プロフィール
ただ最強を求め、剣の修行に明け暮れた。そして切り札を完成させた時、自分と同じく英雄スタンの血を引く者、従兄妹であるカイルと戦うことになる。互いに全力で戦った末、敗れるもその顔には清々しさがあった。カイルと同じように旅に出てもっと強くなってみせる。彼女は新たなる心持ちで剣の修行の日々を巡る。いつかの再び相まみえる時を胸に。
ミリーナの一言
リムルは武者修行のために普段は一人でティル・ナ・ノーグを旅していて、アジトには時々しか帰ってこないの。今でも十分強いのに、より高みを目指すため修行を重ねるあの姿勢は、本当に尊敬に値するわ。まさに武芸者って感じで格好いい生き様よね。けどアジトに帰ってきた時に、カイルやリリスたちに出迎えられて見せるリムルの笑顔もすっごく可愛いの。あの表情を見ると、リムルも私たちと変わらない同年代の女の子なんだなって思うのよね。修行がうまくいくように祈りながら、次帰ってくる時を楽しみにしているわ。
イクスの一言
加速度をエネルギーに変換し高速で斬る回避不可能な必殺の剣。それがリムルの最後の切り札である技なんだ。だけどこの技には特に名前がないんだってさ。スタンさんは「スタン・トルネード」、カイルは「超回転疾風乱れ斬り」とか自分のオリジナル技に名前をつけているけど、リムルはどうしてつけないんだろう。もしかしてネーミングセンスに自信がなくてつけられないとか ? それなら俺も手助けできるかもしれないな。ちょうどアスベルとマリクさんが近くにいるし、相談してみるか !
キャラクター | 続・惹かれるもの |
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リムル | よし……今日の修行はここまで。そろそろ街の宿に戻ると―― |
男の声 | お、お願いです ! 助けてください ! ! |
リムル | この声は ! ? |
バルバトス | 今すぐ恐怖から解放してやろう。肉塊になれば痛みも感じまい。死にやがれ―― |
男 | うわあぁっっ ! ! ! ! |
リムル | ――ハァッ ! ! |
バルバトス | ……この一撃を止めるか。 |
男 | えっ……た、助かった…… |
リムル | あなたは逃げて。 |
男 | は、はい ! ありがとうございます ! ! |
バルバトス | ……どういうつもりだ。 |
リムル | まずは名乗らせてもらうわ。わたしは旅の武芸者リムル。イクス率いる浮遊島に属する鏡映点よ。 |
リムル | だからあなたのことも資料で知っている。ケリュケイオンに属する鏡映点バルバトス・ゲーティアであると。 |
バルバトス | 貴様が何者かなどどうでもいい !俺の至福のひとときを邪魔してただですむと思うなよ ! |
リムル | あなたが殺めようとしていた男は敵対勢力である帝国の兵士。だけど武器を捨て降伏していた。 |
リムル | 敵とはいえ無抵抗の相手を斬るなんてあなた、恥ずかしいとは思わないの ? |
バルバトス | あいにくと俺はお行儀の良い中将様のような英雄ではない。立ちふさがる奴は誰であろうと殺すのみ ! |
バルバトス | 貴様こそ恥はないのか ?女の分際で武芸の道を志し挙げ句、圧倒的な力を持つ俺に楯突くなど。 |
リムル | ふっ……そういう言葉、散々言われてきたわ。だから今更どうとも思わないわ。いや、むしろ感謝したいぐらいね。 |
リムル | その固定観念を一刀両断にしてやりたいって一層修行に熱が入る、更に燃えてくるもの。絶対に最強になってやるって。 |
バルバトス | ただ強さを求めるか。不遜極まりない愚かな女だ。 |
リムル | ええ。だからそういう点はあなたと同じね。己の強さのために、あなたは破壊をそしてわたしは戦いを望む。 |
リムル | わたしは英雄でもなければ英雄になるつもりもない。けど、もし英雄と称されることになったらきっとあなたと同じお行儀の悪い英雄に違いないわね。 |
バルバトス | ふっ……面白いじゃねぇか。その不遜っぷりはあの金髪のガキを思い出す。 |
リムル | 金髪のガキ……もしかしてカイルのこと ? |
バルバトス | クックック……ハーハッハッハッハ ! |
バルバトス | カイル・デュナミスを知っているとはな !貴様にはカイルと同じニオイを感じる。特別に俺への無礼は水に流してやろう。 |
バルバトス | 貴様も俺のような英雄になれよ。またな。 |
リムル | ………………。 |
リムル | …………わたしも気に入られたのかしら ? |
キャラクター | 母譲り |
リムル | 料理をするのはあまり慣れていないのでお役に立てるかわかりません。あまり期待しないでくださいね。 |
リリス | 大丈夫よ。こっちこそ苦手だと知らずに手伝いをお願いしちゃってごめんね。リムルはあまり自分では料理をしないの ? |
リムル | はい。買い物や皿洗いなどお手伝いはしていましたが料理を作るのは……母さんに任せきりだったので。わたしはその代わりにずっと剣を振るっていました。 |
リリス | そうだったんだ。リムルって聞けば聞くほどお兄ちゃんに似てるわよね。 |
リムル | そ、そうですか…… ? |
リリス | なんでちょっと嬉しそうなのよ。今のは別に褒めたわけじゃないんだけど。 |
リムル | いえ……わたしはそんなつもりは……。 |
リリス | まあいいわ。それじゃあリムルには私が料理の基本を一から教えてあげるわね。 |
リリス | まずは……にんじんを切ってみましょうか。私と同じようにやってみて。包丁をこう持って、こんな感じで切っていくのよ。 |
リムル | さすがリリスさん !あっという間ににんじんがすべて輪切りに ! |
リリス | リムルもやってみて。はじめはゆっくりでいいからね。 |
リムル | こ、こう……ですか ? |
リリス | それだと指を切っちゃうわよ。にんじんを支える指は丸めて……こうするの。 |
リムル | うっ……なかなかうまくいきません……。やっぱり剣とは全然違いますね……。丁寧に教えてくださっているのにお恥ずかしい……。 |
リリス | そんなこと気にしないの。はじめのうちは誰だってそんなものよ。私だって何度指を切っちゃったかわからないわ。 |
リムル | えっ……リリスさんもですか ? |
リリス | もちろん。私もはじめからできたわけじゃないわ。けど大切な家族のために美味しい料理を作ろうって頑張っていたらそこそこ出来るようになってただけよ。 |
リムル | ……大切な家族のために。 |
リリス | あっ、今の切り方よかったわよ。もうコツを掴んだのかしら。はじめてにしては筋がいいじゃない。 |
リムル | リリスさんの話を聞けたおかげです。ですが料理も剣の道も似ているところがあると思ったら、少し肩の力が抜けました。 |
リムル | それか料理の筋の良さは母さんに似たのかもしれませんね。 |
キャラクター | 特別な隠し味 |
リムル | ……どうかしら ?わたしのマーボーカレー。 |
ナナリー | ああ、おいしいよ !これはなかなかのもんだね。 |
ファラ | うん、すごい、すごい !料理始めたばっかりなんて思えないよ。 |
リムル | ありがとう、二人とも。料理の道は武芸の道とは違うけれど踏み出したからには真剣にやってみたくて。 |
ナナリー | 真面目だねえ。でも、なんだってあたしたちに味見を ? |
リムル | それは……実を言うと、今のわたしの料理には何かが欠けているような気がするの。それが何なのか、自分ではどうしてもわからなくて。 |
ファラ | 欠けてるもの…… ?わたしはそんな風に思わなかったけどなぁ。うーん、なんだろう ? |
リムル | 基本はレシピ通りだから、味が足りないということはないはずなんだけれど……。 |
リムル | この間食べた、リリスさんのマーボーカレーはもっと何か……口にしただけで温まるような不思議な感じがあったような気がして。 |
ナナリー | ってことは、リリスさんの料理には何か特別な隠し味でも入ってるのかね…… ? |
リリス | あら、リムル !みんなでお料理してるの ? |
リムル | リリスさん…… !ちょうどよかった。聞きたいことがあるんです。リリスさんのマーボーカレーに隠し味はありますか ? |
リリス | えっ ! ? 隠し味……。うーん、別にないけどなぁ。マーボーカレーにはまんぼうも入れないし。 |
リムル | じゃあ、何か特別な味付けとか。 |
リリス | それも、ないと思うけど。あっ ! しいて言うなら、愛情をひとつまみ ? |
リムル | そういうのではなくて……。もっと具体的な何かがあるはずなんです。 |
ナナリー | こだわるねえ、リムル。よっぽどリリスさんの味が気に入ったんだね。 |
ファラ | ふふ、そうみたいだね。 |
リムル | そうだ ! じゃあ、わたしのマーボーカレーの味を整えてみてくれませんか ? |
リムル | そうすれば、どんな調味料を入れているかわかって、わたしも真似できますから。 |
リリス | うん、いいわよ。それぐらいならお安い御用 ! |
リリス | ……そうねえ、このままでもすごくおいしいけど我が家の味は、もうちょっとこれを足してあれを足して……。 |
リリス | はい、出来上がり !どう ? 食べてみて、リムル。 |
リムル | では、いただきます。 |
リムル | …………あ。この味……そうだ…… ! |
リムル | (思い出した……これ、家で食べた母さんの味だわ。よく考えたら当たり前のことなのに久しぶりで、気付かなかったんだ……) |
リリス | どうしたの…… ? 黙り込んじゃって。そんなに美味しかった ? |
リムル | ……とっても、特別な味です。懐かしくて……温かくて。 |
リリス | ふふっ、そんなに言ってもらえるなんて嬉しいな !またいつでも作ってあげるからね。 |
リムル | ……はい。お願いします、リリスさん。 |