プロフィール
彼女がいた世界は、神の加護により人々が何不自由なく幸せな生活を送っていた。だが、彼女は神によって与えられるだけの幸せは求めず、弟とともに新しい村で暮らすことを選択した。たとえ苦しくとも、自分たちの力で生きていく、それこそが人間の本来の姿であると信じていた。結果として最愛の弟を病で失ってしまったが、彼女の意志が変わることはなく、その生き方は、人としての幸せを追い求める姿の象徴であった。
ミリーナの一言
ナナリーは料理や裁縫が得意なの。村に住んでいたときに子どもたちの面倒を見ていたから、家事はお手の物なんですって。アジトもますます人が増えてきたから、色々手伝ってもらえて大助かりなのよ。ファラ生活向上委員会の強力なメンバーだわ。それに、狩猟の腕もチェスターさんやリッドさんに引けを取らないの。何でもこなせちゃうから、ついついナナリーに頼っちゃうことが多くなったわ。姉御肌で、でも可愛らしいところもあって、ナナリーって本当に素敵な女の子よね。
イクスの一言
ナナリーは皆から色々と相談を持ち掛けられているみたいなんだ。確かに、ナナリーなら真摯に相談に乗ってくれそうな気がするよ。ナナリーと一緒に旅をしていたリアラが言うには、自分が悩んでいたときはナナリーの方から声を掛けてくれたんだってさ。仲間たちのちょっとした異変にもすぐに気が付くのは、ナナリーが周りのことをちゃんと見ているからだよな。なんだか、ナナリーの優しさが伝わってくる話だなって思ったよ。
キャラクター | 狩りの時間 |
---|---|
ナナリー | チェスター、ヒスイ。そろそろ狩りに行こうと思うんだけど準備はできたかい ? |
ヒスイ | おう、バッチリだぜ !百発千中で獲物を仕留めてやるからな ! |
ナナリー | それ、言葉として間違ってんだけどね。 |
チェスター | おまけに、コハクが言うには実際は七割程度らしいからな。 |
ヒスイ | ぐっ…… ! そっ、それくらい気合い入れて獲物を仕留めるっつーことだよ ! |
ナナリー | そりゃあ頼りになるね。その意気込み、あたしも見習うことにするよ。 |
ロニ | ん ? ナナリー、それにチェスターにヒスイもお前ら、どっか行くのか ? |
ナナリー | ああ、町の人たちから、いい狩り場があるって教えて貰ってね。これから狩りに行くところなのさ。 |
チェスター | どうだロニ、お前も一緒に来るか ? |
ロニ | いや、この後カイルたちと待ち合わせなんだよ。俺は遠慮しとくわ。 |
ナナリー | そうかい。じゃあ、カイルたちに伝えといてよ。「今夜はご馳走を期待してな」ってね。 |
ロニ | おいおい、そんな見栄張って大丈夫かよ ? |
ナナリー | まさか、今さらあたしの腕を疑ってんのかい ? |
ヒスイ | そうだぜ、ロニ。この前なんて、熊よりもでけぇ大イノシシを一矢で仕留めちまったからな。ありゃあ、さすがの俺も驚いたぜ。 |
チェスター | ああ、まさに「電光石火」の一矢、ってやつだったな。 |
ナナリー | ちょ、ちょっと…… ! そんなに褒められたって何も出てきやしないよ。 |
ロニ | ……い~や、お前たちの言ってることは俺にもよくわかるぜ。疑って悪かった。ナナリー、やっぱり、お前はすげー奴だよ。 |
ナナリー | ロニ……あんた……。 |
ロニ | つまり、お前は男勝りのじゃじゃ馬娘で大イノシシだろうが、あっという間に倒しちまうような凶暴女だってことだろ ! |
ナナリー | …………。 |
ロニ | いやぁ~、異世界に来ようがやっぱりお前は……。 |
ナナリー | …………チェスター、ヒスイ悪いけど魔鏡通信でカイルに連絡入れてくれるかい ?怪我人が出たから、あとで拾ってやってくれってさ。 |
ロニ | うわっ ! イテッ ! か、関節が…… ! !やっ、やめろ ! ? その関節は、そっちのほうには曲がらねっ ! ! ギャアアアー ! ! |
チェスター | ……まさか、最初に仕留めるのがロニになるとはな。 |
ヒスイ | ……ああ、あのサブミッションコハクの蹴りといい勝負だと思うぜ。 |
キャラクター | 弟 |
ナナリー | ルドガー、こっちのスープはもうすぐ完成だよ。うん、この香り……美味しく仕上がりそうだ。あんたが教えてくれた、このレシピのおかげだね。 |
ルドガー | 料理上手のナナリーに褒められるのは照れるな。よし、こっちのトマト入りオムレツも完成したしそろそろみんなを呼びにいくか……。 |
ユリウス | おっ、いい匂いがするな。今日はスープにトマト入りオムレツか。こいつは楽しみだ。 |
ルドガー | 兄さん、すぐ夕食にするから、そのまま待っててくれ。俺はエルを呼んでくるよ。そうだ、忘れないうちに他の人たちにも魔鏡通信で連絡しておかないと……。 |
ユリウス | 全く……慌ただしい奴だ。 |
ナナリー | 弟のことが心配かい ? |
ユリウス | ……そうだな、いつまでも子ども扱いするべきじゃないとは思っているんだが……。 |
ナナリー | 兄弟なんだから心配するのは当たり前さ。あたしだって、弟のことになったらきっと今のユリウスと同じ反応をするだろうからね。 |
ユリウス | 君にも弟がいるのか ? |
ナナリー | ああ……、あたしがちっちゃいころ病気で死んじまったけどね。 |
ユリウス | ……すまない、答えにくいことを聞いてしまったな。 |
ナナリー | いや、元々あたしが言い出したことなんだからそこまで気にしなくていいって。 |
ナナリー | それに、ルーのこと……。あたしの弟の話は、カイルたちだって知ってることだからさ。 |
ユリウス | 仲間に話すときも、辛かったんじゃないか ? |
ナナリー | 思い出すと……辛い、だけじゃなかったかな。確かに、ルーと過ごせた時間は短かったのかもしれない。でもさ……。 |
ナナリー | ……命の大事さも大好きな人を守ろうとする意志も全部、ルーから教えてもらったものなんだよ。 |
ユリウス | ……そうか、君は……強いな。 |
ナナリー | ユリウスだって同じじゃないのかい ? |
ユリウス | 俺と……君が…… ? |
ナナリー | 弟を想う気持ちは、あたしもユリウスも変わらないんだよ。 |
ユリウス | ……そうだな。君の弟のように俺もルドガーから大切なものを教えて貰っている。だからこそ、俺は……いまを生きているんだ。 |
ナナリー | あたしも、ルーがいてくれたから……ルーの姉ちゃんだったから本当の幸せを見つけられたんだ。 |
ナナリー | だから、ルーが心配しないためにも姉ちゃんらしく、これからも生きていかなきゃね ! |
ユリウス | 本当の幸せ、か……。俺にとっては、今のこの生活がそうなのかもしれないな……。 |
エル | ううっ~、エル、お腹ペコペコ~。あれ ? この匂い……もしかしてスープ ! ? |
ナナリー | 大正解だよエル。ルドガー直伝のスープさ。おかわりもいっぱい用意してるからね。 |
エル | わーい ! やったー ! |
ユリウス | エル、今日はトマト入りオムレツもあるぞ。一緒に食べてみないか ? |
エル | と、トマトはいらないですー ! |
ルドガー | なぁ、ナナリー。さっき兄さんと何を話していたんだ ? |
ナナリー | ああ、それはね……。あたしたちにとっての、大事な人の話だよ。 |