プロフィール
幼い頃から祖父アルバの元で弓の稽古に励んでいた少女は、ある男性に恋心を抱いていた。しかし、彼は王族の人間であり、歳もほとんど一回り離れてしまっている。だが、少女にとってそれは些細なことでしかない。彼を守るために弓の腕を研鑽し、いつか彼の心を射止めるための努力を惜しまなかった。果たして、少女の想いが比翼連理となるのか、それは未来のみぞ知ることである。
ミリーナの一言
チェルシーはまだ小さいのに、スタンさんたちと一緒に世界中を旅をしていたなんて凄いわよね。ただ、そのことを話したら、チェルシーからは「子供扱いしないでください ! 」って言われたの。でも、その怒った顔も可愛くてついつい頭を撫でちゃって、また叱られちゃったわ。そのあと、ちゃんと頭を撫でたい理由を話したら、たまになら撫でていいって言ってくれたの。だから、今度チェルシーが頑張っているところをみたら、いっぱい頭を撫でさせてもらうつもりよ♪
イクスの一言
チェルシーの弓の腕前は大人顔負けの実力なんだ。話を聞いたら、昔から祖父のアルバさんって人に弓の稽古をつけてもらっていたらしくて、その人はウッドロウさんの弓の先生でもあったんだってさ。そのアルバさんって人も凄い人なんだろうけど、きっとチェルシー自身も凄く努力した結果なんだって俺は思うよ。まさに、チェルシーの弓の腕前は一意専心の賜物ってことだな。そういうところ、俺も見習わなくちゃ !
キャラクター | 恋のキューピッド |
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チェルシー | これでよし、と。あとは私の弓で……ふふふ♪ |
チェスター | よお、チェルシー。随分と機嫌がいいな。何かいいことでもあったのか ? |
チェルシー | チェスターさん。はい。丁度、弓矢の手入れが終わったところなんです。 |
チェスター | なるほどな。確かに、普段自分が使うものが綺麗になってるとテンションも上がるよな。 |
チェスター | しっかし、チェルシーの弓矢は手入れが行き届いてるぜ。特にこれなんてピカピカじゃねえか。 |
チェルシー | これはおまじない用の大切な矢ですからね。 |
チェスター | おまじない ? |
チェルシー | これで好きな人の胸を射ると両想いになれるんですって。えへ♪ |
チェスター | ……なあ、一応確認しとくんだが本当にこれで胸を撃ち抜くつもりじゃないよな ?その、お前が好きな人の……。 |
チェルシー | 私のウッドロウさまへの想いを疑うというんですか ! ?私はいつだって本気ですよ ! |
チェスター | ちょっと待て !それ、なんか色々とやべえだろ ! |
チェルシー | そうなんですよね……。私、何度もこの矢を使おうとしたんですけどその度にウッドロウさまには勘付かれてしまって……。 |
チェスター | いや、そういう問題じゃねえんだが……。 |
チェルシー | ですが ! 今の私には 強力な助っ人がいるんですよ ! |
チェスター | 助っ人 ? |
すず | ――チェルシーさん、お待たせしました。 |
チェスター | ……おい、まさか、助っ人って。 |
チェルシー | はい、私もすずさんのように自分の気配を消すコツを教えてもらっているんですよ。 |
すず | 残念ながら、伊賀栗流は門外不出の忍法なので教えることはできませんが、気配を消すというだけなら忍法を使わずとも技術を習得することは可能です。 |
すず | なので、微力ながら、私もお手伝いさせていただくことになりました。 |
チェスター | なあ、すず……。わかってるのか ?チェルシーのやろうとしてることは……。 |
すず | はい。承知しております。チェルシーさんには、自分の手でどうしても射止めなければならない相手がいると。 |
チェスター | いや、それは間違ってねえんだがあのな、すず。チェルシーが言ってんのはだな……。 |
すず | ……分かっています。ですが、忍者でなくとも人は非情にならなくてはいけないときがあります。 |
すず | チェルシーさんにとってはそれほどの相手ということです。 |
チェスター | いや、その口ぶりは絶対分かってねえ ! |
チェルシー | では、今日もよろしくお願いしますね、すずさん ! |
すず | はい。では、チェスターさん。私たちは失礼いたします。 |
チェスター | おいっ、待て二人とも ! !……駄目だ、行っちまいやがった。 |
ウッドロウ | どうしたんだい、チェスター君。何やら少し騒がしかったようだが ? |
チェスター | ウッドロウ……。あんた、しばらくは気を付けたほうがいいぜ。いつどこで狙われるか分からねえからな……。 |
キャラクター | いつまでもお傍に |
チェルシー | マリーさん、頼まれていたじゃがいもの皮むき終わりました~ ! |
マリー | ありがとう、チェルシー。助かったよ。 |
チェルシー | いえいえ、他にも手伝えることがあったらなんでも仰ってください。 |
マリー | そうだな、わたしの持ち場は大丈夫なんだがルドガーはどうだ ? |
ルドガー | うーん、こっちも仕込みはほとんど終わったから他に頼めることは……。 |
ファラ | ねえ、チェルシー、それなら少しだけこっちを手伝ってもらってもいいかな ? |
シェリア | みんなの分の食器を先に用意してもらいたいの。お願いできるかしら ? |
チェルシー | はいはい~。お任せください ! |
ルーティ | ただいま~。って、夕食の時間には少し早かったみたいね。 |
マリー | ルーティ。すまないがもう少しだけ待っていてくれ。その代わり、今日はルーティの好きな煮込み料理も用意しておいたぞ。 |
ルーティ | 本当 ! ? ラッキー !な~んか、そんな気がしてたのよね~。 |
チェルシー | もう、ルーティさんってばご飯が楽しみで帰ってくるなんて子供みたいですね。 |
S・アトワイト | ふふっ、言われてるわよ、ルーティ。 |
ルーティ | 仕方ないでしょ。本当に楽しみにしてたんだから。 |
ルーティ | だいたい、チェルシーが食堂にいるのもあたしと同じ理由なんじゃないの ? |
チェルシー | ぶー、違いますー。今の私はファラ生活向上委員会の見習いをやってるんです。 |
ルーティ | 見習い ? なんでまた急に ? |
チェルシー | それはもちろん、ウッドロウさまにふさわしいお嫁さんになるためです ! |
ファラ | チェルシーってば凄いんだよ。料理だけじゃなくて、掃除や洗濯だってパパっとやってくれるし、わたしたちは大助かりだよ。 |
ルドガー | そうだな。本人は見習いだっていうけれど俺たちにとってはチェルシーも立派なファラ生活向上委員会のメンバーだよ。 |
チェルシー | いえいえ、私なんて皆さんと比べたらまだまだ若輩の身なので、粉骨砕身の勢いで頑張らせていただきます ! |
ルーティ | ふーん。ま、理由は分かったけど実際のところ、チェルシーは今のウッドロウでも結婚したいって思うわけ ? |
チェルシー | 当たり前じゃないですか !どうしてそんなこと聞くんですか ? |
ルーティ | いや、今のウッドロウって王様どころか王族でもないわけでしょ ? だから、結婚したところで地位も権力も手に入らないわよ ? |
チェルシー | ……ルーティさん、勘違いしているようですけど私がウッドロウさまをお慕いしているのはそんな理由だからじゃありません。 |
チェルシー | 私にとって、ウッドロウさまはウッドロウさまです。誰よりも優しくて、強くてカッコいいウッドロウさまが私は大好きなんです。王族なんて関係ありません。 |
シェリア | ……そうよね。本当に好きな相手だったら、例え立場が違ったとしてもその気持ちは変わらないわよね。 |
チェルシー | はい、ですから私はいつでもウッドロウさまのお嫁さんになれるように花嫁修業の真っ最中というわけです。 |
ルーティ | ふーん、そういうものなのかしら。あたしにはさっぱりね。 |
マリー | なに、いずれルーティにも分かる日が来るさ。 |
チェルシー | まったく、恋する乙女の気持ちが分からないなんてやっぱりルーティさんは、まだまだ子供ですね。 |
ルーティ | ……なんか、最後の台詞は釈然としないけど要するに、チェルシーにとってはウッドロウと一緒にいることが大切ってことね。 |
チェルシー | はい ! ウッドロウさまのお傍にいられることが私の幸せです ! |
キャラクター | 心ときめくものを |
チェルシー | (うぅ~ん……。大人っぽく見えるアクセサリーは……) |
チェルシー | (…………むぅ、なかなかないなぁ。この街だったら素敵なものが見つかると思ったのに) |
チェルシー | (……あっ ! このペンダント可愛い !雪の結晶のガラス細工が付いてる。うわぁ……) |
ジュディス | …………。 |
チェルシー | (い、いや、ダメダメ !今日は大人っぽく見えるのを買うって決めて来たんだから ! ) |
ジュディス | ……ふふ。 |
チェルシー | ! ? ジュディスさん ! ?いったい、いつからそこに……。 |
ジュディス | あなたがこのお店で立ち止まってアクセサリーを見始めたあたりかしら。 |
チェルシー | だいぶ前からじゃないですか !もう、いたなら声をかけてくださいよー。 |
ジュディス | ごめんなさい。あまりにも真剣だったから。 |
ジュディス | そのペンダントを買うの ? |
チェルシー | えっ ! ? えっと……。確かにとっても可愛いなとは思ったんですけど……ちょっと子供っぽくないですか ? |
チェルシー | 私、もっと大人っぽい服とかアクセサリーを身に付けたいと思ってるんです ! |
ジュディス | 大人っぽい、ね……。 |
チェルシー | ……やっぱり、おかしいですよね。 |
ジュディス | おかしくはないわ。理想とする女性像を目指すのは当たり前のことだもの。 |
ジュディス | けれど、無理に選んだものより自分が心から「素敵だ」と思ったものを身に付けたほうが、魅力的に見えるんじゃないかしら。 |
チェルシー | えっ ? そうですか…… ? |
ジュディス | 自分に自信を持てなければ、背中が丸まって素敵には見えないでしょう ? |
チェルシー | …… ! なるほど、確かにそうです…… ! |
チェルシー | 自分の心がときめかないものをただ大人っぽいというだけで選んじゃダメなんですね……。 |
ジュディス | ダメということはないけれど、おすすめはしないわ。それよりも大切なことってあると思うもの。 |
チェルシー | ……私、決めました !この雪の結晶のペンダントを買うことにします ! |
チェルシー | ちょっと子供っぽいかもしれないけれど……これが一番ときめきましたから ! |
ジュディス | いい笑顔ね。素敵よ。 |
チェルシー | えへへ、ありがとうございます ! |
チェルシー | これからも、自分のときめきを大切にアクセサリーや服を選ぶようにします。 |
チェルシー | そうしたらきっと、みんなにときめいてもらえる私になれるはずだから ! |
ジュディス | ええ。私も、その笑顔にときめいてしまったわ。今度会ったときはどんなあなたになっているか楽しみにしているわね。 |
チェルシー | はいっ ! |