プロフィール
古代大戦を終結に導いた英雄の一人。だが世界を救う偉業を為すも、狭間の者であるがゆえ人間からの裏切りに遭い、彼女は命を落としてしまう。優しかった弟、勇者ミトスは絶望に暮れ、歪んだ理想の体現「千年王国」計画を推し進め始める。「大いなる実り」の中に、精神を繋ぎ止められた彼女は、為すすべもなく、変わりゆく弟と世界を憂うしかなかった。だがそれでも、彼女の願いは変わらない。たとえ自分が犠牲になろうとも、差別も迫害もない世界が見たいのだと。
ミリーナの一言
マーテルさんって、しっかりしていて落ち着いたお姉さんって感じなのに、時々突拍子もない言い間違いとか、思いがけない失敗なんかをすることがあって、とっても微笑ましくて可愛いの。ユアンさんがあれこれ世話を焼いてしまうのもわかる気がするわ。ギャップにときめくというか……守ってあげたくなっちゃうのよね。でもそれだけじゃなくて、耳の痛くなるようなこともはっきり言ったりするところは、英雄と呼ばれていただけのことはあるなって思うわ。元の世界では色々大変だったと思うから、せめてここでは安らかに過ごして欲しいわね。
イクスの一言
マーテルさんは、積極的に色んな人たちと関わっているんだ。はじめは、明るくて社交的な人なのかと思ったけど、最近はそれだけじゃないようにも感じるんだよな。掃除当番を忘れたとか些細な諍いであっても、真摯に事情を知ろうとして、間を取り持とうとしたりして。大げさかもしれないけど、マーテルさんは人という存在を心から信じ、慈しんでいるように思えるんだ。そんな生き方は、傷つくことも多いかもしれないけど、マーテルさんのような人が救われる世の中になるといいよな。そのために俺自身も、マーテルさんを見習ってもっと強くて優しい人になりたいよ。
キャラクター | 遺伝情報 |
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マーテル | 機材はここに置いておけばいいかしら ? |
カロル | うん、OKだよ。ありがとね、マーテル。ホント助かっちゃった。何かお礼しなきゃだね。 |
マーテル | 気にしなくていいのよ。役に立てただけで十分嬉しいもの。他に何か手伝えることはある ? |
カロル | ううん、もう大丈夫だよ。ハロルドから頼まれた仕事がまだ残ってるけどそれはボク一人でちゃっちゃっと片付けちゃうから。 |
ハロルド | それはもう片付いてるわ。コレットが手伝ってくれたおかげでね。 |
カロル | ハロルド ! そうだったの ! ? |
コレット | カロル、ちょっと忙しそうだったでしょ。私、ちょうど時間が空いてたから代わりにやっちゃったんだ。迷惑だったらごめんね。 |
カロル | むしろ大助かりだよ。マーテルもコレットもすごく親切だよね。 |
ハロルド | 性格における類似点発見っと。他にも共通点があるかしら。くぅ~、解剖したくなってきたわ ! |
二人 | 解剖…… ? |
カロル | ちょ、ちょっと ! ハロルドってば何言ってるの ! ? |
ハロルド | だって極めて近い遺伝情報を持ってる二人組って珍しいのよ !解剖したくなるのが自然でしょ ! |
カロル | いや、全然わかんない……。なんなの、そのイデン何とかって ? |
ハロルド | 本来は親から子、子から孫へと伝わる血縁関係者の特徴……といった意味合いね。 |
ハロルド | ただ、コレットたちの世界の遺伝情報がこの世界の遺伝情報と同じ定義かはまだ研究途中よ。それを差し引いても二人には興味をそそられるけど。 |
ハロルド | この二人は極めて近い遺伝情報を持っている。姉妹や双子ならわかるけど、赤の他人なのに。これは偶然とは思えないほど珍しいことなのよ。 |
ハロルド | そんな二人が目の前にいる。科学者としては類似点はもちろん異なる点も徹底的に調べて遺伝情報に関する研究をしたくなるものなのよ ! |
マーテル | ふふ、結局そこに戻るのね。ハロルドは面白い人だわ。でも、解剖されてしまうのは困るかしら……。 |
コレット | 私も……ハロルドの役に立つなら研究に協力したいけど解剖はちょっと……怖いよ……。 |
ハロルド | ふむふむ。解剖に関しては消極的、と。また類似点を発見したわ。これも遺伝情報に関係しているのかしら。 |
カロル | うーん……よくわかんないけどとにかく、二人に似ているとこがあるのはそのイデンジョウホウってやつが同じせいなんだ ? |
ハロルド | その可能性があるっていうぐらいのことね。 |
コレット | あっ、それなら私とマーテルさん他にも似ているところがあるのかな。 |
マーテル | そうかもしれないわね。もしかしたら、私もコレットみたいに壁に穴をあけたりもできるのかも ! |
カロル | そうなの ! ? イデンジョウホウってなんかすごいね ! |
コレット | わー、だとしたらミトスも転んだときは壁に穴をあけちゃうのかも ? |
マーテル | あら、あの子も壁に穴をあけられるの ?だったら私もあけてみたいわ ! |
ハロルド | ふむふむ。天然気味なところも共通点っと。 |
キャラクター | どの世界でも |
ヒルダ | マーテル、なんだか楽しそうね。 |
カイウス | 何かいいことでもあったのか ? |
マーテル | いいえ、大したことではないの。ちょっとミトスとジーニアスのことを思い出していただけよ。 |
カイウス | あの二人って仲がいいよな。さっきも一緒にどっか出かけて行ったぞ。 |
マーテル | カイウス。あなたもミトスと仲良くしてくれているわよね。ありがとう。 |
カイウス | そ、そうか ?オレはただ普通に接しているだけだけど。 |
マーテル | その普通というのが難しいものだったの。私たちの世界では、ね。 |
ヒルダ | そうかもしれないわね……。理由はわからないでもないけど。 |
カイウス | ……そうだな。オレもヒトとレイモーンの民のハーフだからわかりあえていることがあるのかもしれない。 |
マーテル | ヒトとレイモーンの民のハーフ ? |
カイウス | オレの世界にはヒトとレイモーンの民っていう二つの種族がいるんだ。けどレイモーンの民はヒトから差別や迫害されたりしてさ……。 |
カイウス | レイモーンの民の血が流れてるってだけで酷い扱いを受けることがあったんだ……。 |
マーテル | ……種族の違いによる差別や迫害は私たちの世界だけの問題ではないのね。 |
ヒルダ | ええ、どこも変わらないってことよ。 |
カイウス | けど、もしどこの世界も似たようなものだって言うなら、どこの世界であっても、種族を越えてわかりあえる日が来るってことだとも思うんだ。 |
ヒルダ | 私やあんたの世界と同じように ? |
カイウス | ああ。もちろんミトスとマーテルさんの世界でも。少なくともオレはそう信じてるよ。 |
マーテル | ……カイウス。 |
ヒルダ | ふっ……あんた、面白いことを言うじゃない。 |
マーテル | ええ……差別や迫害がなく皆が平和に暮らせる日が来ることを私も信じたいわ。 |
キャラクター | 優しいお節介 |
マーテル | ……ええと、やっぱりこっちの包み紙のほうがいいかしら ? それとも、こっちの柄のほうが……。 |
ユアン | ――マーテル ! ? なんだ、この大量の箱は ! ? |
マーテル | あら、おかえりなさい、ユアン。予定より早かったわね。 |
ユアン | あ、ああ。イクスたちには簡単な報告をするだけだったから……いや ! こちらの話はいい !この山積みされた箱は一体なんなんだ ! ? |
マーテル | そうよね……ごめんなさい……。急に家の中が箱でいっぱいになっていたらビックリするわよね……。 |
ユアン | あ、いや、お、怒っているわけじゃないんだ。それで、これは君が買ったものなのか ? |
マーテル | ええ。ミトスが持っていく手土産に丁度いいんじゃないかと思ったの。 |
ユアン | 手土産 ? |
マーテル | ほら、あの子も他の大陸にいる子たちからお茶会やパーティーに誘われることが多くなったでしょ ? |
マーテル | そういう時に、お礼の品として持っていけるものがあればと思って用意したのだけれど……。 |
ユアン | そういうことか……。事情はわかったが、こんなに用意する必要はなかったのではないか ? |
マーテル | そうよね……。少し買い過ぎてしまったかも……。 |
ユアン | ……まあ、幸い日持ちのするもののようだし少しずつ持っていってもらえばいいだろう。 |
ユアン | あいつも、君が用意したものを無下にはすまい。 |
マーテル | ねえ、ユアン。私って、ちょっとあの子に対して過保護かしら ? |
ユアン | 元の世界にいた頃よりはかなり、な。だが、君がミトスのことを気に掛けるのは当然だ。別に悪いことではない。 |
ユアン | それに、あいつにはずっと友達と呼べる者が近くにいなかった……。君が喜ぶ気持ちも理解できるさ。 |
マーテル | あの子は心の奥底の優しさを本当は皆に向けたいのだと思うの。でも、やっぱり自分を許せないんだわ。 |
マーテル | だからせめて、今のあの子を受け入れてくれる人には感謝の気持ちを送りたいの。出しゃばりだとは思うのだけれど。 |
ユアン | 保護者というのは、いつの世も出しゃばりなものだ。構うものか。 |
ユアン | それに君に愛情を向けられるミトスは幸せ者だ。君たちは妬けるぐらいに仲がいい。 |
マーテル | まあ、ユアンったら。本当に可愛らしい人ね。大丈夫。妬かなくてもミトスはユアンのことが好きよ。 |
ユアン | ん ? あ、いや、そっちではなく―― |
マーテル | ふふ、義理のお兄さんがこんなにも愛してくれていると知ったら、あの子も喜ぶわ ! |
ユアン | いや、だからそれは―― |
マーテル | そうだ ! 最初の話に戻るけれどこのお菓子を包む紙が決まらなくて悩んでいたところなの。 |
マーテル | ユアンも一緒に選んでくれるかしら ?ミトスもきっと喜ぶでしょうしユアンはとてもセンスがいいから。 |
ユアン | ――え ? そ、そうだろうか !ま、まあ、君がそう言うなら私も協力しよう。 |
マーテル | ありがとう、ユアン。やっぱり、あなたはとても頼りになるわ。 |
ユアン | いいんだ。君たち姉弟に振り回されるのは私にとっては幸せなことだからな。 |