プロフィール
実験の苦痛の中伸ばされた一条の光。希望に見えたそれをつかみ、彼の陽だまりは奪われた。陽だまりの中にいるレプリカへ降り積もる憎悪。希望が希望ではないと分かった時、彼は道を違え進み始める。その先に見えるレプリカの背中。彼にもレプリカにも、気付けばそれぞれ陽だまりができていた。それから目をそらす自身にも憤りつつ、彼は決着をつけるため刃を向ける。もう一人のルークへ。
ミリーナの一言
アッシュさんが赤い顔で、アニスやガイさんを追いかけていたの。どうしたのかと思ったら、お母さまのためにキノコ採りをしたことがあって、その時の思い出話が原因だったみたい。普段、ぶっきらぼうにふるまっているから、そう見えないって思われがちだけれど、やっぱりアッシュさんって優しい人よね。今度、アッシュさんにお母さまのことを聞いてみたいわ。やっぱり怒られちゃうかしら ?
コーキスの一言
アッシュ様のあれ、すげえな……。口を開けば「ナタリアはこういう本が好きだ」とか、「ナタリアが好きなのはこれだな」とか、「この街並みをナタリアに見せたいな」とか。最初違う話だとしても、最後は結局ナタリア様の名前で終わるんだぜ。アッシュ様の頭の中ってナタリア様の話題以外ないのか――って思ったけど、よく考えたらミリーナ様も同じだった。そう考えたら一途でいい人だな !
キャラクター | 幸せを探して |
---|---|
アッシュ | ………………。 |
コレット | あの……アッシュ ? |
アッシュ | ……何だ ? コレット……だったか ? |
コレット | よかった。名前覚えててくれたんだね。えっと……はい、これ ! |
アッシュ | ……四葉のクローバー ? |
コレット | うん。きっと幸せになれるよ ! |
アッシュ | ……ど、どうしてこんなものを俺に ? |
コレット | あ……うん。えっと……。アッシュ、いつも一人で眉間にしわを寄せてるでしょ ? |
アッシュ | (随分直接的なことを言う奴だな…… ! ?) |
コレット | 私、アッシュみたいにしている人のこと知っているんだけど、その人は四つ葉のクローバーを探していて……。 |
コレット | あ、探していたのは誤解だったんだけど……でも幸せを探して一生懸命な人に見えたの。 |
アッシュ | つ、つまり、俺が幸せを探して一生懸命に見えるのか ! ? |
コレット | あ、そうじゃなくて ! |
コレット | えっとね、アッシュはその人とは違って幸せなんてどうでもいいって……そんな風に思っているみたいに見えて……。 |
アッシュ | ! ! |
コレット | 単なる気休めかも知れないけどきっといいことがあるよ。 |
コレット | どんなにつらいことがあったとしても……つらいことばっかりだったとしても。 |
コレット | 心の中には必ず幸せが眠っていて何かの拍子に芽を出すんだと思う。だから、これ……。 |
アッシュ | お前は変わってるな。だが……これはもらっておく。 |
コレット | ホント ! ? 嬉しい ! ありがとう、アッシュ ! |
アッシュ | 馬鹿か、お前は。礼を言うのは物を貰った方だろうが。 |
アッシュ | ……ありがとう、コレット。 |
キャラクター | ありえた日常 |
ファラ | あ、アッシュ ! おはよう ! |
アッシュ | ああ、おはよう、ファラ。今朝も元気だな。 |
ファラ | 一日の始まりは元気よくしなきゃ ! |
アッシュ | ああ、そうだな。今朝のメニューは何だ ? |
ファラ | 今日はオールドラントの日だからアッシュたちの世界の料理だよ。 |
ルーク | マジか ! ビーフ出るか ! ? |
ファラ | 朝からビーフは―― |
アッシュ | 馬鹿野郎 ! 食堂に入ってくるなり、何だその態度は !挨拶ぐらいきちんとしやがれ ! |
ルーク | あ、そうだった。ファラ、おはよー。 |
ファラ | あ、う、うん。おはよう、ルーク。アッシュの隣に座って。今プレート持っていくから。 |
ルーク | ……って言ってるけど、俺、隣に座ってもいいか ? |
アッシュ | 好きにしろ。 |
ルーク | アッシュ……丸くなったな……。 |
アッシュ | 貴様とは器が違うからな。 |
ルーク | そういうとこ、器が小さいじゃん……。 |
ファラ | はい、二人ともお待たせ。今日はグランコクマ風朝食プレートだよ。 |
ルーク | うわ……サラダに俺の嫌いな野菜が沢山……。 |
アッシュ | 文句を言うな。アジトの大勢の人間の食事を作ってくれているんだぞ。 |
アッシュ | しかも、お前みたいな子供舌の奴でも食べられるように小さく切ったりドレッシングに変化をつけたりしてくれているだろうが。 |
ファラ | ふふ、なんかアッシュってお父さんって感じだね。 |
二人 | お父さん…… ! ? |
アッシュ | 父上は、こういう感じではなかったが……。 |
ルーク | あ、でも、言われてみれば俺に対してはそういう感じだったぞ。 |
アッシュ | それはお前がだらしないからだろう ! |
ルーク | その言い方父上そっくり。 |
アッシュ | う……。 |
ルーク | 父上ー、俺の代わりにタコ食べてくれよー。 |
アッシュ | 自分で食え ! 何なら俺の分も食え ! |
ファラ | こら ! 二人とも !料理は出来たてが一番美味しいんだから喧嘩しないで早く食べてよね。 |
アッシュ | ……悪かった。ルーク、お前も謝れ。 |
ルーク | わかってるっつーの。ごめんなさい。 |
ファラ | いいから、早く召し上がれ。 |
二人 | いただきます。 |
キャラクター | 変わりゆくもの |
アッシュ | ――雷神剣っ ! |
ルーク | 双牙斬っ ! ! |
アッシュ | 甘いっ ! |
ルーク | くっ !そっちだって ! |
アッシュ | かかったな。そこだッ ! |
ルーク | ……っ ! |
ナタリア | だ……大丈夫ですの ?ただの手合わせにしては、少々気迫が度を越しているのでは……。 |
ガイ | まあな。手合わせするって聞いたから駆けつけてみれば……やっぱり二人きりにしなくて正解だったか。 |
アッシュ | ふん、この程度か ?最近ふぬけていると思ったら案の定じゃねぇか。さっさと立ちやがれっ ! |
ルーク | たまたま地味に痛いとこに当たっただけだっつーの !行くぞっ !はぁぁぁぁっ ! |
アッシュ | ……っ !正面から馬鹿正直にかかってきやがって……。いいぜ。来い ! |
ナタリア | どちらも引けを取らぬ接戦ですわね……。 |
ガイ | ああ。だがほんの少しだけアッシュが押してるな。このままじゃ―― |
アッシュ | はぁぁぁぁっ ! ! |
ルーク | っ !わぁぁっ ! |
ガイ | 大丈夫か、ルーク ! |
ナタリア | 二人とも、無事ですか ! ? |
ガイ | おいおい。稽古にしてはやりすぎじゃないのか ? |
アッシュ | この程度でやり過ぎとは、相変わらず甘いな、ガイ。前回の方がもっと手荒かったからな。ルークの動きも前の方がマシだった。 |
ルーク | やっぱりかよ ! ?くっそ~、なんか今日剣が重かったんだよな。天気のせいか ? |
アッシュ | そんな訳ないだろう、馬鹿が。お前の怠慢の結果だ。 |
ガイ | ――ん ? 待てよ。前回 ?もしかしてお前ら、ちょいちょい手合わせしてるのか ? |
ルーク | ああ。言ってなかったっけ。だって俺ら、師匠から剣を教わった同士だぜ。手合わせにはもってこいだろ ? |
アッシュ | もってこいだろ、じゃない。付き合わされる俺の身にもなってみろ。 |
ルーク | はいはい、感謝してるって。でもさ、前より剣筋読めなくなってきただろ ?前回うるさく言われたとこ、意識してみたんだ。 |
アッシュ | フン……まだまだだ。調子に乗るんじゃねぇ。お前は習得したそばから忘れる鳥頭だからな。手に覚え込ませろ。死ぬ気で素振りを繰り返せ。 |
ルーク | へいへい。アッシュせんせー。 |
ガイ | 周りが心配しなくても、きちんとやってるんだな。まあ、口が悪いのだけはどうにかした方がいいが……。 |
ナタリア | ふふ……。でも、二人とも楽しそうですわ。ルークも、アッシュも。こんな風に剣を合わせる日が訪れるなんて……。 |
アッシュ | 誰が先生だ ! お前の教師になるなんて反吐が出る !それより、さっさと続きをやるぞ ! |