プロフィール
家族の暮らしが一番大切。けれど家族だからこそ、運命に導かれ、再び旅立たねばならなくなった兄の想いも理解はできる。だから怒りも悲しも全てを飲み込み、彼女は兄を見送った。……とは言うものの、やはり帰りが遅い兄の動向が気になる。そして今度は自身が家を飛び出し、兄を叱るため闘技場に乱入、そして旅にも同行することに。右手におたまを、左手にフライパンを、心には溢れんばかりの家族愛を持ち、今日も彼女は兄のためにと大奮闘。
ミリーナの一言
リリスはおねだり上手なの。兄であるスタンさんはもちろんだけど軍人であるディムロスさんすら、リリスの「一生のお願い」には逆らえないみたいだわ。笑っているだけなのにどこか有無を言わさない圧迫感があるんですって。どういうことか考えてみたけど、それはリリスの妹らしさにあるんじゃないかしら。あんなに人懐こくて可愛い女の子に笑顔でおねだりされたら、誰でもそのお願いを叶えてあげたくなっちゃうわよね。リリスのおやつ代にポケットマネーを全部捧げた私が言うんだから間違いないわ。
イクスの一言
リリスはさすがスタンさんの妹だよ。エプロン姿で闘技場に乱入してきたと思ったら、チャンピオンのコングマンさんを一瞬で沈めるほど強いんだから。ソーディアンのディムロスさんも、リリスの強さをみて、ソーディアンマスターの素質はスタンさん以上かもしれないと驚いていたよ。けどそのことをリリスに話したら、ディムロスさんはスタンさんの剣だし、料理にも使いづらそうだから遠慮しておくって言われたんだ。あんなに強いのに家庭や家事のために、ソーディアンよりおたまとフライパンを取る所もすごいよなぁ……。
キャラクター | 死者の目覚めと兄貴たち |
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スタン | すこーー……すかー……。 |
リリス | うわぁ。本当に爆睡してますね。 |
ヒスイ | 言った通りだろ ?ケリュケイオンに物資を運び込む仕事があるってのに全然起きねぇんだよ。 |
アイゼン | 立ったまま昼寝だけでも信じられんが揺すっても、耳元で大声を出しても無駄だった。一通り手は尽くしたが、俺たちでは埒があかん。 |
ヒスイ | 寝起きの悪さは鏡映点の中でも有名だったがまさかここまで酷いとは思ってなかったよな。 |
リリス | それで困って私に声をかけたんですね ? |
アイゼン | ああ。お前はスタンの妹だと聞いた。何か策を知っていると踏んだわけだ。 |
リリス | わかりました。そういうことならお任せください !これがあれば兄を一発で起こせるので。 |
ヒスイ | それって……おたまとフライパンじゃねぇか。 |
アイゼン | こいつは俺の拳にも耐えやがった。そんなただの料理道具で起こせるとは思えんな。 |
リリス | 家では私がいつも兄を起こしていたんですよ。大丈夫ですから任せてください。さっそく起こしますから耳を塞いでください。 |
リリス | 右手におたまを ! 左手にフライパンを !横たわりし者に正義の鉄槌を !唸れ ! エルロン家秘技―― |
リリス | 「死者の目覚め」 ! |
スタン | ぐおおーーーーっ ! ! ! ! |
スタン | やあ、おはようリリス。 |
リリス | おはようじゃないでしょう !お仕事があるっていうのに昼寝して ! |
スタン | そ、そこまでリリスが怒ることないだろ。そりゃあ爆睡しちゃったのは俺が悪いけど……。 |
リリス | わかってるなら、まず二人に謝って !そしてお詫びとしてきっちり働くこと !わかった ? お兄ちゃん ? 返事は ? |
スタン | は、はい……わかりました。二人ともごめんなさい……。 |
リリス | よろしい。お二人もまた兄が粗相をしたら私に言ってくださいね。叱りますから。 |
リリス | あっ、私もお仕事があるのでそろそろ失礼します。兄をよろしくお願いしますね。それでは。 |
ソーディアン・ディムロス | 形無しだな、スタン。 |
スタン | ……うるさい。はぁ……リリスは昔からちっとも変わらないんだよなぁ。 |
二人 | …………。 |
スタン | あれ ? アイゼンさんもヒスイもさっきからずっと黙っているけど……どうかしたのか ? |
アイゼン | お前の妹……リリスと言ったな。 |
ヒスイ | 名前は覚えたぜ。 |
スタン | えっ…… ? |
二人 | あれこそ妹の鑑だ。 |
キャラクター | あなたがあの時の |
リリス | やっぱりリオンさんって以前伝説のにんじん探しを手伝ってくれた人ですよね ?ほら、私ですよ私。覚えてますか ? |
リオン | 森に入るなりいきなり襲いかかられたんだ。忘れるわけがないだろ。 |
リリス | よかった、覚えていてくれて。あの時はお世話になりました。 |
リリス | けど……そっかぁ。ふふっ、あなたがあのリオンさんだったんですね。 |
リオン | 何がおかしい。 |
リリス | 旅から帰ってきた兄からリオンさんのことを色々聞かされたんです。 |
リリス | だからいったいどんな人なんだろうなってずっと気になっていたんですがそれがようやくわかってスッキリしたんです。 |
リリス | けどお兄ちゃんから聞いた話を思い出すとやっぱりあなたしかリオンさんはいないですよね。特徴がピッタリ当てはまるんですもん。 |
リオン | スタンが……僕のことを話していたのか ? |
リリス | はい。お兄ちゃん、リオンさんのことを嬉しそうに話していましたよ。 |
リリス | 強くて、頭が良くて、意外と優しいところもあってすっごく良い奴。旅で新しく出来た自慢の友達なんだって。 |
リオン | そ、そうか……。 |
ソーディアン・シャルティエ | 坊ちゃん……。 |
リリス | あれ……リオンさんってばもしかしてちょっと照れてます ?やっぱりお兄ちゃんに聞いた通りだ。 |
リオン | うるさい。僕をからかうな。 |
リリス | わぁ ! この反応も聞いていた通り ! |
リオン | 黙れ。これだから馬鹿と話していると疲れるんだ。僕はそろそろ行かせてもらうぞ。それから……このことは黙っていろよ。 |
リリス | もちろん。アイスキャンディー屋を探してリーネ村まで来ちゃったことはお兄ちゃんには秘密にしておきます。 |
リオン | 僕が言いたいのはそういうことでは……まったく、もうどうでもいい。やはりお前はスタンの妹だな。 |
リリス | 能天気で図々しくて馴れ馴れしい、ですか ? |
リオン | その通りだ。 |
キャラクター | 待つ者の気持ち |
リリス | こぉーらぁぁーーっ ! !お兄ちゃんっ ! 待ちなさーい ! |
リムル | リリスさん ! ?おたまとフライパンを持って何を…… ? |
リリス | あっ、リムル !お兄ちゃんを止めて !力づくでいいから ! |
リムル | スタンさんなら、もうゲートから地上に行ってしまいましたよ。 |
リリス | ……逃げられちゃったかぁ。もう、お兄ちゃんのバカ ! |
リムル | また何かあったんですか ?スタンさんと。 |
リリス | それが……お兄ちゃんたち、どこかの街へミクなんとかって人に会いに行くらしいの。最初は友達か何かかなって思ったんだけど……。 |
リリス | 後でディムロスさんたちに聞いたらすっごく危険な相手だから調査しに行くんですって !世界を滅ぼそうとしたとか。 |
リリス | お兄ちゃんったら、私に言ったら止められると思って黙ってたんだわ。もう、信じられない ! |
リムル | スタンさん、そんな危険な任務に……。 |
リリス | ……いつもいつも、そうなんだから。私がどれだけ心配してるか知りもしないで。 |
リムル | …………。 |
リリス | リムル…… ?どうしたの、なんだか落ち込んでるみたい。あなたには怒ってないわよ。 |
リムル | あっ、いえ……。わたしが一人で武者修行に出ていた時、母さんもそんな風に心配していたのかなと思ってしまって。 |
リリス | きっと、そうだったんじゃないかしら。家族が危ない目に遭ったらって考えると誰だって怖いもの。 |
リムル | やっぱり、そうですよね……。 |
リリス | ……本当は、こんな心配いらないってわかってはいるんだけどね。 |
リムル | えっ ? |
リリス | お兄ちゃん、いつもはぼーっとしててもいざという時は本当に頼りになるから。 |
リリス | きっと私が心配なんかしなくても世界の危機だろうとなんだろうとぱぱっと救って帰ってきちゃうんだと思う。 |
リムル | ……そうですね。スタンさんなら、きっと。 |
リリス | わかってるけど、それでも心配になっちゃうの。だって……大事な家族なんだもん。 |
リムル | リリスさん……。 |
リリス | ねえ、リムルはどう思ってた ?お母さんと離れて修行に出ていた時……。故郷に帰りたいと思わなかった ? |
リムル | ……時々は。でも、やっぱりわたしにはやりたいことがあったから。それを投げ出して帰っても母さんの前で、心から笑えないと思って。 |
リムル | スタンさんも、きっと同じだと思います。どうしても自分がやらなきゃいけないことだから心配させるのがわかっていても、止められない。 |
リリス | ……そっか。そうなんだろうね。そんな時、待ってる私に出来ることってなんだと思う…… ? |
リムル | 待っていてくれるだけで、いいんだと思います。いつか帰った時に笑顔で迎えてくれるって思うだけで……わたしは寂しくなかったから。 |
リリス | ……わかった。うん !しょうがない、私はお兄ちゃんが帰ってくる場所をちゃんと守ってあげようかな。 |
リムル | ええ、わたしも一緒にいますから。かあさ……じゃなくて、リリスさん ! |