プロフィール
純朴な田舎青年の立身出世の旅は、やがて世界を揺るがす陰謀の濁流に飲まれていった。運命に流されることなく、どこまでもまっすぐに突き進めるのは、汚れる事を知らない純真な心ゆえ。今ならわかる。出逢いも、別れも、裏切りも、すべて運命だったと。相棒ディムロスに信念を乗せ、彼は巨悪に立ち向かう。
ミリーナの一言
スタンさんのあの立派な金髪は羊たちが気に入ってるから伸ばしているんですって。イクスもカーリャも触らせてもらっていたし、惹かれるのは羊だけじゃないのね。ん?イクスも…。…私もお手入れ、もっとしっかりしなきゃ。スタンさんに美髪の秘訣、聞いてみようかしら。でも、何もしてないって言われそうよね。
イクスの一言
スタンさんは、天地戦争の英雄の人格を宿した剣、ソーディアン・ディムロスのマスターなんだ。二人のやりとりを見てると、仲の良い兄弟みたいでもあるし、厳しい師匠と弟子って感じもする。ああいう、手本となるような人が傍にいるって、憧れるな。…俺はミリーナがいつも一緒にいるけど、姉っていうより放っておけないって感じかな。
キャラクター | 言葉がなくてもわかる人たち |
---|---|
ユーリ | どうした、ラピード ? |
ラピード | ワゥッ ! |
ユーリ | ん ? 誰かがオレを探してるって ? |
スタン | …。 |
スタン | なーユーリ。 |
スタン | ユーリはラピードの言葉がわかるのか ? |
ユーリ | んー、言葉がわかるってわけじゃないんだが。ラピードとは長い付きあいだからな。 |
ユーリ | なんとなくわかるぐらいだよ。 |
ラピード | ワゥッ。 |
スタン | そうなのか…。 |
ユーリ | 言葉なんか通じなくたって、一緒にやっていけるやつもいるさ。 |
ユーリ | |
スタン | ん ? |
ユーリ | なんでもない。 |
スタン | オレの元いた世界の仲間にケヤキと話せる女の子がいたから、話せるのかなって。 |
ユーリ | ケヤキと話せるって…。 |
スタン | その子が迷子になって見つけた時に、『ケヤキさんと話をしていてもらい泣きした』って。 |
ユーリ | あんたの世界では、ケヤキと話せるやつは多いのか ? |
スタン | オレの知ってる限り、その子だけかな。 |
ユーリ | そうか、よーくわかったよ。 |
ラピード | ワフッゥゥゥ。 |
スタン | ? |
ユーリ | あんたが純粋だってことがな。 |
キャラクター | 規律 |
スタン | ……よし、捕まえた ! |
羊 | メェ~。 |
スタン | よしよし、偉いぞ~。すぐに仲間の羊たちも捜してやるからな。 |
ヒューバート | スタン、早いですね ?最初の一匹をもう捕まえてしまうなんて……。 |
スタン | おおっ、ヒューバート、ガイアスさん !そっちはどうだ ? |
ガイアス | こちらは収穫ゼロだ。 |
ヒューバート | 移送中の馬車が転倒したことで荷台にいた羊たちが逃げ出して大騒動……。 |
ヒューバート | ぼくたちも捕獲に協力するとは言いましたが意外と難しいものですね。 |
ガイアス | ヒューバート。俺たちとスタンの違いには何があると思う ? |
ヒューバート | そうですね……。先ほどの羊の動き、逃げるどころかスタンのほうへと歩み寄っていました。 |
ヒューバート | なにかぼくたちにはない羊を引き付ける要素をスタンは持っているのかもしれません。 |
ガイアス | 外見的特徴が影響しているということだな。 |
スタン | あー、それなら家の羊たちは俺の髪が好きで寄り付いてきてたな。この羊たちにも効果があったみたいだぞ。 |
ヒューバート | それです ! ガイアスさん、ぼくたちもその作戦でいきましょう ! |
ガイアス | ……俺がスタンのように振る舞えば上手くいくと ? |
ヒューバート | ええ、スタンの髪の毛が羊を引き付けるのならガイアスさんの髪の長さでも対応できるかと。 |
ヒューバート | そして、引き付けられている間に後ろからぼくが羊を捕まえます。これなら完璧な作戦でしょう。 |
スタン | ……いいや、それだけじゃ駄目だ。ヒューバート。 |
ヒューバート | スタン ! ? |
スタン | 羊は危険だと思ったらすぐに逃げ出そうとする習性がある。 |
スタン | まずは俺たちに対する警戒心を解いてやることが必要なんだ。 |
ヒューバート | ……そうだったんですね。たしかに、ぼくが躍起になっては羊を怖がらせてしまいますね……。 |
ガイアス | ならば、警戒心を持たれないような振る舞いを俺たちもすればいい。……スタンのようにな。 |
ヒューバート | スタンのように…… ?なるほど、明るく振る舞えばいいわけですね。早速やってみましょう ! |
羊の群れ | メェ~。 |
ヒューバート | ……結局、スタンが全て捕まえてくれましたね。 |
ガイアス | ……流石だな、スタン。 |
スタン | 二人とも、どうしたんだよ ! |
ガイアス | ずっと口角をあげていたせいか顔が引き攣ったまま動かん……。 |
ヒューバート | これはスタンにしか出来ない偉業だったのかもしれません……。 |
スタン | 二人とも、普段からもっと笑えばいいんじゃないかな。ははははは……。 |
キャラクター | 目覚めない死者たち |
シェリア | そろそろお昼ご飯の準備をしないと……。あら ? 誰か倒れてる…… ! ? |
? ? ? | んごごー……。ぐがぁぁ……。 |
シェリア | きゃっ ! な、何 ! ? 何の音 ? |
? ? ? | ぐぅぅぅ……。すぴぴー……。 |
シェリア | こ、こっちからも聞こえるわ !何が起きてるの ! ? |
スタン | うーん……。リリス……朝飯、まだ……。 |
カイル | もう食べられないよ、母さん……。くかー……。 |
シェリア | あ、スタンにカイル……二人のいびきだったのね。……ねえ、二人ともちょっと起きて。そこ通り道なんだけど……。 |
スタン | ん ? うーん……。ああ、うん……起きたよ。起きた起きた……。 |
シェリア | よかった……。寝起きが悪いって聞いてたけど大丈夫そうね。さぁ、次は一緒にカイルを起こしましょう。 |
スタン | うん……そうだなー……。やっぱり……マーボーカレーかなぁ。すかー……。 |
シェリア | え…… ? ちょっと、スタン ?もしかして、立ったまま寝てるの…… ! ?全然起きてないじゃない ! |
カイル | すこー……んー、起きてるよぉ。オレは起きてるってば……。全く……ロニはいつも子供扱いするんだから……。 |
シェリア | 私はロニさんじゃないわよ !これはもう私の手には負えないわ……。だ、誰か助けてー ! ! |
リアラ | ルーティさん、リリスさん ! こっちです。シェリア、あとはわたしたちに任せて避難して。 |
シェリア | リアラ ! ? 助かったけど、避難って…… ?……まあいいわ、頼むわね ! |
ルーティ | まったく、こいつらは何やってんだか……。訓練から戻ってこないと思ったらこんなとこでぐっすり寝てんじゃないわよ ! |
スタン | 俺は……ぐー……寝てないぞー……。 |
ルーティ | 完全に寝てるわよ !――って寝てる奴に言っても無駄か。あー、もう。 |
リリス | よっぽど疲れちゃったんですね、二人とも。ではルーティさん、リアラさん。このあいだ教えた通りに。 |
ルーティ | はいはい、わかってるわよ。……これでいい ? |
リアラ | 右手がおたまで左手がフライパンですよね。二人が相手でも、三人がかりならきっと……。 |
リリス | そうよ、みんなで起こせば大丈夫 !行くわよ、せーの……。 |
三人 | 横たわりし者に正義の鉄槌を !唸れ ! 秘技、『死者の目覚め』 ! |
二人 | んおわっ ! ? |
リリス | はい、おはよう二人とも。こんなところで寝てちゃダメよ。 |
スタン | ふわぁ……おはよう、リリス。あれ ? ルーティにリアラも ? |
カイル | うーん、よく寝た !……二人とも、耳押さえてどうしたの ? |
ルーティ | なんか、自分たちの方がダメージ受けた気がするわ。まだ耳がキンキンする……。 |
リアラ | リリスさんみたいに使いこなすにはまだまだ修行が必要そうですね……。 |