プロフィール
天地戦争の英雄たちの中でも、彼の名は多くの意味を持つ。天才科学者ハロルドの双子の兄であり、軍師として地上軍の戦いに貢献した将。そして恐るべき力を持つソーディアン、ベルセリオスの使い手。前線指揮官のディムロスからすれば、最も頼りがいのある戦友でもあった。だが自らの命と引き換えに戦争を終結させたその瞬間、彼はただかけがえのない妹を守る兄として、彼女の涙を見ていた。
ミリーナの一言
カーレルさんはハロルドの双子のお兄さんなんですってね。まるで性格が違うから、そう聞いてもなかなか実感が湧かなかったわ。破天荒で無茶なことを言うハロルドと、彼女のわがままも受け止めて笑っているカーレルさん。正反対の二人だけど、お互いをすごく信頼しているのは同じなんでしょうね。そばから見ていてもそれが伝わるわ。そんな兄妹の絆を羨ましく思うの。
イクスの一言
昔、ミクトランとの戦いでカーレルさんに何があったのか、ディムロスさんから聞いたよ。刺し違えてでもミクトランを倒すなんて、すごい覚悟だと思う。カーレルさんが来てから、ソーディアンチームのみんなの様子も少し変わった気がするんだ。落ち着いたというか、余裕ができたというか。きっとカーレルさんの存在は、チームの精神的な支えになっていたんだろうな。
キャラクター | 危険な妹 |
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ロニ | ――っていうわけなんですよ !どうかお願いします、カーレルさん ! |
カーレル | うーむ、それは問題だな……。 |
カイル | ロニ、カーレルさんと何の話をしてるの ?何かお願いしてたみたいだけど。 |
ロニ | いや、実は……最近、ハロルドの奴の実験が度を越してる気がしてな。実験台にされがちな俺としては、身の危険を感じてるわけだ。 |
カイル | 確かに、いくら丈夫なロニでもさすがにそろそろ体を壊しちゃいそうだよね。 |
カーレル | そこで、ロニくんに相談されたんだ。兄の私ならロニくんでの実験を控えるように説得できるのでは、とね。 |
カーレル | 正直なところ、あいつに忠告とか説教をして効いた試しはほとんどないんだが……。 |
カイル | ……わかる気がする。 |
カーレル | しかし、貴重なあいつの友人のためだ。私に出来ることはしてみよう。 |
ロニ | ありがとうございます !いやー、カーレルさんがいてくれて本当に助かりますよ。 |
カイル | …………。 |
カーレル | カイルくん ? どうしたんだい、考え込んで。 |
カイル | いや、その……カーレルさんの今の言い方がちょっとだけ気になって。ハロルドってあんまり友達とか、いなかったんですか ? |
カーレル | それは――……うん、そうだな。君たちには言ってもいいだろう。 |
カーレル | あいつは子供の頃周りの子たちとうまく馴染めなくてね。一人でいることが多かったんだ。 |
ロニ | ああ……実を言うと、俺らもちょこっとだけ聞いたことあります、その話。 |
カーレル | 傍若無人で唯我独尊な今のあいつからは想像もできないだろ ? |
カーレル | もちろん、成長してからは周りに才能も認められて頼れる仲間が大勢できたと思うがね。地上軍でも、この世界でも。 |
カーレル | ……ただ、今もあいつはどこか浮世離れしてるだろう。君たちのように遠慮なく、家族みたいに話せる友達はあいつにとっても初めてだったんじゃないかな。 |
ロニ | …………。 |
ハロルド | 兄貴 ? そんなとこで何を話してるのよ。 |
カーレル | あ、いや。ちょっとカイルくんたちと近況報告をね。お前にも少し話したいことがあるんだが―― |
ロニ | ……いえ、カーレルさん。俺は覚悟を決めました。ハロルドの友としてこいつの実験にとことん付き合ってやりますよ ! |
ハロルド | 何それ。気持ち悪っ。――あ、でも、ちょうど効果を試したい薬があったわ。はい、これ飲んで。 |
ロニ | お、おう…… ! !……うぐっ ! ? げほっ、げほっ !何だこりゃ、辛っ ! ? うっ……。 |
ハロルド | 滋養強壮、体力超回復の薬よ。最近、あんたを色んな実験に付き合わせたからちょっとは報いてあげようと思ってね。 |
カーレル | ハロルド……感謝の気持ちがあるなら実験薬じゃなくてアップルグミでも渡せばいいだろう。 |
ハロルド | 効果が十倍違うんだから、こっちの方がいいの。ほら、カイルと兄貴の分もあるわよ。大丈夫、味はともかく効果は保証付きだから。 |
カイル | い、いや ! オレは遠慮しとく !――早く逃げよう、ロニ ! ……ロニ ?へ、返事がない…… ! ? |
カーレル | ……やれやれ。これでは、素直にいい友達が出来てよかったとは言いづらいな。ははは……。 |
キャラクター | 戦友たちの集い |
ディムロス | ――そろそろ皆が来る頃か。各地の状況を聞いてみたいところだな。 |
アトワイト | ディムロス。今日は任務とか業務連絡とか堅い話は抜きにすると決めたはずよ。 |
カーレル | その通りだ。旧交を温めるためなんだからな。場を設けてくれてありがとう、アトワイト。 |
シャルティエ | 僕としては、リオンくんたちにも来て欲しかったんですけどね。何しろ、もう一人の自分がいないとチームの最年少が僕だけになっちゃうから……。 |
カーレル | 年齢とか階級とか、そう気にすることもないだろう。もう地上軍の所属というわけでもないんだ。 |
S・クレメンテ | ――とはいえ、年長者への敬意も少しは欲しいものじゃがのお。 |
S・イクティノス | 久しぶりだな、カーレル。またお前に会える日が来るとは……。 |
カーレル | クレメンテ、イクティノス !はは……私も、また会えて嬉しいよ。こちらとしてはそう久しぶりでもないんだがね。 |
S・クレメンテ | これ、こっちは千年ぶりなんじゃぞ。もっと感慨深い反応をせんか。 |
カーレル | あなたのご冗談も相変わらずですね。その辺りの話も後でゆっくり聞かせてもらいますよ。 |
ディムロス | フィリアくんたちも、よく来てくれたな。わざわざ呼び出してすまなかった。 |
フィリア | いいえ、とんでもありませんわ。私もカーレルさんにお会いしてみたかったですし。 |
ウッドロウ | 旧友たちの再会に手を貸せて、光栄だよ。……スタン君たちは来ないのかい ?ハロルド君は実験で忙しいとは聞いたが。 |
シャルティエ | ええ、三人はソーディアンの僕たちと話し合ってやめたそうです。まぁ、声が重なったりすると混乱しますからね。 |
カーレル | 彼らとも一度ゆっくり話してみたいところだがまた今度の機会に、だな。いつでも会えるのだから。 |
S・イクティノス | いつでも会える……か。昔とは状況も変わったな。天地戦争の最中ではいつ誰と会えなくなるかわからなかった。 |
アトワイト | 毎日、いくつもの別れを味わわなくてはならないのが戦争ですものね……。 |
ディムロス | それを思うと、我々がこうして再会できたのは大きな幸運……いや、奇跡とでも呼びたくなるな。 |
カーレル | ……不思議な感じがするよ。膨大な時間や、世界の壁さえ超えて私たちがこうして会えたなんて。 |
シャルティエ | それはこっちの台詞ですよ。カーレルがここにいるっていうだけで……なんだか、未だに夢を見てるみたいです。 |
カーレル | 心配させてしまったな。皆にも、ハロルドにも……すまない。 |
S・イクティノス | カーレル、今更そんなことはいい。俺たちはお前を労いはしても、責めはしない。 |
アトワイト | ハロルド以外はね。 |
カーレル | はは、そうだな……。あいつに叱られるのは甘んじて受け入れるよ。……さて、そろそろ乾杯といこうか。 |
ディムロス | 何を他人事のように言っている。お前が主役の集まりなんだぞ。乾杯の挨拶をするのもお前の役目だ。 |
カーレル | 私がか ? 困ったな……。 |
シャルティエ | 他にいないじゃないですか。ほら、早くお願いしますよ。 |
カーレル | わかった、わかったよ。では……古き友たちとの再会と新しい友との出会いを祝して。 |
カーレル | そして、私たちがこれから歩む未来が明るいものであることを願って。――乾杯 ! |
全員 | 乾杯 ! |