プロフィール
リチアを守るために造られた汎用ジャック型機械人。疑似スピリアにプログラムされていた命令に従うだけの彼であったが、人と関わることで少しずつ疑似スピリアに異変が起こっていることを実感する。主を守るだけの存在として生まれた彼が、やがて自らの意志で行動を取るようになっていく。人のスピリアに秘められた、あたたかい感情。それは機械人である彼のスピリアにも、確かに芽生え始めていたのだった。
ミリーナの一言
クンツァイトさんは料理の腕も相当なものらしいの。もしかしたら、クンツァイトさんの腕型ソーマならパパッと効率よく食材を切ったりできるのかもしれないわね。特に鍋料理が得意だって言ってたから、今度作ってもらうことになったのよ。ただ、それを聞いたシングたちの顔がちょっと引き攣ってたみたいなんだけど、何かあるのかしら…… ?
イクスの一言
クンツァイトさんには色々な機能が搭載されているんだ。この前なんて、俺の手を握っただけで身長や体重まで言い当てられたんだよ。筋肉の質もかなりいい状態だって言われたんだけど、そこまでわかるって凄いよな。しかもその後でマッサージまでしてもらったんだ。おかげで体が軽くなったから、また今度、稽古の後でマッサージをお願いしてみようかな。
キャラクター | ステキ機能 |
---|---|
カイウス | 凄いなぁ。クンツァイトの身体って本当に全部、機械でできてるのか。 |
クンツァイト | 肯定。自分はリチアさまを守る為に生まれた汎用ジャック型機械人だ。 |
クンツァイト | 自分の身体には、我が主にいかなる危機が起ころうともそれに対応できる機能が備わっている。 |
チェスター | へぇ。例えばどんなものがあるんだ ? |
クンツァイト | 戦闘に耐えられる素材を装甲にしているだけでなくリチアさまに危険が及んでも即座に駆け付けられるよう頭部装甲には集音センサーが内蔵されている。 |
カイウス | それじゃあ、今あそこでルビアやアーチェと喋っているリチアとの会話もクンツァイトには聞こえてるってことか。 |
クンツァイト | 無論だ。集音した音声は再生も可能となっている。 |
チェスター | 音声の再生 ? いや、ちょっと待て……。そのステキ機能を上手く使えば温泉に入ってるときに…… ! ? |
カイウス | おいチェスター。悪い顔になってるぞ。また変なこと企んでるんじゃないだろうな ? |
チェスター | いやいや、別になんもねえって。それより、そのステキ機能は実際使うとどういう感じなんだ ? |
クンツァイト | では、リチアさまの周囲の音声を半径5ワースに限定して再生してみよう。 |
クンツァイト(アーチェ) | ——でさぁ、あいつ、大口叩いてたくせに箒に乗せたら移動中もずっ~と泣いてんの。怖いなら怖いって言えばいいのに、意地はっちゃってさ。 |
クンツァイト(ルビア) | そうそう。カイウスもお化けが怖いのに絶対認めないの。あたしが一緒じゃなきゃ夜は一人でトイレにも行けなかったのよ。 |
二人 | ――ッ ! ! |
クンツァイト(アーチェ) | ……でも、あいつはあいつなりにアミィちゃんを助けるために頑張ってたんだよね。 |
クンツァイト(ルビア) | ……うん、カイウスもあんなに怖がりだったのにあたしが帝国に捕まったときも、必死で助けようとしてくれて……ちょっとだけ嬉しかったわ。 |
二人 | …………。 |
チェスター | あ、あんまこういうことはよくねえよな、やっぱり。 |
カイウス | そ、そうだな。なんだか盗み聞きしてるみたいだし……。 |
チェスター | おい、一応言っとくがオレは空を飛んだとき泣いてなんかなかったからな !あいつ……ほんっと適当なこと言いふらしてやがるな ! |
カイウス | オレだって、あんな話子供のときのことだぞ !大体、オレはお化けなんて怖くなんか……。 |
クンツァイト | ちなみに、このステキ機能は双方向仕様だ。 |
二人 | …………へっ ? |
クンツァイト | こちらの音声もリチアさまの周囲に届いている。 |
カイウス | ……ってことは。 |
チェスター | おい ! 逃げるぞカイウス ! ! |
カイウス | ちょ、ちょっと待てよ ! !何でオレまで ! ? |
二人 | こら ! 待ちなさーい ! ! |
リチア | …………。 |
クンツァイト | リチアさま……。 |
リチア | ……クンツァイト。貴方のそのステキ機能は今後、使用不可とします。 |
クンツァイト | ……了解。我が主の命令に従うのが、守護機士である自分の使命です。 |
キャラクター | 生み出される感情 |
クンツァイト | ――以上で自分の機能についての説明を完了する。何か質問はあるか ? |
チャット | 素晴らしいです ! !性能だけでなく、この洗練された完璧なフォルム ! !あ~、このまま一日中眺めていたいですッ ! ! |
すず | あの、チャットさん。クンツァイトさんをそろそろ解放してあげてください。私たちが大陸調査に行く時間がなくなってしまいます。 |
チャット | おっと、そうでしたね。すみません、つい興奮してしまいました。 |
チャット | あの、クンツァイトさん。もし宜しければボクの子分になりませんか ?あなたなら試験を免除して採用しましょう! |
クンツァイト | 拒否する。自分には既にリチアさまをお守りするという使命がある。 |
チャット | ぐぬぬ……。その忠誠心……。ますます子分にしたいところですが今回は引き下がることにしましょう。 |
チャット | しかし、クンツァイトさんのような方に出会えて感激しました。機械はここまでの進化を遂げる可能性を秘めているのですね。 |
すず | はい。私たちと同じ人間と遜色がありません。 |
クンツァイト | 肯定。自分は結晶界(クォーティア)の技術を駆使して造られた機械人であり、疑似スピリアを持った存在だ。 |
チャット | やはり異世界の技術には興味深いものが多いですね。疑似スピリア――人の心まで作り出すことができるなんて。 |
クンツァイト | いや、自分の疑似スピリアは人のものとは程遠く本来はリチアさまを守るためにしか存在していなかった。 |
クンツァイト | だが、シングたちと出会い自分のスピリアは変化していったのだ。 |
チャット | シングさんたちと……ですか ? |
クンツァイト | 自分は人の感情が理解できないただの『物』でしかなかった。 |
クンツァイト | だが、シングたちと出会い、彼らのスピリアと繋がることで自分は人の感情を知ることができたのだ。 |
すず | 人の感情、ですか。私も……クンツァイトさんの気持ちがわかるような気がします。 |
すず | 私も、クレスさんたちと出会って大切なことを沢山知ることができました。 |
すず | きっと、私にとってのクレスさんたちのような存在がクンツァイトさんにとっては、シングさんたちということなのですね。 |
クンツァイト | ああ。昔の自分ならば、ただの『物』に戻りたいと思っただろう。だが今は、自分が抱いているこの感情も、自分の感情だと信じることができる。 |
クンツァイト | だから、自分のスピリアに誓ったのだ。リチアさまを……そして、仲間たちを守るために自分は戦い続けるのだと。 |
すず | クンツァイトさん。その誓いは、とても立派なものだと思います。 |
チャット | ええ。あなたは機械としてだけではなく人としても崇高な方だったのですね。 |
クンツァイト | ……人として、か。 |
クンツァイト | その言葉を受け入れることができるのもこのスピリアから生まれる感情が『自分の物』だと信じられている証拠なのかもしれないな。 |