プロフィール
劣等感の塊だった、頭の固い学士の青年。彼は二つの世界とそれを巡る人々の心…“不可知なるもの”に触れ変わった。彼は学問の本当の意味を体現するが如く、仲間を助ける。それは学んできた知識でもあり、メルディを守りたいという強い想いでもあった。
ミリーナの一言
キールには幼なじみが二人いるんですって。メルディとは違うみたいだけど、二人は言葉にしなくても通じ合ってるし、幼なじみ以上の絆かもしれないわね。イクスも、もっとあんな風にぽんぽん言ってくれてもいいのになぁ…。今のままでも勿論、いいんだけどね。
イクスの一言
ふあぁ…。昨晩、キールと鏡士や晶霊術のことを話したんだ。キールはクレーメルケイジに入れた晶霊たちの力を借りて術を使うとか…。鏡映点の人は思いもよらない技術があるんだな。もっと聞きたかったんだけど、キールの質問に先に答えていたら明け方になっちゃったよ。
キャラクター | 読書好きの集い |
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キール | イクス。ケリュケイオンに書庫はないのか ? 騒がしい奴らと一緒にいて疲れた。一人で落ち着いて読書がしたい。 |
イクス | キール、ちょうどよかった。いまミラとケリュケイオン内に図書室を作ろうって話してたんだよ。 |
ミラ=マクスウェル | 読書好きの者同士で各大陸から本を持ち寄り、世界を越えた読書交流の場を設けようと考えている。 |
キール | それはいいな。ぼくは『レオノア百科全書』を持ってこよう。二人は何かオススメの本はあるのか ? |
イクス | 俺は乱読するタイプだから特にはなぁ…。 |
イクス | あっ。けど、ミラが貸してくれた本はどれも面白いものばかりだったよ。 |
キール | そうなのか ! ? ぜひぼくにも貸してくれ ! |
ミラ=マクスウェル | ふふ…教えがいがあってうれしいよ。キールに一番のおすすめはこれ、『男と女の夜の駆け引き』だ。 |
キール | なんだそのいかがわしい本は ! ? |
イクス | 男女の関係を人文学的側面と生物学的側面の両方から解析してて複雑ながら奥行きのある興味深い内容の本だったよ。 |
キール | 一見まともに聞こえるが騙されないぞ ! 俗っぽいものではなくもっと学術的で役立つものはないのか ? |
ミラ=マクスウェル | では医学系の書物で『夜尿症の原因と対処』はどうだろう ? ル・ロンドの治療院にあったものだ。 |
キール | 夜尿症 ! ? ふざけるなっ ! ! いまのぼくには必要ないっ ! ! |
ミラ=マクスウェル | ふむ、ジュードと同じようなことを言うのだな。他に学問の本となると… |
ミラ=マクスウェル | ならば『受けの美学』はどうだ ? |
イクス | 受けを体系的に述べようとした書物で分類学的な知識が前提とはなっていたけど人間の業の深さを知るにはいい一冊だった。 |
キール | だからなんで変な本ばっかりなんだよ ! ぼくは落ち着いて読書がしたいんだっ ! |
キャラクター | 研究室長緊急招集命令 |
キール | メルディ、ボタンつけ終わったぞ。また取れたらぼくに言ってくれ。 |
メルディ | バイバ ! あっという間に終わったよ !キール、ありがとな ! |
キール | ルカのボタンも取れかかってるな。よければぼくがつけてやろう。 |
ルカ | あっ、本当だ。それじゃあお願いしようかな。キールって手先が器用なんだね。 |
キール | これも研究の成果さ。ぼくの理論を理解すれば誰でも同程度の技能は習得可能だ。 |
ルカ | 理論って……ボタンつけの理論 ?キール、そんなこと研究してたの ? |
キール | 意外と奥が深いんだぞ。簡単に説明するとまず、ボタンつけの作業工程は15の段階にわけることができるんだ。 |
クラース | 15の段階だって ?キール、それは聞き捨てならないな。 |
キール | クラース ? 何か反論があるのか ? |
クラース | その理論は主観が入りすぎているんじゃないか。とある手芸本では7段階として書かれていたくらいだ。更に言うならば私はより簡略化できるとも思うがね。 |
キール | それは手芸本が適当過ぎるんだ。準備段階での道具の選別やボタンの形やつける場所への考慮が抜けている。 |
パスカル | えぇ~、全自動ボタンつけ機ならスイッチをポチッとするだけで一発オッケーだと思うよ。 |
キール | 全自動ボタンつけ機 ? 何だそれは ?そんな便利な代物は聞いたことがないぞ。 |
パスカル | そりゃそうだよ。いま話を聞いてて閃いたんだもん。何だったらチャカチャカポンって開発しよっか ? |
リフィル | あなたたち。またオモチャを作るつもりなの。研究室の予算は限られているって何度言ったら分かるの。 |
ジェイド | 革新的な発明とは得てして偶発的なもの。日常の細事を疎かにして進歩はありませんよ。という訳で、ついでに糸通し機も開発してはどうです ? |
キール | 糸通し機か、それはアリだな。ボタンつけを行う上でも糸通しは避けて通れない。今一度研究する価値がありそうだ。 |
リフィル | ジェイド、面白がって焚きつけるのはやめて。以前もソフィロボの件で指摘したわよね。それとも、またいつもの物忘れかしら ? |
ジェイド | ええ。人間、老化には勝てないものですねぇ。おかけで、口を開く度にあなたに怒られてばかりです。それに全ては善意があればこその発言なのですが。 |
キール | では室長権限を持って学術会議を発令する。メインアジェンダはボタンつけ。研究室メンバーは全員揃っているな ? |
ルカ | あれ ? リタがいないよ。さっきまでそこにいたのに。 |
ユリウス | 伝言を預かっている。「バカっぽい」だとさ。 |
ルカ | な、なにそれ……。 |
キール | 欠席って意味だろ。さぁ、始めるぞ。ボタンつけの話をしようじゃないか。 |
メルディ | キール、とってもイキイキしてるな !なんだかメルディも楽しいよ ! |
ルカ | それはいいとして僕のボタンは………………うん、自分で直すね。 |
キャラクター | 挑戦は大事! |
メルディ | ワイール ! すごいよー ! |
ファラ | でしょ ! ?たまにはこんな風に、見た目にこだわるのもいいよね ! |
メルディ | はいな ! |
キール | ん ?二人とも、何をやっているんだ ? |
ファラ | お菓子作りだよ。 |
メルディ | ファラ、いっぱい考えてるよ ! |
キール | ……待て。お菓子作りって言ったか ? |
メルディ | はいな !見たらわかるよー。 |
キール | わからない ! これが、菓子 ?なんで、なんで……。 |
キール | なんで菓子が派手に光ってるんだ ! ? |
メルディ | ファラがもらってきた粉お菓子に入れると光るよー。 |
ファラ | 昨日、グリューネに会ったんだけど食べられるキノコから作った不思議な粉をもらったんだ。 |
ファラ | こうして混ぜると、いろんな色に光るの !可愛いでしょ ? |
キール | いやいやいや……。食べ物に重要なのは可愛さじゃなくて美味しいかどうかだろ ! ? |
メルディ | 美味しいよ !キノコはウマミ成分がホーフ ! |
ファラ | そう、これがね、すっごく優秀なの !さっき味見してみたんだけど、いつもよりぐーっと味が深くなっててびっくりしちゃった。 |
キール | そう言われてもな……。 |
ファラ | なによぅ、信じられない ? |
キール | ああ。発光する食べ物には微塵の説得力もない。視覚で『美味しそう』と思えるかどうかは重要な事項じゃないか ? |
メルディ | わかった !キール、食べてみるよ ! |
キール | は ? |
ファラ | そうだね !論より証拠。食べてみればわかるって ! |
キール | ……これを ? |
メルディ | はいな ! |
キール | このビビッドピンクとペールグリーンに発光を繰り返す謎の食べ物を ! ? |
メルディ | はいな ! |
キール | む、無理だ !ぼくはこういう怪しいものには手を出さないと……。 |
ファラ | 大丈夫、イケる、イケる ! |
メルディ | イケる、イケる~ ! |
キール | か、勘弁してくれ !謎の実験はキール研究室のメンバーだけで十分だ~ ! |