プロフィール
自称妖精のエトスに託された双子の赤ん坊の一人。くるりとカールした毛先とおでこのヘアバンドが特徴の女の子。片割れのディオが活発で少しばかり性急であるのに対して、メルは思慮深く、ともすればやや奥手な面もある。魔術の暴走で虹輪を生み出してしまったことを発端に、世界と時を旅する冒険へと踏み出すことになった。その旅路の果てに、自らのルーツへと至るのだが……それはまた別のお話。前向きだが無茶なディオと理知的だが少し奥手なメル。双子はお互いを補い合いながらこれからも成長していく。
ミリーナの一言
メルちゃんはディオの双子のお姉さんね。本当はどっちが上かわからないんだけど、元気いっぱいで忙しないディオのことをいつも心配して気にかけてるから、メルの方がお姉さんって印象を受けるわ。でも、本当はやっぱりまだまだ甘えたい年頃なのかも。時折、エトに会いたいってこぼしているのを見かけるわ。二人にとって親代わりみたいな存在なんですって。きっと優しいお母さんなんだろうなって想像してたのだけど、聞いてみたらカーリャに似てるっていうの。ちょっとイメージが違ったかも。
イクスの一言
メルは大人しいけど、すごくしっかりした子だよな。普段からディオだけじゃなく、周りのことをよく見て、気にかけているのが分かるよ。この間も、アジトの天窓の留め具がとれそうだって教えてくれたんだ。万が一にでも誰かの上に落ちてきたら大変だから、すごく助かったよ。そうなると俺たち二人とも、いろんなところが気になっちゃって、危険なところがないかアジト中を調べて回ったんだ。おかげでどこもかしこも完璧だよ。あれは充実した一日だったな。メルとはなんだか気が合うのかもしれないな。
キャラクター | 魔女たちの集会 |
---|---|
アーチェ | メルちゃーん、こっちこっちー ! |
メル | アーチェさん、ご用ってなんですか ? |
マギルゥ | ふふふ、待っておったぞ。お主が来るのを。そう……ずっと、長い間のう……。 |
二人 | 魔女っ娘クラブへようこそ ! |
メル | ま、魔女っ娘クラブ ?いったいなんなんですか、それは ? |
マギルゥ | いや、とくに何とかはない。 |
アーチェ | しいて言えば、魔女っぽい子たちで集まってみただけ ? |
メル | そこはせめて言い切ってください……。 |
マギルゥ | お、なかなか鋭いツッコミじゃの。我がマギルゥ奇術団の適正もあるやもしれん。 |
マギルゥ | してメルや、お主の使い魔はなんなのじゃ ? 儂には聖隷のビエンフーというのがおるが。 |
メル | 使い魔、ですか ? わたしにはそういうのはいませんけど……。 |
マギルゥ | なんじゃと ! ? 魔女といえば使い魔 ! 使い魔なしで魔女は名乗れぬぞ ! |
アーチェ | ちょっとちょっと、あたしだっていないけど ? 魔女といったら使い魔じゃなくて箒でしょ ! これにまたがって飛んでこそ魔女よ ! |
マギルゥ | か~っ、何を言うか ! 箒は掃除用具じゃぞ ! 魔女よりベルベットの方が扱いがうまいわい ! |
アーチェ | 掃除用具とは何よ ! あんたの使い魔だってろくに戦わないでえっちなことしてばかりじゃん ! |
メル | ふ、二人ともケンカしないでください ! そんなにケンカしていると『ボロンナボリリオン』の術をかけますよ ? |
マギルゥ | ぼ、ぼろんこ…… ? なんじゃ、そのおぞましい響きの術は……。 |
メル | ボロンナボリリオンです。この術にかかると、どんなものを食べてもかき氷みたく頭がキーンてするんです。 |
アーチェ | う、うっそだー ! そんな術はあたしは聞いたことないよ ? |
メル | わたしたちの時代に生まれた、最新の術です。特にボロンヌヌルスス細胞が多い魔術に長けた女性に効きやすいとか……。 |
マギルゥ | ま、待て待てーぃ ! いったん落ち着こうではないか ! 同じ魔女同士、な ! ? |
アーチェ | そ、そうだよ ! 仲良くしようよ、あたしたち魔女っ娘クラブでしょ ! ? |
メル | はい、使い魔や箒があってもなくても同じ魔女っ娘クラブの仲間です。 |
メル | (ちょっと、やりすぎちゃったかな……) |
キャラクター | もう一人の自分 |
ライフィセット | みんなのところへ行かないの ? |
メル | え……。フィー……くん ? |
ライフィセット | ごめんね、メルの姿が見えたから……。でも、声をかけないほうが良かったかな ? |
メル | ううん、そんなことないよ。ちょっと……考え事をしてたの……。 |
ライフィセット | ……考え事 ? |
メル | わたし、これからもディオの影に隠れてばかりなのかな、って……。 |
ライフィセット | もしかして……ディオと、ケンカしたの ? |
メル | ううん、そうじゃないの。自分が勝手に悩んでるだけ。 |
メル | ディオはいつも前向きで、ときどき無茶もするけどわたしの心配なんておかまいなしで進んでく。 |
メル | わたしはいつもディオの後をついていくだけ。 |
ライフィセット | メルは、ディオのことが羨ましいんだね。 |
メル | 羨ましい……うん。そうなのかも。 |
メル | わたしは、いつも考えてばかりで不安になって結局、何もはじめられないから。 |
ライフィセット | わかるよ、その気持ち。自分とよく似た誰かを比べちゃうんだ。 |
ライフィセット | 同じになりたいわけじゃない。追い越して、自分の方が上だって言いたいわけでもない。 |
ライフィセット | ただ、自分だけの何かがほしい……。 |
メル | フィーくんは、見つけたの ? |
ライフィセット | 見つけたっていうより、もらったんだ。だから、それをちゃんと自分の手で育てたいんだ。 |
メル | 自分で、育てるか……。できるかな ? わたしにも。 |
ライフィセット | できるよ。ぜったい。だって、メルにはディオがいるんだから。 |
メル | そっか、ディオがいるからわたしはわたしなんだ……。 |
メル | ありがと、フィーくんのおかげで元気出て来たよ。また、一緒にお話したいな。 |
ライフィセット | 僕でよければ、いつでも大歓迎だよ。 |
ライフィセット | そうだ、今度はディオも連れておいでよ。ベルベットにお菓子を作ってもらうから。 |
メル | うん、楽しみにしてるね ! |
キャラクター | 絆の形 |
ディオ | はぁ~、食った食った !テレサさんの料理、すっげー美味かったな ! |
メル | もう、はしたないでしょディオ。すみません……お邪魔したうえにご馳走までしてもらって。 |
テレサ | 構いませんよ。オスカーの手伝いをしてもらったお礼ですから。 |
オスカー | ああ、助かったよ、二人とも。目当ての本が絶版だと知ったときは諦めていたんだけど……。 |
ディオ | へへん、オレに任せてくれれば余裕だって !『なりきり士』として働いてるうちにいろんな情報が入ってくるからな ! |
メル | ちょっと、見つけたのはわたしでしょ ?自分の手柄みたいに……。 |
ディオ | メルが教えてもらったのはその本が売ってる古本屋の場所だけだろ ?棚から見つけたのはオレだっての。 |
メル | ずるいっ ! わたしだって探したもん ! |
テレサ | ……ふふっ。二人は本当に仲が良いのですね。 |
メル | えっ、そ、そんなことないですよ……。今だってこうして喧嘩してますし……。 |
テレサ | それも仲の良い証拠ではありませんか ?姉弟の間では喧嘩をするなんてよくあることです。 |
メル | えっ ? それじゃあ……テレサさんもオスカーさんと喧嘩するんですか ? |
オスカー | いや、僕は姉上と喧嘩したことはなかった気がするけど……。 |
ディオ | ほら、見ろ。テレサさんはメルと違っておしとやかで優しいから喧嘩なんかしないんだって。 |
メル | 違うもん ! ディオがオスカーさんみたいにちゃんとしてなくて、子供っぽいからでしょ ? |
オスカー | まぁまぁ、落ち着いて、二人とも。お互いが嫌いだから喧嘩をするわけじゃないだろう ? |
テレサ | ええ……互いを信用しているからこそ素直に意見をぶつけ合って成長していく。それも一つの姉弟の形ではないでしょうか。 |
テレサ | それにオスカー。あなたは覚えていないかもしれませんが小さい頃はあなたのやんちゃに随分と振り回されていたんですよ。 |
オスカー | ええっ ! ? そ、それは……申し訳ありません、姉上……。 |
テレサ | ふふっ、ごめんなさい。二人を見ていたら昔のあなたを思い出して少し意地悪したくなったのかも。 |
テレサ | でも、今の私たちのようにこの先もあなたたち二人が一緒にいる姿が目に浮かびます。 |
ディオ | それは、まぁ……メルがどうしてもって言うならオレは別にいいけど。 |
メル | 何よその言い方……。でも、わたしもディオ一人じゃ心配だし、頑張ってテレサさんみたいな優しいお姉さんになれるようにする。 |
オスカー | ああ。そうなればきっとディオも僕みたいな幸せな弟になれるだろうね。 |
ディオ | ……ん ? いや、ちょっと待て !なんでいつの間にかオレが弟でメルが姉になってるんだ ! ? |
テレサ | えっ、違うのですか ?メルからそう聞いたのですが……。 |
ディオ | メル ! お前また勝手なこと言ったな !こうなったら、今度こそどっちが上か虫とり対決で決めるぞ ! ! |
メル | あっ、ディオ ! ?もう、お子ちゃまなんだから……。 |
テレサ | メル、私たちのことは気にせずディオを追いかけてください。 |
メル | お騒がせしてすみません……。やっぱりディオは、わたしが一緒にいてあげなくちゃ。 |