プロフィール
ヒューマとガジュマ、異なる種族の間に生まれた彼女は自らの存在を否定して生き続けてきた。誰からも愛されず必要とされない私に居場所などない。そう思っていた彼女の心は、仲間と母の手紙に出会い氷解する。両親から授かった身体を受け入れた時、彼女に光が宿る。それは“ヒトの希望”となるだろう。
ミリーナの一言
ヒルダさんは大人の女性って感じでいつも落ち着いた雰囲気があって素敵なの。ヒルダさんがやる占いも良く当たるって評判だわ。タロットにはそれぞれ意味があって、向きによっても意味が変化するから奥深いわね。私のことも占ってくれるか今度頼んでみようかしら ?
コーキスの一言
ヒルダ様のタロットカードって占いができるだけじゃなくて、武器にもなるんだぜ !こういうのを一石二鳥って言うのかな ?それに、ヒルダ様のタロットカードは母親から譲り受けた大切なものらしいんだ。たまに大事そうにじっとカードを見つめてるときがあって、ヒルダ様にとっては特別なものなんだろうなって伝わってくるんだ。
キャラクター | ふたつの占い |
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メルディ | ヒルダ、クレアから聞いたよ。占い得意か ? |
ヒルダ | ええ、あんたも占って欲しいの ? |
メルディ | バイバ ! お願いするよ。 |
キール | 占いか……。あまり学術的根拠がないものは信用できないな。 |
ヒルダ | あら ? タロットの歴史は古くからあるのよ。後世まで残っているということはそれなりの根拠があるからじゃないかしら ? |
キール | そっ、それは……。 |
メルディ | キール、疑うの良くない。クィッキー占いだってよく当たるって評判 ! |
キール | いや、おまえがやる占いのほうがぼくに言わせれば疑う余地のあるエセ占いさ。 |
クィッキー | クィッキー ! ? |
メルディ | キール、ひどいっ !ちゃんと見てから言うよ ! |
ヒルダ | あら、そういうことなら私も一緒に占ってあげるわ、キール。 |
キール | いや、だからぼくは占いなんて……。 |
クィッキー | クッ、クッ、クッ、クッ……。クィッキー ! |
キール | この流れ、まさか……。 |
メルディ | クィッキー占い~、はじまり、はじまり~♪はいな、こんなん出ました~。 |
メルディ | 赤と白が混ざる女性は危険ー。頼み事は断るが吉ー。 |
キール | なんだ……それは ? |
ヒルダ | 要するに、あんたに災いが降りかかるってことよ。 |
キール | なに ? |
ヒルダ | “塔”のカード。これから起こりうる厄災を暗示するカードよ。 |
ヒルダ | でも、これはあくまで未来の可能性。厄災を回避できるかは、あんたの行動次第かしらね。 |
キール | 赤と白……災い……まさか…… ! ? |
パスカル | あっ、捜したよキール。ねぇねぇ、調整終わったからあたしの作った発明品、試してみてよ ! |
キール | パスカル ! ?だから、その話は何度も断ってるだろ ! |
パスカル | え~、座ったまま自動でマッサージしてくれる椅子なんて疲れも取れるし画期的じゃん。 |
キール | そのマッサージする力が強すぎて疲れどころか意識が飛びそうになったんだぞ !あんな経験は二度とごめんだ ! |
パスカル | あっ、待ってよー !今度はちゃんと安全なはずだからさ~。 |
メルディ | ……ヒルダ。キール、大丈夫か ? |
ヒルダ | 占いにできるのは……指針を示す事までよ……。 |
キャラクター | 居場所 |
アルヴィン | おっと、先客がいたか。 |
ヒルダ | アルヴィン ? |
アルヴィン | たまには一人で一杯やろうと思ったんだが。そっちも同じ考えだったみたいだな。 |
ヒルダ | 私は別に良いわよ。レイヴンみたいに余計なことを言ってこなければね。 |
アルヴィン | あのおっさんも懲りないねぇ。美人とみれば見境ないときた。 |
アルヴィン | どうせ口説かれるなら俺みたいな若くてハンサムがいいよな ? |
ヒルダ | ぶつよ。 |
アルヴィン | ははっ、冗談だって。それにしても、その酒……。滅多にお目にかかれない銘酒じゃないか。 |
ヒルダ | ロゼが仕入れてくれたのよ。アスター商会にはお世話になったからそのお礼ってことでね。 |
アルヴィン | おたくはアスターって商人のところで雇われていたんだったな。 |
ヒルダ | ええ。まさかヴェイグたちまでこっちの世界にいたとは思わなかったけどね。あんたも似たようなもんでしょ ? |
アルヴィン | さあね。ジュードたちにとったら別の世界まで来て俺なんかと会いたくなかったかもしんねーしな。 |
ヒルダ | 仲間だったんじゃないの ? |
アルヴィン | 色々と込み合った事情があるんだよ。俺はあいつらの優しさに甘えて構ってもらってるだけさ。 |
ヒルダ | 私にはそうは見えなかったけど。 |
アルヴィン | え……。 |
ヒルダ | ……私も、ずっと自分の居場所を探してた。 |
ヒルダ | でも、ヴェイグたちと出会って私は変わることができたのよ。きっと、あんたと同じようにね……。 |
ヒルダ | だから、あんたもすねてないで自分からも受け入れたら ? |
アルヴィン | ……それができりゃ世話ないぜ。あーあ、酒が回りそうだ。 |
クラース | どうした、アルヴィン。せっかくの酒なのに浮かない顔して。 |
アルヴィン | クラース !でたよ、「酔いどれオヤジ」。 |
クラース | 誰がオヤジだ !それにまだ飲んでもいないだろう。 |
クラース | どれ、私もヒルダと一緒に話を聞こうじゃないか ?その代わり、相談料はちゃんと頂くがね。 |
ヒルダ | 言っとくけど、これは私の分のお酒だからあんたには振る舞わないわよ ? |
クラース | なに ? |
ヒルダ | やっぱり目をつけてたのね。でも、そうね……。 |
ヒルダ | あんたが隠している銘酒を分けてくれるのなら分けてあげても良いわよ ? |
クラース | これは、大したお嬢さんだ。……良いだろう、契約成立だ。 |
ヒルダ | 結局、賑やかになるのね……。ま、良い酒が増えたから良しとするわ。 |
キャラクター | 刻まれた思い |
ヴェイグ | ……ん ? |
ヴェイグ | これは、伝記か…… ? |
ヒルダ | ああ、そこにあったのね。さっき落として、探してたのよ。 |
ヴェイグ | ヒルダの本だったのか。伝記を読んでいるんだな。 |
ヒルダ | ええ。伝記やその地方の言い伝えを纏めた書物街や村で起こったことの記録……。 |
ヒルダ | 『歴史書』というほど深いものではないのだけれど探してみるとこういう書籍って案外多いの。 |
ヒルダ | 不思議よね。どんな世界であっても、どんな場所であっても記録を残そうと思う人が出てくるのよ。 |
ヴェイグ | 今抱えている本が全て歴史に関わるものなのか ? |
ヒルダ | ええ、そうよ。これは新しく購入したものだけで部屋にはこの何倍もあるわ。 |
ヴェイグ | なるほど……それはすごい数だな。 |
ヴェイグ | 記録を残そうと考える人はどの世界でも現れる、か……。 |
ヒルダ | ええ。そうしなければいけないわけではないのにみんな同じ結論にたどり着くのが興味深いわ。 |
ヒルダ | 自分たちが生きて、活動したという記録を残しておきたくなる気持ちはみんな変わらないんでしょうね。 |
ヒルダ | 危険を知らせる石碑とか、災害の記録とか……残しておくことで後世の人々を護れるようなものもあるし。 |
ヴェイグ | 地図も後の人々の役に立つ記録と言えるかもしれないな。 |
ヒルダ | ええ、そうね。それに、語り継がれる物語もその一種かもしれない。 |
ヴェイグ | そこには色々な思いがあって、その思いを形にしたものが歴史書や地図や石碑なんだろうな。 |
ヴェイグ | まるで、自分の居場所を作っているようだ。 |
ヒルダ | 居場所を作る…… ? |
ヴェイグ | ああ。ここに自分がいたんだ、という証拠を残しておくとでも言えばいいのか……。 |
ヴェイグ | そうすることで、遠い未来で記録を読んだヒルダのような人々に自分を思い出してもらうことが出来るだろう ? |
ヒルダ | なるほど、面白い考え方ね。でも、確かにそうなのかもしれない。 |
ヒルダ | 遠い未来の人の心に自分が生きた証が残るって想像すると、少し嬉しいわ。 |
ヒルダ | 歴史を学びたいと思うのもそういう面があるからなのかしら。 |
ヴェイグ | ああ。そう考えると、歴史を知るというのは面白そうだ。 |
ヴェイグ | オレは歴史にはあまり詳しくないが少し学んでみるのもいいかもしれないな。 |
ヒルダ | ええ、是非。きっと楽しめると思うわ。 |
ヒルダ | そうね……初心者にちょうどいい本がいくつか私の部屋にあるの。よかったら読んでみない ? |
ヴェイグ | ヒルダの薦める本なら確かだろうからな。是非、頼む。 |
ヒルダ | わかった、あとで持って行くわね。ふふ……こういう話が出来るのってとても嬉しいわね。 |