プロフィール
幼い頃、幻影種に襲われて命を落としかけた少年は、自らを救ってくれた王に感謝と尊敬と思慕の念を抱き、王を守れる力を手にするべく成長した。生まれた土地も両親も知らず、自らの本当の名前も知らない少年は、幻影種の声が聞こえることからコダマと名付けられ、棄民として育ち――今は王を守る死神騎士として働いている。全てに対価や見返りを欲しがる彼の、唯一の例外が国王ヘイズなのであった。
セイリオスの一言
コダマについて何か言えって ? そうさね。ずるがしこくて、目端が利いて、調子がいいってところか。結構図々しいところもあるんだが、不思議と憎めないというか……。まあ、これは俺が甘いだけかも知れないな。コダマって奴は目的のためなら自分が汚れることも厭わないところがある。結局その純粋さがずるさを隠しちまうんだろうな。
ヘイズの一言
コダマは可愛いぞ。幼い頃に命を助けたのは王として当たり前のことをしただけだというのに、律儀に恩を返そうとしてくる。その一途さは実に愛らしい。泰然と些末なことを気にしない振りをしているが、実は繊細なところなども実に愛おしくなる。私はよい部下を得ることができた。愛しているよ、コダマ。どうか、無茶はせず、この激動の時代を生き抜いておくれ。
キャラクター | 反省 |
---|---|
アイリス | コダマ、どうしたの。その大量の新聞は。 |
コダマ | 食堂で読み終わったやつをもらってきたんだ。――おっとと……。 |
セイリオス | ――ほら。 |
コダマ | ありがとう。おかげでばら撒かなくて済んだよ。いつものことながら気が利くなあ。 |
セイリオス | いや、大したことじゃないよ。 |
コダマ | さてと。王室関連の記事はどこだ……。 |
セイリオス | 社会面に王室報道官からの発表が載ってる筈だ……ってお前さんが持ってきたのはロランド社のタブロイドの方じゃないか。 |
セイリオス | 王室のまともな記事が見たいならロランドイザヴェルニュースの方がいいんじゃないか。 |
コダマ | そっちは死神騎士団の詰め所で見られるしヘイズ様の動静は完全に把握してるから。 |
コダマ | これはゴシップチェック用。ヘイズ様のないことないこと書き連ねてる記事を見つけたら、苦情を言うためにファイリングするんだ。 |
セイリオス | もしヘイズ様を褒め称える記事が載ってたら ? |
コダマ | それもファイリングして、感謝の手紙を書く。 |
セイリオス | ……お前さん、そういうところがあるよなあ。 |
コダマ | そういうところってどういうところだよ。 |
セイリオス | 意外と細かくて執念深い。 |
コダマ | えー ! ?そんなこと…………あるかも。 |
セイリオス | フフ、自覚はあるんだな。 |
コダマ | なんだろうな……。なんか嫌なことをされたときにさそのまんま飲み込みたくないんだよ。心が汚れる感じがして。 |
コダマ | でも、ただ相手に当たり散らしたりするのも嫌なんだ。だから考えるんだよ。丁度いい『仕返し』をさ。まあ、我ながら性格悪いなあとは思うけど。 |
アイリス | あー、私、何となくわかる。やられっぱなしって悔しいわよね。 |
セイリオス | 二人とも負けず嫌いだな。 |
コダマ | 俺の中にさ、負けてもいいところと負けちゃいけないところってのがぼんやりあるんだよ。 |
コダマ | 俺が折れることで助かるものがあるならどんなに踏みつけられても平気だけどそれでもこの先は絶対折れないぞ、みたいな。 |
セイリオス | まあ、お前さんたちがそれでいいなら俺が口を出すことじゃないが……。 |
コダマ | え ? なんだよ。何か言いたそうじゃん。 |
セイリオス | お前さんたちがどこかで揉めごとを起こす度に何故か俺の所に苦情が上がってくるんだよ。保護者だと思われてるのかねえ。 |
二人 | ええ ! ? |
セイリオス | 何か言うことは ? |
アイリス | ご、ごめんなさい……。 |
コダマ | 次からはバレないように仕返しするよ……。 |
キャラクター | 終わりの終わり |
コダマ | 二人とも、手伝ってくれてありがとな。お陰でこの辺りの幻影種は全部片付いたよ。 |
ルーク | ……あんなのが俺たちの中から生まれるのか。そう考えたら、なんか複雑だな。 |
ティア | そうね。ただ、コダマたちが来てくれたおかげで今は被害を最小限に抑えることができているわ。 |
コダマ | まあ、このままだといずれは俺がいた時代と同じ結果になっちまうんだろうけどな。 |
ルーク | ……なあ、コダマ。お前がやろうとしていることってこの先の未来の結果を変えることなんだよな ? |
コダマ | ああ、そうすれば鏡映点も幻影種にならなくて済むし俺たちの世界だって平和になるはずなんだ。 |
ルーク | けど、もしそうなったら……。お前がいなくなるかもしれないんだろ ? |
コダマ | ……まあ、過去を変えたら未来は変わっちゃうよな。多分。 |
ルーク | コダマは怖くないのか ?自分が消えるかもしれないってことに。 |
ティア | ルーク……。 |
コダマ | つーか、なんで俺が消える前提で話してんの ?わからないじゃん。どうなるのか。ルークって、割と悲観的にものを考えるところあるな。 |
ルーク | わ、悪かったな。 |
コダマ | 悪くねーよ。悲観的ってことは、この先に起こる最悪をちゃんと考えて生きてるってことだろ。しっかりしてると思うけど。 |
ルーク | え……。そ、そうかな……。 |
コダマ | まあ、ルークの言う通り俺ら消えちゃうかも知れないよな。消えなかったとしても、今と同じではないだろうし。 |
コダマ | ……けど、この時代で幻影種の発生を止められればこの先の未来で数え切れないぐらいの人たちが命を落とすこともなくなる訳だろ。 |
コダマ | だから――まあ、仕方ないよ。助けられる可能性を無視するのも寝覚めが悪いし。 |
ティア | ……世界か自分か。そんな選択がティル・ナ・ノーグでも起きてしまうなんて……。 |
コダマ | ……まあ、だけど、俺は自分たちも生き残る道をまだ全然諦めてないけどな。 |
ルーク | そんなこと、可能なのか ? |
コダマ | いや、今のところこれっぽっちも思いつかないけどギリギリまで足掻いてみるつもり。まあ、何とかなるっしょ。 |
ルーク | お前、そんな呑気な……。 |
コダマ | 俺が呑気な分、ルークとティアが深刻になってくれてるしな。 |
コダマ | ルークたちは俺らなんかよりめちゃくちゃ追い込まれてたよな。だから余計に心配してくれるんだろうけど……。 |
ルーク | ……俺は……少しでも長く生きていたいしコダマたちもそうだといいなって思ってるから……。 |
コダマ | うん。ありがとな。俺も長生きしたいぜ。だから何とか抜け道を探してみる。 |
コダマ | いつか未来へ帰ったとき俺がちゃんと俺であるように、さ。 |
キャラクター | あなたの方が |
コダマ | 納得できません ! |
ヘイズ | 何故だ ! ? お前ならわかってくれると思ったのに。 |
アイリス | どうしたの ! ? ケンカ ! ? |
リワンナ | まさか、この二人がそんなわけ……。 |
セイリオス | コダマ、いったい何があった。お前がヘイズ様に盾突くなんて。 |
コダマ | だって……、俺は間違ったこと言ってないのにヘイズ様が譲らねえんだもん。 |
ヘイズ | 私も間違ったことは言っていない。故に許容することはできなかった。 |
コダマ | おかしいって !どう考えたってヘイズ様のほうが可愛いでしょう ! |
ヘイズ | コダマのほうが可愛いのだ ! 何故わからぬ ! |
三人 | …………。 |
セイリオス | ……まず聞かせてくれ。どうしてそういう話になったんだい。 |
コダマ | さっきヘイズ様とお茶してたんだけど俺のほっぺにジャムがついちゃったんだ。 |
ヘイズ | そうなのだ。うまいうまいとスコーンを食べて頬を膨らませて。そこにちょこんと赤いジャムがな。可愛い ! |
コダマ | それを教えるのにさあ、ヘイズ様は自分で自分の頬をちょんちょんってするんだよ。可愛いっ ! ! |
ヘイズ | 教えてもコダマは位置がわからないみたいでなすると舌で口元をペロッと探って……ほら可愛い ! |
コダマ | そんなペロッとより、ヘイズ様だってジャムを指でぬぐってくれた後、自分の口にこう……ペロッとさあ !くっ……可愛いの暴力 ! |
三人 | ………………。 |
コダマ | だから俺がヘイズ様は可愛いですねって言ったら―― |
ヘイズ | 何を言う、お前の可愛さには負けるぞ。 |
コダマ | ほら ! 言ってることがおかしいんだって。わかるだろ、セイリオス ! |
ヘイズ | リワンナ、アイリス、お前たちならわかるであろう ?放っておけない子を愛しく思う気持ちが。 |
セイリオス | まったく二人とも……本当に……。 |
三人 | 可愛いなあ…… ! |