プロフィール
人と始祖の隷長(エンテレケイア)の争い――人魔戦争を終結へと導いた影の英雄。しかし彼は帝国の裏切りにより、かけがえのない友である始祖の隷長エルシフルを失い、絶望し、人間を見限った。そして再び訪れた世界の危機を前にして、彼は選ぶ。地上の生命全てを蝕む星喰みから、何度も同じ過ちを繰り返す愚かな人間から、「この世界を守る」ことを。この世界を愛した友への誓いを果たすために。
ミリーナの一言
この前、森の中でデュークさんを見かけたの。リスや小鳥たちとデュークさんが戯れていてビックリしちゃった。いつもよりデュークさんの表情が優しい感じだったことにも驚いたわ。デュークさんはあまり人と関わろうとはしないからどんな人かもよく掴めていなかったんだけど、きっと優しい人なのね。警戒心が強い野生の動物があんなに集まってくるくらいなんだから。
イクスの一言
デュークさんって声も服装も髪型も、何を取っても格好いいよな。そういえばルカもデュークさんのことをジッと見つめていたけど……俺と同じようにデュークさんの格好良さに見惚れていたのかな。もしそうなら、こんどルカと一緒に、デュークさんに話しかけてみようかな。迷惑に思われそうな気もするけど、デュークさんに似合いそうな服のプレゼンとかしたいなぁ。
キャラクター | 森の中で |
---|---|
リッド | あれ、おっかしいな。 |
クレス | リッド、どうかしたのかい ? |
リッド | ここに仕掛けておいた罠が壊されてんだ。獲物がかかった痕跡はあるんだけど……。 |
デューク | ……お前たちは。 |
クレス | えっ、デュークさん。どうしてこんな森の中に ? |
デューク | 「声」を聞いてやってきた。 |
リッド | 「声」 ? |
デューク | ……この者たちだ。 |
クレス | あっ ! 小鳥がデュークさんの肩に !野生の鳥がこんなに懐くなんてすごいですね。 |
リッド | オレたちには警戒してるみたいだけどな。オレに「声」は聞こえねぇけどなんとなく言ってることはわかるぜ。 |
デューク | 猟師の勘か。 |
リッド | なあ、この罠を壊したのあんたなんだろ。狩りをやめてくれって話に来たのか ? |
デューク | 自然の摂理。私もそこまでは言うまい。真意を確かめにきた。 |
クレス | 真意……。そういえば村の人たちがこの森で密猟があったって言ってたな。デュークさん、もしかしてその事ですか ? |
リッド | それなら安心してくれ。オレたちがここに来たのは金を稼ぐためじゃねぇ。 |
リッド | 生きるためにやって来たんだ。乱獲したり、まして皮だけ剥いであとは捨てちまったりそんなことはしねぇよ。 |
リッド | それに……ここでの狩りはやめとくつもりだ。いいだろ、クレス。 |
クレス | ああ。僕もそうした方がいいと思う。 |
デューク | なぜ ? |
クレス | このあたりに生えている植物はボアの好物なのに食べられた痕跡が全くありません。それだけ森のボアの数が減ってるんだと思います。 |
リッド | オレたちだけじゃなくボアだって生きてる。ちゃんと折り合いつけていかねぇとな。 |
デューク | ……そうか。 |
クレス | 密猟者のことも任せてください。村の人たちと話し合って対策をとりますから。 |
リッド | それじゃあオレたちは帰るぜ。 |
デューク | 待て。 |
クレス | 何か ? |
デューク | この者たちからお前たちへの言葉を預かった。 |
リッド | 大丈夫だ。ちゃんと伝わってる。 |
デューク | …………ふっ。 |
キャラクター | あの頃から |
デューク | …………。 |
レイヴン | あら。思わぬ先客。そこからの景色、結構いいでしょ。 |
デューク | なら景色を見たらどうだ。 |
レイヴン | 黄昏れてる姿を見て、どうしたのか気になったのよ。まさか、そうやってカッコつけて、アジトの美女を釣ろうって魂胆じゃないでしょうね。 |
デューク | 私は道化るつもりはない。 |
レイヴン | 何事も挑戦。美女一人紹介してくれれば道化の極意、俺様からあんたにも教えてあげよう。 |
デューク | ……………。 |
レイヴン | ちょっと ! 何か反応してよ !そういう突然のスルーが一番傷つくんだけど ! |
デューク | 暇を持て余す術として利用されるつもりもない。 |
レイヴン | 俺様が暇だと思ってるの ? いまは休憩中だけどこれでもすんごく忙しいのよ。 |
レイヴン | 女の子に話しかけたり、お散歩したりそれから、それから―― |
デューク | 戦い。 |
レイヴン | ……そうね、こっちの世界でも戦いに向かうことになったりね。 |
デューク | …………。 |
レイヴン | 俺様の忙しさわかったっしょ ?人魔戦争、いや、それより前からずっとなぜか知らんけど……忙しいままってわけよ。 |
デューク | 時が移ろおうとも、そして世界が変わろうとも人がいる限り、争いが無くなることはない。 |
デューク | ましてこの偽りに満ちた世界。果たして行く末に希望はあるのか。 |
レイヴン | けど、そう悲観しててもしょうがない。とにかく精一杯、生きる。これだけよ。 |
デューク | そして未来を、自らの選択によって創りだす、と。 |
レイヴン | あんたには立派な心臓がある。しっかり生きろ、人魔戦争の英雄さんよ。 |
デューク | 私は英雄でも、騎士団に属するものでもない。 |
レイヴン | こりゃ失礼しましたっと。ただのデュークさんよ。 |
デューク | ……お前の名はよく変わる。いまのお前は何と呼ぶべきだ。 |
レイヴン | そりゃ当然、レイヴン。今も昔もこれからも、レイヴンが俺の名さ。 |
デューク | ……そうか。ではな、レイヴン。 |
レイヴン | あっ……ちょ ! |
レイヴン | まさかあいつが……この名を、ね。人生、何が起こるかわかったもんじゃない。長生きしてみんのも、悪くはないわ。 |