プロフィール
ギアによる人類存亡の危機に立ち向かった聖騎士団。その最後の団長を務めたのはわずか十六歳の青年だった。時を経て、青年は王となり、かつて敵であったギアとの共存を目指す。生真面目な性格は変わらず、だが愛する妻と息子ができたことで規律や規則、そして力だけでは救うことのできないものがあることを心に刻んだ。かつての天才剣士は幾多の敗北と苦難を乗り越え、新たな力を手にした。世界を飲み込む混沌と対峙するために。
ミリーナの一言
カイさんはすごく規則正しい人ね。どんなに遅くまで働いても朝は必ず同じ時間に起きるし、洗濯物を畳むときも角を完璧に揃えないと気が済まないみたい。とってもきっちりしている人なのよね。それが性に合っているのならいいのだけれど、少し息抜きの時間があってもいいんじゃないかしら…… ?
イクスの一言
カイさんは剣の天才だよ。そして、そんな自分の才能を自覚したうえで、ただ敵を倒すための手段と割り切ることもできる。普段は礼儀正しくて、いざとなれば冷徹に敵を屠る……そんな感じなんだ。よほど強い意志や目的がなければ、人はあんな風にはなれないと思う。俺にもそこまでの強さはないけれど、だからこそ尊敬しちゃうよ。
キャラクター | 既婚者の集い |
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ウィル | よく来てくれた。カイ=キスク。 |
カイ | これはどういう集まりなのですか ? |
フォッグ | おぅ、まあ簡単に言うと……ほら、アレだ。 |
ウィル | 既婚者。 |
フォッグ | そう、ソレ ! |
ウィル | オレたちの仲間には子供と呼べる年齢の者も多い。結婚しているから偉いというわけじゃないがだからこそできることもあると思うんだ。 |
フォッグ | というわけで飲もうじゃねぇかって集まりだ。 |
カイ | なるほど。よくわかりました。しかし、意外とメンバーが少ないのですね。 |
ウィル | 我々で全員というわけではないが、なにせ若いやつが多いからな。それに、戦いの渦中にいれば家庭を持とうと考える者も少なくなる。 |
フォッグ | そうか ? 明日死ぬかもしれねぇんだ。帰る場所は決めとかねぇとな。 |
ウィル | そういう考え方も否定はしないが伴侶を失うことはひどくつらいものだ。 |
カイ | 心中お察しします。 |
ウィル | 君の奥方は……。 |
カイ | 妻は健在です。ただ、複雑な生い立ちのせいでつらい目にあうことが多かったもので。 |
カイ | 彼女を失わないために私の手で封じたこともあります。あの時のような思いは、二度としたくありませんね。 |
カイ | おかげで、息子に誤解されて長い間良好とは言い難い関係でした。 |
ウィル | それは大変だったな。お子さんはいくつだ ? |
カイ | 五歳です。まあ、少し成長が早いのですが。 |
フォッグ | おぅ、反抗期のガキにはガツンと言わなきゃな。 |
カイ | 叱るべきときは叱るというのはもっともです。しかし息子とケンカになると周囲に甚大な被害が出てしまうのでなかなか……。 |
ウィル | 五歳、なんだよな ? 君の息子は。 |
カイ | 他の子より少々成長が早くて。今ではもう私よりも身体が大きいのです。 |
フォッグ | それ、ほんとに五歳か ? |
カイ | ええ。五歳です。 |
カイ | 成長が早いせいか、知識や経験が追いついていなくてついこの間も子供は目から生まれると思っていたことがわかりました。 |
ウィル | 五歳なら仕方ない……か ?いや、逆に怖いなその勘違いは。 |
カイ | わけあってしばらく知人のもとに預けていたのが原因かもしれません。信頼はできるのですがなんというか……非常に大雑把な男なので。 |
カイ | しかも、そいつのことは親父と呼ぶのに私のことは長らく呼び捨てで。 |
カイ | やっと父さんと呼んでくれたときは言葉に詰まるほど感動したものです。 |
ウィル | だいぶ苦労してきたんだな……。 |
フォッグ | よし ! 飲め !ぐわはははは ! |
キャラクター | 父と息子 |
カイ | おや、スタン。どこかへ出掛けるのですか ? |
スタン | ああ、ブリジットを俺の仲間に紹介しようと思って。 |
スタン | 違う世界に来て、最初はきっと戸惑うと思うからさ。知り合いがたくさんいればちょっとは心強いだろ。 |
カイ | 貴方は優しいですね。シンのことを思い出します。 |
スタン | シン ? |
カイ | 私の息子です。貴方よりずっと年下ですけどね。 |
スタン | 息子かぁ……。なあ、父親ってどんな気分だ ? |
カイ | そうですね……。責任と戸惑い、それからままならない想い。そんなところでしょうか。 |
スタン | それだけ聞くと、いいことがなさそうなんだけど……。 |
カイ | ですが、それ以上の幸せが得られます。 |
スタン | なんだかお店の売り文句みたいだな。 |
カイ | ははっ。確かに。 |
カイ | 要するに、いくら言葉を重ねてもこればかりはなってみないとわからないということです。 |
スタン | なってみないとわからない……か。 |
カイ | 何より、父親には一人ではなれません。貴方にはそういう相手がいますか ? |
スタン | そういう相手って……あっ ! |
カイ | その反応、気になる相手はいるみたいですね。 |
スタン | いや、気になるっていうか……。未来のことを知ったら気にしないわけにはいかないというか……。 |
カイ | なるほど。いろいろと複雑な事情があるのですね。 |
カイ | アドバイスというわけではないですが私に一つ言えるのは、とにかく『やれることをやるしかない』ということです。 |
スタン | なんだよそれ。まるでソルみたいだな。 |
カイ | 確かに。しかし真理でもあります。あいつは自然とそれができる男ですから。 |
スタン | なんとなくわかった。俺は俺なりにやってみるよ。ありがとな、カイ。 |
カイ | ええ。引き留めてすみませんでした。 |
スタン | じゃあな ! |
カイ | シンも、あんな風に真っ直ぐなまま大人になってほしいものだ。 |