦者はお嬢ちゃんか。ほれ、叩く道具なら色々と用意しておるぞ。 |
ソフィ | 大丈夫、いらないよ。 |
村長 | ほっほっほっ、冗談が上手いお嬢ちゃんじゃな。道具も使わずにいったいどうやって―― |
ソフィ | えいっ。 |
村長 | ……………………はい ? |
カナ | すごいわ、ソフィ !一撃で岩が粉々ね ! |
村長 | し、信じられん…… ! ?な、なにをしたんじゃ…… ? |
ソフィ | なにって、叩いただけ。道具を使わないと駄目だった ? |
村長 | いや……そんなことはないが……。 |
ソフィ | よかった。それじゃあ孤島につれてってくれるんだね。 |
村長 | ひ、ひとつ聞きたいんじゃが……他の子たちもお嬢ちゃんと同じくらい強いのか ? |
ソフィ | うん。みんな強くて、すごく頼りになる仲間だよ。 |
村長 | そ、そうか……ならば、ワシから言うことは何もない。すぐに村の者に船を出させよう。 |
カナ | やったわ ! ありがとう、お爺さん ! |
サラ | ソフィもお疲れ様。おかげでネオピカルフルーツを探しにいけるよ。 |
ソフィ | ううん、わたしはカナが教えてくれた話を思い出しただけ。 |
カナ | 私の話 ? |
ソフィ | ストーンゴレムと戦った話。ゼファーが脆いところを叩いたって言ってたからわたしもやってみたの。 |
カノンノ・E | それじゃあ、あとでゼファーさんにもお礼を言わないとね。 |
村長 | では、お嬢さんたち。船が用意できるまで、村で待っているとよい。 |
シェリア | そうね。私たちも島へ行く準備をしておきましょう。 |
キャラクター | 6話【Life6 少女の不安】 |
ソフィ | …………。 |
P・カノンノ | あっ、ソフィもここにいたんだ。船の上って風が気持ちいいよね。 |
ソフィ | うん。少し冷たくて海の匂いがする。さっきお魚がたくさん泳いでいるところも見たよ。 |
P・カノンノ | 本当 ? 残念、私も見たかったなぁ。そういえば、シェリアさんは一緒じゃないの ? |
ソフィ | シェリアは部屋で休んでるよ。起こさないように、そっと出てきた。 |
ソフィ | シェリア……きっと色んな場所に行って疲れてるんだと思う……。 |
P・カノンノ | ……ねえ、ソフィ。ソフィはさ、シェリアさんやアスベルさんたちと会える時間が減って、寂しかったりしない ? |
ソフィ | 寂しい…… ? |
P・カノンノ | あのね、シェリアさんが私たちに話してくれたんだ。自分たちが忙しいせいで、ソフィに寂しい思いをさせてるんじゃないかって。 |
ソフィ | ……わからない。でも、アスベルたちはみんなのために頑張ってて会えないのは仕方ないことだって思う。 |
ソフィ | ……でも、胸が苦しくなるときがあるの。わたしはいつか、一人ぼっちになるんじゃないか……って。 |
P・カノンノ | どうして、そう思うの ? |
ソフィ | ……わたしは、みんなとは違うから。アスベルたちと同じように大人にはなれない。 |
ソフィ | だから、アスベルたちがいなくなっちゃったらわたしはどうなるんだろうって……。 |
P・カノンノ | ……そっか。やっぱりソフィは、みんなのことが大好きなのね。 |
ソフィ | うん、大好きだよ。 |
P・カノンノ | じゃあ、そんなソフィに一つおまじないを教えてあげる。自分の胸に手を当てて目を閉じてみて。 |
ソフィ | ……これでいい ? |
P・カノンノ | うん。それでね、ソフィの大好きな人たちのことを思い浮かべてみて。 |
ソフィ | …………あっ。 |
P・カノンノ | どう ? みんなの姿、ちゃんと見えるでしょ ? |
ソフィ | うん。それに……なんだか胸があったかい。どうしてだろう ? |
P・カノンノ | ねえ、ソフィ。大切な誰かがいなくなることは寂しいしソフィがみんなのことを大好きだからこそ胸が苦しくなるときもあるんだと思うの。 |
P・カノンノ | だけど、たとえ何百年経っても、ソフィが大好きでいるかぎり、その人たちは胸の中にずっといるから、寂しくなんてならないよ。 |
ソフィ | 本当 ? |
P・カノンノ | 私にもそういう人がいるからわかるの。 |
P・カノンノ | ソフィも、大丈夫だよ。 |
ソフィ | ……うん。 |
シェリア | ソフィ。部屋にいないと思ったらこんなところにいたのね。 |
カノンノ・E | パスカも一緒だったんだね。なに話してたの ? |
P・カノンノ | ちょっとした世間話、かな ?イアハートは、どうしたの ? |
カノンノ・E | えへへ、私はこれ。船に乗ってると思い出しちゃって。 |
ソフィ | ノート…… ?イアハート、お勉強するの ? |
カノンノ・E | ううん。私ね、元の世界にいた頃は物語を書いてたんだ。 |
カノンノ・E | 最近、また新しいお話が書きたくなってこうやって色んなことをメモしてるの。 |
ソフィ | どんなことが書いてあるの ? |
カノンノ・E | 旅先の街で聞いたお話が多いかな ?あっ、でも ! アジトにいたときのもあるよ。 |
ソフィ | 本当だ。みんなのことが書いてある……。 |
カノンノ・E | たまに書いたお話を読み返したりするんだ。こういうこともあったなぁって思い出せるから。 |
ソフィ | イアハートも、寂しくならないためにお話を書いてるの ? |
カノンノ・E | えっ ? うーん、どうだろう。もしかしたら、そういう気持ちもあるかも。 |
カノンノ・E | でも、やっぱり一番は新しく出会う人たちにも、自分の大事な思い出を伝えることができるから、かな ? |
カノンノ・E | ほら、例えば今日の出来事だっていつか知らない誰かに話すことができるでしょ ? |
カノンノ・E | 私は自分の大切なものを知ってほしいって思うんだ。って、ちょっと大げさだったかな ? |
ソフィ | ……ううん、そんなことない。わたしにも出来るかな……。 |
シェリア | だったら、今からソフィも始めてみたら ? |
カノンノ・E | そうだよ ! やってみよう、ソフィ !物語のことなら私も教えてあげるよ。 |
ソフィ | いいの ? それじゃあ、やってみる。 |
カノンノ・E | 決まりだね。最初は、ソフィが好きなことを書いたらいいよ。 |
ソフィ | わたしの好きなもの……。だったら、みんなのことを書きたい。 |
ソフィ | わたしがアスベルたちと冒険したことそれに、この世界で出会った人たちのことたくさん書いて、残したい。 |
シェリア | ソフィ……。 |
カノンノ・E | あはは、ソフィのノートはすぐにいっぱいになりそうだね。 |
カノンノ・E | よーし、私も負けないように頑張ろっと ! |
P・カノンノ | ふふっ、イアハートまで張り切ってる。作家仲間が増えて嬉しいのかも。 |
シェリア | ねえ、パスカ。私たちが来る前にソフィを元気づけてくれたのよね ? |
シェリア | ありがとう、パスカ。 |
P・カノンノ | 私はただお話しただけですよ。 |
P・カノンノ | でも、ソフィがシェリアたちをすごく大事に思ってるってことは伝わってきたわ。だから、少し私なりのアドバイスをしたの。 |
P・カノンノ | シェリアさんたちも、ソフィと同じ気持ちなんですよね ? |
シェリア | ええ、私たちもソフィのことが大好きよ。 |
P・カノンノ | ですよね。だったら、もう何も心配することはないと思います。 |
サラ | みんなー、聞いて !もうすぐ目的の島が見えるって ! |
カナ | いよいよ上陸よ !準備はいいかしら ? |
カノンノ・E | うん。物語の続きは帰りにしよう。ここからは―― |
ソフィ | ネオピカルフルーツ、だね。 |
カナ | ええ、みんなで幻のフルーツを見つけましょう ! |
キャラクター | 7話【Life7 いよいよ上陸】 |
カナ | 到着~ ! さあ、ネオピカルフルーツはどこにあるのかしら ? |
サラ | 村長さんの話だと、島の中心にネオピカルフルーツの木があるみたいだけど……。 |
P・カノンノ | 魔物が棲みついているなら簡単にはいかないわ。 |
カノンノ・E | うん。森の中に入った瞬間蔓が襲い掛かってきたって話もあるみたい。 |
サラ | やっぱり、それは魔物の仕業ですよね。私たちも気を付けていきましょう。 |
ソフィ | ……静かだね。 |
シェリア | ええ。だけど、静かすぎないかしら ? |
カノンノ・E | 確かに、鳥のさえずりも聞こえないのは変ですね。これも魔物がいる影響なのかな ? |
サラ | 危険な気配はないけど……いつ襲ってくるかわからないし警戒はしておきましょう。 |
カナ | そうね……きゃあっ ! |
サラ | カナ ! ? |
カナ | いたたっ……。 |
ソフィ | カナ、大丈夫 ? |
カナ | ええ、平気よ。ちょっとつまずいただけだから。 |
カノンノ・E | ……あれ ?でも、さっきまで足元にこんな蔦なかったような……。 |
シェリア | ! ? みんな ! 離れて ! |
P・カノンノ | な、なに ! ?この揺れは…… ! ? |
| ――シュルルル ! ! |
P・カノンノ | きゃああ ! |
カノンノ・E | この蔦、足に絡まって…… ! |
ソフィ | 動けない…… ! |
| ――シュルル ! ! |
サラ | 今度は上から…… ! ? |
シェリア | 私が止めるわ !草薙刃 ! ! |
シェリア | 今のうちに足元の蔦を切るわね !それっ ! |
サラ | ありがとうございます、シェリアさん !この動く蔦、魔物の攻撃ですよね。 |
カノンノ・E | だけど、魔物の姿はどこにもないよ。 |
P・カノンノ | 隠れながら私たちを狙っているのかも……。 |
| ――シュルルル ! ! ! ! |
サラ | また来た !でも、同じ手は通じないよ ! |
| ――シュルル。 |
ソフィ | あの動く蔦、まだいっぱいあるみたい。 |
カナ | ねえ、見て ! 茂みの奥……。 |
魔物 | ガルルルッ……。 |
シェリア | ……まずいわね。囲まれたわ。 |
カノンノ・E | 逃がすつもりはない、ってことだよね。 |
サラ | だったら、逃げずに戦いましょう。あの蔦も厄介だけど、気を付けて動けば回避できるはずです。 |
シェリア | そうね、下手に動き回るよりはこっちも連携しながら戦うほうが有効かもしれないわ。 |
サラ | うん。それに、ちょっと私に考えがあるの。その時が来たらサポートしてほしいんだけどお願いできるかな ? |
カナ | もちろんよ ! いつでも言ってちょうだい ! |
魔物 | ガルルルッ ! |
サラ | 向こうは待ってくれないみたいだね。それじゃあ、いくよ ! |
キャラクター | 8話【Life8 島の魔物たち】 |
カノンノ・E | ――獅子天吼弾 ! ! |
カノンノ・E | よしっ ! 次 ! |
P・カノンノ | 魔物の数は減ってきてる。だけど……。 |
| ――シュルル ! |
ソフィ | シェリア ! 右 ! |
シェリア | ええ ! 外さない ! |
シェリア | ……やっぱり、この動く蔦をなんとかしないと駄目ね。 |
サラ | …………よし。これで間違いない。 |
サラ | みんな ! この蔦を操る魔物の居場所わかったよ ! |
カナ | えっ ! ? 本当なの、サラ ! |
サラ | うん、ずっと観察してたから間違いないと思う。後はそのポイントまで行ければ……。 |
ソフィ | あの蔦はわたしに任せて。サラの邪魔はさせない。 |
サラ | ありがとう、ソフィ。それじゃあ、タイミングを合わせて……。 |
| ――シュルルル ! ! |
サラ | よし ! 今 ! |
ソフィ | うん ! |
魔物 | ガルルルルッ ! ! |
カノンノ・E | 魔物は私たちが ! パスカ ! |
P・カノンノ | いくよ !――桜牙濁砕斬 ! ! |
| ――シュルル ! ! |
ソフィ | 来た。わたしが引き付けるからサラは走って ! |
サラ | ソフィ ! 気を付けてね ! |
ソフィ | 平気、こんなの……当たらない ! |
サラ | (すごいな、ソフィ……。相手の動きをよく観察して避けてる) |
サラ | でも、思った通りだよ。この蔓、さっきより正確に私たちを狙ってきてる。 |
サラ | それなのに、敵の姿は見えない。だったら考えられる可能性は、音や振動に反応してるってこと。 |
サラ | ――つまり、敵は地面の下 !ここを叩けば ! ! |
植物系の魔物 | ヴォオオオオオッッ ! ! ! ! |
カナ | やった ! ! 大当たりよ、サラ ! ! |
植物系の魔物 | ヴォオオオッ ! ! ! ! |
サラ | ……くっ ! ! |
カナ | 大丈夫 ! サラ ! ? |
サラ | な、なんとか……。やっぱり、地面の上からだとあまりダメージがなかったのかも…… ! |
サラ | でも、ここから反撃よ ! |
カナ | サラ ! 今度は私も一緒に ! |
サラ | お願い、カナ ! |
植物系の魔物 | ヴォオオオッ ! ! |
カナ | 私に合わせて ! |
サラ | オッケー ! 任せてよ ! |
二人 | 白銀の天命よ ! |
二人 | アイシクル・コメット ! ! |
植物系の魔物 | ヴォ、ヴォオオ…… ! |
サラ | よし ! 動きが止まった !トドメは任せたよ、ソフィ ! |
ソフィ | はあああああっ ! 刹華燕舞 ! ! |
サラ | ふぅ……倒せた~。ソフィも、ありがとう。助かったよ。 |
ソフィ | ううん。わたしはサラの言う通りにしただけ。魔物が地面にいるなんて、気づかなかった。 |
カナ | そうよ、サラが気づいてくれなかったら危なかったわ。今回はサラのお手柄ね。 |
カノンノ・E | 周りにいた魔物もいなくなったみたい。 |
シェリア | しばらくは安全だと思うけど念のため、移動したほうがいいわね。 |
サラ | そうですね。ここからはまたネオピカルフルーツを探しましょう。 |
カナ | ええ ! 魔物は倒したし、この勢いのまま進みま……わあああっ ! |
サラ | カ、カナ ! ?もしかして、また動く蔓が…… ! |
カナ | いたたっ……ご、ごめんなさい。張り切ったらつまずいちゃった……。 |
P・カノンノ | わ、私たちも足元に気を付けて進もうね……。 |
カノンノ・E | ねえ、あのヤシの木がいっぱいある場所ってもしかして ! |
サラ | 行ってみましょう ! |
カナ | パイナップルみたいな実がなってる…… ! |
P・カノンノ | それじゃあ、あれがネオピカルフルーツなんだね。 |
シェリア | この一帯に生えている木がそうなのね。でも、どうやって採ろうかしら ? |
ソフィ | 木を揺らしてみるのは ? |
シェリア | う~ん……。地面に落ちたら潰れちゃうかもしれないわ。 |
ソフィ | 平気。わたしがキャッチするよ。 |
シェリア | ソフィなら出来そうだけど……。万が一頭に当たったら大変だし……。 |
サラ | それなら、私が木に登って採ってくるよ。よいしょ、と。 |
カナ | サラ、落ちないように気を付けてね。 |
サラ | 平気、平気。これくらいなら……。 |
P・カノンノ | ……ん ? あれ、なんだろう。空から、何か近づいてくるわ。鳥……かな ? |
サラ | よし……あと少し…… ! |
カノンノ・E | ! ? サラ ! ! 危ないっ ! ! |
サラ | えっ ? わっ、わああああっっ ! ! |
ソフィ | サラ、大丈夫 ? |
サラ | あ、ありがとう、ソフィ。えへへ、フルーツじゃなくて私がキャッチされちゃったね……。 |
サラ | でも、さっき向かってきたのって……。 |
カノンノ・E | サラ ! ソフィ ! 避けて ! |
サラ | わ、わあああっ ! ! |
サラ | 鳥型の魔物 ! ?それに、なんだかすごく怒ってる気が…… ! |
P・カノンノ | もしかしたら、この辺りを縄張りにしてるのかも。 |
カノンノ・E | 私たちがフルーツを採るのを嫌がってるんだね。 |
カナ | それでも、引き下がるわけにはいかないわ。 |
サラ | うん。みんなと冒険してやっとここまで来たんだから……。 |
サラ | 私も最後まで諦めない !ネオピカルフルーツは持ち帰らせてもらうよ ! |
キャラクター | 9話【Life9 幻をこの手に】 |
サラ | やあああああっっ ! ! |
P・カノンノ | 敵は今ので最後、かな ? |
サラ | ふぅ……さすがにちょっと疲れたかも。 |
カナ | お疲れ様、サラ !今回も大活躍だったわね。 |
カナ | あっ、そうだ !水筒にまだお水が残ってるからよかったらサラに―― |
ソフィ | ! ? カナ ! 伏せて ! |
カナ | えっ ? わああああっっ ! ! |
サラ | カナ ! ! |
シェリア | まだ一匹、木の影に隠れていたんだわ ! |
カナ | ひ、引っ張っちゃだめーー ! !フードが破けちゃうーー ! ! |
サラ | どうしよう、カナが連れてかれちゃう ! |
カノンノ・E | 私たちに任せて ! パスカ ! |
P・カノンノ | うん ! |
二人 | 私たちで織りなす…… ! |
二人 | 一心同体の合わせ技 ! |
二人 | 双牙襲砕撃 ! ! |
サラ | やった ! 魔物がカナを放したよ ! |
シェリア | でも、これって……。 |
カナ | お、落ちちゃうーーーー ! ! ! ! |
P・カノンノ | 風の術で…… ! それっ ! |
カナ | あ、あれ ? 私、浮いてるわ ! |
P・カノンノ | よかった……上手くいったみたい。カナ、ゆっくり降ろすから少しだけ動かないようにしててね。 |
サラ | カナ ! 大丈夫 ! ? どこも怪我してない ! ? |
カナ | …………わ。 |
サラ | カナ ? |
カナ | すごいわ ! 私、空を飛んでたわ !サラも見てたでしょ ! |
サラ | えっ ? う、うん……。 |
カナ | あのね、風に包まれたと思ったらフワッと身体が浮いて、景色もすっごく綺麗に見えて―― |
サラ | ス、ストップ !えっと、カナ……大丈夫だったってこと……だよね ? |
カナ | ええ、もちろんよ……あっ !パスカとイアハートにお礼を言わなきゃ ! |
カノンノ・E | ふふっ、ちゃんと聞こえてるわ。 |
P・カノンノ | こんなに喜んでくれるなんて思わなかったけどね。 |
カナ | だって、本当にすごかったのよ !空の上をお散歩してるみたいで素敵だったわ。帰ったらゼファーたちにも教えてあげなきゃ。 |
サラ | ……そうだ ! ネオピカルフルーツ !今なら安全に採れるはずだけど……。 |
ソフィ | 採れたよ。はい。 |
サラ | ソフィ ! いつの間に ! ? |
ソフィ | サラの真似して登ったの。食べる ? |
カナ | いいわね ! せっかくだからみんなで味見しましょう。 |
シェリア | ちょっと待っててね。見た目がパイナップルと同じだからこう切り分けて……。 |
シェリア | はい、お待たせ。こんな感じかしら ? |
サラ | ありがとうございます、シェリアさん。聞いてた通り、すごく甘い匂いがしますね。 |
カノンノ・E | それじゃあ、一口ずつ……せ~の ! |
| ――ぱくっ。 |
全員 | おいし~~~~~~ ! ! |
サラ | 美味しい ! 美味しいよ、これ !一口だけだったのに口の中全部に甘さが伝わってくる ! |
シェリア | ええ、果肉もすぐに溶けてなくなったわ。 |
カナ | こんなフルーツ、今まで食べたことない…… ! |
P・カノンノ | 本当に、幻のフルーツね。 |
ソフィ | これでケーキを作ったらアスベルたち、喜んでくれるかな ? |
カノンノ・E | うん ! 絶対喜んでくれるよ ! |
カナ | やったわ ! アレンたちも驚くに――あれ ? |
カナ | ねえ、見て見て。あっちの茂みから、動物たちがこっちを見てるわ。 |
サラ | 本当だ。なんだかすごく羨ましそうに見られている気が……。 |
P・カノンノ | もしかして、あの子たちもネオピカルフルーツを食べたいのかな ? |
シェリア | かもしれないわね。縄張りにしてたあの魔物のせいでずっと食べられなかったんだわ。 |
ソフィ | ……ねえ、シェリアが切ってくれた残りの分あの子たちにあげちゃダメ ? |
シェリア | ふふっ、私は構わないわよ。みんなもいいかしら ? |
サラ | はい ! 私たちだけ食べちゃうのは悪いですから。 |
カナ | ほら~、おいで~。怖くないわよ~。一緒にネオピカルフルーツを食べましょう~。 |
ソフィ | あっ、来た。 |
カノンノ・E | ねえ、パスカ。私たちも少し持って帰ろっか。 |
P・カノンノ | グラスバレーへのお土産にしようか。 |
カノンノ・E | うん ! 今日のこと、帰ったらグラスバレーにもいっぱい話そう ! |
サラ | 村の人たちへの報告も終わったし今回の冒険はここまで、かな。 |
シェリア | 色々あったけど、みんなのおかげで助かったわ。 |
カナ | 私も、みんなと会えてすごく楽しかった ! |
P・カノンノ | また、こうやって集まれるといいね。 |
カノンノ・E | きっと、すぐに会えるよ。そのときは、また一緒に冒険しよう ! |
ソフィ | うん。それじゃあみんな、またね。 |
サラ | またね、か。不思議だね。そう言ってくれるとお別れも寂しくないかも。 |
カナ | 次はアレンたちも一緒だといいわね。 |
サラ | うん ! だけど今日はこのフルーツを持って帰ってアレンたちを驚かせよう ! |
キャラクター | 10話【Life10 最高のお土産】 |
カノンノ・G | そっか。依頼のあとにそんなことがあったんだね。 |
カノンノ・E | うん。またみんなで集まろうって約束したからそのときはグラスバレーも一緒に行こうね。 |
カノンノ・G | うん ! ねえ、みんなとのお話もっと聞かせて。 |
カノンノ・E | もちろん ! フルーツを見つけるまでにもいろいろあってね。 |
カノンノ・E | 船で孤島に向かうときはソフィに物語を書くことを教えてあげて―― |
P・カノンノ | 二人とも。いっぱい話したい気持ちはわかるけどそろそろ買い物に行かないと。 |
カノンノ・E | あっ、そうだった !ごめんね、すぐ準備するよ。 |
P・カノンノ | グラスバレー、今日の晩御飯は何にしよっか ? |
カノンノ・G | う~ん、お店のものを見てみんなで決めようと思ってたんだけど……食材と一緒にケーキの材料も買っていいかな ? |
カノンノ・G | ソフィたちの話を聞いたら私もケーキが食べたくなっちゃって。 |
カノンノ・E | それなら、私たちもネオピカルフルーツのケーキを作ろうよ ! |
P・カノンノ | 最近は忙しくてお菓子作り出来てなかったよね。久々だから、失敗しないようにしなきゃ。 |
カノンノ・G | 大丈夫 ! 三人で作ったらきっと美味しいケーキができるよ。 |
カノンノ・E | よ~し、それじゃあネオピカルフルーツケーキ作りに挑戦だ ! |
三人 | お~~ ! ! |
アスベル | う、うまいっ !こんな美味しいケーキが作れるなんてすごいじゃないか、ソフィ ! |
ソフィ | わたしだけじゃないよ。シェリアにも手伝ってもらったんだ。 |
シェリア | 私は少しアドバイスしただけよ。 |
アスベル | このフルーツも二人で採りにいったんだろ ?大変だったんじゃないか ? |
シェリア | ええ。だけど、他の子たちにも会えたし楽しかったわ。 |
パスカル | ずるいずる~い !あたしもソフィとお出かけしたかった~ ! |
ヒューバート | はぁ……パスカルさん。子供じゃないんですからそんなわがまま言わないでください。 |
パスカル | えー、じゃあ弟くんがどっか連れてってよ~。 |
ヒューバート | なっ ! ? きゅ、急にそんなことを言われても…… ! |
パスカル | ねえねえ、みんなもいいでしょ ?ね、ね ! |
ヒューバート | あっ……そ、そういうことですか……。 |
マリク | そう落ち込むな、ヒューバート。チャンスは必ず来る。それまでの辛抱だ。 |
ヒューバート | きょ、教官 !ぼくは別に……。 |
ソフィ | ヒューバート、嫌なの ? |
ヒューバート | い、嫌というわけじゃ……。わかりました。予定はちゃんと空けておきます。 |
リチャード | ソフィの頼みなら断れないね。僕も旅の準備をしておくよ。 |
ソフィ | うん、約束だよ。 |
アスベル | ……シェリア、ソフィが前に会ったときより楽しそうに見えるんだが、何かあったのか ? |
シェリア | それはきっと、『アレ』のおかげね。 |
アスベル | アレ ? |
ソフィ | そうだ。今日のことも書いておかなきゃ。 |
リトルクイーン | ソフィ、その紙の束は何 ? |
ソフィ | ノートだよ。みんなでケーキを食べるお話を書くの。 |
リトルクイーン | どうして ? |
ソフィ | わたしがね、アスベルたちの思い出を残すためだよ。 |
ソフィ | それでね、今日のことが昔になってもわたしはこのお話と一緒に、みんなのことを伝えるの。 |
パスカル | えー、ソフィってば誰にあたしたちのこと、紹介してくれるの ? |
ソフィ | わからない。でも、これから会う人たちにも伝えたいの。 |
ソフィ | ずっと一緒にいてくれたわたしの大切な、友だちのこと―― |
ゼファー | どうやら、今回は完敗みたいだぜ、相棒 ? |
アレン | うん。僕たちも珍しい食材を集めたつもりだけどサラとカナが持ってきたフルーツには敵わなかったね。 |
リッピ | いえいえ、アレン様とゼファー様の壮大な冒険もこのリッピの目にはしかと焼き付いております。 |
リッピ | そして ! こちらが皆様からお預かりした食材で完成した特製バースデーケーキでございます ! |
カナ | わあっ ! 大きくて綺麗 !まるでケーキの塔だわ ! |
アレン | ずっと布で覆われていたから気づかなかったよ。 |
ゼファー | いや、気づくだろ……。俺は突っ込んだら負けかと思って何も言わなかったが……。 |
リッピ | 僭越ながら、私もつい気合いが入ってしまっていつの間にかこのような大きさになっておりました。 |
リッピ | しかし正真正銘、この世に二つとないサラ様のバースデーケーキでございます。 |
リッピ | ――ですが、サラ様へのプレゼントはケーキだけではございませんよ。 |
アレン | サラ、これは僕たちからもう一つのプレゼントだよ。良かったら受け取ってくれないかな。 |
サラ | えっ ? これって……ティーカップ ? |
アレン | うん。僕とゼファー、それにリッピにも手伝ってもらって作ったんだ。 |
サラ | ……アレン ! うん、ありがとう !私、このティーカップ、ずっと大事にするよ ! |
カナ | よかったわね、サラ !これでお茶会がますます楽しみになるわ ! |
カナ | でも、手作りのティーカップなんてちょっと羨ましいわ。 |
アレン | ふふっ、ゼファーの言ってた通りだね。 |
カナ | えっ ? えっ ?アレン、私、何か変なこと言った ? |
アレン | ううん、ただ……ほら、ゼファー。 |
リッピ | 次はゼファー様の番でございますよ ? |
ゼファー | あー、わかってるよ。……ほら、カナ。お前の分だ。 |
カナ | ……マグカップ ?これ、もしかして……。 |
リッピ | はい。カナ様へのプレゼントとしてゼファー様が手作りしたものです。 |
カナ | プレゼントって、私、まだ誕生日じゃないわよ ? |
ゼファー | んなの知ってるよ。けど、自分だけ何もなかったら機嫌損ねるだろ。 |
カナ | そんなことで怒らないわよ !怒らないけど…… ! |
ゼファー | お、おい、どうしたんだよ ? |
カナ | 私もプレゼントをもらえるなんて思ってなかったからどうしたらいいのかわからなくて……。 |
リッピ | カナ様、こちらのマグカップはゼファー様が何度も何度も試作を重ね作り上げたもの。そのお姿は、まさに職人のようでございました。 |
アレン | ゼファーは、カナに喜んでもらいたくて頑張っていたんだよ。 |
カナ | ゼファーが、私のために……。 |
ゼファー | お前ら、大袈裟に言うんじゃねぇ !カナ ! やっぱプレゼントはナシだ ! |
カナ | 嫌よ ! もうもらったんだから返さないわ ! |
カナ | それに、ゼファーが頑張ってくれたんでしょ ?だったら、私もずっと大事にするわ。 |
ゼファー | ……ああ。うっかり落として割るんじゃねえぞ。 |
サラ | ねえ、アレン。せっかくだから、今日はこのティーカップで紅茶を飲んでいいかな ? |
カナ | 私もマグカップ使いたい !あっ、でもマグカップならホットミルクのほうがいいかしら ? |
リッピ | それでしたら、サラ様には紅茶をカナ様にはホットミルクをご用意いたしましょう。 |
リッピ | その間に、今回の冒険譚をお互い話されてはいかがでしょうか ? |
アレン | そうだね。でも、その前に……。 |
ゼファー | アレはちゃんとやっとかなきゃな。 |
カナ | ええ ! クラッカーの準備もオッケーよ ! |
アレン | それじゃあ、いくよ。せーの ! |
四人 | サラ(様) ! お誕生日、おめでとう ! |
サラ | うん ! ありがとう、みんな ! |