プロフィール
異世界リアフィースにはびこる驚異、”災厄の種”を浄化するために旅をする、天界より使わされた\御使い\"。女神の力を得る為にカナとの旅路を共にする中で、悲しみの因果が、彼を過酷な運命へと追い落とす。想いが心を砕き続ける中、宙へと伸ばした手が掴むものは何か。"
ミリーナの一言
ゼファーはカナのお兄さんみたいよね。あっちこっちへ飛び出していっちゃうカナのフードを掴んでは、お世話してるの。口ではいつも、カナに呆れているようなことを言うけれど、よく見てるなぁって思うわ。だって、誰よりも早くカナのフードを掴むんだもの。
イクスの一言
ゼファーが使う、魔力を拳に乗せて敵に叩きつける\魔力操打\"はすごい威力なんだ。でも、これが一番得意な技なのかって聞いたら、「違うよ。一番得意なのは\"解呪\"なんだ」って笑ってた。呪いを解く力ってのは、ちょっと意外だったけど、あの笑顔は本当にそうってことなんだろうな。"
キャラクター | 武器デビュー!? |
---|---|
ゼファー | なぁ、ヒューバート。少し……頼みがあるんだ。 |
ヒューバート | どうしたんですか、ゼファーさん、突然 ? |
ゼファー | この前、一緒に魔物と闘った時に思ったんだが──お前の武器、すごいな。 |
ヒューバート | ぼくの、双刃ですか ? |
ゼファー | ああいう武器は初めて見た。斬るだけじゃなく、銃にもなってたよな ? |
ヒューバート | ええ。興味があるんですか ? |
ゼファー | え、あ、あぁ。少しだけな。──ほら、色んな状況があるからさ。 |
ゼファー | 術と体術だけでやりづらい相手がいたら、ああいう、遠近両方をカバーできる得物があると、便利かもなぁって、思ったんだ。 |
ヒューバート | なるほど。それでしたら──少し、触ってみますか ? |
ゼファー | お ! 良いのか ? 悪いな。 |
ヒューバート | 構いませんよ、どうぞ。 |
ゼファー | なるほど、これが双刃の状態か。構えると、こんな感じだったよなで、ここから── |
ゼファー | おお ! 変形した。 |
ヒューバート | はい。それで、銃になります。 |
ゼファー | 良いなこれ……。 |
ヒューバート | え ? |
ゼファー | あ、いや、何でもないぜ。──双銃の構えってのは、こうだよな。 |
ヒューバート | ええ、そうです。連続して狙う時はその姿勢から── |
ゼファー | ──こう、構えを変えるんだよな ? |
ヒューバート | はい。……随分、様になってますね。ゼファーさん、どこかで銃の扱い方の訓練を受けた事があるのですか ? |
ゼファー | いや、無いぞ。 |
ヒューバート | それにしては、ずいぶん手慣れているような……。 |
ゼファー | 習ったことはないが、かっこ良── |
ゼファー | いや ! 便利そうだったからな。少しだけ、独学で修練した時期があるんだ。 |
ヒューバート | そうなんですね。ぼくも、独学でこのスタイルにしたんです。 |
ゼファー | そっか。わかるぜ。この武器は特にかっこ──便利そうだからな。 |
ヒューバート | ……ゼファーさん ? |
ゼファー | この剣と銃に変化するギミックも何というか、心くすぐられるものが……。 |
ヒューバート | ……そんなに興味があるようでしたら──ゼファーさんも、この武器を修練してみますか ? |
ゼファー | え ? いや ! 大丈夫だ !闘いは、手慣れたやり方が一番良いに決まってる !それは分かってるんだ。 |
ゼファー | だから、気にしないでくれ。ありがとな、ヒューバート ! |
ヒューバート | あの反応──触れている時の楽しそうな顔──これは、ゼファーさんも…… |
ゼファー | いやいや……。なんかかっこいいってだけで、闘い方を変えちゃいけねぇよな。 |
ゼファー | ……修練が足りねぇな、俺も。 |
キャラクター | 絆を抱いて |
ゼファー | あ……。 |
ガイアス | どうした ? |
ゼファー | ……いや、何でもない。 |
ガイアス | ──というようには、見えんな。 |
ゼファー | ……ちょっと、あんたに──よく似た王様が治めてる国を知っててさ。色々と、思い出しちまったんだ。 |
ゼファー | 俺は──勝手な都合で、その国を何度も、嫌なことに巻き込んじまった。……そんなことを思い出した。 |
ガイアス | ……悔いているようだな。 |
ゼファー | ……どれだけ悔いても──釣り合わないくらいに。 |
ゼファー | だが、全部自分で撒いた種だからな。死ぬまで抱えると決めている。 |
ガイアス | なるほど……その目──お前が強い覚悟を持っているのはわかった。 |
ガイアス | それでも、だ。その想いと一人で闘わぬことだ。 |
ゼファー | …………。 |
ガイアス | お前の仲間たちは、そんなお前と共に在ってくれる者なのだろう ?──その意味を、違わぬようにな。 |
ゼファー | ああ……。そうだな。それについても──俺は、決めてる。 |
ガイアス | そうか、ならば—— |
カナ | ふんふーん♪ |
カナ | あ、ゼファー !ガイアスとお話ししてたのね。捜してたのよ。 |
ゼファー | どうした。なんか用か ? |
カナ | リッピがクッキーを作ってくれてるんだけど、材料がちょっと足りないんだって。だから、どこかに調達しにいきたいの。 |
ゼファー | それで俺についてこいって ? |
カナ | うん ! あっちで待ってるからね ! |
ゼファー | しょうがねぇなぁ……分かったよ。 |
ゼファー | ──悪いな、ガイアス。話の途中だったのに。 |
ガイアス | いや、俺が言いたいことは全て伝えた。“共に在ってくれるもの”──その意味を違えぬように、な。 |
カナ | さぁ ! 行きましょう ! |
ゼファー | なぁ、カナ。 |
カナ | なぁに ? ゼファー ? |
ゼファー | ──お前、わざと俺を連れ出したろ。 |
カナ | ふふっ。うん ! そうよ。少しね、ゼファーが悲しい顔をしてたから──心配になったの。 |
ゼファー | 澄まし顔で、生意気言いやがるな。 |
カナ | ゼファーがいつもしてくれてることよ。同じことをしただけ。 |
ゼファー | おあいこ──ってことか。 |
カナ | そうよ。おあいこ。──これからも、ずっとね !それじゃあ、行こう ! |
ゼファー | どこへ ? |
カナ | リッピはクッキーを作っていないけれど──そう考えたら、食べたくなっちゃって。一緒に作りましょ、ゼファー。 |
ゼファー | ってことは、俺が付き合わされるのは、材料探しか……。 |
カナ | うん ! さぁ、レッツゴーよ ! |
ゼファー | ……ったく。ずっとあいこじゃ、終わりがない。何も返させちゃくれないな。 |
ゼファー | だけど──そうあることが、俺たちみんなの、絆なのか……。 |
ゼファー | ……きちんと、一緒に抱えていくよ。この生命が、ある限り。 |
ゼファー | っと──おい。道違うっての ! |
カナ | ぐはっ ! ? |
ゼファー | こっちだ。──行くぜ、カナ。 |
カナ | うん ! |
キャラクター | 小さな祈り |
カナ | わぁ ! かわいい ! |
ゼファー | 派手な色のキノコでも見つけたか ? いくら気に入っても食うのだけはやめとけよ。もれなく笑い死ぬことになる。 |
カナ | ちがうわよ~。ゼファーの意地悪 !ほら見て、リスさんよ ! |
ゼファー | なんだリスか。森に来てるんだから珍しくもないだろ。 |
カナ | そんなことないわ。どこで出会っても可愛いものは可愛いもの。 |
カナ | そうだ、私クルミを持ってるの。ほらほら、茶色いリスさん、こっちにおいで~。 |
ゼファー | 野生だぞ。さすがに警戒して近づいて来ないだろ。 |
カナ | 見て ! ゼファー、私の手から食べてる !わわっ、この子肩まで登ってきたわ。しっぽがふわふわで気持ちいい~♪ |
ゼファー | ……ことごとく俺の予想を裏切るな。 |
カナ | あなたとってもお利口なのね。リスさん、ほら、こっちの手に飛び移れる ? |
カナ | わっ ! 飛び乗った ! じゃあ次は、頭の上に登れるかしら ? |
カナ | すごーい ! 登った !この子きっと言葉がわかるんだわ ! |
ゼファー | マジかよ。いやいや偶然だろ、偶然。 |
カナ | うーん、じゃあリスさんこれはどう ? ……ゴニョゴニョ。 |
ゼファー | ……うん ? 何だ――ぐおぉぉっ ! ? |
カナ | わ ! ゼファーにミサイルキックって言ってみたんだけど、まさかできるなんて。やっぱり言葉がわかるのよ。 |
ゼファー | 森の格闘王かこいつは……。てかなんでお前もそんな特殊な技知ってんだよ……。 |
ゼファー | ――そういえば昔にもこんなことあったな。霧深い山の中で進めなくなっちまってたまたま見つけた祠で一晩過ごしたんだよな。 |
カナ | そうそう、あの時のリスさんもとっても賢くて。みんなで祠をお掃除して、たくさん遊んだのよね。 |
カナ | はっ ! ねえゼファー、もしかしてこの子あの時のリスさんなんじゃないかしら ? |
カナ | 私また会いたいってずっと思ってたの。もしかしたらリスさんも再会を祈っててくれてそれが叶ったのよ、きっと ! |
ゼファー | ……まぁ、だといいな。(今のところリアフィースが具現化されたって話は聞かないが。やっぱり偶然似てるだけだろうな。) |
男の子 | あっ ! やっと見つけた ! ! |
二人 | ? |
男の子 | そのリスうちで飼ってる子なんだ。いつも一緒に散歩してるんだけどなぜか急に飛び出して行っちゃって。 |
ゼファー | なあ、このリスは飼って長いのか ? あと芸とか仕込んでるか ? |
男の子 | うん、もう何年か一緒にいるよ。芸……は教えてないけど、いつもプロレスごっこして遊んだりしてる。 |
ゼファー | なるほどな。懐っこくてミサイルキックも知ってるわけだ。 |
カナ | そうなのね……あのリスさんにまた会えたら素敵だなって思ったんだけど。でもとっても楽しかったわ。もうはぐれちゃだめよ。 |
カナ | わ、指を舐めてくれたわ ! 本当にあの祠にいたリスさんみたい。 |
男の子 | こんなことするの僕も初めて見た。急にこっちへ走って行ったし、もしかしたらお兄さん達とは不思議な縁があるのかもしれないね。 |
ゼファー | …………祈りが叶う、か。確かにそうなのかもしれないな。どんなに小さな祈りでも、いつか届くんだよな……。 |
カナ | ? どうしたの ? ゼファー ? |
ゼファー | いいや、なんでもねぇよ。祈りも奇跡もこの世には確かにあるって思っただけさ。 |