プロフィール
騎士の家系に生まれた訳ではなかった。しかし皇太子ウォーデンの乳兄弟となったことから、彼の人生は一変する。母のため、そして自分を取り立ててくれたウォーデンのため、バルドは人生の全てを国と主に捧げると誓った。それは死しても変わらない。アニムス粒子になろうとも、鏡映点の体に宿ろうとも、新たに生を受けようとも。バルドの命はつねにウォーデンの為にあり、彼を守るために捧げられるのだ。
ミリーナの一言
フレンさんの体に宿っていたときのバルドさんは、バルドさんなりにフレンさんらしく振る舞おうとしていたらしいの。でもついつい女の人に見とれてしまって、変な誤解を受けたりしたこともあったみたい。その度に、フレンさんに叱られていたんですって。ちょっとその現場を見てみたいわよね。そのせいかフレンさんを見かけると、つい背筋が伸びてしまうみたいなの。意外と子供みたいなところがあるのかもしれないわね。
イクスの一言
バルドさんはたまにアジトに遊びに来ることがあるんだ。ナーザ将軍やメルクリアの手前、長居はしないんだけど、クレス道場で稽古するのが楽しいって言ってたよ。でも道場ではいつもマリーさんやクロエとばかり手合わせしてるし、気付くと道場を抜け出して、食堂でファラとかベルベットさんと話したり、かと思えばエルやアミィと遊んでたり……。疑うのはよくないけど、実は女の人が目的なんじゃないかな…… ?
キャラクター | 環境を大切に |
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バルド | ウォ……ナーザ様。ご相談があるのですが。 |
ナーザ | どうした。神妙な顔をして。 |
バルド | 私たちの環境には足りないものがあります。 |
ナーザ | 金か ? まあ、確かに食べ物などは具現化で作っても結局、術者のエネルギーを減らしてしまうから―― |
バルド | いえ、女性です。 |
ナーザ | ………………。 |
バルド | ……何かおかしなことを言いましたか ? |
ナーザ | 貴様は……肉体を得たと思ったら、すぐにそれか ! ?生前、何があったか忘れた訳ではあるまい ! |
ナーザ | 貴様を取り合って、女たちが公然と罵り合い武器まで持ち出す始末だったではないか。 |
ナーザ | どちらも貴様と結婚の約束をしたと騒ぎ立てローゲがその場を収めようとしたものの収拾が付かずに大変であった。 |
ナーザ | しかもようやく現場に貴様が来たかと思えば隣に別の女を連れて―― |
バルド | あれは誤解だと申し上げたではありませんか。 |
バルド | 争っていた二人は、私の言葉を誤解しただけですし連れていたのは宮殿で迷っていた客人です。心細かろうと、案内役を買って出たまで。 |
ナーザ | 誤解を招くようなことをするのがいけないのだ。それでも貴様は年長者か ! ? |
バルド | 私の修行が足りぬことは間違いありません。その点は深く反省しています。ですが、ここには女性が必要です。 |
ナーザ | まだ言うか ! ? 愚か者が ! ! |
バルド | メルクリア様のためです ! |
ナーザ | ! ! |
バルド | メルクリア様も女性です。私たちには言えぬような悩みがあるやも知れません。 |
ナーザ | それは……確かにそうだな。……しかし、すまなかった。俺が穿った見方をしていたようだ。 |
バルド | いえ、全ては私の日頃の行いのせいですから。――それで、実は先日買い出しに出た際に知り合った女性たちがいるのです。 |
バルド | 聞けば、帝国の圧政によって生活が立ちゆかない様子。皆、とても親切で心優しく、是非私と同じ職場で働きたいと言っていました。 |
バルド | 彼女たちに声をかけてはどうかと思うのですが。 |
ナーザ | ……嫌な予感がするが、まあいい。それで、その中からどうやって一人を選ぶのだ ? |
バルド | 一人 ? 何も一人に絞ることはないかと……。 |
ナーザ | 待て。何人連れてくるつもりなのだ。 |
バルド | 八人です。 |
ナーザ | ――このたわけが ! ! |
キャラクター | 奇跡という名の現実 |
マーク | ――とまあ、ウチから分けてやれるのはこんなもんかな。 |
バルド | 助かります。補給がなくては戦えませんから。 |
マーク | いやいや、こっちも空飛ぶ博士を押しつけた弱みがあるからな。それにしても、死んだ人間が甦るとはなあ。奇跡も随分と大盤振る舞いしたもんだ。 |
バルド | 奇跡……ですか。 |
ガロウズ | マーク ! ケリュケイオンの部品の件なんだが―― |
ガロウズ | ! ? |
バルド | ……ガロウズ。 |
ガロウズ | お、驚いたな……。本当に生き返ったのか。 |
バルド | ……すまない。私ではなく、シドニーがこちらに来ていれば―― |
ガロウズ | やめてくれ。こっちはこんなくたびれた親父になっちまったんだ。 |
マーク | そうか……。二人ともビフレストで関わりがあったんだったな。 |
バルド | おかしな気分だよ。私の方が年上だったのに……。 |
ガロウズ | あれから十年……いや、十一年、か ? |
バルド | もうそんなになるのか。 |
ガロウズ | カレイドスコープに巻き込まれかけたとき……あんたが俺をシドニーから引き離した。 |
バルド | ………………。 |
ガロウズ | いや、あの時はシドニーが俺の手を振り払ったんだ。あんたは俺を巻き込まないようにしてくれたんだよな。そんなことはわかってる。 |
ガロウズ | それでも、あの時放っておいてくれたらもしかしてシドニーを助けられた……なんて考えちまうこともある。 |
バルド | 恨んでくれていい。きみが私たちの近くまで来た時きみの存在が、セールンドの攻撃開始を遅らせるかも知れないという打算が働いた。 |
バルド | だからきみとシドニーの接触を見逃したんだ。事実そうなった。 |
ガロウズ | 戦争だったからな。お互いに恨みもある。けど、感謝もしてるんだ。あんたがいなければ俺はシドニーの傍に近寄ることもできなかった。 |
バルド | シドニーのためだよ。女性に甘いとよく言われるんだ。 |
ガロウズ | ハハハ、シドニーから聞いたことがあるよ。 |
バルド | だから……いつか彼女も救い出したい。私がこうしてここにいるんだから、きっと……。 |
ガロウズ | ……まあ、期待しないで待ってるよ。何しろそんな奇跡が起きたとしてもあっちは十七歳で、こっちは三十歳だからな。 |
マーク | 本気で思ってるのか ?同じような奇跡がもう一度起きるって。 |
バルド | 起こしたいとは思っていますよ。この世界の成り立ちよりはずっと現実味があるような気がしますから。 |
バルド | もっとも、二度目ともなれば奇跡とは呼べなくなるでしょうね。 |