プロフィール
彼にとって守るべき大切な存在は妹だけのはずだった。危険に晒される原因となったリチアの存在は、彼にとってはただ疎ましいものでしかなかった。だが、リチアのことを知っていくうちに少しずつ彼女に向ける感情に変化が起こる。その感情は、妹に抱く感情とは似て非なるものだった。
ミリーナの一言
ヒスイさんの武器であるソーマにはとても面白い機能があるの。ボウガンなのに他の人が使うと好きな食べ物が出てきたりするのよ。おミソとか、角煮とか……。一番面白いと思ったのは、ピーチパイそのものじゃなくって、ピーチパイの中身だけが出てきたっていう話ね。私が使ったらどんなものが出るのか、ヒスイさんに頼んでみようかしら ?
コーキスの一言
ヒスイ様のソーマは運び屋の人から譲ってもらったものらしいんだ。コハク様を助けるためにその運び屋の人のところで一生タダ働きをするって約束で譲ってもらったらしいけど、それだけコハク様のことが大切だってことだよな。その話を聞いたルドガー様はヒスイ様に「借金を計画的に返す方法」を教えているみたいなんだけど、きっと他人事とは思えなかったんだろうな。
キャラクター | 心配性な兄 |
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ヒスイ | ジュード、お前がコハクの健診をしてるんだってな。 |
ヒスイ | それで、コハクの身体はどうなんだ ?まさか、ずっと意識がなかったせいでどこか悪くなったりしてねーよな ? |
ジュード | うん、大丈夫だよ。昏睡状態は長かったみたいだけど健康面には特に影響はなかったみたい。 |
ヒスイ | そうか。それを聞いて安心したぜ。 |
ソフィ | わたしたちともよく遊んでくれるよ。この前はみんなで『無限滅殺オニごっこ』っていうのを教えてもらったの。 |
ヒスイ | まじか ! あれができるってことは相当体力は戻ってきてるみてーだな。 |
ジュード | 念のために問診は続けてるけど本人も不調は感じてないってさ。 |
ソフィ | ヒスイ、コハクのこと心配だった ? |
ヒスイ | あったり前じゃねえか ! 可愛いコハクのピンチに駆けつけてやれなかったなんて……俺は兄貴失格だぜ ! |
ソフィ | そんなことないよ。ヒスイが来てくれてコハクも安心したみたいだったよ。 |
ヒスイ | ああ、俺が合流した以上たとえ相手がどんな奴らだろうがコハクには指一本触れさせねーよ。 |
ヒスイ | ちなみに、一応聞いとくが……。 |
ヒスイ | ジュード、お前、問診だからってコハクと必要以上に喋ったりしてねーよな ? |
ジュード | えっ ? いや……コハクとは普段通りに話してるつもりだけど……。 |
ヒスイ | 本当だろうな ?コハクと仲良くなって、親密になりてーとかやましいこと考えてんじゃねーだろうな ? |
ジュード | ええっ ! ? なっ、何言ってんのさ ! |
ソフィ | ヒスイ、わたしもコハクと仲良くなっちゃ駄目なの ? |
ヒスイ | いや、ソフィは良いんだよ。だが、ジュードぐらいの年の男がコハクを意識しないわけはねぇ。 |
ヒスイ | おい、そこんとこどうなんだ、ジュード ! |
ジュード | ちょ、ちょっと話が飛躍しすぎじゃないかな ! ? |
ソフィ | そっか……。でも、コハクはシングと仲良しで、いつも一緒にいるよ ?それも駄目なの ? |
ヒスイ | …………なんだって ? |
ソフィ | コハク、シングといるとき凄く楽しそう。きっとコハクにとって、シングは特別な人なんだね。 |
ヒスイ | ぐぅううあ ! くっそ~ ! シングの野郎 !やっぱり俺がいない間に好き勝手やってやがったな ! |
ヒスイ | シング、どこにいやがるっ !今すぐ俺がとっちめてやるからな ! |
ソフィ | ? ?どうしたんだろ、ヒスイ ? |
ジュード | えっと……。とりあえず、僕たちが先にシングを見つけて事情を説明しておこっか……。 |
キャラクター | 純真な兄貴 |
ヒスイ | ったく。シングの野郎買い出しにどんだけ時間かかってんだよ……。 |
ダークかめにん | おや、そこのお兄さん。なんだか暇そうにしてるっすね~。良かったら商品見ていくっすか ? |
ヒスイ | ん ? なんだお前 ? |
ダークかめにん | オイラはダークかめにんっす。出張ダークかめにんショップが取り扱う商品はどれも折りガメ付きっすよ。 |
ヒスイ | へぇ~、なかなか良い商品売ってんじゃねーか。特にこの手袋、他とは違う気がするぜ。 |
ダークかめにん | ……ほう、この手袋に気づくとはお目が高いっす。その鑑識眼、只者じゃないっすね。 |
ヒスイ | ま、まあな !俺くらいになるとひと目で大体分かっちまうんだよ。 |
ダークかめにん | ここだけの話、最近やっと入荷した掘り出し物っすよ。あと一組だけのプレミア品っす。 |
ヒスイ | なに ! ? 一組だけ、だと…… !値段は……くっ、3000ガルドもすんのか。 |
ダークかめにん | どうっすか ?お兄さんに相応しい逸品級っすよ ? |
ヒスイ | ……わりぃな。無駄遣いしたら、また妹に怒られちまう。今回は諦めるわ。 |
ダークかめにん | ……仕方ないっすね !通常価格が3000ガルドのところ半額の1500ガルドならどうっすか ! |
ヒスイ | 半額だと ! ?どうしたんだよ急に ! ? |
ダークかめにん | 今回だけの特別価格っす。この手袋はお兄さんが持つのに相応しいとオイラの商人としての血が叫んでるっす ! ! |
ヒスイ | ……へっ ! そこまで言われちゃ仕方ねえな。よし ! 買った ! |
ダークかめにん | まいどありっす~♪ささ、お兄さん。折角だし早速付けてみるっす。 |
ヒスイ | ……おお、やっぱ付け心地が全然違うぜ。こりゃあ良い買い物をしちまったな。 |
ヒルダ | あら、ヒスイじゃない。 |
ヒスイ | おう、ヒルダか。見てくれよこの新しい手袋。半額の1500ガルドで買えたんだぜ。 |
ヒルダ | 1500ガルド ? それ、アスター商会で在庫処分として取り扱ってた見切り品よ。100ガルド払ってもお釣りが返ってくるわ。 |
ヒスイ | なっ ! ? そんなはずねえだろ ! !この手袋はプレミア品だって……。 |
ダークかめにん | チッ、バレちまったら仕方ないっすね !こういうときは逃げるに限るっす ! |
ヒスイ | あっ、おいっ ! ! 待ちやがれッ ! ! |
ダークかめにん | 待てと言われて待つカメがどこにいるっすか !こっちも商売っすから、恨みっこなしっすよー ! |
ヒルダ | ……まんまと騙されたみたいね。 |
ヒスイ | うそ……だろ ? |
シング | お待たせー。ごめん、ちょっと遅くなっちゃって……。 |
シング | あれ ? ヒスイ、新しい手袋にしたんだね !すっごくカッコイイよ ! |
ヒルダ | 良かったじゃない。シングには褒められたわよ。 |
ヒスイ | だああっ ! ! こいつに褒められてもちっとも嬉しくねぇ ! ! |
キャラクター | 妹防衛会議 |
三人 | …………。 |
コハク | (お兄ちゃんと……アイゼンにチェスター ?三人とも、凄く怖い顔してるけど……。も、もしかして…… ! ? ) |
コハク | お、お兄ちゃん ! ケンカは駄目っ── |
ヒスイ | よし、『第七十八回妹防衛会議』を始めるぞ。 |
コハク | ……えっ ? |
チェスター | 議題は ? |
ヒスイ | 『妹』たちを口説く連中への再対策だ。女好きの奴らに睨みをきかせるだけじゃ全く足りねぇことがわかったからな。 |
ヒスイ | 特に『口説くつもりは一切ねぇのに、傍から見ればそれっぽい台詞を言ってる』連中をなんとかしねぇと。 |
チェスター | 例えばロイドだな。あいつは危険だ。 |
ヒスイ | ああ。そしてシングにガイもだ。 |
ヒスイ | 俺たちの目が届く限り問題はねぇ。だが、常に一緒にいてやれる訳でもねぇからな。非常時への対策ってヤツは決めとくべきだろ ? |
アイゼン | そんなもの、改めて話すようなことじゃない。やることなど決まっている。 |
アイゼン | 先手必勝──妹に手を出しそうな連中を事前に潰す。それだけだ。 |
チェスター | っ ! ? アイゼン、それは…… ! |
ヒスイ | ああ、いくらなんでも── |
コハク | (そうだよお兄ちゃん !そんなの乱暴すぎるって反対しないと ! ! ) |
ヒスイ | いいアイディアすぎるだろ…… !これでもう心配いらねぇな ! |
チェスター | こんな単純なことにどうして今まで気づかなかったんだオレたちは…… ! ! |
アイゼン | ふっ。決まりだな。今日来ていない連中には俺から話を通しておく。二人はターゲットのリストアップを頼む。 |
二人 | ああ ! ! |
コハク | …………。 |
アミィ | もう。ホントにお兄ちゃんったら……。 |
エドナ | アレ、どうするの ? |
コハク | ……決まってるよ。ここは妹としてやるべきことをやっておかなきゃ。 |
ヒスイ | っ ! ? コ、コハク ! ?お前、いつからそこに…… ! ? |
コハク | お兄ちゃんが『第七十八回妹防衛会議』とか言い出したところから。ちょ~~~っとお話聞かせてくれる ? |
ヒスイ | ……コハク。これは必要なことなんだ、わかってくれ。妹の身に何かあったらと思うと、兄ちゃんたちは── |
二人 | …………。 |
コハク | お兄ちゃん。何か言い残したいことはある ? |
ヒスイ | お手柔らかに……お願い、します…… ! |
キャラクター | もう一人の家族 |
コハク | ――お兄ちゃんの馬鹿ぁぁーー ! ! |
ヒスイ | ぐへっ ! !お、おい、待て……ッ ! !コハク……コハクーー ! ! |
リチア | ヒスイ、どうしたのですか ? |
ヒスイ | べ、別に……なんでもねぇよ……。 |
リチア | ……はぁ。またコハクと喧嘩したのですね。仕方ありません、わたくしが話を聞きましょう。 |
ヒスイ | な、なんだよ。言っとくけど、俺は何も悪ぃことしてねぇからな。 |
リチア | それは話を聞いてから判断します。 |
ヒスイ | ……あいつ、最近夜が寒くなってきたって言ってただろ ? だから、このモモヒキを買ってきてやったんだよ。 |
ヒスイ | それなのに、見せた途端怒り出して……。 |
リチア | ……なるほど。そういうことでしたか。 |
ヒスイ | お前、まさかもうコハクが怒った理由がわかったのか ? |
リチア | ええ。結論から申し上げるとやはりヒスイが悪いと思います。 |
ヒスイ | はぁ ! ? なんでそうなるんだよ ! |
リチア | ……一応、確認しますがヒスイ、今日はシングと一緒に街へ出かけたと言っていましたね ? |
ヒスイ | あ、ああ……。あいつも買い出しがあるからって付いてきたんだ。でも、あいつのことは今関係ねぇだろ ? |
リチア | 大アリです。というより、それが一番の原因ですね。 |
ヒスイ | なんでだよ ! !もったいぶってねえで、俺にもわかるように説明してくれ ! |
リチア | ですから、コハクはその微妙にダサいモモヒキをこれから使うんじゃないかとシングに思われたことが恥ずかしかったのでしょう。 |
ヒスイ | だ、ダサい…… ? |
リチア | それにヒスイのことです。またコハクが里ではモモヒキを履いていたことを話したのではないですか ? |
ヒスイ | そ、それは……。 |
リチア | まったく……コハクも年頃の女の子なのですよ ?そのあたりも考えて行動してください。 |
ヒスイ | わ、わかったよ……。はぁ……しかし、あの怒りようを見るとしばらくは許してくれねぇだろうな。 |
リチア | では、今からわたくしと一緒に謝りに行きましょう。そうすれば、きっと許してくれるはずです。 |
ヒスイ | ……お、おう。なんか悪ぃな、お前にも面倒かけちまって。 |
リチア | 構いませんよ。立場的には、わたくしもあなたたち兄妹のお姉さんみたいなものですから。 |
ヒスイ | お姉さんって……まぁ、そうかもしれねぇけど俺にとってお前は……。 |
リチア | ヒスイ ? |
ヒスイ | い、いや、なんでもねぇ !ともかく、これ以上コハクの機嫌が悪くならねぇうちに謝りに行くか。 |