プロフィール
1200万人以上が利用するネットワークRPG『The World』のプレイヤーで、『碑文使い』という特別な力を有している。『三爪痕(トライエッジ)』と呼ばれる謎のPK(プレイヤーキラー)に友を奪われ、復讐のため修羅の道を歩み、やがて、PKを殺すPK──PKK『死の恐怖』として他のプレイヤーから恐れられるようになった。それは失ったものを取り戻す旅であり、新たに出会う旅でもあった。純粋がゆえの激情に突き動かされていた少年は成長し、やがて未来という無限の扉へと辿り着く。
ミリーナの一言
ハセヲさんはちょっと怖い印象があるけど、本当は優しい人なんじゃないかしら。大切な誰かを失った時、どんな行動をするのかにその人の性格が現れるって言うでしょう ? ハセヲさんは理不尽な出来事にとても怒ったのよね。その気持ち、私にもよくわかるわ。そしてたった一人で復讐を遂げようとした。それってつまり、誰も巻き込みたくなかったんだと思うの。目的のために手段を選ばず他人を利用する道だってあったのに……。そこがハセヲさんらしさなんだと思うわ。
イクスの一言
やっぱり一緒に戦ったからかな。ハセヲはよくラタトスクと一緒にいるんだ。お互い罵り合いながら、クレス道場で模擬戦をしてるんだよ。端から見てるとケンカでもしてるみたいなんだけど、あれで意外と気が合うみたいでよかったよ。まあ、白熱し過ぎて本気のケンカになることも多いみたいなんだけど。そういう時はラタトスクをマルタが、ハセヲをアトリが止める。どっちも相手に弱いらしくて、お説教がはじまったら今度は協力して逃げ出すんだ。本当にいいコンビなのかもな。
キャラクター | 双子 |
---|---|
ディオ | メル、それ食べないのか ?んじゃ、いただきっ ! |
メル | あー ! 最後に食べようと思ってたのに ! |
ディオ | もぐもぐ……あ、そうなの ? わりーわりー。 |
メル | ちょっと、返しなさいよ ! |
ディオ | オ、オレ、ロクロウさんと稽古の約束あるから !んじゃっ ! ! |
メル | も~、いつも勝手なんだから ! |
ハセヲ | おい。 |
メル | あ……、ハセヲさん。な、なんですか。 |
ハセヲ | これ、やる。 |
メル | え……。 |
ハセヲ | 好きなんだろ。これ。だったら遠慮すんな。 |
メル | は、はい……ありがとうございます。 |
ハセヲ | じゃあな。 |
メル | あ、あの ! |
ハセヲ | ん……なんだ。 |
メル | ハセヲにいちゃん ! ありがとう ! |
ハセヲ | な…… ! ? いきなり何言ってやがる ! |
メル | えっと、こうしたら喜ぶってアトリさんが……。 |
ハセヲ | アトリのやつ…… ! |
メル | あの……ハセヲさん、兄弟がいるんですか ? |
ハセヲ | 兄弟じゃねえ……。ただ、知り合いに双子がいただけだ。 |
ハセヲ | 兄ちゃん兄ちゃんって付きまとってきて……。お前ら見てると、なんか思い出すんだよ。 |
メル | そうだったんですね……。 |
ハセヲ | お前らとはあんま似てないんだけどな。 |
ハセヲ | 姉の朔は生意気で会ったばかりの頃はやたら俺に噛みついてきやがった。 |
ハセヲ | 弟の望は内気だけど穏やかで心の優しい奴だった。 |
ハセヲ | あいつらは、いつも一緒なんだけど実際はものすごく遠い……そんな双子だ。 |
ハセヲ | チッ……余計な話しちまった。 |
ハセヲ | とにかく、双子だからずっと一緒ってのは絶対じゃねえ。いなくなってから後悔しても遅えんだ。 |
ハセヲ | お前らも、それだけは覚えておけ。 |
キャラクター | TheNewWorld |
ハセヲ | まだ、信じられねえよな。俺たち、本物の異世界にいるんだぜ。 |
アトリ | 私もこれは夢なんじゃないかって時々思います。 |
アトリ | なにより、自分がアトリなのが不思議です。 |
ハセヲ | リアルの自分か……。 |
ハセヲ | 元の世界じゃ、ただの学生だったからな。それが今じゃ剣と魔法でモンスターと戦ってるんだ。マジでラノベとかアニメの世界だよな。 |
アトリ | ハセヲさんって、そういうの見る人だったんですね。 |
ハセヲ | なっ……そのくらい誰だって見るだろ。つーか、よく考えたら俺たちお互いのリアルのことほとんど知らねえのか。 |
アトリ | 私の……。 |
ハセヲ | ンな顔すんなよ。リアルのことなんざ今さらだ。俺たちはもうこの身体で生きていくしかねえんだ。 |
アトリ | ……私の、せいですよね。 |
ハセヲ | ん…… ? |
アトリ | 私がハセヲさんに会いたいって思わなければ別の世界に取り残されることもなかったから。 |
アトリ | 家族やお友達とも会えないし向こうに残してきた物だってたくさん……。 |
ハセヲ | 今さら文句言っても仕方ねえよ。だいたい、元の世界にはもう一人俺がいるんだ。残して来ただのってのとは違うだろ。 |
ハセヲ | それに、お前が望まなきゃ俺は存在すらしなかった。そう考えりゃむしろ感謝しなきゃならねえかもな。今、俺は確かにここにいるんだから。 |
ハセヲ | だから、別に怒っても恨んでもねえしなにより、その……お前を放っておけねえだろ。 |
アトリ | …………。 |
ハセヲ | うっ……鈍いやつだな !だから、一緒にいてやるって言ってんだよ ! |
アトリ | ハセヲさん……それって……。 |
ハセヲ | よし、この話は終わりだ。アジトに帰るぞ。 |
アトリ | 待ってください、もう一度ちゃんと言ってください ! |
ハセヲ | 嫌だ。 |
アトリ | お願いです ! もう一回 !今度はしっかり心に刻みたいんです ! |
ハセヲ | だから嫌だって言ってんだろ ! |
アトリ | どうしてですか ?なんで言ってくれないんですか ? |
ハセヲ | 恥ずかしいんだよ ! |
アトリ | 大丈夫です、ここには私たちしかいませんから。さあ、さあ。 |
ハセヲ | お前、こういう時だけなんで強気なんだ……。 |
ハセヲ | とにかく、今はダメだ ! |
アトリ | ええー、そんなあ……。 |
アトリ | あれ ? 今は、ということは別の機会ならいいんですか ? |
ハセヲ | うっ……いつかな。そのうちだ。あんまり期待せずに待ってろ。 |
アトリ | はい ! 待っています !いつまでも、ずっと……。 |