プロフィール
父親の命を奪ったユージーンに復讐するため、ヴェイグたちの前に立ちはだかる。彼女の憎悪の感情は、彼女の心を蝕み、ガジュマという種族すらも憎むべき要因となってしまっていた。だが、旅に同行することにより、少しずつ彼女の心は変化していく。そして、聖獣の試練により知らされる父親の死の真相。目に見えるものだけが真実ではないと気づいた彼女は、もう迷わない。ガジュマであるユージーンの心は、ヒューマの自分と同じだった。「命に色はない」その言葉の意味を知った彼女は、ヒューマとガジュマ、共に歩む世界を取り戻すことを決意する。
ミリーナの一言
アニーはティル・ナ・ノーグに来てからのことも日記に書いていたみたいなの。内容は恥ずかしいからって教えてもらえなかったけど、アジトに来てからは書くことがたくさん増えてページがすぐに埋まっちゃうって言ってたわ。そのことを笑顔で話してくれるアニーがとっても可愛かったの。きっと、楽しいことがたくさん書かれているのね。今の日記帳のページが全部埋まっても大丈夫なように、新しい日記帳もいっぱい買っておいてあげなきゃ。
イクスの一言
アニーがアジトの医務室を、手伝ってくれることになったんだ。それを聞いたジュードとルカも、大喜びしていたよ。最近ずっと働き詰めで、倒れないか心配だったけど、アニーのおかげで二人の負担も減りそうだ。そういえばアニーは消毒薬のにおいが苦手でクラクラしちゃうって言っていたな。換気しやすいよう部屋の構造を考え直した方がいいか。医療班から倒れる人が出ないよう俺もしっかりしていこうと思うよ。
キャラクター | 香水 |
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アニー | わぁ……いい香り。二人とも何をしているんですか ? |
ヒルダ | パスカルの新しい発明品で香水を作っていたのよ。 |
パスカル | じゃじゃーん !『香水調合用装置超小型化バージョン』だよ !手のひらサイズで持ち運びもできちゃうのだ ! |
ヒルダ | これが出来上がった香水。 |
アニー | こんなに色々な種類が作れるんですね。それにどれもお店に出せるほどよくできてます。 |
ヒルダ | オーダーメイドで作れるんですって。操作も簡単みたいよ。 |
パスカル | アニーもやってみる ? |
アニー | いいんですか ?実はちょうどヒルダさんからもらった香水がなくなったところだったので嬉しいです。 |
アニー | あっ……けど、どうしよう。オーダーメイドと言ってもどんな香水が自分に合っているかまだいまいちわからなくて……。 |
パスカル | 心配ご無用 ! オススメ調合機能も用意してあるのだ !スイッチ1つでその人にあった香水を装置が自動で作ってくれるんだ ! |
アニー | オススメ調合機能 ! ? それは凄いですね ! |
パスカル | じゃあ、さっそく行くよ ! アニーの身長、体重、年齢性格、好きな食べ物と足のサイズを入力して……はいっ……スイッチ、ポン ! |
——ガ、ガガッ、ガガガガガガガガ ! ! ! ! | |
ヒルダ | ……ねぇ、ちょっと。変な音が鳴ってるけど大丈夫なの、これ ? |
アニー | それにさっき入力した情報……香水を作るのに関係ないような気も……。 |
パスカル | あれ ? おっかしーな ?全自動ベーカリー装置ではうまくいったんだけど―― |
ヒルダ | ちょっと ! 爆発したわよ ! |
パスカル | わあっ、熱いッ ! 熱いよー ! !た、たすけて~~ ! ! |
アニー | 爆発の火が ! いま消します―― |
パスカル | 熱い熱いあっ……冷たいッ ! ! 冷たいよー ! !えっ……雨 ? なんでなんで ! ? |
ヒルダ | アニーのフォルスの力よ。よかったわね、この子がいてくれて。 |
アニー | 大丈夫ですか、パスカルさん ? |
パスカル | 助けてくれてありがとう、アニー。ごめんね、香水作れなくなっちゃった。 |
アニー | いえ、怪我はありませんか ? それにパスカルさんがびしょ濡れになってしまったので、早くお風呂に……。 |
パスカル | お風呂……。そっか ! 雨で身体を洗ったんだからこれで暫くお風呂に入らなくても大丈夫だね ! |
アニー | あの、パスカルさん ? |
パスカル | う~ん、小型にした分、熱が籠ったのが原因かも。連続で使うには……そうだ ! さっきの雨みたいにボディーを冷却させる装置を取り付ければ…… ! ! |
パスカル | うん ! 改良の余地はまだまだありそう !あ~、こうしちゃいられないよ !早く作業に取り掛からなきゃ ! |
ヒルダ | ……ああなったパスカルは、しばらくは研究室から出てこないわね。 |
アニー | そ、そうなんですね……。 |
ヒルダ | ……ねえ、アニー。その……新しい香水が欲しかったら私が選んであげてもいいわよ。 |
ヒルダ | だから、また時間があるときに一緒に買いにいきましょう。 |
アニー | ヒルダさん……はい。やっぱり香水はヒルダさんに選んでもらうのが一番です ! |
キャラクター | 命に色はない |
アニー | ジュードさん、こっちのカルテの整理はわたしがやっておきますね。 |
ルカ | あっ、それなら僕がやっておくよ。アニー、アジトに来てから働きっぱなしでしょ ?たまには休まないと。 |
ジュード | そうだね、「医者の不養生」って言葉もあるくらいだし、あとは僕たちに任せてよ。 |
アニー | ありがとうございます。ですが、ジュードさんたちと一緒にいると勉強になることも多いですしもう少しだけ頑張ります。 |
アニー | これも立派な医者になるために必要なことだと思いますから。もちろん、無理はしないように気を付けますよ。 |
ルカ | うーん、僕から見たらアニーは十分立派なお医者さんって感じだけどなぁ。 |
アニー | いえ、お父さんのような医者になるためにはまだまだ経験も知識も足りません。 |
ルカ | そっか、アニーのお父さんもお医者さんだったんだよね。 |
アニー | はい。すべての命を等しく愛し、守ろうとした医師……それがわたしの知った、お父さんの姿でした。 |
ジュード | すべての命を等しく……か。それって、もしかしたらミラと一緒なのかも。 |
アニー | ミラさんと、ですか ? |
ジュード | うん、ミラも僕たち人と精霊どちらの命も守るために一緒に戦ってくれた。 |
ジュード | きっと、アニーのお父さんもミラのような意志の強さを持って医者をやっていたんだね。 |
ルカ | ……僕も世界を旅してわかったことがあるんだ。僕が見ようとしなかっただけで世界では沢山争いが起きて、命が失われていた。 |
ルカ | でも、失っていい命なんて一つもない。きっと、アニーのお父さんの言葉ってそういうことなんだよね ? |
アニー | はい、わたしの世界でも、ヒューマとガジュマによる種族間の争いで悲しい思いをした人達がいました……。 |
アニー | だからきっと、お父さんは「命に色はない」という言葉を残してくれたんです。医師を志す者への“真実”になる言葉として。 |
アニー | わたしは、必ずお父さんのような医者になります。どんな命も平等に愛せるそんな医者に……。 |
ジュード | アニーはもう、自分の使命を見つけられているんだね。 |
ルカ | うん、僕も少しだけ自分の目指すべき医者の姿が分かってきた気がする。 |
ルカ | アスラが戦いで多くの命を救おうとしたように僕は僕のやり方で、沢山の人を助けれられる医者になってみせるよ。 |
アニー | わたしもルカさんに負けていられませんね ! |
ルカ | うん、これからも一緒に頑張ろうアニー、ジュード。 |
ジュード | うん、もちろんだよ。 |
アニー | はい。わたしも目指すべき道をこれからも進んでいきます。 |
アニー | ……きっと、今のわたしの姿もお父さんが見てくれているはずですから。 |
キャラクター | 優しい思い出を |
ユージーン | ここにいたのか、アニー。 |
ユージーン | 何か書き物をしているのか ? |
アニー | ええ、そうなの。ほら、今日はみんなで揃って旅行に来たでしょう ? |
アニー | 調査も戦いも関係なくみんなで旅をするなんて今までにはなかったことだなと思って……それで、日記をつけていたの。 |
ユージーン | ああ、なるほど……。確かに、元の世界での旅はのんびり出来たわけではないからな。 |
アニー | ええ。だから、なんだか新鮮だなって。 |
アニー | 綺麗なお花に感動したり絶景に見とれたり、他愛のない話をしたり……。 |
アニー | そういう時間を過ごした後だからこそこの気持ちが鮮やかなうちに日記に記しておきたいと思って……。 |
ユージーン | そうか。 |
アニー | ところで、何かあったの ? |
ユージーン | ああ、そうだった。これを渡そうと、捜していた。 |
アニー | え ? なにかしら。包み…… ?開けてもいい ? |
ユージーン | ああ、もちろん。 |
アニー | わあ、素敵なハンカチ…… ! |
ユージーン | 先ほど、クレアとマオと一緒に買い物に行ったんだが、その刺繍がアニーの雰囲気に合っていると三人で意見が一致してな。 |
ユージーン | それなら、なんとなくお前に贈るのも悪くはないかと思って、買って来たんだ。 |
ユージーン | 俺も、もしかしたらお前と同じように今回の旅行を楽しんでいるのかもしれないな。 |
アニー | ……ふふ。自分のことなのに、まるで他人事みたいに言うなんて。 |
アニー | でも、嬉しい。わざわざ買ってきてくれるなんて……。 |
ユージーン | 気に入ってもらえただろうか。 |
アニー | ええ、もちろん。 |
アニー | ……昔のわたしなら、あなたからの贈り物なんて喜べなかったかもしれないけど。 |
アニー | でも、だからこそ今こうして素直に嬉しいと思えて、幸せだなって。 |
ユージーン | そうだな。俺も、贈り物をすることを躊躇っていたかもしれない。 |
ユージーン | ……それだけの時間を、共に過ごしてきたんだな。 |
アニー | ええ。わたし、この贈り物のことも日記に書きますね。 |
アニー | 今感じている、嬉しい気持ちをそのままに。 |
ユージーン | ああ。お前の思い出を増やせたようで、よかった。 |
アニー | ええ。本当にありがとう。このハンカチも、今日の思い出も、ずっと大切にしていきたいな……。 |