プロフィール
整合騎士とは人界の理を守る絶対的な守護者。しかしそれは、最高司祭アドミニストレータが作り出した偽りの公理であった。アリスもまた最高司祭によって過去の記憶を奪われ、整合騎士アリス・シンセシス・サーティとなる。黄金の鎧に身を包み、神器【金木犀の剣】を振るう姿は見る者を魅了する。だが美しさに目を奪われた次の瞬間には、幾千もの黄金の花弁によって切り裂かれているだろう。
ミリーナの一言
アリスはとっても真面目で几帳面な子よ。剣の鍛錬も欠かさないわ。鍛練で思い出したけど、最近はキリトの生活がだらしないからって、鍛練に付き合わせるようになったみたい。
イクスの一言
アリスたちの世界の奥義に『心意』っていうものがあるそうなんだ。意志の力だけで頭の中のイメージを具現化させて、強力な技を出すことができるなんていうとんでもない技らしい。日々自身の技を磨くため鍛錬している整合騎士ですら自由に使いこなせる人は少ないらしいけど……。キリトをめぐってアスナと火花を散らせている時のアリスの迫力と威圧感……あれは『心意』なんじゃないだろうか。
キャラクター | 二人のアリス |
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救世軍アリス派 | アリス様 ! |
二人 | 「なんでしょう ?」「何 ?」 |
二人 | ! ? |
アリス | 失礼、私のことではないようですね。 |
救世軍アリス派 | お望みの品々を入手しましたので、我々は一足先にこれらを運んでまいります ! |
アリス | わかったわ。傷ひとつでもつけたらお仕置きよ。 |
アリス | ……で、あなたも『アリス』っていうの ? |
アリス | ええ、同じ名の人間に会うのは初めてです。先ほどは失礼しました。 |
アリス | ふ~ん。紛らわしいわね。超絶可愛いアリスちゃんは世界に一人だけでいいのに ♪ |
アリス | チョウゼツ…… ?聞き慣れない言葉を使いますね、お前。 |
アリス | 困っちゃうくらいアリスちゃんが可愛いって意味よ。 |
アリス | 私も『アリス』です。 |
アリス | ああ、もう ! やっぱり紛らわしいわね。 |
アリス | 仕方ありません。偶然にも同じ名前だったのですから。受け入れるしかないでしょう。 |
アリス | 嫌よ。アリスちゃんはアリスちゃん。あなたは『アリス』を名乗らないでちょうだい ♪ |
アリス | む、何を言うかと思えば……それはできません。記憶はなくとも、私の名がアリスであることに変わりはないのですから。 |
アリス | へえ……あなた、記憶がないの ? |
アリス | ええ、気がつけばここに留まっていましたから。 |
アリス | そうなのね。でもそれって、同情を買うための武器よね。 |
アリス | そんなつもりはありません。同情など不要です。今の私をアリスと呼んでくれる者がいる。それで充分です。 |
アリス | ゆえに、この名はとても大切なもの。アリスちゃん殿の要求は到底受け入れられません ! |
アリス | 何よ、そのアリスちゃん殿って !あなた、微妙に話が噛み合わないわね。 |
アリス | 安心してください。私は理解しています。もしもお互いに譲る気がないのなら……決闘しかないかと。 |
アリス | どうしてそうなるのよ。今あなたと戦っても、アリスちゃんにはな~んにもメリットがないし。 |
アリス | ならば、どうしたいというのですか。繰り返しますが、私は名を変えるつもりはありません。 |
アリス | 何も改名しろとは言ってないわ。呼び方を変えればいいの。 |
アリス | そういうことですか。では超絶可愛いという貴殿は敬意を表してこう呼びましょう。アリスちゃん様。 |
アリス | さっきのアリスちゃん殿とほぼ同じじゃない !それなら『ちゃん』だけでいいでしょ ! ? |
アリス | むむ、そうですか。では私はアリス、貴殿はアリスちゃん。これで解決ですね。 |
アリス | も、もうそれでいいわ……。あなたと話すの疲れる。 |
キャラクター | 心の剣 |
三人 | いちっ ! にっ ! さんっ ! |
キリト | なんだ、ありゃ…… ? |
アリス | よし、素振りはここまでにしましょう !いったん休憩です。 |
キリト | アリス、しばらく見ないうちに剣術道場でも始めたのか ? |
アリス | キリトか……。話せば長い……いや、そうでもないような。 |
アリス | クレス道場という場所があると聞いてやって来たら、いつの間にかこうなっていました。 |
キリト | いや、さすがにもうちょっと経緯を教えてくれ。 |
アリス | クレス道場に来たのは手合わせを願うためです。実戦の前にこの世界の剣術に触れておきたかった。お前たちの足手まといになりたくないですからね。 |
アリス | ところが、クレスという男はひどく忙しいようで手合わせしてもらうためにいろいろ手伝っていたら── |
キリト | チビッコたちとの稽古を引き受けてたってわけか。 |
ディオ | 誰がチビッコだ ! |
カイル | キリトだってオレとそう変わらないだろ ! |
キリト | わ、悪かったって。……怒られちゃったよ。 |
アリス | 当然です。彼らの太刀筋を見れば真剣に強くなろうとしているのだとわかるでしょう。侮っては失礼です。 |
キリト | 反省してます……。それで、実際一緒に鍛練してみてどうだった ? |
アリス | 久しぶりに無心になって素振りをしました。実に清々しい気持ちです。それに── |
アリス | ここはどこか、ルーリッド村とも似ている。私ももしかしたら、神聖術を学ぶときはこんなふうに頑張っていたのかもと思いを馳せていました。 |
キリト | アリス……。 |
アリス | すみません。気にしないでください。 |
アリス | ここは別の世界。早く気持ちを切り替えねばいけません。ならばこそ、英雄と呼ばれるクレス殿と手合わせしたかったのですが……。 |
キリト | あまり背負い込まない方がいい。 |
アリス | 私が背負い込んでいる…… ? |
キリト | アリスの言う通り、ここはアンダーワールドじゃない。人を縛る禁忌目録もないんだ。自分の心のままに剣を振るっていいと思うぞ。 |
アリス | 心のままに……剣を……。 |
キリト | もしかしたら、クレスも同じことを思っていたかもな。だとすれば今頃はアリスが挑んで来るのを待っているかもしれないぞ。 |
アリス | なるほど、この手伝いは思った以上に意義のあるものだったようですね。ありがとうございます、キリト。 |
キリト | 行くのか、クレスのところに。 |
アリス | ええ。今度こそ手合わせしてもらえそうです。私は私の心のままにこの剣を振るうことができる。それを確かめてきます。 |