プロフィール
一面の情報だけで人々が裁かれる世界で、ユナは『ジャーナリスト』として真実を追いかけた。珍しい言葉遣いは相手の警戒を和らげるため。ある事ない事うそぶいて、歪んだ世界を飄々と生き抜いてきた。しかしある時、彼女は咎我人として追われる身になってしまう。理由はとある女優の舞台を酷評したせい。ユナは病に苦しむ親友に、ウソで飾った美談より真実の言葉を送ることを選んだのだ。たとえ、人々がそれを罪と呼んでも。
ミリーナの一言
ユナはおかしなウソをたくさん聞かせてくれるの。どれもわかりやすいウソばかりで、冗談なのがすぐ伝わるから嫌な気持ちがしないのよね。ふふっ、カーリャは全部信じて怒ってたけど。でも、おかげですぐに遠慮なく話せるようになっていたの。ウソをコミュニケーションに使っているだけ、ってユナが言うのはこういうことなんでしょうね。素敵なウソつきさんだと思うわ。
イクスの一言
この前、ユナから取材を受けたんだ。記事にはしないけど、この世界で起きたことをちゃんと知りたいって言われてさ。話すのは得意分野じゃないし言葉にするのが難しい部分もあったけど、ユナが本当に聞き上手でさ。俺の話を真剣に受け止めてくれるのが伝わってきたから、話しやすかったよ。そういえば代わりに『ゴッしい』って言葉を教えてもらったんだ。ユナたちの世界ですごく流行ってたらしい。今度使ってみなくちゃな !
キャラクター | ジャーナリストの仕事 |
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カイウス | すごいんだな、ジャーナリストって。オレ、感動しちゃったよ。 |
ルビア | カイウスも聞いたの ? あたしも初耳だったわ。なんだか憧れちゃうわよね。 |
ユナ | どんどん憧れてくれてかまへんよ。ウチも弟子が欲しかったところやしジャーナリストのイロハを教えたろか ? |
ルビア | 面白そう ! 教えて、教えて ! |
カナタ | あ、カイウスもルビアも楽しんでくれてるみたいだね。誘った甲斐があったよ。 |
カイウス | ああ、ありがとな !でも知らなかったよ。カナタの仲間にこんなすごい人がいたなんてさ。 |
カナタ | えっと……それって、ユナのこと ? |
ユナ | もちろん、そうに決まってるやろ。何しろウチは世界一のジャーナリストなんやから。 |
ルビア | 本当にすごいわよねぇ。ジャーをナリストするなんて。 |
カナタ | えっ ! ? |
カイウス | 何言ってんだ、ルビア ?ジャーはナリストするもんじゃないだろ。ユナはジャーしたナリをストしてたんだ ! |
ルビア | はぁ…… ?カイウスったら、何言ってるか全然わかんないわよ !ストするって何よ ! ? |
カイウス | それを言うなら、ナリストってなんなんだよ ! ? |
カナタ | ちょ……ちょっと待って !俺には二人とも何を言ってるのか全くわからないんだけど……。 |
ルビア | だから、ユナの仕事の話よ。ジャーっていう伝説の料理を作るためにナリストって特殊な技術を磨いてるんでしょ ? |
ユナ | よう覚えてるなぁ、その通りやで。 |
カイウス | ちょっと待てよ !ユナは闇の力『ジャー』で変異したナリって魔物をスト……つまり浄化してたんじゃないのか ! ? |
ユナ | せや、たしかにそう言ったなぁ。 |
カナタ | ユナ……また、変なウソついたんだね。 |
カイウス | えっ、じゃあナリをストして世界を救ったって話は全部ウソ ! ? |
ルビア | お鍋いっぱいのジャーで国をひとつ救ったっていう話も…… ? |
ユナ | せやで。いい加減ネタばらししよか思てたんやけどあんまり素直に聞いてくれるもんやからついつい話が膨らんでしもたわ。 |
ルビア | なーんだ、残念……。あたし絶対にジャーを食べてみたかったのに。 |
カイウス | ちぇっ、オレもすっかり騙されちゃったな。でも、ウソにしても面白かったよ。ユナの話。 |
ユナ | せやろ ? ウソも使い方次第や。悪いもんにもええもんにもなる。ウチが吐くんはええウソだけや。基本的には。 |
カナタ | 例外が結構ありそうな言い方だね……。 |
カイウス | なあ、ユナ !それで結局、本当のジャーナリストの仕事ってなんなんだ ? |
ルビア | あたしも知りたいわ。今度こそ、ウソはなしでね ! |
ユナ | わかっとるて。ほな、まずはウチがジャーナリストになろうと思ったきっかけから話そか。あれは、ウチがまだお城で暮らしとった頃のこと―― |
カナタ | ……って、いきなりウソから始めるの ! ? |
キャラクター | ティル・ナ・ノーグかわら版 |
レイア | えっ ! ? わたしに取材…… ? |
ユナ | そない構えんといて。ちょっと話聞きたいだけやから。 |
ユナ | カナ坊から、あんたが鏡映点の集まるアジトでかわら版を作ってはったって聞いてな。その時の話を聞かせてもらえへんかなって。 |
レイア | かわら版 ?うん、確かに作ってたよ。 |
レイア | って言っても、わたしだけじゃなくてアグリアとかオリエとかみんなの手を借りて作ってたんだけどね。 |
ユナ | ふむ……。やっぱり、一人の力で出来るもんやないよな。 |
レイア | そうだね。色んな記事があったほうがいいだろうし。でも、なんでかわら版の話を聞きたいの ? |
ユナ | 実は、ウチも自分の新聞とか作れたら面白いんちゃうかと思っててな。 |
レイア | えっ ! ? 新聞って、ちゃんとした新聞 ? |
ユナ | せや。ウチら鏡映点とか、鏡士の人らは魔鏡通信やらなんやらで色んなこと知ってるけど普通に暮らしとる民衆はそうもいかんやろ ? |
レイア | うーん、言われてみればそうかも。大陸の行き来もそんなに簡単じゃないし。 |
ユナ | せやから、大陸越えて色んな情報を伝えられるでっかい新聞があったらええなって思ってん。 |
レイア | でっかい新聞 ! ?大きさって意味じゃない……よね。 |
ユナ | はは、確かに大きさも半端やないかもな。世界中の情報を載せるわけやから。 |
レイア | わぁ、スケールの大きい話だね。あれ ? でも、かわら版の話と繋がらないような……。 |
ユナ | そんなことないで。アジトには色んな世界の色んな鏡映点が集まっとったんやろ ? |
レイア | うん、そうだよ。今でもたまに会う人もいるし。 |
ユナ | 全然違う世界のもん同士がかわら版を通じて、互いの情報を知ったりおもろい話を共有したりしてたんやろ。 |
ユナ | それってめっちゃええやん !ウチもそのアジトにおったら、絶対参加しとったわ。 |
レイア | えへへ……そうかな。そう言われると、すごいことしてた気がしてきたかも。 |
ユナ | 違う世界のもん同士を情報で繋ぐ……まさにウチがしたいと思ってることそのものや。 |
レイア | すごいんだね、ユナって。そんなこと思いつくなんて。 |
ユナ | そないなことあらへんよ。まだ、具体的なことはなーんも考えてへんし夢物語みたいなもんやから。 |
レイア | ううん、できるよ !言ったでしょ、わたしもみんなの力を借りたって。 |
ユナ | もしかして、レイアも手伝ってくれるん ? |
レイア | もちろん ! みんなにも声を掛ければ世界中の話題が集まるかも ! |
ユナ | 面白くなってきたなぁ。これはなんとしても実現させなあかんわ。 |
レイア | うん、やってみようよ。名付けて『ティル・ナ・ノーグかわら版』だね ! |