プロフィール
男はダナに生まれながら、奴隷であることを拒んだ。支配者であるレナとの勝ち目のない戦いを続けるうちに、妻を病で失い、息子は失望して去っていった。それでも男は戦いをやめなかった。後にレナの支配を破ったのは、炎の剣の英雄だと多くの者が口にする。だが、共に戦った者は決して彼の名を忘れない。勝利なき戦いにも信念を失わず、人々を勇気づけ、意志を持つことの尊さを教えた一人の男の名を。
ミリーナの一言
ジルファさんはロウさんのお父さんなのよね。元気なロウさんとは対照的な落ち着いた大人に見えるけど、ロウさんが言うには結構熱くなる人なんだそうよ。子供の頃は厳しく叱られたとか。リンウェルは「きっとロウがやんちゃすぎたせい」なんて言っていたけど、真相はどうなのかしら。ふふっ、もしかしたら根っこは似た者親子なのかもしれないわね。二人がまた会えて本当によかったと思うわ。
イクスの一言
ジルファさんのことはアルフェンさんからよく名前を聞いていたんだ。自分にとって大事なことを教わった人だって。実際に会ってみて、俺もあの人がみんなから頼りにされる理由がよくわかったよ。自分の信念を強く持っていて、何が起きても動じない。それにただ周りを引っ張っていくだけじゃなくて、成長させてくれる感じがするんだ。俺もいつかあんな大人になりたいなと思ったよ。
キャラクター | 聞き上手 |
---|---|
ジルファ | なに ? 追加調査 ? |
キール | ああ、アルフェンたちから聞いてないか ?この前の異常気象は収まったが念のため、キラル粒子の分布を調べたいんだ。 |
ジルファ | そうか ! お前がキールだな。直接会えてよかった。あの時の礼をまだ言えてなかったからな。 |
キール | いや、礼には及ばない。あまり助けにならなかったしな。もっと正確な位置を把握できていれば……。 |
ジルファ | 気にするな。お前のおかげで大勢が助かった。俺たちだけでは右往左往していただろう。ここの連中も、皆感謝している。 |
キール | そうか……。力になれたならよかったよ。 |
ジルファ | もてなしができなくてすまんな。まだまだ立て直しの最中なんだ。調査に行く時は、道案内できる者を同行させよう。 |
キール | そうしてもらえると助かる。……ん ? そこに貼ってあるのはなんだ ? |
ジルファ | ああ、こいつか。やらなきゃならんことが山積みなんでな。整理するために書き出してあるんだ。 |
キール | 壁一面、びっしりあるじゃないか。物資の確保、魔物退治に家の修理まで……。 |
ジルファ | もちろん、俺一人で全部やるわけじゃない。手伝ってくれる奴は大勢いるしな。まあ、手が足りない部分は俺が埋めることになるが。 |
キール | 話には聞いていたが本当に周りから頼られているんだな。そういうの、大変じゃないのか ? |
ジルファ | 大変かと言われれば、まぁ楽じゃないな。向いているとも正直思っちゃいない。 |
キール | なら、どうしてそんな役を引き受けるんだ ?ぼくにはとてもできないよ。 |
ジルファ | 大した理由なんてない。ただ、誰かがやらなきゃならないってだけだ。 |
ジルファ | 俺には、続けなきゃならない戦いがあった。そのためには組織が必要で組織には指揮する者が必要だ。 |
ジルファ | やる奴がいなけりゃ、俺がやるしかない。 |
キール | 必要に迫られて、ってことか。ぼくにも少し覚えがあるな……別に嫌じゃないんだが気づけば代表みたいになっていて。 |
ジルファ | 『キール研究室』ってやつだな ?その若さで学者たちを率いてるって聞いたぞ。 |
キール | 率いてるってのは言い過ぎだ。ただ、ぼくが最初に始めただけで……まあ、確かにそう見られることもあるが。 |
キール | 参加してくれる仲間はみんなぼくと同じぐらい優秀だ。別に、ぼくが代表である必要はない……って時々思うんだ。 |
ジルファ | だが、誰も研究室についたお前の名を外そうとは言わないんだろう ? |
キール | ……それはそうだな。リタには未だにバカっぽいと言われるが。なんだかんだでそのままだ。 |
ジルファ | だったら、お前は自分で思うよりそういう役回りに向いているんだ。 |
キール | ぼくが ? うーん、リッドならわかるが……。 |
ジルファ | たとえ望まずに手にした立場だろうと無能な指揮官には、誰もついてきやしない。厳しい戦いの中なら、なおさらだ。 |
ジルファ | ついてくる者がいるということはお前はすでに信頼を得ているってことだ。自信を持っていい。 |
キール | 信頼……か。うん、そうだな。ありがとう、ぼくは少し考えすぎてたみたいだ。 |
ジルファ | おっと、話し込んじまったな。調査の方、頑張ってくれ。何かあったら言えよ。 |
キール | ……いつの間にか相談に乗ってもらってしまった。 |
キール | これが人徳ってものか……。また、そのうち話をしてみるかな。 |
キャラクター | 子供たちにできること |
ヴィクトル | ……子育ての相談をしたい、だと ?私たちにか ? |
ジルファ | ああ、面識もないのに急に呼び出しちまってすまないとは思ってる。だが、鏡映点の中でもこういう話ができる奴は少なくてな。 |
ウィル | まぁ、それはそうだろう……若い者が多いからな。 |
ヴィクトル | 具体的に、何を聞きたいんだ ?答えが得られる保証はないが。 |
ジルファ | 俺は今まで、倅にとっていい父親をしてやれなかった。戦いに明け暮れ、ろくに構ってやれず……。 |
ウィル | ……どことなく、心当たりのある話だな。 |
ジルファ | 親としてもう一度やり直せることになった今俺があいつに何をしてやれるのか改めて考えたんだ。 |
ジルファ | だが、俺一人ではまた同じことを繰り返すんじゃないかと不安でな……。 |
ウィル | なるほど。気持ちはわからんでもない。子育ては迷いや不安の連続だ。 |
ヴィクトル | ……そうだな。妻を失ってからは、特にそうだった。 |
ジルファ | 妻を……そうか、あんたもか。 |
ウィル | どうやら、オレたちには色々と共通点があるようだな。子供にしてやれること……と言っていたか。 |
ジルファ | ああ。今は俺なりに、持てる時間を使って教えられるだけのことを教えている。 |
ジルファ | だが、いくら話をして稽古をつけても次から次へと伝えたいことが増えていく。まるで終わりが見えやしない。 |
ジルファ | お互いの生死もわからなかった頃を思えば贅沢な悩みなんだろうがな……。どうしても、自分が逝った後のことを考えちまう。 |
ヴィクトル | ……我が子のために、己の全てを捧げたいと思う。親とはそういうものだろう。 |
ウィル | だが、子供というのは親が思う以上に日々成長しているものだ。 |
ヴィクトル | ああ。親の方こそ、子から教わることも多い。 |
ジルファ | 確かに、ロウの奴も数年会わないうちに立派になった。俺の想像よりもずっと……。 |
ウィル | つまりだ。オレたちが何か教えてやろうなどと考えている間にも、子供たちは自分で学びとっていく。 |
ウィル | 親がなんでも教えてやれるというのは思い上がりなのかもしれん。あくまで、オレの考えだがな。 |
ジルファ | 思い上がり……か。耳に痛い言葉だ。 |
ジルファ | だが、その通りかもな。あいつには自分の仲間がいて、新しい未来をこの世界で築こうとしている。 |
ジルファ | 俺がすべきことは、余計な口を出すよりもあいつの行く道を応援してやることか……。 |
ヴィクトル | いや、他にもできることはある。その未来を守ることだ。 |
ウィル | もっとも、ロウはさほど保護は必要ないかもしれんがな。それでも、やめられるものじゃあるまい ? |
ジルファ | ……そうだな。鬱陶しがられようと、もしあいつが危険にさらされれば黙って見ていることはできない。 |
ジルファ | まったく、我ながら親馬鹿になっちまったな。だが……それもいいか。 |
キャラクター | 見せたい姿 |
ジルファ | …………。 |
リンウェル | あれ、ジルファ ! ?いつこっちの基地に来てたの ? |
ジルファ | リンウェル、元気そうだな。少しばかり前に着いたところだ。 |
リンウェル | 言ってくれればよかったのに。みんな、会いたがるよ ! |
ジルファ | いや、連絡のために寄っただけなんでな。用も済んだし、すぐに発つ。 |
リンウェル | そっか……。あ ! でもロウならすぐそこにいるよ。今、呼んでくるから―― |
ジルファ | 待て、呼ばなくていい。あいつも忙しくしているんだろう ? |
リンウェル | まあね。最近、特に張り切ってるみたい。 |
ジルファ | 俺も少しばかり様子を見ていた。アルフェンの言った通り、皆に頼られているんだな。 |
ジルファ | その姿を見られただけで、俺は満足だ。あいつの邪魔にはなりたくない。 |
リンウェル | 邪魔なんかじゃないよ !だって、ロウが頑張ってるのは……。 |
ジルファ | のは……なんだ ? |
リンウェル | えーっと……。これは私が言わない方がいいかな。 |
ロウ | ――あれ、親父 ! ? |
ジルファ | ロウ…… ! |
ロウ | 来てんなら言えよな。二人で何話してたんだ ? |
リンウェル | なんでもないよ。ロウは仕事の話、終わったの ? |
ロウ | ああ、それがまた魔物退治の依頼が来ててさ。これから行ってくるぜ。 |
ロウ | ……あ、そうだ。あのさ、親父……このあと時間あるのか ? |
ジルファ | ああ、今日の用事は済んだ。どうした ? |
ロウ | その……せっかくだから、魔物退治に付き合ってくんねえかなって。 |
ジルファ | …… ! |
ロウ | 別に、助けが必要ってわけじゃねえからな !俺一人でも十分だけど、親父も体がなまってんじゃねえかと思ってさ。 |
ロウ | まとめ役なんてやってると、自分で動くより誰かに指示する方が多くなんだろ ?たまには体動かした方がいいぜ。 |
ロウ | ま、そのついでに……ちょっと鍛錬の成果でも見てくんねえかなって。 |
ジルファ | ……わかった。俺も行こう。 |
ロウ | へへっ、そう来なくちゃな。んじゃ、行ってくるぜリンウェル ! |
ジルファ | ……リンウェル。お前が言いかけたこと、俺にもわかったようだ。 |
リンウェル | うん、よかった。二人とも、いってらっしゃい。 |
ジルファ | ああ。あいつの頑張りを見てくることにしよう。 |