プロフィール
『咎我鬼』――存在そのものが周囲を傷つけるという大罪を背負って生まれた、唯一無二の存在。世界から疎まれ憎まれ恐れられる宿命を飄々と嘲笑って、彼はたった一人で生きてきた。だが、罪を喰らう覚悟を持った少年との出会いが彼の運命を動かす。世界のあり方さえ変えようとする少年を「面白い玩具」と笑いながらも、鬼はその行く先を見届けようと旅を共にするのだった。
ミリーナの一言
カナタたちの話を聞いていると、ヴィシャスさんはすごくマイペースな人っていう印象ね。みんな、ヴィシャスさんに振り回されたエピソードがたくさんあるの。ふふっ、周りを困らせるのが好きなのかしら? だけど、同時にすごく頼りにされているのも感じるわ。カナタたちの世界で自分らしく生きることは、すごく大変なんでしょうね。だからこそ、我が道を行くヴィシャスさんの存在がみんなを勇気付けてくれたのかもしれないわ。
イクスの一言
ヴィシャスさんは元の世界で『鬼』って呼ばれてたんだよな。自分でも極悪人だなんて言ってたけど、俺が見て感じるのはすごく正直だってことだよ。自分のやりたいことや感じたことをそのまま口にできるって、勇気がいることだと思う。誰に嫌われても堂々として、自分の望みを貫く強さはさすがだよ。それに衣装も格好いいよな !俺も裾の破けた服を着てみようかな……。
キャラクター | 危険な酒席 |
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ロクロウ | ここが美味い心水を出すって店か。悪くない店構えだな。この手の隠れ家じみたところは大抵当たりと相場が決まってる。 |
アイゼン | ……ああ。だが、値は張るぞ。 |
ロクロウ | おっと、そいつは困った。あいにくと手持ちが……。 |
アイゼン | 小芝居はいらん、どうせ素寒貧だろう。今日は貸しにしておいてやる。早く呑みたいんでな。 |
ロクロウ | はっはっ、こいつはすまんな。では早速―― |
アイゼン | ――片付けるとするか。 |
ヴィシャス | おおっと ! |
ロクロウ | 動くなよ、胴が真っ二つになるぞ。 |
ヴィシャス | おいおい、物騒な連中だな。いきなり得物抜いてどうしたよ ?ちなみに動くとお前の頭も吹っ飛ぶぜ。 |
ロクロウ | いい腕だ。お前の知り合いか、アイゼン。 |
アイゼン | いや、知らん。 |
ヴィシャス | つれねえな、死神。ま、こっちの世界じゃ本当に知らねーんだったか。【咎我鬼】ヴィシャスだ、覚えとけ。 |
アイゼン | ……鏡映点か。何が目的だ。 |
ヴィシャス | ああ ? 目的なんかねぇよ。顔見知り見つけたから、挨拶ってやつ ? |
ロクロウ | 胡散臭い奴だな。お前もしや……。 |
ヴィシャス | ま、いいからいいから。積もる話は一杯飲んでからにしようぜ。 |
アイゼン | ……心水をたかりにきたのか。 |
ヴィシャス | 『たかる』なんて人聞き悪ぃな。正々堂々、勝手に飲みに来たんだよ。 |
ロクロウ | はっはっは ! いい度胸だ。だが、俺の心水はそう簡単には呑ませんぞ ? |
アイゼン | 『お前の』じゃない。俺の金だ。 |
ヴィシャス | 気にすんなよ。一度、殺し合った仲じゃねえか。 |
ロクロウ | ほう ? つまり、こいつと殺り合って生き延びたわけか。そいつは面白いな。 |
ロクロウ | ちょうど肴が欲しかったんだ。話を聞かせてくれれば、一杯分けてやるぞ。これも何かの縁だからな。 |
ヴィシャス | 一杯だぁ ? ケチ臭えな。大体、身の上話だのグダグダ話すのは嫌いなんだよ。 |
ヴィシャス | ……そうだ。じゃあ勝負しようぜ。オレがそのボトルをお前から取れたら中身は全部オレのもんだ。 |
ロクロウ | 面白い。さっきの続きってわけだな。お前が『鬼』なら俺は業魔だ。覚悟しろよ。 |
ヴィシャス | 覚悟なんざ生まれる前から決まってんだよ。その酒は……オレがいただく ! |
ロクロウ | 応 ! 来いっ ! |
アイゼン | お前ら……店の中で騒ぐな。まったく……。 |
キャラクター | 荊と鬼 |
アルフェン | 積み込む物資はこれくらいで足りそうか ?必要ならもっと渡せるぞ。この大陸の流通も大分安定してきたからな。 |
カナタ | ありがとう、アルフェン !急なお願いを聞いてもらっちゃって。これぐらいあれば十分だよ。 |
ヴィシャス | おっ、そいつが痛みを感じねえって奴か。痛みがないってつまんなくね ?撃たれりゃ痛ぇ、刺されりゃ悶えるから面白ぇのに。 |
イージス | ヴィシャス、貴様という奴は……どうしてそういちいち攻撃的なんだ ! |
アルフェン | ははは、別に気にしてないさ。 |
ヴィシャス | へえ、余裕じゃん。心の痛みも感じねぇってか ? |
アルフェン | いや、そういう態度をされるのは初めてじゃないってだけだ。カナタの仲間なら悪い奴じゃないんだろう ? |
ヴィシャス | とんだ勘違いだな。オレは【咎我鬼】。世界が恐れる極悪人だ。 |
シオン | ……そういう態度って、どういうことかしら。 |
アルフェン | あ……いや、最初に会った頃の話だぞ。今はみんなとも打ち解けてるし。 |
シオン | べ、別に……必要だから一緒にいるだけよ。 |
ロウ | おーい、アルフェン !こっちの荷物手伝ってくれるか ? |
アルフェン | ああ、わかった ! すぐ行く。 |
シオン | ……はぁ。 |
ヴィシャス | お前、ダッセェーな。素直になれないお年頃ってヤツ ? |
シオン | 何、あなた ?私に近づかないで。 |
ヴィシャス | 近づいてねぇよ。お前、アレだろ ?触ると激痛が走るとかいう女。 |
ヴィシャス | 他人に触れないだけで調子にのんなよ。オレなんか本来の姿に戻れば周りの命吸い取って殺しちまう化け物なんだぜ ? |
シオン | 自慢がしたいなら、他所でやって。私は……必要以上に誰かと関わる気はないから。 |
ヴィシャス | そういうの見ててムカつくんだよ。嫌われることにビビって、自分は一人でいいとか言い聞かせたりしてんだろ ? |
シオン | …………。 |
ヴィシャス | マジでダセェ。嫌いてえ奴には嫌わせときゃいいのにその覚悟もねえからって他人を遠ざけてよ。 |
シオン | 私は……。あなたは、そうなの ? |
ヴィシャス | んなわけねーだろ。オレはいつでもオレのまま。そんなダセえことする必要ねぇっての。 |
ヴィシャス | それに……最近はオレがどれだけ危ねえ奴かわかってるくせに、平気で仲間ヅラしてくる馬鹿な連中が近くにいるからな。 |
シオン | 私にも……仲間がいるわ。……そうね、私も態度を改めるべきかもしれない。 |
シオン | でも、なんだか納得いかないわね。あなたの方がよっぽど態度が悪いのに。 |
ヴィシャス | オレはこれが自然体なんだよ。人怒らせんのが趣味っつーか生き様だから。 |
シオン | そう……ふふっ。苦労しそうね、あなたの仲間も。 |