プロフィール
ローレライ教団の最高指導者。だがその正体は、今は亡き導師イオンのレプリカであった。己は被験者(オリジナル)イオンの代用品としての役割を課せられた傀儡でしかない。だが同じレプリカでありながら、自らの意思で困難に立ち向かうルークと、不良品として廃棄されこの世を憎むシンクと出会い、彼もまた生きる意味を模索し始める。誰かの代わりの暗い生に終止符を打ち、自身が望む光あふれる未来を目指して。
ミリーナの一言
イオンさんは、元の世界では病弱で、あまり体力がなかったんですって。けどティル・ナ・ノーグに来てからはハロルドのおかげで、普通に生活する分には支障がないそうなの。医療班からも問題ないと診断されて、ダアト式譜術の鍛錬も始めたみたい。イオンさんを見ていると、何か特別なことをしているわけじゃないけど、それがとても幸せそうに見えるのよね。自分がしたいことを思い通りにできるって、当たり前のようでいて、きっとかけがえのないことなんだと思うわ。
イクスの一言
イオンさんって一見小さくて華奢な感じがするけど、実は思ったより背が高いんだ。それにイオンさんが導師を務めているローレライ教団っていうところは、騎士団を抱えていて、導師もこっちで言う魔法みたいなものも扱うし、武術もたしなむんだって。イオンさんは病弱だったから筋力が落ちてるけど、元になった人は筋力も桁外れに強かったらしいんだ。ということは、イオンさんも鍛錬が進めばすごい力持ちになったりするのかな…… ?
キャラクター | 見た目によらず |
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ヒスイ | ったく、リチアとクリードはどこいったんだ。この場所でフローラも含めた三人でピクニックをしてるはずなんだがな。 |
イオン | あ、ヒスイさん、クンツァイトさん。リチアさんとクリードさんならここでお昼寝をしていたので、僕が談話室にお運びしました。 |
ヒスイ | ああ、そうだったのか……って、待て !イオン、お前がたった一人であの二人を運んだのか ! ? |
イオン | は、はい。少し雲行きが怪しくなってきたので雨に打たれてはと思いまして。いらぬお節介でしたら申し訳ありませんでした。 |
クンツァイト | リチアさまの身を案じての行動は感謝に値する。しかしどうにも腑に落ちない。 |
ヒスイ | あの二人は結晶人なんだ。リチアに言ったらボコられるが……すっっげぇ重てぇんだぞ ? |
イオン | ああ、そういうことだったんですね。確かにその……重いなとは……。 |
クンツァイト | イオン、自分との腕相撲勝負を推奨する。これによりお前の腕力についての情報を一瞬で詳細に測定可能。発言の真偽も判明する。 |
イオン | ええっと……わかりました。まだ力を長時間維持することは難しいのですが腕相撲くらいなら問題ないと思いますし。 |
イオン | 僕としても自分の身体のことはきちんと把握しておきたいので。 |
ヒスイ | なら短期決戦ってことで、さっそくいくぜ !二人とも準備はいいな……………レディ……ファイトッ ! ! |
二人 | ………………………。 |
ヒスイ | ……おい、何をジッとしているんだ。もう腕相撲ははじまってんだぞ。 |
クンツァイト | じ、自分は……全力を出して、いる…………。 |
ヒスイ | なんだと ! ? |
イオン | あっ、クンツァイトさん、すごく強いですね ! ? |
ヒスイ | どういうことだよ ! ? |
クンツァイト | しゅ、出力最大値突破…………測定可能上限値を遥かに上回り未だ測定不能……。リミッターを解除し測定方法を分析方式に―― |
アニス | ダメーーーーッ ! ! |
一同 | アニス ! ? |
アニス | 何してるんですか、イオン様 ! ?いくらこの世界では身体の調子がよくても本気で力を使ったら倒れちゃいますよ ! ? |
イオン | ご、ごめんなさい、アニス。この世界では導師としての力を思いきり出せるのが嬉しくて、つい……。 |
イオン | でも、大丈夫です。本気を出す前にアニスが止めてくれましたから。 |
アニス | も~、気を付けて下さいよ ! |
二人 | ……本気じゃなかった、だと。 |
キャラクター | 再会を祝して |
ティア | イオン様…… ?どうかされましたか ? |
イオン | ……オールドラント領の森林地帯を眺めていました。あの森、チーグルの森に似ていると思いませんか ? |
ティア | チーグルの森……。はい、懐かしいですね。 |
イオン | ……僕がルークとティアに初めて出会った場所。思い起こせば、あれから色々なことがありましたね。まさか異世界に来るとまでは思いませんでした。 |
ティア | …………。 |
イオン | ティア。僕はあなたが無事でよかったと思っています。 |
ティア | えっ…… ? |
イオン | ルークやアニスの反応を見ていればわかります。未来の世界で、僕はあなたの瘴気を受け取って死んだ。そうでしょう ? |
イオン | いざというときには僕はそうすると心に決めていましたから……。 |
ティア | ……はい。私はイオン様のおかげで助かりました。ですが代わりにイオン様は……私なんかのために…………。 |
イオン | 僕と皆さんとでは具現化時間軸が異なるのであくまで推測でしかないですが……きっと僕は、誇りに思っていたと思いますよ。 |
イオン | こんなに無力で弱い僕でも大切な仲間の命を守ることができたのですから。 |
ティア | ……イオン様。 |
イオン | ですから自分を責めないでください。ましてや罪滅ぼしなどもってのほかです。 |
ティア | ……はい。イオン様の想いを無下にする浅はかな考えでした。ありがとうございます。 |
ティア | ですが……どうか1つだけ私からイオン様にお願いをさせてください。 |
イオン | ええ、いいですよ。なんでしょう。 |
ティア | 譜歌を詠わせて欲しいんです。 |
イオン | 僕に詠ってくれるんですね。それは嬉しいです。ティアの譜歌はどこか懐かしい感じがして僕、とても好きなんですよ。 |
ティア | ええ、アニスから聞きました。ですからこれは……再会を祝して―― |
イオン | ありがとう、ティア。 |
キャラクター | レゾンデートル |
イオン | どうでしたか、シンク。イクスサロンの感想は。 |
シンク | 時間の無駄だね。妄想と思考実験のなれの果ては精神の崩壊ってやつなんじゃない ? こういうのは死霊使いの得意分野でしょ。 |
イオン | フフフ……。 |
シンク | 何 ? |
イオン | ジェイドも同じようなことを言っていましたよ。「下手の考え休むに似たり、もっと足下を見た方がいいのではありませんか」って。 |
イオン | ジェイドは人文科学には興味がないそうです。 |
シンク | どうだかね。考え尽くして一度深淵にでも落ちたから避けてるんじゃないの。 |
ルーク | ――何だよ、お前ら。サロンが終わってもまだ難しい話をしてるのかよ。 |
シンク | 可哀想に。お前は脳みそが劣化して生まれたからこの程度の話を難しく感じるんだよ。 |
リベラ | シンク ! 人に劣化なんて言ったらダメなんだよ。アニスが言ってた。 |
シンク | うるさいな。どうせ相手は人じゃなくてレプリカだ。 |
リベラ | レプリカも人なの。クレアが言ってた。ピーチパイのことを美味しいと思う心は同じなんだよ。ほら、ルークに謝るの。 |
シンク | うるさいな。あーあ、本当のことを言って悪かったね。 |
リベラ | ごめんね、ルーク。さ、シンク。ご褒美にネヴァンからお菓子をもらおう。 |
シンク | だから、腕を引っ張るな ! 肩が―― |
ルーク | ……シンクの奴、相変わらずだな。 |
イオン | そうですね……。いえ、でも少し変わったかも知れません。 |
ルーク | そうか ? |
イオン | 元の世界にいた頃のシンクなら、僕と同じ空間にいることすら拒絶したのではないかと思うんです。 |
イオン | けれど今のシンクは、少しだけ譲歩してくれているように感じます。 |
ルーク | 今は敵対する必要がないから、とかかな。 |
イオン | そう……なんでしょうか。 |
イオン | 理由はわかりませんが、嬉しいです。シンクがシンク自身に、被験者イオンのレプリカであるということ以上の意味を見出し始めているような気がして。 |
ルーク | そうだといいな。俺は仲間が――イオンやみんながいてやっと、俺が俺であるって思えるようになったから。 |
イオン | 僕も、ですか ? 僕は何も……。 |
ルーク | 何言ってんだよ。イオンはすげえ重要だぜ。 |
ルーク | だってイオンが何人いても、ルークのレプリカが何人いても、チーグルの森で出会ったのは俺とお前だけなんだから。 |
イオン | ! ! |
ルーク | だからさ、特別なんだ。 |
イオン | はい。僕たちはお互い、唯一無二であることの証明者ですね。ありがとう、ルーク ! |