プロフィール
目を覚ますと、魔眼の痛みは嘘のように消えていた。しかしそれはイクスが痛覚のリンクを切り離したからだと知る。マスターの内部を蝕む虚無の痛み、マスターの痛み。そしてもう感じられなくなってしまった痛みに代わって胸に押し寄せる孤独と不安。新たな気持ちと装いに葛藤しながらもマスターと共に歩み続ける。「ずっと一緒にいたい」という変わらぬ願いを胸に。
ミリーナの一言
コーキスが元気になってカーリャもすごく喜んでいたわ。もちろん私もホッとした。コーキスはイクスの言葉を守って、私のことをいつも気にかけてくれていたから。ようやく一段落ついた訳だし、休めるうちにちゃんと休んで欲しいわ。私だけじゃなくてコーキスにも、イクスと二人っきりで過ごす時間をたっぷり確保してあげないとね。
イクスの一言
まさか俺の痛みをコーキスが引き受けてくれていたなんてな。痛覚のリンクを切り離してからは何ともないみたいでよかったよ。……あんな痛み、味わって欲しくないからさ。それにしても俺に負担がいくといけないからリンクを元に戻して欲しいだなんて、コーキスも心配性だよな。いや、それはマスターが俺だからか。服装の趣味は全然違うけどやっぱり俺の鏡精だな。
キャラクター | 趣味 |
---|---|
コーキス | はぁ…………。 |
アリーシャ | コーキス。何か悩み事があるのか ?私でよければ相談に乗るが。 |
コーキス | 俺……やっぱマスターの服の趣味だけは全然理解できなくてさ。どうしたらいいのかな。 |
ライラ | イクスさんの趣味……ですか ? |
コーキス | だってこの服装、ダサすぎだろ。前の眼帯もなかなかアレだったけど……。 |
アリーシャ | 私はコーキスに似合ってると思うが……。 |
エドナ | どっちも変わらないわよ。 |
カーリャ | イクスさまの趣味は受け入れるしかないとして……その服、お腹は大丈夫ですか ?冷えたりしません ? |
コーキス | 普段は全然平気なんだけどすっげぇ寒いとこだとさすがになぁ……。 |
カーリャ | ならこの後の初詣は別の服装で行ったほうがいいかもですね。 |
ライラ | ええ。今年のセールンドは妙に寒いみたいですから。 |
コーキス | うーん……別にいいよ。着替えるのメンドーだしちょっとぐらいなら寒くても大丈夫だって。この服、着てあげないのもマスターが可哀想だからさ。 |
カーリャ | ダメです ! 前の服でいいから着替えなさい !風邪を引いたら大変じゃないですか ! |
コーキス | 何だよ、パイセン風吹かせて !大体前の服だって、マスターに具現化してもらわなきゃ残ってねーし。 |
カーリャ | だったらミリーナさまにお願いしてあげます。イクスさまだってわかってくれますよ。 |
コーキス | うーん。まぁ、マスター、前の服も格好いいって言ってたからそれはそれで喜ぶか……。 |
コーキス | それにしてもホント、パイセンって妙なところ頑固だよな。 |
カーリャ | ……だって。 |
アリーシャ | 頑固にもなるだろう。虚無の痛みは眼球をえぐり出したくなるほどだったと聞いた。 |
アリーシャ | 例えそれほどの痛みでないにしろ腹痛でコーキスが苦しむ姿は見たくない。それがカーリャの思いというわけだ。 |
アリーシャ | 私にもその気持ちは理解できる。 |
カーリャ | ……そりゃ、可愛い後輩ですから。 |
二人 | …………。 |
コーキス | そっか……あのとき、だいぶ心配かけたもんな。パイセン……ごめん。それに、ありがとう。心配してくれてさ。 |
カーリャ | いえ、これも先輩の務めですよ。カーリャの後輩は、自分のお腹のこともおろそかになってしまう程未熟なようですからね。 |
コーキス | ちぇっ……いまに見てろよな。もっと腹筋鍛えまくって吹雪すら跳ね返すほどガッチガチにしてやる ! |
コーキス | 目指せ ! リッド様、ルーク様級のシックスパックだ ! |
カーリャ | けど筋トレやりすぎて全身筋肉ゴリゴリになり過ぎないで下さいよー。カーリャはナチュラルなのが一番だと思ってますから。 |
アリーシャ | 私としては、やはり鍛錬で身についた武人としての自然な肉体美こそ芸術的だと思うが。 |
ライラ | いやですわ。カーリャさんもアリーシャさんもはしたないですわよ。 |
アリーシャ | い、いえ。これはマーリンドでも申し上げた通りただの一般論でして、決して私の趣味ではなく―― |
エドナ | 一般論6割7分。趣味3割3分といったところかしら。 |
コーキス | ダメだ……マスターと同じくらいパイセンたちの趣味も理解できねぇや……。 |
キャラクター | 鏡精の誓い |
コーキス | おーい、マーク。アジトで余った日用品、持ってきたぞ。 |
マーク | ありがとよ。そこに置いておいてくれ。あとは俺が運んでおく。 |
カーリャ | はぁ……。今日も汗水たらして働いちゃいましたねぇ。帰ったら自分へのご褒美をしなくちゃです ! |
マーク | ははっ。パイセンもご苦労さん。この飴は俺から二人へのご褒美だ。救世軍は万年金欠だからこいつで勘弁してくれよ。 |
カーリャ | わぁ ! これ途中で味が変わるやつじゃないですかぁ ! |
コーキス | むっ……。 |
マーク | ――おっと。またうっかりパイセン呼びしちまった。悪かったな、カーリャ。 |
カーリャ | なんかもう今更って感じですしもうどっちでもよくないですか ? |
コーキス | よくねーよ ! |
マーク | そうだよな。カーリャはコーキスのパイセンだ。俺のって訳じゃない。けじめぐらいつけとかないとな。 |
カーリャ | ……マーク。 |
マーク | ……そういや、コーキス。お前、鏡士と鏡精を切り離す術を応用してイクスとリンクしていた痛覚を切り離したんだったな ? |
コーキス | ああ。それで虚無の痛みはもう感じなくなった。 |
マーク | それ以外には何も変わりないか ? |
コーキス | ない……と思う。多分。 |
マーク | そうか。なら別にいい。 |
コーキス | あのさ……。俺たち鏡精ってマスターである鏡士と切り離されたらどうなっちまうんだろうな。 |
コーキス | でっかくなると、小さい頃みたいにチキン肌になったりしないだろ。やっぱり何か変わるのかな……。 |
マーク | 怖いか ? |
コーキス | 正直に言うと……すげぇ怖いしどうなっちゃうんだろうって不安になる。 |
コーキス | 今回も、痛覚のリンクを切り離されただけなのにこのことを思い出すだけでなんか……すげぇ寂しい気分になるんだ。 |
マーク | ……そうか。そうなんだろうな。 |
カーリャ | もー、大丈夫ですよ。イクスさまは切り離したりしないって約束してくれたじゃないですか。 |
カーリャ | それに、コーキスは一人ぼっちにはなりませんよ。先輩である私がついてますから。 |
コーキス | けどさ、もしパイセンにも何かあったら……。 |
カーリャ | そのときはマークが駆けつけてくれますよ。この先、何があるかわからないですけどそれでも、きっとどっちかは無事です。 |
マーク | フッ……。パ――いやカーリャはホント能天気だな。そのうえ鏡精使いも荒いときたか。こっちは中年マスターの世話だけで精一杯なのによ。 |
カーリャ | 何です ? 駆けつけてくれないとでも ? |
マーク | それは…………ったく、わかったよ。ただ、一番優先するのはフィルだぞ。これだけは譲れねぇからな。 |
コーキス | ……マーク。 |
カーリャ | ちょっとは寂しさが和らぎました ? |
コーキス | ああ……俺もマスターが一番優先だけどパイセンやマークが困ったら必ず助けに行く。二人のことを一人ぼっちにはしない。 |
コーキス | これは俺たち鏡精三人だけの秘密の約束 !「鏡精の誓い」だ ! |
カーリャ | コーキスは友情の誓いとか薔薇の誓いとか好きですねぇ。まあ、悪くないですけど。 |
マーク | そうだな。まぁ、たまにはガキ臭いのもいいさ。 |
コーキス | じゃあ誓いの証として三人同時に飴を舐めるぞ ! せーの ! ! |
三人 | ……ぱくっ。 |
三人 | うん……美味い ! ! |
キャラクター | ひとつずつ出来ることを |
マーク | コーキス ! 魔物がそっちに行った。対応任せたぜ ! |
コーキス | わかった !絶対に……逃さない ! はあっ ! ! |
コーキス | よっしゃあ、倒した ! |
マーク | こっちも終わりだ。ふー……ひとまず片付いたな。 |
コーキス | ああ。突然大量の魔物が現れたって聞いたときはどうなることかと思ったけどなんとかなったな ! |
マーク | まったく、どこから湧いてきたんだか。これまで前兆もなかったよな ? |
コーキス | うん。この辺じゃ見かけない魔物だったしどっかから移動してきたのかな……。 |
マーク | 移動ねぇ……。つっても、この辺は平地ばっかりだろ ?どこから来たってんだよ。 |
コーキス | そんなの俺もわからないけど……空を飛んできたとか ! ? |
イクス | マーク、コーキス、そっちの様子はどうだ ? |
コーキス | あ、マスター !今のところ大丈夫だぜ。この辺じゃ見かけない魔物だったけど……。 |
イクス | え、本当か ?うーん、あまり放置しておきたくない情報だな。どこから来たのかわかるか ? |
マーク | それが、謎でさ。せめて手がかりでもあればいいんだけどな。 |
コーキス | 手がかりかぁ……。そんなものあるのかな……ん ? |
コーキス | なあ、マスター、マーク !こいつらの身体についてるこの種ってさ前にテセアラ大陸で見た植物のに似てないか ? |
マーク | ん ? ……うお。似てるっつーか、そのものじゃねえかよ ! |
コーキス | ってことは、こいつらテセアラ大陸から来たのか…… ? |
マーク | ああ、そういうことになるな。うーわ、マジかよ……。 |
コーキス | こっからだと相当遠いし……もしかして、本当に空を飛んできたとか…… ? |
イクス | あるいは、密売とか……。 |
コーキス | うえ ! ? 密売…… ! ? |
イクス | 最近、たまに聞くんだ。皮や食用目的で別の大陸から連れて来るっていう話。 |
マーク | どっちにしても、生態系が崩れるから勘弁しろって感じだな。ただ、出所さえわかれば調査は出来る。 |
マーク | コーキス、お前、観察眼が鋭くなってきたんじゃねえか ?成長してんだなぁ……。 |
イクス | ああ、お手柄だな !俺もちょっとびっくりしたよ。 |
コーキス | ふふん、そりゃな !俺だっていつまでも誰かの手伝いをしてるばっかじゃいられないし ! |
マーク | ははっ、なるほどな。んじゃ、この先もその調子で頼んだぜ ! |
コーキス | ああ、やってみる !こうやって出来ることが増えていけば、マスターだってちょっとは安心してくれるだろうしな。 |
イクス | そうだな !もっと活躍を見せてくれよ、コーキス。 |
コーキス | ああ、任せとけ !ひとつずつ出来ることを増やしてマスターもマークもあっと言わせてやるからな ! |