プロフィール
聖寮の一等対魔士として、秩序維持のため日夜自らの使命を果たす。研ぎ澄まされた美貌と厳格な教条主義的な言動は、彼女に『氷の聖女』という二つ名をもたらした。しかし、彼女には何にも勝る大切なものがあった。異母弟のオスカー。彼にだけは、慈愛に満ちた微笑みを向ける。そしてまた、彼のためならその身さえ捨てる激しさも秘めていた。
ミリーナの一言
テレサにとって、弟のオスカーさんがかけがえのない存在なんだっていうことは強く伝わってくるわ。何にも代えられない大切な人を守りたいという気持ち……それは、私にもわかるもの。そのためになら手段を選ばないということも、私には否定出来ない。だからこそ、幸せになって欲しいわ……。
イクスの一言
テレサさんは凛とした女性っていう印象があるんだよな。戦うことに迷わない覚悟を持っているっていうか……。それって、きっと色々なことがあったからこその覚悟なんだと思うんだ。守りたい人がいるから、彼女は強いんだろうな。誰かのために戦う覚悟、か。テレサさんのものとは少し違うかも知れないけど、俺も大切な誰かや何かを守るための覚悟は持ち続けたいと思うよ。
キャラクター | 広がる優しい絆 |
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ソフィ | テレサ、久しぶり。 |
テレサ | あら ? ソフィ、久しぶりですね。今日はお買い物ですか ? |
ソフィ | うん。今日はシェリアと一緒なんだ。 |
テレサ | シェリア…… ? |
シェリア | こんにちは、テレサさん。この間、ソフィと一緒にチョコレートを作ってくれたと聞きました。どうもありがとうございます ! |
テレサ | ああ、ソフィの仲間の……。いえ、私はただ一緒に行動させてもらっただけです。 |
テレサ | ……むしろ、私のほうがお礼を言わなければ。ソフィたちが誘ってくれたおかげで弟にチョコレートを渡すことが出来ましたから。 |
ソフィ | オスカー、喜んでくれた ? |
テレサ | ええ、とても。 |
ソフィ | よかった。わたしもシェリアやアスベルたちに渡したらすごく喜んでくれたよ。 |
シェリア | ソフィたちが心を込めて作ってくれたんだって思うと、すごく幸せな気持ちになりました。オスカーさんもきっとそうだったんでしょうね。 |
テレサ | ええ……。 |
テレサ | 今まで、姉弟らしいことをして過ごすことも少なかったので。ずっと争いのなかに身を置いていたり……他にも、色々。 |
テレサ | だからこそ、こうしてなんでもない日々を過ごせることが奇跡のように思えてしまって。……少し、大げさですけど。 |
シェリア | そんなことないです。大変な思いをしたからこそ、穏やかな時間をこれ以上ない宝物だと感じるんですよ。 |
テレサ | ええ……そうですね。 |
シェリア | あ、そうだわ !テレサさんは料理は得意ですか ? |
テレサ | え ? ええ、そうですね。人並みには出来ると思うけれど……。 |
シェリア | 今日、ソフィの好きなカニタマを作るつもりで買い出しに来ていたんです。 |
シェリア | もしよかったら、テレサさんやオスカーさんの好きなものも教えてもらえませんか ? それで一緒に作ってみんなで食べるのはどうでしょう ? |
ソフィ | うん。オスカーとも、一緒にごはん食べたいな。 |
テレサ | ……あなたたちには、たまたま出会って誘われるということが多いですね。 |
シェリア | ふふ。だって、せっかく会えたんですもの。こういう機会は大切にしなきゃ。 |
テレサ | そうですね……。最近は、私もそう思うようになりました。 |
テレサ | ですから、よければご一緒させてください。もしも時間が許すのなら、私の家で。 |
ソフィ | うん、行きたい !そうしたら、オスカーにも会えるね。 |
シェリア | 急に行って迷惑でないなら、ぜひ。みんなの好きなものをたくさん作りましょう ! |
テレサ | ええ。では、オスカーの好きなキッシュを。それと、ソフィとシェリアの好きなものですね。 |
ソフィ | うん、カニタマと焼き鳥丼。 |
テレサ | ふふっ、わかりました。今日は久しぶりにたくさん料理を作ることになりますし張り切っておもてなしさせてもらいますね。 |
キャラクター | 夢見ていた日々を |
テレサ | オスカー、お茶を淹れました。一緒に飲みませんか ? |
オスカー | ありがとうございます、姉上。いただきます。 |
テレサ | ああ、本を読んでいたのですね。この間買ってきたものかしら ? |
オスカー | はい。姉上に選んでいただいた小説です。面白かったのでつい夢中になってしまいました。 |
テレサ | それならよかったわ。表紙のデザインがよかったという理由だけで選んでしまいましたから。 |
テレサ | どんなお話なの ? |
オスカー | ……血の繋がらない兄弟の話です。生まれた当初は一緒に暮らすことが出来ずお互いを兄弟と呼ぶことも許されませんでした。 |
テレサ | …………。 |
オスカー | ですが、それぞれが成長し、自らの立場を乗り越えて最後は堂々と兄弟を名乗ることが出来るようになるという物語です。 |
オスカー | ……こういう物語を、姉上が買ってきてくれたということに、感謝しています。 |
テレサ | ……さっきも言ったけれど、デザインがよかったという理由で選んでしまったの。私の主観が入らないほうがいいかと思って……。 |
オスカー | ええ。ですから、この本が僕の手元に来たのは本当に偶然なのでしょう。 |
オスカー | だからこそ、運命のようにも感じるんです。 |
テレサ | 運命……。 |
オスカー | そうです。僕は……もしも願うことが許されるのならこの本の兄弟のようになりたいと思っています。 |
テレサ | …………。 |
オスカー | この世界には、元の世界のしがらみはありません。少なくとも、僕や姉上に関しては、ですが。 |
テレサ | そうね……。ここには、聖寮もドラゴニア家もありません……。 |
オスカー | はい。だからこそ、今の僕たちは本当にただの姉と弟のように、この場所にいられる。 |
オスカー | ……そうですよね ? |
テレサ | ええ……そうよ。私たちに、やらなければならないことはもう、何もない。 |
テレサ | 私はあなたのそばにいて、あなたの好きなものを毎日作って、食べてもらうことが出来る。 |
オスカー | 僕も、怪我さえ治れば姉上を手伝うことが出来る。この先どうやって生きていくのかということも姉上と相談して決めることが出来ます。 |
オスカー | 他の誰に意見を聞く必要もない。僕たちだけの意志で決めることが出来るんです。 |
テレサ | ……まるで、夢のような話ですね。 |
オスカー | 夢ではありません。今はこれが現実なんです、姉上。 |
テレサ | ええ……ええ、そうね。ここにある生活が、私たちの現実なのだわ。 |
オスカー | これからのことを考えましょう、姉上。二人で生きていくための、未来を。 |
テレサ | ……そうしましょう。私とあなたとで、穏やかな日々を送るための大切な話し合いをしなくちゃ。 |
テレサ | こうして、一緒にお茶を飲みながら、何度でも。 |
キャラクター | 相性は…… |
ベルベット | …………。 |
テレサ | ……なんですか ?先ほどから微妙な顔をして。 |
ベルベット | 別に……。あんたとこうして一緒にキッシュを作るとは思わなかったってだけよ。 |
テレサ | それは……私も同じです。元の世界では考えもしませんでした。 |
ベルベット | ……ほんとに、何が起こるかわからないものね。 |
テレサ | ええ……。 |
テレサ | …… ? ちょっと待ってください。ベルベット、私たちはキッシュを作るんですよね ? |
ベルベット | そうよ。だからこうして仕込みをしてるんじゃない。ウリボアの肉。 |
テレサ | キッシュに……そんなにたくさんの肉を ? |
ベルベット | ええ。美味しいじゃない。ウリボアの肉の風味が出るしお腹にもたまるから。 |
テレサ | 確かにその点は同意します。ですが、それにしても多すぎるのでは……。 |
ベルベット | 多すぎるってことはないでしょ。別に溢れるほど入れるわけじゃないし。っていうか、あんたもなんなのよ、それ。 |
テレサ | それ、って……パプリカです。知らないわけではないでしょう ? |
ベルベット | キッシュにパプリカ ?野菜を入れるならホウレン草でしょ。 |
テレサ | 確かにホウレン草は定番だと思います。ですが、キッシュは工夫次第でいくらでも具材を変えられるのです。 |
ベルベット | は ? つまり、あたしが何の工夫もせずに作ってるって言いたいわけ ? |
テレサ | そういうことではなく―― |
ライフィセット | …………。 |
ベルベット | ……ちょっと、フィー。なにニヤニヤしてんのよ。 |
ライフィセット | あ、ご、ごめん…… !ベルベットとテレサ様が仲良くしてるのが嬉しくて。 |
テレサ | 私たちが、仲良く…… ? |
ライフィセット | うん。キッシュに入れる具材について熱く語り合うくらい仲良くなったんだなあ、って ! |
ベルベット | べ、別に語り合ってたとかじゃ……。 |
テレサ | ……まあ、ベルベットの言うお肉が多めのものも美味しそうではありますが……。 |
ベルベット | 鮮やかな色の野菜を入れるっていうのも華やかになっていいんだろうけど……。 |
ライフィセット | わあ、本当だ ! どっちも美味しそう…… !えへへ、完成するの、楽しみにしてるね ! |
二人 | …………。 |
ベルベット | ……ま、こんなくだらないことで争っても仕方ないわね。 |
テレサ | そうですね……。作り手のこだわりも必要ですが食べてもらう人の笑顔が何より大事ですから。 |
テレサ | お互い、一番美味しいものを作りましょう。……なんて、こんな結論を出せるようになったのも不思議な話ですね。 |