プロフィール
レナの領将とダナ人との間に生まれた少女は、常に孤独だった。ただ力だけを求める父親は彼女を家族として見ず、道具のごとく扱った。自由の身となってからもレナとダナ双方に拒絶され続け、どこにも属せずにいた。行き場もなくさすらう少女を初めて受け入れたのは、同じように世界からあぶれた者たちの集まり――彼らは彼女を『仲間』と、『友達』と呼んだ。
ミリーナの一言
ナザミルは本当にとっても可愛いわ ! 照れ屋さんだけど、フルルや動物たちと一緒にいるとすごく自然に笑うのよ。きっと言葉がなくても彼女の優しさが伝わるんでしょうね。私も動物たちに混じって一緒に遊びたいけど、怖がらせちゃいけないわね。でも、不思議とカーリャはすぐに打ち解けたみたい。羨ましいわ。もしかして、カーリャも動物の一種だと思われてるのかしら…… ?
イクスの一言
アルフェンさんたちから紹介された時、ナザミルは最初ずっと黙ってたんだ。まるで俺たちを怖がってるみたいに。でも、そういうわけじゃないらしい。今までアルフェンさんたち以外に友達を作ったことがなくて、新しい出会いに慣れていないそうだ。もしかしたら、辛い出来事があって人との交流を避けてきたのかもしれない。でも今のナザミルは、一歩踏み出せるようになった。俺もこれから少しずつ仲良くなれたらと思うよ。
キャラクター | 描くことの意味 |
---|---|
ナザミル | …………。 |
リトルクイーン | …………。 |
リンウェル | まさか、こんなところで会うなんてね。ソフィたちは何をしてたの ? |
ソフィ | 動物を見にきたんだよ。この森はたくさんいるから。 |
リンウェル | そっか。確かに、ここに来るまでにも色んな動物を見かけたなぁ。 |
ソフィ | リンウェルたちは ? お散歩 ? |
リンウェル | まあ、そんな感じかな。スレイたちにこの辺に面白い遺跡があるって聞いて、見てきたんだ。 |
リトルクイーン | ……あなたは、何をしてるの ? |
ナザミル | ……絵を、描いてる。 |
リトルクイーン | どうして、絵を描くの ? |
ナザミル | え ? どうして…… ?考えたこと、ないけど……。 |
リトルクイーン | ソフィはわかる ?どうして、ヒトが絵を描くのか。 |
ソフィ | どうしてかな。やっぱり楽しいから ? |
リンウェル | 確かに、ナザミルは絵を描く時いつも楽しそうだよね。 |
ナザミル | そう…… ?自分ではわからなかった。 |
ナザミル | ……うん、楽しい……のかも。印象に、残ったものを描く……から。 |
ソフィ | 描いた絵、見てもいい ? |
ナザミル | ……うん。これ、今までに描いた絵……。 |
ソフィ | あ…… ! アルフェンだ。こっちはリンウェルたちだね。みんな笑って……ごはん食べてる。 |
リトルクイーン | ……うん、似てると思う。 |
リンウェル | ナザミルの絵、見てるとなんだか楽しくなるんだよね。その時のこと思い出すっていうかさ。 |
ナザミル | 思い出す……。……あ。 |
ソフィ | どうしたの、ナザミル ? |
ナザミル | 質問の答え。どうして、私が絵を描くのか。 |
ナザミル | 自分が見たもの……感じたこと思い出しながら絵を描くとなんだか、楽しいって思うから……。 |
リトルクイーン | 大事な時間を……記憶に留めるため。 |
リトルクイーン | わたしも……絵を描いてみたい。 |
リンウェル | じゃあ、今度一緒に描いてみたら ? |
ナザミル | うん、そうだね。 |
リンウェル | ふふっ。また新しい友達、できたみたいだね。 |
キャラクター | 父親の影 |
ジルファ | ロウ ! それにアルフェンたちも。暑いとこまでよく来たな。 |
ロウ | 元気そうだな、親父。 |
ナザミル | …………。 |
ジルファ | その子は ?お前たちの連れか ? |
アルフェン | ああ、彼女はナザミル。新しい仲間だ。 |
ジルファ | そうか ! よろしくな、ナザミル。ロウの父親のジルファだ。 |
ナザミル | …… ! |
リンウェル | ナザミル ? どうしたの ? |
ナザミル | ……なんでもない。あの……よろしく。 |
ジルファ | 怖がらせちまったか ?そう畏まらなくていい。取って食いやしない。 |
ロウ | そりゃビビリもするって。声も図体もでかいからな、親父は。 |
ナザミル | あ……ち、違うの !あなたのせいじゃない。少し、昔のことを思い出しただけ。 |
ナザミル | 私の父様は……怖い人だったから。私を見ると、怒鳴ったり、ぶったりしてた。 |
ロウ | …… ! 最低の野郎だな……。 |
シオン | ……初めて聞くわね。無理に話さなくてもいいのよ。 |
ナザミル | 大丈夫。もう、ずっと昔のことだから。 |
ジルファ | ……そうか。すまなかった、でかい声を出して。 |
ナザミル | どうして謝るの ? あなたは悪いことしてない……。 |
ジルファ | 知らなかったとはいえ、お前に嫌なことを思い出させたからな。 |
ジルファ | 気づかないうちに友達を傷つけてしまったらお前もそいつに謝るだろう ? |
ナザミル | 友達……うん。きっと、そうする。ありがとう、ジルファ。 |
ジルファ | そっちこそ礼は不要だ。俺はしばらく野暮用で外すが、自分の家だと思って好きにくつろいでくれ。少々、暑いがな。 |
ナザミル | ……わかった。 |
ナザミル | ロウのお父さん……いい人だね。 |
ロウ | そうかぁ ? あれで結構乱暴だけどな……。……まぁ、悪人じゃないことは保証するぜ。 |
ナザミル | 父親にも、色んな人がいるんだ。私の父様みたいな人だけじゃなくて……。 |
アルフェン | ああ、そうだな。怖い人間もいれば優しい人間もいる。 |
リンウェル | 他の大陸にいるみんなにも、ナザミルのこと紹介したいね。色んな仲間がいるんだ。あ、もちろんナザミルがよければだけど。 |
ナザミル | うん。私……会ってみたい。新しい仲間……新しい友達に。 |
ナザミル | ……初めての気持ち。知らない人に会うのが楽しみ、なんて……。 |