プロフィール
フォドラを滅ぼすヒトが憎い。それが、唯一持ち得た感情だった。だからヒトを拒絶する。それ以外に語り合うすべを知らないから。だが、あの少女は違った。ヒトを愛しヒトと共に生きようとする少女。わたしと同じフォドラの子。少女はヒトと過ごす時が違うことに苦しんでいた。ならば、すべてをひとつにしてしまえばいい。そうすれば少女の痛みも悲しみもすべて“わたし”に変わるのだから。
ミリーナの一言
リトルクイーンとソフィはよく似ているわ。見た目だけならソフィより少しお姉さんね。でも、ずっと一人でいたから、あまり人と話すことに慣れていないみたい。だから、ソフィは「自分がお姉さんになるんだ」って張り切ってるわ。わからないことを教えてあげて、言葉で上手く伝えられない時もフォローして、早くみんなと仲良くなれるようにしてあげるんですって。お姉さんというよりお母さんかも。私も、早くリトルクイーンと仲良くなりたいわ。だって、あんなに可愛い女の子とお話ができるなんて絶対に楽しいに決まっているものね !
イクスの一言
リトルクイーンの生まれた星は人類によって滅びかけたって聞いた。ラムダの話を聞いたときも思ったんだけど、国や技術が発展すると人は自分が一番偉いと勘違いしてしまうのかもしれない。俺はこの世界を守るために強くなっているつもりだけど、それで蔑ろになっているものもあるんだろうか……。もしかしたらアスベルは、そういうことをしてしまわないよう、必死にリトルクイーンやラムダの心を知ろうとしたのかもしれないな。
キャラクター | お姉ちゃん |
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ベルベット | どうしたの、ソフィ ?って、なんでその子もいるのよ。 |
ソフィ | ベルベットに、謝りに来たの。 |
リトルクイーン | あなたの認識を操ったことは謝るわ。……ごめんなさい。 |
ベルベット | べつに謝る必要なんてないわよ。あんたのやったことは気に入らないけど一緒にいる間は、それほど悪い気分じゃなかったわ。 |
ベルベット | たとえウソでも、幻でもあたしはラフィを守れていたから……。 |
ベルベット | 感謝しているとは言わないけどそのことでチャラにしてあげるわ。 |
リトルクイーン | チャラ ? それはどういう意味なの ? |
ベルベット | もう怒ってないってことよ。 |
リトルクイーン | そう……。 |
ソフィ | よかったね。許してもらえて。 |
リトルクイーン | そうね。 |
ベルベット | まったく……これで用は済んだ ?あたしはもう行くわよ。 |
ソフィ | 待って、ベルベット。姉弟って、どんな感じ ? |
ベルベット | 急にどうしたのよ。 |
ソフィ | わたしとこの子は家族だから。 |
ベルベット | ああ、そういうこと。ソフィはお姉ちゃんらしくしたいのね。 |
ソフィ | わたし、お姉ちゃん ? |
ベルベット | 親子ってほど歳が離れてないし。だったら姉妹じゃない。 |
ソフィ | 姉妹……わたしがお姉ちゃん…… ? |
ベルベット | あんたも呼んであげたら ?お姉ちゃんって。 |
リトルクイーン | お姉ちゃん…… ?そう呼ぶことに、どんな意味があるの ? |
ベルベット | 意味なんて言われるとこっちも困るけど。そもそも、そんな棒読みじゃ……。 |
ソフィ | ……ッ ! |
ベルベット | ……これでも充分嬉しそうね。 |
ソフィ | わからない。でも、すごく、すごく…… ! |
ベルベット | はいはい。わかったから落ち着きなさい。あんたも、もうちょっと感情を込めて言えるようにならないとね。 |
リトルクイーン | なぜ ? |
ベルベット | それは自分で考えなさい。理由がわかれば自然と呼べるようになるわ。 |
リトルクイーン | ……わかった。考えてみる。 |
ベルベット | ソフィも、あまり無理強いはしないようにしなさい。 |
ソフィ | ベルベット、お姉ちゃんって何をすればいい ? |
ベルベット | なんでもいいわよ。聞かれたら答えてあげればいいし。心配ならついていてあげれば ? |
ソフィ | うん、わかった。ありがとうベルベット。 |
ベルベット | はいはい。 |
ベルベット | ……お姉ちゃん、ね。 |
キャラクター | 温かいヒト |
ヴェイグ | こうやって、クレアとお茶を飲むのも久しぶりだな。 |
クレア | ヴェイグ、ずっと忙しかったものね。 |
リトルクイーン | ヴェイグ……。 |
ヴェイグ | おまえは……。……何か用でもあるのか。 |
リトルクイーン | あなたに謝りに来たの。 |
ヴェイグ | ……謝罪は必要ない。 |
ヴェイグ | おまえは自分を守るためにやったんだろう ?認識を歪められたことは、気分の良いことではないがそれを今さら責めるつもりはない。終わったことだ。 |
リトルクイーン | そう……。 |
ヴェイグ | どうした ? まだ何か言いたいことがあるのか ? |
リトルクイーン | ベルベットにも、同じようなことを言われたわ。だけど、わたしは……。 |
リトルクイーン | ……上手く言葉にできない。 |
クレア | もしかして、ヴェイグに謝りたかったんじゃなくてもっと他のことを伝えたかったんじゃないのかしら。 |
リトルクイーン | 他のこと…… ? |
クレア | ヴェイグはあなたを守っていたって聞いたわ。 |
ヴェイグ | それは、この少女がクレアに見えていたからだ。意識ははっきりしているようで根本的な部分がすり替わっていたように思う。 |
クレア | それでも、この子はあなたに守られていたとそう感じたのよ。 |
リトルクイーン | ソフィが言っていたわ。誰かと一緒にいると温かいんだって。 |
リトルクイーン | 前はわからなかったけど、今ならわかる。ヴェイグとベルベットは温かかった。 |
クレア | そう、あなたは嬉しかったのね。二人が側にいてくれたことが。 |
リトルクイーン | こういう時、ヒトはどうするの ? |
クレア | たったひと言「ありがとう」でいいのよ。 |
リトルクイーン | ありがとう…… ? |
クレア | 感謝を伝える言葉よ。誰かに嬉しいをもらったら、そう言うの。 |
リトルクイーン | ヴェイグ……ありがとう。 |
ヴェイグ | ……ああ。 |
リトルクイーン | ……不思議。これが嬉しい…。 |
クレア | 感謝するのもされるのも、とても素敵なことよ。あなたにもそれが感じられたのね。 |
リトルクイーン | ええ……あなたの名前を教えて。 |
クレア | 私はクレアよ。 |
リトルクイーン | クレア……覚えたわ。クレア、ありがとう。 |
クレア | どういたしまして。よかったら一緒にお茶をどう ?ピーチパイもあるわ。 |
ヴェイグ | ああ、そうするといい。 |
リトルクイーン | ……いいの ? |
ヴェイグ | おまえはもう仲間だろ。今度はオレの意思で守る。 |
ヴェイグ | ……それに、クレアのピーチパイは美味しいだろ ? |
キャラクター | 守るべきもの |
シェリア | ソフィ ! 魔物がそっちに行ったわよ ! |
ソフィ | わたしは大丈夫。―― ! ? シェリア、危ない ! |
シェリア | えっ ? ――きゃっ ! ! |
リトルクイーン | …………っ ! |
シェリア | ま、守ってくれたの…… ?ありがとう。おかげで助かったわ。 |
ソフィ | 手強かったね。二人とも無事でよかった。 |
リトルクイーン | …………。 |
シェリア | ……どうしたの ? どこか怪我した ? |
リトルクイーン | いいえ。わたしは無傷……。ただ、不思議に思っただけ。 |
ソフィ | 何が不思議なの ? |
リトルクイーン | わたしが、ヒトを守ったこと……。フォドラの敵を……わたしが、この手で。 |
ソフィ | シェリアは敵じゃないよ。だから守ってくれたんだよね。 |
リトルクイーン | そう……それは知っている。あなたが、教えてくれた。このヒトたちは、敵じゃないと……。 |
リトルクイーン | でも、今の感覚は何か……違う。敵じゃないから、だけでは説明できない。とっさに体が動いていた。 |
リトルクイーン | 覚えているのは……恐怖を感じたこと。シェリア、あなたが―― |
シェリア | えっ ! ? わ、私が怖いってこと…… ?別に怖くないわよね、ソフィ ! ? |
ソフィ | うーん……今はちょっと目が怖いよ、シェリア。 |
リトルクイーン | ……そうじゃないの。確かに、以前はヒトが怖かった。でも、今の恐怖は違う―― |
リトルクイーン | わたしが怖かったのは、あなたが傷つくこと。わたし自身が傷つくことよりも。どうして ? わからない……。 |
ソフィ | そっか……わたし、わかったよ。あなたは、シェリアを大事だと思ったんだね。 |
リトルクイーン | 大事……わたしが、ヒトを ? |
ソフィ | 「ヒト」じゃないよ、シェリアだよ。……わたしの家族で、あなたの家族。 |
リトルクイーン | 家族……シェリアが無事だとわかってわたしの胸が温かくなった。この温かさが、家族ということ…… ? |
ソフィ | 今はまだ、ぼんやりしているかもしれないけど一緒にいればだんだんわかると思うよ。わたしも、そうだったから。 |
シェリア | ソフィ……。そうね。二人とも私の大事な家族だわ。今度危ない時は私があなたを守るわね。 |
ソフィ | うん、わたしも ! 一緒に守るよ。 |
リトルクイーン | ……ありがとう。 |
リトルクイーン | わたしの新しい、大事なもの……家族。わたしはもう、一人じゃない……。 |
リトルクイーン | ――守ってみよう、この『家族』を。フォドラは失くしてしまったけれど……。もう、失くしたくないから。 |