プロフィール
差別も迫害もない世界、たった一人の肉親である姉が望んだ夢。狭間の者である自分たちに居場所はなかった。二つの世界、どちらも種族の違いの溝は遥かに大きい。疎まれ、蔑まれた先の悲劇。姉が遺した言葉、それは時を経て何時しか歪んだ。しかし、彼は選択し続けた。大いなる実りに宿り続ける彼女を復活させる為に。
ミリーナの一言
ミトスはあまり自分のことを話したがらないの。でも剣の師匠について語ってくれたことがあったわ。それがどうやらロイドのお父さんなんですって。一緒に旅をしていたこともあったらしいの。その時のミトスは寂しげだけれど嬉しそうでもあって、とても大切な思い出なのがわかったわ。いつか心を開いて色々な話をしてくれるといいな……。
コーキスの一言
ミトス様って、少し離れた所でみんなを見てることがあるんだよな。気のせいかアイゼン様とエドナ様をみていることが多いような……。懐かしそうな、寂しそうな顔だった。でもなんでアイゼン様とエドナ様なんだろう。姉さんがいるとかって噂だけどそのせいかな。そういえばアイゼン様の声がどうのって言ってた気もするな。
キャラクター | 変わらざるもの |
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ラタトスク | ……おい、お前。ミトス・ユグドラシルだな。 |
ミトス | ……ああ、本当にラタトスクなんだね。姿が違うから、何だか変な感じ。 |
ラタトスク | てめぇ……言うことはそれだけか ! ? |
ミトス | うん、裏切ったよ。あなたや精霊全員を。ごめんなさい。でも後悔はしてないから。 |
ラタトスク | ……はっ ! お前いつからそんな薄暗い目をするようになったんだ。天使ってのはろくなもんじゃねぇらしいな。 |
ミトス | ボクも聞いてるよ。リヒターから、あなたのこと。 |
ミトス | ボクが大樹カーラーンを発芽させなかったからふてくされて眠りについたんでしょう。 |
ミトス | 目覚めたら大樹を守る役目まで精霊マーテルに奪われて当てつけにヒトを根絶やしにしようとして |
ミトス | ――まずアステルを殺した。 |
ラタトスク | ……ちっ。てめぇなんかにデリスエンブレムを作ってやるんじゃなかった。 |
エミル | ――え ? あ、あれ ? あの、ミトス…… ? もしかしてラタトスクと話してた ? |
ミトス | ……へぇ。気のせいかな。君の方が僕の知っているラタトスクに印象が近いけど。 |
エミル | え ! ? でも僕、ラタトスクとしての記憶は全く……。 |
ミトス | 印象が近いだけだよ。ラタトスクは元々ああいう性格だし。 |
ミトス | でも、そうだね。とても優しい精霊だなって出会ったときには思ったよ。 |
エミル | そうなんだ……。 |
エミル | あ、前にしいなから聞いたんだけどミトスって、精霊と契約するとき一人で戦ったんだって ? |
エミル | ラタトスクも一人で倒したの ? |
ミトス | うん、そうだよ。――懐かしいな。 |
エミル | す、すごい ! どうやって勝ったの ? 何か弱点があったとか ? |
ラタトスク | ――てめぇっ ! 絶対言うなよ ! あの時のタイマン勝負は俺が手を抜いてやったんだからな ! |
ミトス | ……ラタトスクさ、もう面倒だからエミルと分離すれば ? 精霊なんだから、それぐらいできるでしょ ? |
ラタトスク | うるせぇっ ! センチュリオンどもがいないから、俺も万全じゃねぇんだよ。 |
ミトス | そう……。テネブラエがいないのは残念だね。面白い奴だったな。 |
ラタトスク | ――やっと笑ったか。 |
ミトス | ! |
ラタトスク | 貴様のことは許したわけじゃねぇが……。人間どもに憤る気持ちはわからないでもねぇからな。 |
ラタトスク | 俺たちの側で戦うならクルシスの天使とやらの顔はやめろ。 |
ラタトスク | 俺と出会った頃のハーフエルフの魔法剣士の顔をしていやがれってんだ。 |
ミトス | ……ふふ。優しいところは変わってないんだね。 |
キャラクター | 届かない未来 |
ミトス | ……また大樹カーラーンのところに来てたの。暇人だね。 |
ユアン | どういう言い種だ。私に何か用なのか ? |
ミトス | ……そうだね。ちょっと聞きたいことがあって。ユアンって大樹の守人になったの ? |
ユアン | 元の世界の話を聞きたがるとは思わなかったな。 |
ミトス | 帝国にいた頃、リヒターと話していてボクは自分の行く末に想像がついたからね。今更未来の話なんて何とも思わないよ。 |
ミトス | それに、リヒターやユアンが体験した未来はボクが体験した未来じゃない。ボクが勝つ未来だって消えたわけじゃないでしょう ? |
ユアン | ……そうだな。 |
ミトス | …………はぁ。 |
ユアン | 何だ ? |
ミトス | ユアンって本当に単純だよね。その返事じゃ、結局ボクが負けた未来を生きてきたって認めたようなものじゃない。 |
ユアン | ぐっ……。い、いや、わ、私は別に何も―― |
ミトス | いいんだ。そんなことを話しに来たんじゃないから。 |
ミトス | それより、最初の質問に答えてよ。ユアンはどうして大樹の守人になったの ?どこにも行くあてがなかったから ? |
ユアン | ……いや。自分で望んだのだ。新たに芽吹いた樹を守りたいと思った。 |
ミトス | 新しい樹の名前、カーラーンじゃないんでしょう ?なんていう名前なの ? |
ユアン | 言えぬ。ここが異世界であっても。 |
ミトス | ケチ。 |
ユアン | 契約だ。許せ。 |
ミトス | ユグドラシル――だったりして。 |
ユアン | 新しい樹に自分の名をつけるのか ?ずうずうしい奴だな。 |
ミトス | 姉さまの名前でもあるんだけど。 |
ユアン | そ、そうであったな。いい名前だ。 |
ミトス | 何でもいいんだ。名前は。ただ、何となく……そうかなと思っただけ。別にゴンザレスだってかまわない。 |
ユアン | 何だそのネーミングセンスは。どこから出てきた、ゴンザレスという名は。 |
ミトス | ――ユアンは、あの世界に居場所ができた ? |
ユアン | ! |
ユアン | ……ああ。私にも、リフィルやジーニアスにも。 |
ミトス | 他のハーフエルフも ? |
ユアン | すぐには変わらずとも、少しずつ私たちの様に根を張る土地や、心を寄せる異種族の友を見つけると信じている。 |
ユアン | 私たちはどこへでも行けるのだ。 |
ミトス | そうだね。本当はそうなんだ。そうなったあの世界を――見たかったな。 |
キャラクター | ここに生きる |
クラトス | ――マークから偵察の依頼があったのはこの辺りだな。ここからは慎重に進むとしよう。 |
ミトス | まったく、酷いよね。いくらボクたちが空を飛べるからって、便利に使うなんて。 |
クラトス | そう言うな。あちらも人手が足りないのだろう。それに小さいとはいえ、争いの芽は早い段階で摘んでおくべきだ。 |
ミトス | クラトスは人がいいんだから。 |
クラトス | 報酬はしっかりともらっている。その分の働きをするだけだ。 |
ミトス | 今のクラトス、ちょっと傭兵みたいだったね。ロイドたちにも、そんな感じで近づいたの ? |
クラトス | ……さあ、どうだっただろうな。 |
ミトス | ねえ、クラトスはこれからどうするの ?今日みたいに、しばらくはマークたちの手伝いを引き受けるの ? |
クラトス | そうだな。頼まれれば引き受けるがそれもいずれはなくなるだろう。 |
クラトス | その先のことはまだ決めていないが考えなくてはいけない時期かもしれないな。 |
ミトス | ロイドのことはどうするの ?一緒にいたいなら、そうすればいいじゃない。 |
クラトス | ……いや、ロイドにはロイドのやるべきことがある。それが私と合致するなら、共にすることもあるかもしれんが……。 |
クラトス | 今のロイドなら私の手を借りずとも己の道を進むだろう。私はただ、それを見守ることができればいい。 |
ミトス | ふうん。クラトスってもう少し過保護かと思ってたけどちゃんと一線は引いてるんだ。 |
クラトス | 過保護……だったろうか……。 |
ミトス | 別にそれが悪いとは言ってないよ。離れていた時間も、人間にしては長かったしそれだけあいつのことが……大事なんだろうし。 |
クラトス | ……そうか。 |
ミトス | まあ、そのせいでボクを裏切ったって考えると、本当にムカつくけどね。 |
クラトス | ………………。 |
ミトス | ……ねえ、クラトスは元の世界でもボクとは違って生き続けたんでしょ ? |
クラトス | ……ああ、ユアンの話ではそのようだ。結局、全ての責任をお前だけに負わせてしまったのかもしれないな。 |
クラトス | ……だが、この世界ではお前も私と共に生きている。それはもう一つの救いであり希望だ。 |
ミトス | えっ…… ? |
クラトス | ミトス、お前も私の希望なのだ。だが希望とすがる故に苦しめてしまったこともあろう。 |
クラトス | 誰かを導けるほどの器でないことは承知しているが今度こそ、私はお前を導き――いや、お前と共に良き道を歩めるよう努力したいと思っている。 |
ミトス | ……ふふっ、なんだかクラトスも言うことがロイドと似てきたね。 |
クラトス | フッ……かもしれぬな。 |
ミトス | でも、ありがとう。クラトスにそう言ってもらえるのは嬉しいよ。僕にとっても、クラトスは特別な存在だから。 |
ミトス | 本当は少し生きることに飽きてしまっているんだけどクラトスがそう言ってくれるならボクももう少しだけ生きてみるよ。 |
ミトス | 世界がそれを許してくれる間は……。 |
キャラクター | ここに生きる |
ミトス | ノイシュ、ちょっと待っててね。今、あの小蝿を駆除するから。 |
ノイシュ | クゥーン……。 |
デクス | オレを小蝿扱いとはいい度胸じゃねぇか。ちょっとアリスちゃんと仲が良いからって調子に乗るんじゃねぇぞ ! |
エミル | ちょ、ちょっと ! デクス、やめなよ ! 落ち着いて ! 武器をしまって ! |
デクス | うるせぇ ! オレは命を賭けてでもアリスちゃんを守ってみせる ! |
デクス | ミトス ! てめぇにアリスちゃんは渡さない ! 今ここで、どっちがアリスちゃんに相応しいか決闘―― |
ミトス | エターナル・ディバイド ! |
デクス | ま、待て ! まだ言い終わってな――うわぁぁあ ! ! |
ミトス | おいで、ノイシュ。もう大丈夫だよ。騒がせて悪かったね。 |
ノイシュ | クゥーン。 |
ミトス | ふふっ。心配することないさ。気絶させただけだし、力もかなり加減して撫でるように優しくしてやったから。 |
エミル | ミトス、ごめん。デクスが君に話があるって言うから居場所を教えちゃったんだ……。 |
エミル | でも、どうしてデクスに付け狙われてるの ? |
ミトス | ケリュケイオンでたまにアリスとお茶をするんだよ。それであの色ボケ男は何か勘違いでもしたんだろうね。本当、いい迷惑だよ。 |
エミル | あのアリスとお茶……。そう、なんだ……。 |
ミトス | どうかした ? もしかして、ロイドの側で戦ってるボクがロイドを貶めた奴と関わるのが複雑……ってこと ? |
エミル | えっ…… ? |
ミトス | ボクもね、テセアラとシルヴァラントの統合後両者の文明差によって軋轢、衝突が生じその不満がロイドや神子に向かうのは予想していたよ。 |
ミトス | けど……あははっ。まさか未来のロイドが虐殺者の濡れ衣を着せられているとはね。どうして教えてくれなかったの。 |
ラタトスク | チッ……相変わらずいい根性してるじゃねぇか。エミルもマルタもお前のことを思って言わなかったんだ。 |
ミトス | キミもでしょ。ラタトスク。あの二人がいた世界はボクが負けて死んだ世界だから。 |
ミトス | ただ……ふふっ。ボクと正反対の選択をした元の世界のロイドが、苦しみあがき続けてるなんてなんて三文芝居だろうね。是非見たかったよ。 |
ラタトスク | ……わかってやれたのはお前だけかも知れないからな。 |
ミトス | わかる ? 冗談でしょう。あんな奴とボクを一緒にしないでくれる ? |
ミトス | こっちのロイドだって、いつ何が起きて世界から拒絶されるかわからない。その時のロイドの選択が楽しみだね。 |
ラタトスク | 仕方ねぇ奴だな……。おい、デクス、帰るぞ ? ちっ、返事がねえな。エミルに運ばせるか。 |
ミトス | ……元の世界で生きるロイド、か。どれくらい過酷な道を歩むことになるんだろう。 |
ノイシュ | クゥーンクゥーン。 |
ミトス | うん、わかっているよ。元の世界とここにいるロイド。そのどちらも変わらないって。 |
ミトス | だから、どちらのロイドであっても折れたりはしないよ、きっと。ボクの進む道の最果てを行く者だから。 |
ノイシュ | キューン……。 |
ミトス | ノイシュもロイドみたいなことを言うね。ボクは……そうだね。この世界でならロイドと同じ道を選べる可能性もあるのかも―― |
ロイド | ――ノイシュ、メシだぞ……ってなんだ、ミトスが先に餌をやってくれてたのか。お前ら、案外仲がいいよな。 |
ミトス | 古い友達だからね。 |
ロイド | ミトスもクラトスと同じでノイシュの言ってることわかるんだろ ? なあ、何を話してたんだ ? |
ミトス | なんでもないよ。せいぜい足掻いてよね、ロイド・アーヴィング。 |